No.454936 IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第十六話2012-07-18 00:12:32 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:4657 閲覧ユーザー数:4369 |
第十六話 久しぶりの海鳴
「管理局も久しぶりだったけど、海鳴も久しぶりだな」
俺は今、海鳴市にいる。
海鳴市はIS学園があるところからそんなに遠くはない。
駅3つぐらい乗れば行ける距離にある。
そのため別にIS学園を休む必要はないのだが。
「えーと、まず翠屋に行くかな、いや逝くかな..........」
最初に面倒なことになりそうなところから早く済ませよう。
歩くこと約20分
「遂に来てしまった..........」
今、俺の眼前には翠屋の看板が立っていた。
「すぅ~..........はぁ~..........よし!逝くか....」
俺は深呼吸をして息を整えてから入り口のドアに手をかける。
そして、戦場への扉を今開けた。
カランコロン
「いらっしゃいませ~、って一夏くんじゃない!」
入って最初に俺を出迎えてくれたのは翠屋のパティシエにしてなのはさんのお母さんにして高町家のヒエラルキーの頂点、高町桃子さんだった。
「お久しぶりです、桃子さん」
桃子さんは相変わらず、三児の母には見えないほど若々しかった。
「ほんと久しぶりね、何ヵ月ぶりかしら。今日はどうしたの?一人で来て?」
「はい、ちょっと仕事で」
ちなみに桃子さんは魔法については知っているので仕事と言理解することは出来る。
「そうなの.......分かったわ」
そう言うと桃子さんは厨房の奥に行き何かを取って戻ってきた。
「はい、どうぞ」
「え?」
差し出されたのはお皿に載った二つのシュークリームだった。
「..........これは?」
「一夏くんが今、学園を休んでまでどういう仕事をしているのかは聞かないわ」
そう言うと桃子さんは笑顔で
「だから、私からの頑張っての気持ちよ」
「桃子さん.........」
俺はシュークリームが二つ載ったお皿を受け取った。
「いただきます」
「召し上がれ」
俺はシュークリームを食べた。
中のクリームが甘さ控えめでとても美味しかった。
流石翠屋の名物だ。
「ごちそうさまさまでした。とても美味しいかったです」
シュークリームを食べ終わり俺は桃子さんにお礼を言った。
「よかったわ、口にあって」
「桃子さんが作ったものが不味いわけないじゃないですか」
桃子さんは料理の達人と言っても過言ではない。
ちなみに俺の料理の師匠は桃子さんである。
千冬姉には美味しいものを食べてもらいたかったので師を仰いだ。
まだまだ桃子さんには程遠いが。
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。でも..........そう言うことはなのはに言って欲しいわね..........」
桃子さんは後半ゴニョゴニョ言ってよく聞こえなかった。
カランコロンと店の扉が開く音がした。
「ただいま~って一夏くん!?」
すると突然声を上げて入ってきたのは美由紀さんだった。
美由紀さんは桃子さんの娘で、なのはさんのお姉さんだ。
そして今思ったんだか高町家は化け物か!?
士朗さんやあのシスコンを入れても全員若い。
しかも全員綺麗(桃子さん)だったり、可愛かった(なのはさんに美由紀さん)り、かっこよかった(士朗さんにシスコ_____恭也さん)り。
あれですか?某戦闘民族見たいに若々しさが長期に渡って保たれるって言うあれですか?
