No.453117

青いチビの使い魔 第6話

だしィーさん

すっかり忘れていた各キャラの簡易説明をのせるよ

主人公・日向キキ
NARUTOの世界に転生し、タバサに召喚された本作の主人公。一応は真面目だが、結構マイペースな所があり、好きな事には労力は惜しまないが、関心がない物にはとことんルーズになる。対話・会話が少々苦手。

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2012-07-15 02:08:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5275   閲覧ユーザー数:5050

キキSide

 

俺は気配を消し、音を立てずに弾が飛んできた方へと向かう。するとそこには壊れた馬車と一匹の傷ついた青い竜。さらに銃らしきものを持ったガラの悪い男共に若い女の人達。・・・・・・・あ~、大体理解できたわぁ。

 

「この竜・・・、突然現れやがって・・・、いったいなんだっていうんだ?」「誰かがこの竜に女になる魔法でもかけたんだろうさ」「とにかく、仕事の邪魔だからやっちまおうぜ」

 

俺は気配も音も立てないまま男共に近づき、

 

「人攫いはいかんだろ?」

 

「は?・・・ぶっ!?」

 

振り返ったバカ面を殴った。殴られた男は吹っ飛び木にぶつかり気を失い、さらに俺は近くにいる呆け顔の二人にも拳を叩き込み意識を奪う。

 

「な、なんだ!?」「テ、テメェー! どこから現れやがった!」「とにかく敵だ!やっちまえっ」

 

わらわらと周りの男共が武器を構えて寄ってくる。わぁ、面倒臭いな~。

 

「まあ、皆さん。一旦落ち着こう。ここは俺にボコボコにされるか、それともフルボッコにされるか、半殺しにされるか、ね?」

 

「ふ、ふ、ふざけんじゃねぇ!!」「今から殺されんのはてめぇのほうだ!」「なめたこといってんじゃねーぞ!コラァ!!」

 

俺の暴言に男共は次々に騒ぎ叫ぶ。まあ、当たり間だよな。俺も同じこと言われたらイラッとくるもん。

 

「あんたら落ち着きな。」

 

「あ、あねご。」「すいません。」

 

男共が今まさに怒りに任せて襲い掛かってこようとした時、壊れた馬車の後ろからいかにも〝私こいつらのリーダーです〟的な女の人が出てきて男共を落ち着かせた。ちっ、余計な事を。

 

「ふん、だらしないねぇ。で、あんた、一体何者だい?」

 

リーダー女は俺に対し杖を見せつけ威圧感を与えてくる。俗に言う、『私、メイジだぜ。ほらほらビビれやボケェ~』ってことですね。・・・・・・・RPGみたい。まあ、いいや。

 

「通りすがりの者です」

 

「はぁ?何言ってんだいあんた?頭のおかしいヤツか?」

 

頭がおかしいとか、悲しいこと言うなよ。性格がおかしいって言えよ。

 

「おねーさん酷いな~」

 

「まあ、あんたが何者だってかまいやしないよ」

 

「ん?そうなのか」

 

「ああ。だって、あんたはここで死ぬんだからね!」

 

そう言ってリーダー女は杖を振るい、空気の塊の様な物を飛ばしてきた。俺はそれを横に飛んで回避した。

 

「お前たち何やってんだい!奴に攻撃するんだよ」

 

「へ、へい!」「銃持ってる奴はとにかく撃てー!」「やっちまえ!」

 

他の奴等もリーダー女に言われて俺に攻撃をし始める。が、俺は悠々と全ての攻撃を避け、尚且つ素早く敵に近づいていき、攻撃を叩き込む。頭部・腹部を殴り昏倒させたり、手足をへし折り動けなくする等々。

 

「いい気にんってんじゃ無いよ!ウインドカッター!」

 

女が杖を振り魔法を放つが、俺は変わり身の術を使い近くの男と入れ替わる。そして当然女の魔法は入れ替わった男に当たり倒れる。

 

「ぐあぁ!!」「な、なんだぁ?」「いきなり入れ替わったぞ?」「あいつもメイジなのか!?」

 

俺は混乱している敵に容赦なく攻撃を当て昏倒させる。そして、

 

「で、あんたが最後」

 

「ぬあっ!」

 

女の背後を取り、俺は頭部に一撃を与えて昏倒させた。

その後、他にも敵がいないか気配を探り、いないと確信してから俺は縛られている女性達に近づき、手足を縛っている縄をクナイで切っていく。

 

「えっと・・・。あ、あいがとうございます」

 

