場面
山から街へとジャンプして降り立つ青年、人防正司。
場面が変わりある住宅に住む家族。
人防家の母、人防友紀(もりさき ゆき)とその小学4年生くらいの男の子の人防良士(もりさき りょうじ)。
さらに場面が変わり、青髪の少女が出てき、空を眺める。
場面が変わり、要塞の中には宇宙犯罪結社「ゲリュート」に所属する様々な宇宙人。そして空にある組織「プロテスト」の空人。
ゲリュート要塞から発進される小型戦闘機が地球へと飛来。それを迎え撃つは地球から生まれし戦士、ハーメラス。
ハーメラスはジャンプし、小型戦闘機を素手で破壊する。
小型戦闘機を破壊した後、地上に降り立ち、新たな変身をする。
そして地球の戦士ハーメラスは赤き怒りの戦士レアガーラに変身する。
国際秘密組織「TLE」の長官であり、最高責任者であると同時に人防家の家長、人防誠(もりさき まこと)がTLE基地にて部下達に指示を出す。
そしてレアガーラは誰もいない山奥で空の方を眺める。
第5話 空からの使者
正司は謎の反応をした少女を人のいない廃屋へと連れていた。
「とりあえず改めて聞くぞ。お前は何者だ?」
「分からない」
「仕方ない、便宜上お前に名前を付ける。
とりあえずお前のことは本名が分かるまで『リナ』と呼ぶ。いいな?」
「分かったわ」
青紫色の髪の少女はひとまず「リナ」と言う名前になった。
「それじゃあリナ、お前はどこから来た?」
「分からない」
「なんで空から落ちてきたかもわからないか」
「うん」
「まあいい。そこは後でいいとして、俺が一番問題しているのはそこじゃない。
貴様、人間か?」
「?」
正司はリナの腕をつかむ。
「な、何を……」
「ふん」
正司はリナの腕を軽く指でなぞる。
すると指でなぞられたところからわずかにだが血が流れ出た。
「きゃっ!」
リナは思わず正司の手をほどく。
正司は気にせず自分の指についたリナの血を確かめる。
「血は赤い。地上の人間と同じだ。だが……」
正司はリナの血の付いた指を口の中に入れた。
「地上の人間とは全く別物…。この血の味……、そうか……お前、『カリット』の人間か」
「『カリット』?」
「名前に覚えがないのか。相当な記憶喪失のようだな。演技かは知らんがな。
とりあえず教えておいてやろう。俺も地上に出る前に地球から聞いた情報でしか知らんが、空に存在するとされている国家『カリット』。
その技術は地上のものを越えているとされている。しかしかなり昔、地上では歴史から抹消されたものだが、地上の国々と『カリット』が戦争をし、勝敗は付かず、そして地上と空は不可侵を結んだ。
それ以降空の国家『カリット』は地上には一切干渉はしなくなった。それが俺が地球から聞いた歴史だ」
「地球から聞いたって、あなた一体…」
「俺のことはこれ以上教える気はない。
だがお前のことが分かった以上、さっき戦った奴のこともよく分かった。
さっきの怪人もどうやら『カリット』の奴だな」
「怪人…『カリット』……」
リナは反応しようにも思い出せないようで反応が鈍い。
「………まあとにかくお前が『カリット』の人間だと言うことは分かった。
ならなおさらあの家に置いておくのはよくないな。俺が見張っている必要がある」
正司はそう決断した。
「とりあえずは誠か使いが来たらお前のことは伝えておく。拒否は出来ないからな」
「私を実験動物にでもするの?」
「知らん。俺は人には興味がない。それが地上だろうが空だろうがな」
「つまり私やさっきの家族がどうなっても知らないっと……。だったら私をあの家族の家においても………」
「構わんぞ。だがお前が地球の存在である以上、感知は難しいからな。あの家で暴れられて行方をくらましたら探すのに苦労する。
だから適当な場所でお前を監視する。そこで俺がいない時にお前が何をされるかは知らんがな」
「…………」
正司は遠まわしに言っているが、簡単に言えばリナを信用してないのだ。
そこに……。
「あの~」
一人の男が廃屋へとやって来ていた。
「何だ?」
「あなたは一体……」
「私は『TLE』の人防誠長官の使いで参りました、深井と申します」
「使いが来たみたいね」
「ああ、そのようだ……な!!」
正司は深いと名乗った男の腹を素手で突き刺す!
