「はぁ・・・」
「なあ、はやてのやつどうしたんだ?」
「それはね、ヴィータちゃんにはまだ早いことよ♪」
「おい!そりゃどういう意味だ!?」
なんや後ろがうるさいな・・・。けどそんなことよりも、わたしこと八神はやてはある悩みを抱いてる。それは言わずもがな恋の悩みや・・・。図書館で見かけたときからずっと気になっとる子がおって、未だに話しかけることすらできず遠くから見とるだけという、自分でも分かるへたれっぷりや・・・。
「はぁ・・・」
「シャマルよ、さすがに何とかしてあげたほうがいいのではないか?」
「そう思うんだけど・・・、今回は自分で何とかしないとうまくいかないと思うの」
「しかし、主がこれでは我らも心配になる。いったい何か病気なのか?は!まさか足の麻痺が進行して・・・」
「落ち着いてシグナム!はやてちゃんのあれは病気ではあるけ「やはりご病気なのか!」ああ、もう落ち着いてったら!」
・・・だんだんイライラしてきたなぁ・・・。人が本気で悩んどるいうのに、後ろでぎゃあぎゃあと・・・。
「だーかーらー、あれは恋の病と言ってね・・・」
「だから病気であるのには変わりないのだろう!?ならばすぐに病院に「うるさいわーーーー!!」あ、主?」
「人が必死に悩んどるのに、後ろでぎゃあぎゃあと・・・」
「いや、はやて・・・あたしたちは心配して「あぁ!?」・・・ごめんなさい・・・」
「はやてちゃん、私たちも本当に心配してるんですよ?」
「まったく・・・少しは心配しとるなら、声くらいかけてくれてもええやろ・・・。でもごめんな。わたしも大声出して怒ってもうて。けど少しすっきりしたからそれだけは感謝しとくわ」
「はやてちゃ「でも次はないで」・・はい・・・」
ちょい大人げなっかたやろか?いくらうちが悩んどる時に後ろで騒がれたからゆうて、大声だしたんはあかんかったなぁ。ヴィータがまだちょい涙目やし。よし、気分切り替えよか!
「ヴィータ、今日は何が食べたい?大声出したり睨んでしもうたお詫びや♪」
「え、でも悪いのはあたしたちで・・・」
「それはわたしもや。それに騒いどったゆうても、それはシャマルとシグナムだけやし・・・」
「はやて・・・」
「ほら、何でもかまんで♪」
「えっとそれじゃあな・・・」
あ~もう、やっぱヴィータはかわえぇなぁ♪さっきまで泣いとった思うたら、もう笑顔で今日の晩御飯、何を食べるか考えとる。なんや妹みたいでホンマかわいいわ♪あ、ところで・・・。
「シグナムとシャマルは今日の晩御飯二人で作ってな。騒いだ罰や♪」
「ちょっ!ちょっと待ってください主はやて!それはいくらなんでも無理と言うか無謀と言うか・・・」
「ん~?どっちが無理で無謀なんかな?」
「くっ・・・それは・・・」
「そこでどうして言葉に詰まるのシグナム!?まるで作るのも無謀って言ってるみたいよ!?」
まあ実際そうなんやけどな、シャマル・・・。あれを料理と呼べるものでないのは周知の事実やし・・・。今度ちゃんと教えなあかんな、味見することを・・・。
「決まったぞはやて!」
「お、ほんなら買いもんいこか。スーパーに行きながら食べたいもん聞きながら何買うか考えるからな♪」
「おう!車椅子ならあたしが押してやるから早く行こうぜ!」
「ハイハイ、ほんなら行ってくるからザフィーラお留守番頼むな~」
「はい、お任せください我が主」
「あ、はやてちゃん。私たちも行きます!ほらシグナムも行くわよ。絶対おいしいって言わせてみせるから!」
「いや、別にそこまで張り切らなくても・・・」
なんや、シャマルが張り切っとるけど、食べるのは二人やしほっとこか♪
―――スーパーにて―――
「よし、これでヴィータの希望の料理の食材はそろったで。ついでにシグナムたちの分もな」
「おし!なら会計を済ませようぜ!」
「・・・これが死地に赴く戦士の気持ちというやつか・・・」
「それはどういうことかしらシグナム?」
まだもめとるんか・・・。まあわたしもそこまで鬼やないから、頃合見てちゃんとご飯あげるつもりやけどな。ん?あれって・・!?
