No.452199

いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した

たかBさん

第三十二話 なにそれ?!CDSも真っ青なシステム!

2012-07-13 20:01:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7355   閲覧ユーザー数:6799

 第三十二話 なにそれ?!CDSも真っ青なシステム!

 

 

 「――以上が闇の書の危険性です。ではタカシ君。今度はあなたに質問があります。まず、『傷だらけの獅子』とはなんですか?」

 

 「わかりました。それはですね…」

 

 リンディさんがベッドで寝ている俺の近くに腰かけながら闇の書に関する詳しく話してくれた。

 なるほどね。ああやって魔力の源。リンカーコアを摘出して闇の書を増長させると…。

 

 ――恥ずっ!

 俺、フェイトが殺されたかと思ってマグナモードを使って…。

 

 『フェイトを返せよぉおおお!フェイトを返せよぉおおお!』

 

 なんて叫びながらペインシャウターを、て、そおおおおおいっ?!

 

 「あら、図書館の館長からメールだわ」

 

 プレシアの持つ携帯電話から俺が最も危惧する発言が連呼されている。

 

 「あ、お母さん。私の携帯の着信音も変更して~♪」

 

 「やめてアリシア!そしてプレシア!なんで俺の声を着信音にしているの!?」

 

 「違うわ。着ボイスよ」

 

 「その差はどうでもいい!」

 

 「…無茶なマグナモードを使った罰よ。これからはあなたがマグナモードを使うたんびにこれをガンレオンの中で響くように設定するわ」

 

 なにそれ?!CDS(コイン・ドロップ・システム)も真っ青なシステム!

 使えない!俺もう使えないよ、マグナモードが!

 

 『フェイトを返せよぉおおお!フェイトを返せよぉおおお!』

 

 「登録~♪」

 

 「アリシア?!」

 

 「なのはちゃんとユーノ君。だっけ?この着ボイス貰う?」

 

 アリシアはリンディさんの後ろに控えていた二人に向かって声をかける。

 

 「…えーと」

 

 「躊躇うなユーノ君!」

 

 「も、貰おうかな?」

 

 「拒否してくれ高町!俺と、ベッドの布団を団子にしたフェイトの為に!」

 

 フェイトは最初の時点で恥ずかしくなったのかベッドの布団にくるまって周りの声が聞こえないように引きこもっていた。

 

 「…フェイトの携帯電話の着信音も変えてあげるね」

 

 二人の傍にいたクロウを見て、すっと視線をずらしたアリシア。今度は俺の隣のベッドで寝ていたフェイトの携帯電話に手を伸ばす。

 

 「やめて、アリシア!」

 

 フェイト、布団からの脱皮。

 姉妹のじゃれ合いが再度勃発。

 アリシアから携帯電話をもぎ取ろうとするフェイト。健康状態だったらアリシアの数倍は運動能力のあるフェイトが簡単にもぎ取ることが出来るのだが今はリンカーコアを抜かれた直後で体が自由に動かない。その為実力は拮抗していた。

 フェイトにメールおよび電話をするたんびに…。いやぁあああああっ。考えたくもない!

 

 『フェイトを返せよぉおおお!フェイトを返せよぉおおお!』

 

 待機状態のガンレオンからも流れてきた?!すでに手遅れ?!

 ええい、だったら今からでも設定を変えてやる。

 幸いなことに体中に鈍い痛みは残るが体は動かせる。待機状態のガンレオンを手に取って設定を変えようとしたが…。

 

 『フェイトを返せよぉおおお!フェイトを返せよぉおおお!』

 

 かちっかちっかちっ。

 

 「プレシア!ワンギリするな!設定変更が出来ない!」

 

 「さて、このへんでいいかしらね。私達の情報をタダで教えるのはこれまでよ。『傷だらけの獅子』に関する情報が欲しければ私の出した条件のどれかを呑むことね、リンディ・ハラオウン」

 

 『フェイトを返せよぉおおお!フェイトを返せよぉおおお!』

 

 かちっかちっかちっ。

 

 「口調はシリアスでも雰囲気ぶち壊され続けているよ!こんな空気じゃ出来る話も出来ない!」

 

 「大丈夫よ。アリシアを除いてここにいる皆には並行思考(マルチタスク)を扱うことが出来るから。リンカーコアを失ったとはいえ私もそこそこ使えるから…。ぷふぅ」

 

 まさに才能の無駄遣い!

 てか、慌てている俺を見て笑ってんじゃない!

 

 (それに私達に使えるカードは『傷だらけの獅子』。スフィア関係だけなの。私もあなたから教えてもらったこと以外は知らない。だからこそ、使いどころを見極めたいの)

 

 (む、むぐぐぐ)

 

 プレシアは俺の耳元でそう囁きながらリンディさんに視線を移す。

 P・B(ピリオド・ブレイカ―)使ったおかげでプレシアは若くなった。妙齢の女性とも言ってもいいし、さすがアリシアやフェイトの母親だけあって美人だ。

 そんな美人にそう言われると…。黙っているしかないじゃないかっ。

 俺は自分でも少し顔が赤くなるのを感じ取りながらも呻くことしか出来なかった。が、そんな俺を不服と見たアリシアさん。

 

 「…むー。えいっ」

 

 ぽちっ。

 

 『フェイトを返せよぉおおお!フェイトを返せよぉおおお!』

 

 アリシア様!もう勘弁してください!

 

 


 
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