「! な、何を!?」
リナは酷く動揺する。
しかしよく見ると手を突き刺された深井の腹からは血が流れていない。
「貴様……何故わかった!?」
深井はすぐに正司から距離を取る。
「お前からは地上の人間とはわずかに違う感覚がした。
そこの女と同じな……」
「そうか、なら貴様が…。そしてその女は……」
「知り合いか」
「我が『カリット』から一人住人がいなくなった聞いていたが、まさか貴様と一緒に居たとはな……」
「…………」
リナはうつむく。
「まあいいさ、貴様が俺達の狙いだとしたら!」
深井は変貌し、鳥人のような姿となる。
「我が名はトーバ」
「本当は俺の姿は見られたくないが止むを得んな。地力転身!!」
正司の姿が変わり、ハーメラスへと変身する。
「地球の戦士、ハーメラス!!」
「やはり貴様がハーメラスか。ならばここで死ねぃ!!」
トーバは自身の羽を刃のように振り回す。
「ふっ! はあっ!」
ハーメラスはその刃の羽を避ける。
刃の羽は周りのものを切り裂いていく。
「あれに触れるとただでは済まない…」
「これだけの物を壊しても怒らないのか?」
「人間の作り出したものだ、怒る理由はない!
だが貴様は地球に害するものと手を組むなら俺は容赦しない!」
ハーメラスは突撃していく。
「せぃえいや!」
トーバは自身の体を回転させ、ハーメラスを近づけないようにする。
「これで貴様は近づけまい!」
「お前、何か勘違いしてないか?」
「何をだ? 俺のこの羽は厚さ1メートルの鉄板をも切り裂く力があるのだ!」
「その程度か」
「何?」
ハーメラスはトーバに近づく。
ハーメラスの体にトーバの羽が当たるがハーメラスの体は切り傷が出来ていなかった。
「こ、これは…!?」
「俺の体はお前の言った厚さ1メートルの鉄板以上の固さだ。
その程度の刃で傷つくわけがない」
「毒が塗っていてもか?」
「何? くっ!?」
ハーメラスは床に膝をつく。
「こ、これは…」
「毒が効いたようだな。
その毒は触った生き物を痺れさせ、次第に死に至るものだ。
だがお前は毒では殺さん。俺の手で殺してやる!!」
トーバは自分の羽の一部を千切り、手に付ける。
「俺の手に付ければ羽の刃の切れ味は倍だ!」
トーバは羽の刃を付けた手を振り下ろす!
だがその刃はハーメラスが普通に受け止めた。
「何!?」
「お前はあほか」
ハーメラスは起き上がり、トーバを蹴り飛ばす。
「な、何故だ?」
「俺は地球からあらゆる毒に耐性をつけられた。それが自然から生み出されてない毒であろうと、自然に生み出された一番の毒と比べたらなんともない!!」
「く、くそ!」
「トドメだ! 地爆翔!!」
ハーメラスは氣を込めた右手を下から振り上げる!
「ぐおおおあああああああ!!」
遥か上空に飛ばされたトーバは屋根を突き抜け、大爆発を起こした。
「ふん」
ハーメラスは元の正司に戻る。
「あなたは一体…」
リナが正司に尋ねる。
「地球のための地球の戦士だ」
正司はリナの手を引っ張る。
「何をする気なの?」
「とりあえずお前を別の場所に連れて行く。誠には適当に見つけてもらう」
正司はリナを連れてその場を去っていった。
正司はこれからどうするのであろうか。
空中国家カリットの住人であることが分かったリナは…。
そして地球は一体どうなるのだろうか!
続く
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
この話のコンセプトは『「侵略! イカ娘」を昭和の特撮風にしたら『というものです。(話の内容的には「宇宙刑事ギャバン」など昭和の特撮を基にしています。ちなみにタイトルは「イナズマン」がモデルです)
それを踏まえてご閲覧ください。