「う~ん・・・今日の晩御飯・・ねぇ・・・。帰ったら「突然だけど、今日お父さんと外食へ行くことにしたから、これで何か適当に食べといてね♪」って書置きだけ残して出かけてるんだもんな・・・」
ちょっ!こんな偶然あるか?まさか買い物に来たスーパーであの子見つけるなんて!
「どうしたのってあれは・・・。フフ、はやてちゃん♪チャンスじゃないの?」
「う・・うん。そうなんやけど・・・いざ目の前にすると・・体が動かへんのや・・・」
「あらあら♪」
「なるほど。恋の病とはこういうことか」
シグナム、ようやく分かってくれたんやな・・・。しかしどないしよ・・・。話しかけるチャンスやろうけど、むこうはこっちを知っとるはずがない・・・。だってこっちが向こうを勝手に好きになって、ただいつも図書館で見かけたら見てるだけや。
「やっぱ今はええわ。あくまでわたしが勝手に知っとるだけや・・・。向こうがこっちを知っとるわけがないんや」
「はやてちゃん・・・」
「ほな会計しよか!」
そう
「はいなんで・・す・・・?」
「ああ、やっぱり。図書館でいつもこっちを見てる人ですよね?」
うそぉ!まさか向こうから声かけてくるなんて思わへんかった!今わたし絶対顔赤くなっとる!しかも図書館で見とったのばれとるし!どないしよ・・・気持ち悪いからもう見ないでくれとか言われるんやろか!?
「えと・・大丈夫?」
「あ、大丈夫ですよ。ちょっと混乱してるだけですから♪」
「はぁ・・・」
神那side
図書館でよくこっちを見てる子に話しかけたんだけど、なぜかフリーズしたみたいに動かなくなった。でも顔は赤いままだ。
「はっ!わたしは今何を・・・」
「しいて言えば何もしてなかったね。こんばんは、僕は月詠神那です。君は?」
「あ、えと・・・わたしは八神はやてです。こっちの赤い髪の子がヴィータで、後ろのピンクの髪の人がシグナム。で、もう一人後ろにおる金色の髪の人がシャマルや。後、家に犬を一匹留守番させとる。名前はザフィーラや」
「よろしくな!」
「こんばんは♪」
「よろしく・・・」
お互いに自己紹介と挨拶が済んだのはいいけど、・・・なんかシグナムさん・・・こっちを値踏みするみたいな目で見てるな・・・。
「えと・・それで何か用事なん?」
「あ、そうそう。さっきも言ったけど、図書館でこっちを見てることでちょっと言いたいことがあったんだけど・・・」
side out
そうやった!さっきそう言って声をかけられたんやった!どないしよ・・・。
「えとね、何で声をかけてくれないんだろうっていつも思ってたんだよ」
「そうやね、ゴメンなさ・・・ってあれ?」
「ん?なんであやまるのさ?」
「いや、こっちが影から見とる形やったから、てっきり気持ち悪いからやめてって言われるかと・・・」
「いやいや、別にそんなこと思ってないよ。影から見るくらいなら声かけてくれたら、仲良くなれるのにって思ってただけだからさ」
・・・え、ならあれか。わたしが悩んどったのって全部無駄やったってことか?ならさっさと声かけたらよかったorz。
「それにしても・・・すごい量だね・・・」
「あ、これは・・・」
「そうなのよ、さすがに買いすぎかなって思ってたの。ところで神那君は一人でスーパーに?」
「ええ、友達のところによってから家に帰ると書置きがあって、両親が外食に行くから好きなものを食べなさいってお金だけ置いていってたんです。まあ、たまにあることですからいいんですけどね・・・」
