No.452256

DIGIMON‐Bake 1章 12話  晴れの日の空/13話 そこに居るべきモノ

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12話  晴れの日の空/13話 そこに居るべきモノ
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2012-07-13 21:15:59 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1377   閲覧ユーザー数:1375

12話 晴れの日の空

 

 

 今日の天気は快晴。まるで出かけろ、と言わんばかりに雲ひとつない空で日差しが良く当たる。

 

 

「はぁぁ……」

 

 

 頭にレオルモンを乗せ、大きく欠伸をした深はジュースの入ったトートバッグを片手に澪との待合場所にゆっくりのペースで歩いている。深は時計をしていない為、自己の感覚で時間を計る事となったレオルモンがあまりの歩みの遅さに口を開いた。

 

 

「時間に間に合うのか?」

 

「え? 別に間に合うんじ」

 

「合わないだろう」

 

 

 深の言葉を最後まで聞かずして遮ったレオルモン。さして時間を気にせず呑気に歩く深とかなり時間を気にして急かすレオルモンの二人の性格は全くと言っていいほど真逆だ。そして最近レオルモンは深の扱い方を少し分かってきたらしい。

 

 

「早く行かないと寝る時間も減るんじゃないのか?」

 

 

 山の上でゆっくり寝たいのなら早く行け、という事だ。それ自体に全く関係がなくても適当に寝る事に話を繋げれば深はどことなくやろうとする様子がみられる。こんな感じでレオルモンの脳内データは日々更新されていくのだった。

 

 何とか時間ギリギリに待ち合わせ場所に着くと、澪とドラコモンは既にそこにいた。時間前に着いた深を見て、澪は物珍しそうな顔をしている。

 

 

「珍しい事もあるんだね」

 

「は? いやぁ、レオルモンが時間時間ってうるさかったから」

 

 

(成程、レオルモンは真面目なのか)

 

(うるさいと言われるほど言ってないのだが……)

 

(ロードナイトモンといい、相変わらずの世話焼きだな)

 

 

 そんなこんなで4人の小さな遠足が始まった。人気のない場所を探して山の中の広場を目指す訳だが、登り始めて早くも深がフワフワし出した。歩いてはいるが頭はフワフワしている様子だ。

 

 

「寝るな深!」

 

 

  頭から降りて歩いていたレオルモンが寝させてはたまるかと深の頭の上に舞い戻る。

 

 

「わ、わかった。分かったから」

 

 頭をグラグラと揺らされ深はレオルモンを剥がそうとする。しかしレオルモンが頭から離れた瞬間、深のデジヴァイスが光り深はパタンと目蓋を閉じてしまった。

 

 

「……」

 

 

 デジヴァイスの光によりレオルモンは進化した。大きくなった体で深を背負うと、デュナスモンは小さく溜息をする。

 

 

「デュ、デュナスモン!?」

 

 

 驚いた澪にデュナスモンはコク、と頷き「初めまして」と返答した。

 自分が寝るのと引き替えにパートナーを進化させるなんて変な話だが、それが出来る深もある意味すごい。

 

 山中の広場はまだ距離があり、デュナスモンは3人を連れて飛んで行こうかと提案したが、澪は運動になるから歩こうと言った。根気強く歩くと言い張った澪に比べ深は着くまでデュナスモンの背中で寝ていたのだった。

 

 

「着いたっ!」

 

「空気がいいな」

 

 それ程高い山ではないが、木々に囲まれた小山の空気は街よりも澄んでいる。ひんやりとする空気も、日光が当たれば丁度よく感じる。

丁度お昼だったので、澪はレジャーシートを取出し昼ご飯の用意をする事にした。

 

 

「足りないかもしれないけど、適当に摘んでね」

 

「ああ、ありがとう」

 

 

