無限書庫の中に入ったなのはとフェイトはユーノをすぐに見つけるが、ユーノは一冊の本をかなり真剣に読んでおり、なのはとフェイトが来ている事に気づいていないようだった。
「フェイト!!」
だけどユーノと一緒にいたアルフはなのはとフェイトが無限書庫に来た事に気づいて、すぐに二人に近寄ってきた。ユーノは当然アルフがフェイトの名前を読んだことに少し驚いて顔を上げたが、それによってなのはとフェイトが来た事に気づくのだった。
それからユーノは読んでいた本を閉じてなのは達の方を向く。ユーノは二人を待っていたわけではなく、ただ二人が連絡もしないで無限書庫にやって来たのに少々驚きながら、二人を迎えるのであった。
「なのはとフェイト、いきなり無限書庫に来てどうしたんだ? ってなのはは元気がなさそうだね」
「うん、ちょっとね」
突然来た来訪者に驚いてはいたが、なのはの表情がいつも見てなのはと元気がなさそうだという事にユーノは気づく。ユーノもなのはとは何年もの付き合いなのですぐに分かり、顔を笑顔にしていたがそれでもなのはに作り笑顔をしていると思ってすぐにその質問をしてみると、なのはよりもさきにフェイトが答えてきた。
そしてユーノは用件が多分なのはの事だろうと思ったが、それには触れないことにして二人からの言葉を待つことにした。多分なのはの事についてで、その事で自分に聞きたい事があるのだろうと察したのだ。
「それで、二人は僕に何のようなの? 多分僕に用があって来たんでしょう?」
「ユーノには分かっていたんだね。ちょっとなのはの事で聞きたいことがあって」
フェイトはユーノが自分に用があるという事に気づいるのだろうと思い、分かっていながらも分からないように言ったのだろうともフェイトは思っていた。
「――なのはに何かあったの?」
そしてユーノはここでなのはに何があったのか聞くのだった。もうフェイト達がここに来ている理由も分かっているので、一体なのはに何があったのだろうかと思って聞く事にしたのだ。
だがフェイトがなのはの代わりになのはがこうなってしまっている理由を話すのだった。夢で同じような夢を見る事、小さい頃のなのはと少年の夢の事、そしてその少年をなのはは記憶に無いと言う事を全て話した。
それを聞いたユーノは考え事をし始めた。しかも、いつもと違ってかなり真剣に考えてた。
「ユーノ、どうかしたの?」
それを見ていてフェイトはユーノがいつもより真剣に考えている事に気づき、それはなのはにも気づいていた。これほどまでに真剣に考えたユーノを余り見た事が無かったのである。
それから数分するとユーノは口を開き、なのはにある事を聞く事にする。
「なのは、一つ聞いて良いかな?」
「あ、うん。別に良いけど……」
「それってなのはが何歳ごろに見えた?それとその頃の記憶って覚えているかな?」
いきなりのユーノの質問に二人は訳が分からなかった。どうしてそんな質問をするのか? ひょっとしたらユーノは何かを知っているのではないかと思ったが、そうだとしてもその質問の意味が全く分からなかった。
なのははユーノの質問に訳が分からないままだったが、とりあえず答えることにするのであった。
「たしか、6歳くらいだったよ。それとその頃の記憶は全くと言っていいほど思い出せないし、それもユーノ君に初めて会う前から思い出せなかった。小さい時は余り気にしなかったけど、今思うとどうしてなのかと思っちゃうの」
その言葉を聞いてユーノは何かを確信を持った。しかしユーノはある事を確信に持てたが、偶然なのかと思っていた感じであった。
ユーノが何かを確信したような感じたフェイトは、一体何か分かったのだろうと思ってユーノに聞いてみる。
「ユーノ、何か分かったの?」
「うん、ちょっと思う事があってね。今僕が調べている事と関連しているかもしれない。それにしても何故今更なんだ? 彼は何で今更こんな事を始めたのか。親の代わりに回収をしているのか? やはりそこが気になるな……」
「ユーノ? いきなり何を言っているの?」
ユーノが途中から何を言っているのかフェイトはまったく理解出来ないでいたけどこれで確信を持っているということが分かった。
