No.454002

ガリア王宮日誌1 - 王家の事と周辺国動向 -

ましさん

ジョセフがサイト召喚。
シャルルは親バカで伝統に喧嘩を売って王位を棒に振る。

2012-07-16 12:05:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3475   閲覧ユーザー数:3351

ある日のプチ・トロワの一室。

 

 

 

「えーっと。ジョゼフ陛下?

 それから、シャルル閣下?

 今俺が置かれている状況をを簡潔に説明頂けますか?」

「む?なにか難しいことでもあるのかサイト?」

「これ以上無いほどに解りやすいと思うのだけどね?」

不思議なものを見る目つきの二人に才人は反論する。

「いえ、睡眠薬で眠らされた上、目が覚めたら

 四方からイザベラとシャルロットとジョゼットとエルザに

 それぞれ手足を掴まれて力ずくで引っ張られようとしている。

 これのどこがわかりやすいと?」

「サイト争奪戦だが何か?」

「君が中々煮え切らないから、彼女たちに選んでもらおうと思ってね。実力で。

 勝った者がサイトの恋人だね」

「いや、なんで大岡裁きの子争いですか!?

 大体、恋人って何です!この子達は妹みたいなもので……

 ……ぎいいいいぃぃぃぃやああああぁぁぁぁ!!!!」

 

朴念仁の心無い発言に怒れる恋乙女達の折檻が発動する。

 

「私の純真を何だと思ってるんだい!」

「唐変木……」

「お兄様…いいえサイト酷いわ!」

「ふうん。私のことそんな風に思ってたんだぁ…」

水魔法で肉体強化したイザベラに吹っ飛ばされる。

トライアングルスペルでシャルロットに吹っ飛ばされる。

エクスプロージョンでジョゼットに吹っ飛ばされる。

精霊魔法でエルザに吹っ飛ばされる。

「「「「ばかああああぁぁぁぁーーーーっっっっ!!!!」」」」

 

「サイトよ。生きているか?」

返事が無いただの屍のようだ。

「ははは。可愛い娘たちを誑かす悪は滅びたようだね」

屈託無く笑うシャルル。

「討伐するはずの吸血鬼にまで手を出した犬には相応しい最期だな」

したり顔でうなづくジョゼフ。

「ところで兄さん。いえ陛下。

トリスティンのアンリエッタ女王。

アルビオンのティファニア女王。

ロマリアの聖女ルイズからそれぞれサイトの

引渡し要請がまた来ておりますが?」

「宰相の良き様に処理せよ」

「かしこまりました。いつものようにはぐらかしておきます」

 ……それにしても、何で皆あんな犬がいいのかなぁ」

「さあな。俺にはわからんよ」

 

ガリア王宮の日常風景であった。

 

ガリアの兄弟が何事かを相談した後に、

ロマリアからヴィットーリオとジュリオの姿がいつの間にか消え、

大陸浮上問題もエルフとの契約により精霊魔法で、風石の大深度地下掘削が可能となった現在。

王宮で多少馬鹿騒ぎがあろうとハルケギニアの平穏は揺るがなかった。

 

「アンリエッタ様。寝室に禁制の水の秘薬を用意しないで頂きたい」

「だってサイト殿に味わってもらいたくて」

頬を赤める女王の返事に最近太り始めたマザリーニがため息を吐く。

 

「陛下。いやテファ。何で部屋に首輪があるんだい?」

「だってサイトを離したくないんだもの。

それにサイトに良く似合うと思うのよ、姉さん」

右手にルーン刻んだ女官に恥ずかしげに答える女王。

 

「ルイズ様。特注の鞭と縄が届きました」

「ご苦労様シエスタ。サイトの肌に良く馴染みそうだわ。うふふ」

左手にルーンを刻んだメイドに労いの言葉をかける聖女。

 

他国の君主が作家ヤン・デ・レの影響を受けた今、

サイトの身の安全はジョゼフによって守られていた。

 

 

 

※ヤン・デ・レ(5533〜5600)

 ガリアの悲劇作家。恋愛作家として知られるツン・デ・レの孫であり、

 ガリア陸軍の将軍であったジル・ド・レの子。

 出典「コンキリエ枢機卿の優雅な生活」

 

 

「魔(メイジ)☆おぜうさん」もおすすめ。


 
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