 デュナスモンに進化し、大きくなる事は想定外だった澪は申し訳なさそうに作ってきたサンドイッチを開ける。サンドイッチがある気配を感じたのか、デュナスモンの背中にいた深がむくりと顔を上げた。

 

 

「あれ、もう着いた……?」

 

「着いたぞ」

 

 

 あきれ気味にデュナスモンが返答すると深は背中から降りる。レジャーシートに皆と同じように座ると、深は自分が持ってきたジュースを取り出し適当に紙コップに入れ配った。

 その行動が、寝起きにしては手際が良かった深に珍しい視線が送られ、澪は「おぉ」と漏らしそうになったのを抑え、皆で合唱ということで合図をした。

 

 

「いただきます!」

 

「「「いただきます」」」

 

 

 澪の声に続き3名は声を合わせて復唱する。レオルモンが進化した事によって足りるか足りないか分からないサンドイッチを一斉に手に取り、かぶり付く。丁度一口目を咀嚼し、口の中で味わってる最中だった。食事を邪魔するように人気のない山にその気配が訪れた。

 

 

「「デジモンだ!」」

 

 

 大きなデジモンの気配を感じた2体は急に立ち上がり気配のする方角を睨み付ける。よく聞くと何やら話声も聞き取る事が出来、深と澪もその方向を見た。

 

 

(何だこの大きな力の気配は……?)

 

(禍々しい力のくせに静かだと……?)

 

 

 デュナスモンとドラコモンは大きく強い静かな力を感じ、より警戒心を強めた。

 ザクザクと草を分ける音が近づいて来るたび、会話の内容も聞こえてくる。

 

「はぁっはぁっ!」

 

「バカか、もうヘバりやがって~」

 

「うる、さいっ! バカじゃねぇっバカ!」

 

「お前にバカって言われたら終わりだバカ」

 

 

 等という会話であった。どうやら一人は走っているようで、深達人間にはそこまで分からなかったが、デジモンである2体はその息を途切れ途切れに吐く音でさえも聞こえる。

 まず一人目、草を掻き分けてその姿を現したのは全身が黒のデジモン。その姿を見てデジモン達は驚愕した。

 

 

 ((七大魔王、ベルゼブモン――!!))

 

 

 そしてもう一人、そのデジモンの後ろから息を切らして姿の見せたのは全身を黒のジャージで固めた赤毛の少年。その人物を見て深は声を上げる。

 

 

「契!」

 

 

 名前を呼ばれ駆け寄ってきた深に気付いた契は、そこにレジャーシートが引かれてあり、デジモンと人間が居る事にやっと気付いた。デジモンが居る事に関しては凛とリヴァイアモン、そして何よりベルゼブモンを見て知っているのでそれ程驚く事はなかったが、契が驚いたのはそのデジモンのテイマーらしき人物が深であった事だった。

 

 

「し、深!? ……っはぁっ…おまえ、テイマー!?」

 

 

 上下に肩を動かしながら足りない酸素の中で必死に会話しようとする契。

 

 

「え、まぁテイマーかな。おまえもテイマーになったの?」

 

「お、おう……っ……それより何でこんなところに――ってコラァ!?」

 

 

 契の前にいた筈のベルゼブモンは二人の話の内容など全く興味がないようで、せっせと皆の集まるレジャーシートに向かい、まだまだ減ってないサンドイッチを摘まもうと手を伸ばしていた。

 

 

「何だようるせぇな。俺様は腹が減ってんの、美味そうなもんくらい食わせろ」

 

「勝手に手を付けんな! 人様のもんだぞっ!?」

 

「あ? こいつらお前の知り合いだろ? いいじゃねぇか」

 

「いい訳あるかぁっ!!」

 

 

 そんな会話を聞いて、ベルゼブモンを支援するように澪が「どうぞ」と言ってサンドイッチを差し出した。

 それをいい事にベルゼブモンは「ほらみろ」とドヤ顔で契を見返す。その上ダメ出しを言い出したのである。

 

 