「いえいえ、たまたま偶然奇跡的に近くにいただけですから」

 

「それでも、お礼を言わせてください」

 

と、縄を解いていくだびに、女性達からお礼を言われる。うん、とてもいい気分だ。そして、全員の縄をといて、

 

「よし、今度から攫われない様に気をつけて暮らせよ。」

 

適当にそう言って、女性たちを解散させた。でだ、

 

「傷は大丈夫なのか?」

 

俺は青い竜を向き、傷を見る

 

「きゅい。これくらい舐めれば治るのね。それよりも助けてくれてありがとうなのね!何かお礼をしたいのね。きゅいきゅい」

 

おお~。なんて律儀な生き物なんだ。でも、

 

「別にお礼とか要らないね~」

 

「そんな事言わないでほしいのね。それに貴方には食べ物をくれたお礼もあるのね!」

 

・・・? ・・・・あぁ~、そういえば。でもあれは奪ったに近いものがあるぞ。って言うか俺は人間姿のお前には合っているが、竜の姿のお前には合ってない事に気づいてないのか? 指摘してやるか。

 

「・・・俺は青髪の少女に食べ物を渡した覚えはあるが、喋る竜にあげた覚えはないぞ。」

 

「きゅい!! それは私なのね!」

 

簡単に言っていいのか、それ?

 

「・・・・えーっと、それは人間に変身してたってことか?それとも今は竜に変身してるのか?」

 

もう、めんどいなぁ。

 

「この姿が本来の私なのね!私は由緒正しい風韻竜で、あの姿は精霊魔法で変身してたのね。」

 

「あははははははは、なぁそれって喋ってもいい事なのか?」

 

「・・・・・・きゅい!? あわわわ、ホ、ホントは私は人間でこの姿は偽者なのね!さ、さっき言ったことは冗談なのね!」

 

「いや、無理があるって」

 

「きゅいっ!?」

 

こいつは何がしたいんだ?・・・あ、お礼がしたいんだったな。

 

「まあ、おまえが竜か人間かなんてどうでもいいんだけど」

 

「私はよくないのね!どうしよー、おじーちゃんに怒られるのね・・・」

 

「あ~、そんな顔をするな。誰にも言わないから」

 

「きゅい!?ホントなのね?嘘じゃないのね?絶対なのね?」

 

俺の言葉にまくし立ててくるバカ竜。俺はそれに適当に返事を返していく。ああ、面倒臭い。そして早く帰りたい。

 

「言わん言わん。んじゃ、俺、帰るから」

 

「ちょっと待つのね!お礼をまだしてないのね!」

 

話の流れがおかしい!? なんて言うか、相当な無理矢理感があるぞ。・・・うーん。これは、こいつにお礼をさせないと帰してくれなさそうだな~。

 

「・・・・・・はぁ~。それじゃあさ、俺を運んでくれ。目的地は指示するから」

 

「わかったのね! じゃあ、背中に乗るのね」

 

竜は背中を向け、俺はその背に乗り学院へと戻る。とりあえず学院の近くの森にこいつを誘導して降りる。

 

「よっと。ありがとな。んじゃ、またな」

 

俺はそう言って竜に手を振り、タバサの部屋へ戻ろうとしたが、

 

「ちょ、ちょっと待つのね! たったコレだけじゃ助けてもらった分のお礼に全然なってないのね!それに、食べ物をくれたお礼も、私の事を黙ってくれるお礼も出来てないのね!きゅい」

 

「・・・・・・・・マジかぁ。そう来たか~」

 

俺は頭を抱えた。フラグを立てないように人攫い連中との戦闘で忍術使わなかったり、あえて自己紹介をしないようにしたり、こちらの話をしないようにしたり、ルーンの封印も一旦保留にしたのに。どうする? ・・・・・・・・・・・・・・・・・まあいいや。嫌って訳でもないし、仲間フラグ立てても別に困ることなんて無いしな。いや、むしろ便利な移動手段が手に入ってラッキーってことで。

 

「わかった。とりあえず、俺の主人連れて来るから待ってろ」

 

「なんでなのね?」

 

「まあ、色々都合とかがあるんだよ」

 

「きゅい?」

 

俺はトンッと竜の体に触れてマーキングをした後、飛雷神の術を使い出かける前にマーキングしていたタバサの部屋へとい移動した。

 

 

 

 

 

 タバサSide

 

私が部屋で本を読んでいると突如背後に人の気配を感じた。私は殆んど反射的に杖を持ち、背後へと振り向き様に杖でその気配に対して思い切り振るった。が、振るった杖はパシッと軽い音を立てて、あっさりと気配の人物に受け止められてしまった。そしてその人物は、