「あ、ごめん、途中から独り言になってたね。多分なのはの見ている夢は、今僕が調べている事と関わっているんだ。なぜならちょうど時期が重なっているんだよ」
「ユーノ君が調べている事?」
「うん。このロストロギア何だけどね」
ユーノは先ほど読んでいた本を開いて二人に見せた。けどこのロストロギアが何の関連性があるのかと思った。
「これがどうしたの?」
「これは22年前、僕らと同じロストロギアを発掘する一族がこのテュディアというロストロギアを運んでいたんだ。けどジュエルシードと同じように運んでいる途中で落としてしまったようで、しかもジュエルシード同じで第97管理外世界にね。またそれを運んでいた一族の夫婦も第97管理外世界に落ちてしまったんだ。そしてその8年後に彼らと第97管理外世界に居る時に生まれた子どもは、奇跡的にもその落としたロストロギア、テュディアを回収しに次元空間航行艦船でやってきた彼らと同じ一族のおかげで帰還する事が出来た。そのときのなのはの年齢は0歳から7歳の間。要するになのはの記憶が無い部分と重なっているんだ。多分、高町家はその彼らと会っているんじゃいかな?だから記憶が消されたのだとおもうよ。自分達の事を思い出させないように。彼らの一族は記憶操作とかの魔法を得意とするからね」
「だからそんなに考えていたんだ。でもユーノはどうしてそのロストロギア、テュディアを調べていたの?」
フェイトはユーノが話した言葉は理解できたが、どうして今になってそのテュディアを調べているのかが分からなかった。もうテュディアは回収されたはずなので、別にそのことで考える事なんて無いはずなのだ。
それを聞いたユーノはフェイトに答えた。
「テュディアというのは一つだったものが半分に割れてしまって、テュディアはその割れた二つを合わせて使うと発動するんだ。一片は見つかったのだけど、もう一片は未だに見つかっていない。一度見つかったが、それは彼らが起こした事故によって今も第97管理外世界に落ちているはずなんだ。しかも、このテュディアはさらにもう一つのロストロギアと合わせて使うというところまで分かっているけど、それによって何が起こるのかは分からない。この二つがよく使われていたのは旧暦462年、大規模次元震が起こったりあの聖王のゆりかごが使われていた時代らしい。それから一度誰かが使ったらしいけど次元震によってその世界は滅んでるから、まったく情報が無くて本来の使い方さえ分からないんだよ」
「でもそれだけだと今さら調べる事ではないんじゃないの?」
なのはの言葉にフェイトは頷いた。確かにそれならかなり前から探しているはずだ。なのに今更になってユーノが真剣になって探すものなのかと思ったのだ。
「それは見つかったテュディアの一片が何者かによって盗まれたからなんだ。僕はその犯人は大体分かっている。彼しかこのロストロギア、テュディアを盗む理由が無いんだ。もう一片のテュディアとそれと合わせて使うロストロギアを持っていないと意味が無い物を持っていても意味が無いからね。だから僕は彼しかいないと思っている」
「その彼って誰なの?」
フェイトの言葉にユーノは犯人を言って良いのかと思った。その名前を出すともしかしたらなのはが記憶を思い出して危ないかも知れなかった。先ほど言ったとおりこれはなのはにも間接的に関わっているかも知れないとユーノは思っているのある。
だがユーノが自分の事を心配していると思ったなのははその人物の名前を言っても大丈夫だというのであった。
「ユーノ君、私は大丈夫なの。多分、その名前を聞いても多分大丈夫だと思うから」
確証はないが、それでも抑えてみせるとなのはは思っていたのである。
その言葉を聞いたユーノはなのはを信じてみる事にした。しかしそれが、裏目に出るとは誰も思わなかった。
「フィルノ・オルデルタ。彼がこのロストロギア、テュディアを盗んだ犯人だと僕は思っている」
なぜならその刹那、なのはは頭を抱え始めたからだ。
Tweet |
|
|
3
|
1
|
追加するフォルダを選択
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。
その青年はなのはに関わりがある人物だった。
だがなのはにはその記憶が消されていた。
続きを表示