「そもそもお前なァ……りくじょうふのくへに、たいりょくなさふぎだろ」

 

「食ってから喋れよ。何言ってるか分かんねぇし」

 

「……っ。だから陸上部のくせに体力ねぇって今まで何やってきたの? これじゃぁ下の下の下くらいじゃねぇのか?」

 

「……さっきと言ってる事違うよな? 何か言ってる事キツクなってねぇか?」

 

「なってないなってない。そもそもだ、体力ないのって致命傷だぞ、スポーツマンとして」

 

「お前がバカ程体力あり過ぎるんだろう。それと言っとくけど、俺は短距離専攻だからな。長距離じゃねぇからな」

 

「バカじゃねぇよ。こんくらいの山道普通に走って登りきれないお前の方が変なんだよ。あ、サンドイッチうめぇな」

 

 

 こんな会話が繰り広げられる中、デュナスモンとドラコモンの警戒は解けず、視線はベルゼブモンに集中している。そんな事も感じていない雰囲気でベルゼブモンはサンドイッチを食べ尽くそうと口を動かしていた。

 

 

「あっ、もう残り半分切ってるけど。早く取った方がいいんじゃないのか?」

 

 

 深が呑気にそう言った事により、皆がハッとした。周りの時間が止まる程ベルゼブモンの食べる早さとその食べっぷりは"暴食"を司るだけの事があり見事だ。豪快に食べているにも関わらず、暴食という割には芸術的に見える綺麗な食べ方なのが不思議である。

 

 

「おいっ、だからちょっとは遠慮して食えって!!」

 

「お前ぇっ、後から来て一人占めはズルイだろうっ!」

 

「貴様そこを陣取るなぁっ!」

 

 

 お腹が減る、というのは凄い事である。敵味方関係なしに争いになる、これはまさしく人数の多い家庭の食卓で見られるような状況に見える。しかしこれこそが七大魔王と呼ばれるベルゼブモンが期待する状況。彼の求める暴食は自分よりも他人のものを欲するのだ。

 

 

「お前らイイねぇ……そんなに食いたいか?」

 

 

 サンドイッチを口に運ぶのを止めたベルゼブモンが、迫ってくる皆の方に振り向きニヤリと笑った。

 ゾクリと身を震わす笑みの所為で、周りからすれば明らかに悪意が籠っているように見えるが、本人からすれば只の遊び感覚だ。

 

 

「口開けろよ? ほら。食わしてやっか、ら――!」

 

 

 残ったサンドイッチの全部はベルゼブモンの手により皆の口に放り込まれる。そのスピードもやはり速い。

 

 

「「「「「…………!!」」」」」

 

 

 口内いっぱいに押し込められたサンドイッチは当分消える事はなかった。まだ詰め込まれるものに苦しみながらも、サンドイッチの量とそれを分けた人数がそれ相応だったので、まだ苦しみもマシだったかもしれない。

 

 

「後は運動して帰らねぇとな」

 

 

 何とも健康的なベルゼブモンの思考であった。

 

 

 

 

13話 そこに居るべきモノ

 

 

 薄暗い道に古い残った足跡の横を踏み、新たな足跡が作られる。しかし歩けど歩けど先が見えない感覚に陥るその場所。どれだけ歩いたのかは分からないくらい、ダークエリアの深層は限りなく闇が深く入り組んでいるものだと思わせる。

 

 

「…………」

 

「……」

 

 

 沈黙も闇が起こしたものなのだろうか。それとも沈黙が闇を生んだのだろうか。その沈黙に脅されたのではないかと思うくらい、先程からデュークモンは一言も言葉を発していなかった。

 

 

(大丈夫なのだろうか)

 

 

 あまりの硬直した雰囲気に、後ろを歩いていたドゥフトモンはそう思う。デュークモンの機嫌は元から良くなかったが、時間が経つにつれその表情も険しくなってくる。そんなデュークモンを見て、ドゥフトモンはダークエリアの深層に進むにつれ何かを奪われていくような感じだと思った。

