No.454354 IS<白き天使と赤の騎士>十河さん 2012-07-16 22:45:30 投稿 / 全6ページ 総閲覧数:4134 閲覧ユーザー数:3766 |
管制室
一夏、鈴、セシリア、箒の四人がここにいた。
そして千冬も真耶もここにいた。
芽衣は治療のためここにいない。
「さて、今から事情聴取を行う。」
腕を組んで居た千冬がそう言うと、管制室全体に緊張が走る。
「まず篠ノ之、お前はゲートが封鎖されている中で中継室に乱入、現場を混乱させた。何故そんな事をした?
千冬の言葉に箒は静かに言った。
「・・あれがあの時の私にできる事だったんです。」
そう言うと、箒は続けて言った。
「あの時の行動は専用機を持っていない私に唯一できる事はただ一つ、一夏を応援する事だったんです。確かに危ない場面はありましたが誰一人も死なずに事態を収拾することが出来たじゃないですか。」
(こいつ・・。)
自身がやったことを全く悪く思っていない箒の言葉に一夏は反論しようとすると、管制室のドアから声がした。
「なるほど。君は一夏くんを応援するためにあらゆる人を犠牲に出来るんだ。現に芽衣くんは命をかけたのに。」
中に入ってきたのは左腕を吊るしている芽衣とレベッカだった。
「芽衣、あんた大丈夫なの?」
「うん、レベッカさんの処置がよかったからあとは残らないって。二週間で包帯が取れるってさ。」
「よかったですわ・・。」
レベッカの的確な治療により短期間で済むとわかりセシリアはホッと一息つく。
芽衣は普段の温厚な雰囲気から考えられないくらい冷たい空気を纏いながら箒を見る。
「君は何をしたのかわかってるのかな?あの青のISのビームキャノンを見てなかったの?もしあそこで僕が間に入らなかったら君や先生方たちが死んでいたんだよ?もし死んでしまったら君は先生方や中継室にいた方々の家族にどう言うつもりだったの?」
「そ、それは・・だが結果的に誰も死ななかったからいいではないか。」
あくまで誰も死ななかったからいいと言い張る箒に芽衣は包帯を巻かれた左腕を見せる。
「君が一夏の応援という現場を混乱させる妨害が無ければこの腕もこんな風にならなかったんだよ?それなのに誰も死ななかったからよかった?・・ふざけないでもらいたいね。」
「・・・!?」
芽衣の冷徹な目が箒を捉え、箒は体を震わせる。
「一夏への応援っていうくだらない理由で他人の命を粗末にできるのはある意味尊敬に値するよ。」
芽衣はそう言って話を終えると同時に元の温厚な雰囲気に戻す。
「篠ノ之さん、貴女が行なった行動や先ほどの発言を含めて、しばらくの自室での謹慎処分、反省文提出とします。」
「・・はい。」
事情聴取を終えた一夏たちは部屋へ戻る。
一夏の部屋
「・・・。(カリカリカリ)」
「・・なあ、一夏。」
宿題をしている一夏に声をかける箒。
声を聞いて一夏はペンを走らせるのを止める。
「・・何だ。」
「お前も、私のやったことが間違いだと思うか?」
「・・俺はお前から声援をもらうほど落ちぶれてはいないし、お前が応援するのは勝手だが他人を巻き込むな。あの場面では余計な事でしかなかった。・・それにISは兵器だ。その気になればあのISの様に人を殺すことだって容易になる。結果、お前は殺人を助長する手伝いをしていた。少しは周りを見るようにしろ。(芽衣もゼロが見せてくれた未来を見たはずだ。・・同じ未来を見ているはず。)」
「う、すまなかった・・。」
箒の顔を見ないで答えた一夏に謝る箒。
一夏はゼロシステムで箒が中継室にいてもあの場を離れずにツインバスターライフルを撃つ未来を見た。
爆風に巻き込まれ、吹き飛ばされて全身打撲で動けない人や二度と帰らぬ人もいた。
芽衣の部屋
芽衣はシャワーを浴びて体を拭いていた。
やはり火傷の後が染みるようで端正な顔立ちを歪める。
「いてて、やっぱり染みるな・・。(ゼロが見せてくれた未来・・。たぶん一夏も中継室にいた人たちを無視してヴァイエイトを攻撃するという未来だったはず・・。)」
「芽衣くん、大丈夫?」
「うん、少し染みるだけだから。」
芽衣もゼロシステムでビームキャノンを構えているヴァイエイトの背後から最大出力のビームソードで中継室ごとヴァイエイトを切る未来を見た。
ビームソードで全てを真っ二つにして跡形も残らない中継室だった部屋着を見た。
翌日
「今日は転校生が二人来ています。では、デュノアさんからお願いしますね。」
一人は芽衣の恋人でもう一人は銀髪で眼帯をしている。
「えっと、シャルロット・デュノアです。いろいろあって転入が遅れましたが皆さんと仲よく出来ればと思います。」
シャルの自己紹介が終わると周りからパチパチと拍手が起こる。
次の銀髪少女を見るが一向に自己紹介する気配がない。