 

「ただいま~」

 

と、彼・・・キキは暢気な声でそう言った。彼は人の背後に立ちたがる癖でもあるのだろうか?私は彼を非難の目で睨んだが、

 

「睨むな睨むなって。後で文句は聞くからさ、悪いんだけどちょっと来てくれないか?」

 

彼は一方的に言うと、返答を待たずに私の肩に手を置いた。そして彼は、もう片方の手を自分の顔の前に持っていき、

 

「????」

 

次の瞬間、気づいたらキキと共に私は外にいた。一体何が・・・・。

 

「きゅい!? いきなり消えたと思ったら、いきなり現れたのね!?」

 

私が混乱していると、背後から大きな声が聞こえた。その声に振り返るとそこには青い鱗の竜がいた。

 

「・・・・・・・説明」

 

色々いきなり過ぎて、私は思考が追いつかなくなってしまい、キキに説明を求めた。その際、多少不機嫌な声になってしまったのはしょうがないことだと思う。

 

「まあまあ、そんな怖い声を出すなって。えっとだな・・・」

 

キキは街でのことから、森であったこと、そしてこの竜がここにいる理由を説明した。キキの説明を聞いて私はとある疑問が上がった。

 

「で、説明終わり。質問は?」

 

「貴方の話を聞くとその竜が喋ったり変身したりする事になる」

 

と言うか、さっき喋っていた。そんな事が出来る竜と言ったら絶滅した韻竜ぐらいだが、

 

「ああ、こいつ韻竜ってヤツらしいから、そのおかげだろ?」

 

「きゅい!?ちょっと!秘密にしてくれるって言ってたのに、なんで話すのね!?嘘つきなのね!」

 

「まぁこんな感じで少々アレだが」

 

ホントに韻竜だった、確かによく観察すると目の色や鱗が普通の風竜とは違う。バカっぽいけど。

 

「わかった。それでこの竜はどうするの?」

 

韻竜は絶滅されたと思われているから他人に見つかりでもしたら大騒ぎになる。できればソレは避けたいところなのだが、その相談だったのだろうか?

 

「こいつをお前の使い魔代理にしようと思う、っと言う事で今日からこいつがお前のご主人様な。」

 

「きゅい!? 待つのね! どういう事なのね! なんで私がこんなチビ助の使い魔にならなきゃいけないのね! なにより、私の事は誰にも言わないって言ってたのに教えちゃうなんて酷いのね! そんな嘘つき人間にお礼なんかしないのね」

 

私がキキから話を聞いていたら韻竜が大声を出してきた。どうもキキに対し韻竜は怒っているみたいで、キキはそんな韻竜に近づいて話しかけ始めた。

 

「まあ~落ち着けって。そうだな~、いいか。まずな・・・・」

 

キキの話の内容は、詐欺師が喋っているような曖昧で、不明瞭で、屁理屈ばかりで、そして何故かそれが正しいように聞こえるものだった。そして、

 

「わかったのね! この私が。この偉大なる風韻竜のイルククゥがそこのチビ助のために使い魔の代理になってやるのね。お兄様と私に感謝するのねチビ助!」

 

・・・・・・・・とても納得の出来ない形で落ち着いてしまった。しかもキキをお兄様と呼んでいる。私はこの竜を使い魔代理にするとは一言も言っていないのに、決定したというように話を進めるのはどうかと思う。キキが風韻竜をたぶらかしてから私の方を向く。

 

「タバサ」

 

「なに」

 

「もう、面倒だからペット感覚で飼っちゃえばいいよ」

 

説得でもなんでもなかった。キキは話術が効く相手にしか説得をしないみたいだ。

 

「世話はどうするの?」

 

「他の奴等の使い魔と一緒にしとけば勝手に使用人さん達が世話してくれるだろ~」

 

・・・自分で拾ってきたくせに他人任せとはどうだろうか? しかし、かといって自分で世話できるかといえば無理なのも事実だし、しょうがないか。

 

「わかった。この子の事は私が先生に言っておく。今日は貴方がその子を世話をして」

 

「ああ、何とかしとく」

 

その後、私たちは改めて互いをちゃんと自己紹介しあった。そして私はイルククゥのことを伝えるために学院の職員部屋に行く。もちろん韻竜であることは黙っているが。そうだ、イルククゥと言う名前は少々独特だから何とかしないといけないな。新しい名前はどんなのが良いだろう?

 


 
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