「そうなんや・・・。あ!ほなら私の家で一緒に食べへんか?ちょうど食材もいっぱいあることやし!」
シャマルのフォローによってうまいこと家に誘うことができそうや!神那君の返事しだいやけど・・・。
「え、さすがにそちらのご両親に迷惑なんじゃ・・・」
「あ、気にせんでええよ。親おらへんから」
「・・・ゴメン」
「謝らんでええよ。最初はさびしかったけど、今はこの子らがおるから大丈夫や」
うん、やっぱ神那君はいい人や。普通はあそこで言葉が詰まったりするもんやけど、神那君はちゃんと謝ってくれた。
「ほんとにゴメンね。じゃあ、そのお詫びっていうのも変だけど、お邪魔させてもらおうかな」
「ほんまに!?よっしゃ!今日は腕によりをかけて作るでー!」
「よかったですねはやてちゃん♪」
「あ、さすがにただでって言うわけにはいかないから、少し払うよ。さすがに全額は無理そうだから・・・」
「気にせんでええよ~。誘ったのわたしやし」
「いや、それくらいはさせて。ていうかさせてください。お金がそのまま残ってる状態で人様の家でご飯を食べさせてもらいましたなんて父さんに言ったら、何されるかわかんないから・・・」
「・・・うん、なんか大変そうやから受け取っておくわ」
ちょっと震えてるのが分かったからさすがに受け取るけど、ほんと気にせんでええのに。会計を済ませた後、神那君とおしゃべりしながら家に帰った。その際お友達になってくれたし、家に帰ってご飯を食べてる時においしいって言うてくれたんはすごい嬉しかった。シグナムもなんか神那君と会ったときから硬い表情やったけど、最後は柔らかい表情になっとたから問題ないやろ。
「今日はほんとにありがと。ヴィータの言うとおり、はやてのご飯はギガうまだったよ!」
「だろ!」
「うん!それじゃはやて、もうちょっと居たいけど、さすがにもう遅いから今日は帰るね」
「あ、せやな。ちょっと名残惜しいけど、今日しか会えんちゅうわけやないからな」
時計を見たら子供が遊ぶにはさすがに遅すぎる時間になっとった。
「さすがに一人で帰らせるわけにはいかへんな。シグナム一緒に・・・」
「あ、大丈夫だよ。スーパーで会計してるときに両親に連絡入れといたから。友達の家に遊びに行ってるからちょっと遅くなるって。それにさっき近くまで迎えに来てもらうようにも連絡入れたから」
「それなら大丈夫やろうけど・・・それでも遅すぎへんか?」
「・・・それは覚悟してる・・・」
うちのいいたいことを察してくれたんはいいけど、家に帰ってからのほうが大変そうやな。遅すぎっていうのは、迎えに来るのにかかりすぎと言う意味ではなく、子供が遊ぶにはという意味や。
「さて、今度こそ帰るよ」
「あ、玄関までは見送りに行くわ」
「ありがと」
そう言ってみんなで玄関まで見送りに来た。
「それじゃ、また時間ができたら来るよ。できたら今度は学校の友達も連れてね」
「楽しみに待っとるわ♪」
「うん!それじゃ、またねみんな!」
『またな(ね)~!』
今日はほんま楽しかった。なんや、本当の意味で笑えた気がするわ。これを期に、神那君ともっと親しくなることを決めた。そして後片付けをみんなでやった後、お風呂に入ってから今日はもう寝る事にした。あぁ、今日はいい夢が見れそうや♪
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こんばんは?でいいよね(笑)今回のお話は本編から少しずれたところのお話です。とはいえ、リリカルの世界であることには変わりありません。ではではごゆっくりどうぞ~。