……あの人が消えた。
今まで男性と付き合う事が無かった私が、初めて好きになった男の人……
ずっと傍に居て、私に優しい笑顔を見せてくれた人……
初めて口付けをした大好きな人……
その人が、今目の前で消えた。
……私ではない、他の女と一緒に……
あの時、大勢の中からあの人が選んだのが、私以外の女……
……どうして?
私は、あなたの事を一番思っているのに……どうして他の女を選ぶのですか?
……どうして?
ドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテ…………
そう思っていると、私の体が光り始めた。
……恨みたい……
でも私は、大好きなあの人の事は恨みません。
……恨むのは、大好きなあの人を私から奪っていった女だ……
あの人を愛していいのは、私だけ……
他の女なんて、必要ない。
そう言えば、ある人がこんな事を言っていた。
『世界がひとつとは限らないの……世界って言うのは似たような世界を含めて、幾つも成り立っているのよ。』
つまり、此処だけで無く他の世界でも、私の大好きなあの人が他の女に奪われているかもしれない……
……………………
……………
………
……憎い
ニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ…………
……そんな事、許さない。
……私は、もうこの世界から消える……
……もしかしたら、今の私のように、大好きなあの人に選ばれなかった私が居るかもしれない。
……嫌だ。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ…………
……その多くの世界での私達も、私のように他の女の事を恨みたいと願うだろう。
……私は願いたい……
あの人に、もう一度会いたい……
あの人の声を、もう一度聴きたい……
あの人の、笑顔をもう一度見たい……
あの人と、結ばれたい……
そして……
私から、あの人を……『北郷一刀様』を奪った全ての女に復讐をしたい……
それが、私……
……『朱里』の願いです。
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皆様、初めまして。
マットと申します。
この小説は、にじファンの方で投稿をさせていただいていた小説となります。(知っている人はいるかも?)
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