 気が付けばデュークモンの純白の鎧は輝きが褪せてるようにも見える。

 

 歩く地面は泥濘、沈む地盤はまるでその地の主を失くしたようだった。だがそこには、一つの影がこちらへ向かってきた。

 

 

「誰だ」

 

 

 そう問うたのは前にいたデュークモンではない。後ろにいたドゥフトモンだった。その問いに答えた声はとても妖艶で、緩やかに前を阻むように姿を見せた。

 

 

「あら、珍しいお客様ね」

 

 

 クスリと笑った仕草はあまりにも綺麗にこちらに向けられた。これこそが七大魔王、"色欲"を司る力なのだ。

 

 

「貴様は、リリスモンか」

 

「分かってるなら聞くまでもないんじゃない? それにしてもこんな所になんの用かしら、ロイヤルナイツのお二人さん?」

 

「貴様には関係ない。それとも、理由を言えば何か情報を貰えるのか?」

 

「あらあら……もっと平和に行きましょう? これでも殺意はないのよ」

 

 

 軽い羽をふわりと羽ばたかせるとリリスモンは一気に距離を詰め、デュークモンの前まで近づいた。そして一言も話さないデュークモンを心配そうに覗きこむ。

 

 

「貴方、確かデュークモンだったかしら。気分が優れないようだけど大丈夫?」

 

 

 覗き込まれ言葉を貰う、たったそれだけの事だったのに、デュークモンは酷く敏感に神経を巡らせる。右のイージスを握る手がギュッと鳴る音が聞こえてきそうなくらいに。

 

 

「……大丈夫だ。それよりも、最近このダークエリアで何か起きなかったか?」

 

「う~ん、特に変な事はなかったけど……」

 

「例えば誰かが消えた、等は? 気に掛かるのはこのエリア……少し静かすぎる也」

 

「あぁ! このエリアはねぇ、リヴァイアモンの住居区なの。でも最近彼、愛想が悪いのよねぇ」

 

「ここはリヴァイアモンの支配区か。愛想が悪いとは……」

 

「そうねぇ……何か"置物と喋ってる感じ"がするのよねぇ」

 

(置物……)

 

 リヴァイアモンの支配区ということを知り、リリスモンもこのエリアが何か変だということは分かっているらしい。

 さっぱりした重量を感じない風船、というような感じだ。まるでリヴァイアモンの存在圧がない。しかしこのエリアにリヴァイアモンの姿はあるとリリスモンは言うのである。

 

「リリスモン、一応頼み事をしてみるが、そのリヴァイアモンがいる場所はどこだろうか?」

 

 

 ダメ元でドゥフトモンが居場所を聞いてみるが、やはりリリスモンは微笑むだけだった。

 

 

「そうねぇ……それは頑張って探してちょうだい」

 

 

 仮にもロイヤルナイツと七大魔王はいい関係とは言えないのだ。ここまで情報提供してくれただけ有り難い、とドゥフトモンは思った。

 

 

「特に私達を狩りにきたということじゃないのは分かったわ。それじゃぁ気をつけてね。今日は見逃してあげる~」

 

 

 リリスモンは軽々しく跳んだかと思うとその場から離れず、再びデュークモンに詰め寄る。デュークモンの体に細い指を沿わし、耳元に唇を寄せると小さな声でこう言った。

 

 

「ベルゼブモンはココにはいないわ」

 

 

 それだけを言うとリリスモンは恋しくもデュークモンの胸に触れていた手を離し、その場から姿を消した。

 何を話したかは聞こえなかったドゥフトモンだが、リリスモンの行動は一部始終見ていた事になる。しかしドゥフトモンは問わなかった。デュークモンは大事な情報ならば言ってくれると思っているし、私事ならば興味はなかったからだ。