見かねた千冬が少女に促す。
「挨拶をしろ、ラウラ。」
「はい、教官。」
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ。」
「了解しました。」
綺麗な敬礼をすると自己紹介を始めた。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
「そ、それだけ?」
「以上だ。」
「「「・・・。」」」
またもや静まり返るクラス。
「・・・!?貴様が・・!」
そしてラウラは一夏を見つけ、手を振り上げる。
するとラウラの体が動かなくなった。
「くっ、何だこれは!なぜ私の体が動かない!」
芽衣は頭の鈴を人差し指と中指の間で持ち、立ち上がって言った。
「鉉呪縛。僕が解除しない限り君は指一本動かすことは出来ない。」
「き、貴様が最後の絃使い・・!」
「まさか君に会うなんてね。違法研究所を破壊した時以来かな。」
芽衣は絃を使ってラウラの動きを止めた。
芽衣はクリスたちと共に違法研究所を破壊する際、援護要請を受けてやってきたラウラたち・シュバルツェア・ハーゼと対峙。
何の研究をしていたのかを知らされていなかったラウラたちはクリスたちと戦闘。
結果シュバルツェア・ハーゼの敗北という形になった。
「そんな・・。」
「信じられない・・。」
「あの二人、生身なのに何で戦えるの・・?」
隊員たちは信じられなかった。
自分はISを纏っていたのにも関わらず、生身のクリスたちに完敗したことを。
クリスは肉弾戦、芽衣は絃で相手を翻弄した。
「やるな、芽衣。絃でISを翻弄するとは。」
「クリスさんこそ。数々の死線を潜り抜けただけの事はありますね。」
「ウェスカーとかに比べたらISはまだ可愛いものだ。」
「あ~・・納得です。」
クリスやジルはIS以上の化け物(BOW、アレクシア、ウェスカー等)を相手に戦ってきたのでISは可愛いものだという。
その際に警備していてクリスたちが保護した女子・マドカは今ウイングの操者としてBSAA本部所属でレオンの部下として動いている。
一夏は千冬を睨みながら立ち上がる。
「織斑先生、困りますよ。教え子に満足に躾をしていないとは駄目じゃないですか。まさかあなたは俺を殴れと命令したんじゃないですか?じゃなきゃ生徒が目の前で暴行しようとしているのを見ているだけなんてできるはずありませんからね。」
「それにあなたの言うことは必ず聞くみたいだ。あなたは彼女に戦いばかりを教えて代表候補生としての心得とか一般教養を全く教えてないんですか?彼女、前のセシリアみたいに彼女の言葉や言動がその国の言動だという事をわかってませんよね。」
一夏と芽衣の皮肉に千冬は返す言葉は無く、何も喋れない。
「・・ボーデヴィッヒ、手を下ろして席に着け。」
辛うじて絞り出した声がこれだった。
芽衣は鉉呪縛を解除、ラウラは席に向かう途中、一夏と芽衣を睨み付け・・。
「認めない・・!お前が教官の弟であることを!」
「認めなくて結構だ。俺は家族より栄光を取った姉を許さないし、栄光を取った事で俺がどんな目にあったのかを知らず、家族であるはずの弟に自分は今何をしているのかを教えないでここで教鞭を取っている奴の弟でいたくもない。」
「・・・!」
千冬は一夏の言葉に反論したかったが何も言えなかった。
休み時間
シャルが顔を赤くしながら芽衣の席にやってきた。
「め、芽衣。久しぶりだね///」
「う、うん。シャルはお母さんに似てキレイで可愛くなったよ///」
「芽衣も、お父さんの凛々しさとお母さんの可憐さを併せ持っているよ///」
どこか初々しい雰囲気を出しながらシャルと芽衣は話をする。
それを見ていた女子の一人が一夏に声をかける。
「ねえ、天海くんと転校生の関係ってどんなの?」
「芽衣が前に言っていた砂漠の王子様があいつだ。あいつの母親はアラブ方面の生まれらしい。」
このあとソニックウェーブが発生したのはいうまでもない・・。
セシリアはガーン(|| ゜Д゜)となった。
処分は謹慎と反省文。
クリスはIS相手でも立ち向かえます。
IS以上の化け物を相手にしていましたから。
芽衣も絃で動きを封じ込めたりできます。
そして初々しい芽衣×シャル。
それでもエッチは済ませてますよ。
アリスは簪のいる四組に編入。
持ち前の明るさでクラスメイトと打ち解けました。
感想待ってます!
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事後。
二人の転校生。
六話・・http://www.tinami.com/view/453109
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