「久しぶりです。美由紀さん」
「ほんと久しぶりだね、元気だった?」
「はい、元気でしたよ。美由紀さんの方こそ元気で良かったです」
まあ、IS学園に居ると疲労だったりも感じるんだけど。
「それにしても一夏くんがIS学園に入ったのをテレビで見てビックリしたよ」
「ほんと、みんなでテレビを見てたときにいきなり一夏くんが映ったから驚いたわ」
美由紀さんと桃子さんは共通してビックリしたと言った。
「..........でも、そうなるとなのはがちょっとピンチと言うか..........」
「..........そうね、IS学園って一夏くん以外全員女の子だから不味いわね..........」
二人はボソボソと会話をしていたが俺には全く聞こえなかった。
「あ、そうだ、士朗さんや恭也さんにも挨拶をしたいんですが..........」
士朗さんは俺の修行ですごくお世話になったので、恭也さんは..........うん、挨拶しないとね。
「士朗さんだったら今は道場の方にいるわ」
「恭ちゃんは忍さん家に行ってるよ」
なるほど、それなら最初に士朗さんの所に行くか。恭也さんの所は好都合ですずかさんの所にも挨拶出来るな。
「それじゃあ、士朗さんの所に挨拶してきますね」
そう言って俺は士朗さんのいる道場へ向かった。
「お久しぶりです、士朗さん」
道場に入ると道具の手入れをしている士朗さんを見つけ挨拶をする。
「一夏くんじゃないか!久しぶりだね」
士朗さんは道具の手入れを止め俺の方を見て言った。
士朗さんは翠屋の店主にして『小太刀二刀御神流』の使い手にして、師範代、そして俺の三人いる剣の師匠の内の一人である。
剣の腕は千冬姉と互角に戦えるぐらい強い。
去年の修行はヤバかった。
まあ、修行の件はおいおい。
「それにしてもどうしたんだい、いきなり来て。IS学園の方に通っているんじゃなかったっけ?」
「はい、ちょっと仕事でですね........」
俺は桃子さんに言った事と同じことを言う。
士朗さんも同じで魔法のことを知っているので桃子さんと同じようにこれだけで通じる。
「なるほどね..........まあ、あえては聞かないよ」
桃子さんに士朗さんはこう言うところで気を使ってくれるのでありがたい。
士朗さんはそう言うと俺を見据えて、
「一夏くん、その様子を見ると腕は鈍っていないみたいだね」
「はい、毎日剣は振っているので」
俺がそう言うと士朗さんは木刀を持って
「どうだい?一戦するかい?」
そう笑いかけてきた。
「いや、ここじゃあ戦えませんよ」
文字通りの意味でここでは戦えない。
主に場所的な意味で。
「それもそうだね。また今度にしようか」
束ちゃんに頼んでみるかと付け足して。
ちなみに束さん、高町家の人には心を開いている。
なのはさん以外に。
何故だか知らないがなのはさんと束さんは仲が悪い。
もう相性最悪と言っていいくらいに。
声が似ているからか?
似ているというより同じにしか聞こえないが。
まあ、この件もおいおい。
「そうだ、手入れ手伝いますよ」
「あ、悪いね。それなら頼むよ」
そう言うと俺と士朗さんは道具の手入れを始めた。
現在、俺は月村家の前にいる。
あのあと一時間程かけて手入れを終わらせ、士朗さん達にお茶をご馳走になったあと月村家に向かったのである。
「しかし、でかいな」
すずかさんの家は豪邸でかなり大きい。
アリサさんの家も同じくらい大きい。
俺の家の三、いや五倍以上あるな。
「あ、一夏さんじゃないですか!?」
そう声を上げて来たのは両手に買い物袋を持ったファリンさんだった。
フルネームをファリン・綺道・エーアリヒカイトと言う。
月村家のメイドで姉に月村家のメイド長ノエル・綺道・エーアリヒカイトを持つ。
性格はちょっとおっちょこちょいな所もあるが基本的には良くできたメイドである。
「久しぶりです、ファリンさん」
「お久しぶりです、一夏さん。あれ?でもたしかIS学園の方に通っているんではありませんでしたっけ?」
ファリンさんは首を傾げて言った。
「ちょっと仕事でですね」
士朗さんや桃子さんと同じように言う。
ファリンさんを含め月村の家の人とバニングスの家の人は魔法を知っているのでこれで通じる。
「仕事..........あ!ようこそいらっしゃいました」
そう言ってファリンさんは一礼をしてくる。
「そんなにかしこまらなくてもいいですよ。あと荷物俺も持ちますよ」
俺はファリンさんから買い物袋を取り、持った。
「すいません、お客様にこのようなことをさせてしまって.......」
ファリンさんはちょっと下を向いていた。
「別にいいですよ、俺が持ちたくて持ったんですから」
そう言いながら俺とファリンさんは歩き始めた。
「ありがとうございます..........って、そうでした!一夏さん!早くこちらに!」
ファリンさんは何かを思いだしたのか、俺にそう言ってきた。
「ん?どうし________」
その瞬間ファリンさんは俺の腕を引っ張って月村邸に突撃して行った。
「ちょっ、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少年の叫び声が月村邸の辺りを響きわたっていた。
Tweet |
|
|
3
|
3
|
追加するフォルダを選択
もし、一夏が管理局最強魔導師と呼ばれていたらのifの物語。