 だが、先に切り出したのはデュークモンだった。少し体をこちらに向けると、デュークモンは開ききった目でドゥフトモンを見ようとする。動きはどうもぎこちない。

 

 

「ドゥフトモン……一度ダークエリアから出ても良いだろうか? このデュークモン、これ以上の散策は……」

 

 

 デュークモンが体をこちらに向けた事により胸のマークが赤みを帯びている事に気が付いたドゥフトモンは、返事もせず慌ててダークエリアから外へ出たのだった。

 

 

 

 ダークエリアを出て休憩を取ったのは、空気のよい森林が囲む場所。座るのに丁度いい丸太に腰を掻け、デュークモンはグラムとイージスを隣に置いていた。

 

 

「大分治まってきたか?」

 

「あぁ、すまない……」

 

 

 デュークモンの胸のマークは"デジタルハザード"と呼ばれる、危険な力を持つデジモンを表すマークである。このマークはコンピュータデータに対して多大なる被害を及ぼす可能性があるものに刻印される。しかしその力もネットワークの守護の為に振るわれ、世界を平和に出来るとも言われているものであった。

 デジタルハザードが赤く光りその危険を示した時、デュークモンはその力のバランスを崩し世界を揺るがす混沌の存在へと変わってしまう。だから赤みを帯びていたその状態を見て、ドゥフトモンはデュークモンを連れ早急にダークエリアを出たのだった。

 

 

 

「それにしても、何故早く言わなかった? 最初は機嫌が悪いだけかと思っていたのだぞ」

 

 

 呆れたように言い捨てるドゥフトモンだが、彼はあまり言葉は上手くない。これが心配している意を表す最大の表現なのだ。

 

 

「すまなかった。……確かに機嫌も良くなかった事も謝らなければなぁ……」

 

 

 新鮮な空気を吸い、やっと落ち着いてきたらしいデュークモンの口調がはっきり戻りだす。

 

 

「まぁ何もなかったので良いのだが……」

 

「……リリスモンには礼を返さねばな」

 

「あぁ……まぁそうか?」

 

「ああ。ベルゼブモンもあそこには居ないらしい」

 

「それが最後のやり取りか?」

 

「ああ。そう言っていた。……後は……」

 

(この借りも返さねば)

 

 

 デュークモンはリリスモンが触れた胸のハザードマークに触れると、自分で自分が落ち着いてきている事を感じる。

 

 

「もう少し落ち着いたら行こう。すまないが、待っていてもらえるか?」

 

「その必要はないぞ。散策は終わりだ」

 

「ドゥフトモン?」

 

「大体の予想は出来た。これ以上の危険は犯すべきではない也」

 

「そうか……しかしその予想とは?」

 

「うむ」

 

 

 ドゥフトモンは立ったまま腕を組み話を続ける。

 

 

「ダークエリアが静かだったのは恐らくリヴァイアモンが不在の所為だ」

 

「リリスモンが"置物"と言っていたのは本当だと?」

 

「そういう事だ。そしてベルゼブモンもダークエリアにはいない。二人も居るべき場所から消えたのならば、あれ程ダークエリアが不安定なのは納得出来る」

 

「足元が抜かるんでいたのはその所為か……」

 

 

 物事の分析を得意とするデュークモンがここまで余裕がなかった事にドゥフトモンは驚いてしまう。

 

 

「不安定だからこそ、お前のデジタルハザードが反応したのだろう」

 

「成る程……しかし、二人が只その場所から消えただけでここまで不安定になるのだろうか?」

 

「うむ……それが引っ掛かるのだがな。もしかしたら、だが」

 

「何だ?」

 

「この世界にはいない。あそこに行ったのでは」

 

 

 真剣な表情でドゥフトモンが指差したのは、空に浮かぶリアルワールド球。そのスッ飛んだ予想にデュークモンは言葉が出なかった。

 

 

 


 
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