リオンSide
「どうやら僕の番のようだな。」
「ジューダス!?」
カイルが悲痛な声で僕の事を呼ぶ。
「お前達との旅、悪くは無かった。」
僕は仲間達に最後の挨拶をする。
「ジューダスは此処から消えたらどうなっちゃうの!?」
「わからない、次空間の彼方をさまようか、リオン・マグナスとして消滅するか・・・でも僕はこの運命に感謝している。お前達に出会えた・・・一度死んだ男が手にするには大きすぎる幸せだ。ありがとう、カイル、ロニ・・・さらばだ」
少しづつ僕の体が光となり、そして僕はこの世界より消えた。
(我・・・・・ヴァリ・・・ンタゴン・・・・・・・)
なんだ?・・・この声は?・・・僕は消えたはず。僕は戸惑いを覚えながら自分の姿を確認をし周りを見渡す。そこは蒼くまるで海の中のような所だった。
「ここは、次空間の彼方と言うやつか。どうやら僕は神にとことん嫌われたらしいな。」
自嘲気味に僕は呟く。神などろくでもない者だと分かっているのにな。
(・・・私の運命を・・・・・)
また?一体何処から聞こえるんだ?僕はこの蒼い空間を再度見渡してみる、しかし周りは何処までも続く何も無い空間だけ。
「幻聴・・・・にしてははっきりと聞こえる」
一体何なのだ。それともあまりにも何も無さすぎるせいで、本当に気が狂ったか?今度は意識して声を聞こうと、僕は目を瞑り耳をすませてみる。すると、
(・・・・を召喚せよ!)
その声が聞こたが、しかしその声が今までのとは違い空間全体に広がるように響き渡る。僕は状況を見ようと目を開けたら僕の前に光る鏡の様な物が浮かんでおり僕を引き寄せていく。踏み止まる事もどこかに掴まる事も出来ず僕は鏡に飲み込まれた。そして、
ドォッゴォォォォォォォン!!!!!
と、鏡に飲み込まれた僕はとてつもない爆音が響いた、僕はとっさに腰の剣を抜き構え、周囲の様子を窺う。周りは土煙でまったく見えず僕は感覚を研ぎ澄ませた。
「あーはははははは、やっぱりゼロはゼロなんだよ。」
なんとも品の無い声が聞こえてきた。感じからして10代の人間の声だ、
「まったく、無駄な事しやがって。」「ホントホント、すぐに諦めちゃえばいいのに。」
それも周囲に十数人ほど、気配の感じや喋っている内容からから戦闘をする感じではない事が分かる。
「ミス・ヴァリエール、残念ですが・・・・・!!?」
「おい!何か居るぞ!」「うそ、ゼロが魔法に成功した!?」
土煙が晴れていく、僕がそこで見たものは・・・・
ルイズSide
「あんた、誰?」
土煙が晴れた後、そこに両手に剣を持った男の人が居た。
「・・・・・・・・・・・・」
「むっ・・・ちょっと!私の話聞いてるの!?」
男は何も言わないまま周りを見渡している。この私が話しかけてるのに無視するなんていい度胸じゃない!大体、変な仮面なんかしちゃって何なのかしら!服は全身真っ黒な妙な刺繍の入った服に趣味の悪いマン・・・・・ト・・・・・・・って、え?・・・・マント?あれっ?え!
「おい、あいつマント着けてるぞ。」「つまり
「み、皆さん落ち着いてください!」
周りが男の事で騒ぎ出したのを先生がたしなめているが私はそれど比ではない。男が別の国の貴族、しかももし地位の高い家柄の人物だったら国際問題になりかねない。ど、どうしよぉ・・・。
「おい貴様等、此処はどこだ。」
男が話しかけてきた。
「え、えっと、その、こ、此処は・・・」
「此処はトリステイン王国のトリステイン魔法学院です。」
混乱していて上手く答えられない私の代わりに先生が答えてくれた。さらに・・・
「いきなりこのような事になり本当申し訳ございません。不躾な質問で申し訳ありませんが貴方は何処の貴族でいらっしゃいますか?」
私の聞きたい事も聞いてくれた。男は先生の答えに対し怪訝な表情をし、少し何かを思案したかと思うと、剣をしまい先生に質問をしてきた。
「お前、セインガルド王国、ファンダリア王国。この二つの国の名をしっているか?」
「す、すみません。そのような国の名前は聞いた事が無く・・・」
「なら、レンズと言われる物質はわかるか?」
「いえ、それも・・・まったく。」
男は先生に聞いた事の無い国の名や物の名を聞いた後また黙ってしまった。
「あの、貴方はさきほどの国の貴族なのですか?」
「・・・いや、僕は貴族ではない。」
なっ!貴族じゃないの!?貴族でもない無いのにマントを着けてるなんて!
「ちょっと貴方!!貴族でもないのにマントを着けてるなんでどう言うつもり!」
私は男対して文句を言う。
「ん?なんだお前は。」
「なっ!?なんだじゃないわよ!私は貴方を召喚したご主人様なの、わかる?」
「・・・・・・なんだ、ただのバカか。」
「!!!??!!」
「おい、聞いたか?」「ああ、アイツ貴族じゃないんだってな。」「じゃあ、武器を持ってるし傭兵の平民か」「なんだ脅かしやがって。」「所詮ゼロはゼロって事か。」「しかも召喚した平民にバカにさせれてるぞ。」「みっともない。」
こいつ、私に向かってバカって言った!このヴァリエールの三女である私に対してなんて無礼なヤツなのかしら!!きっとどこか遠い辺境の田舎者に違いないわね。周りの奴等もまた騒ぎ始めてうるさいのよ!!
「ふむ、ではミス・ヴァリエール。彼と儀式の続きを。」
「えっ!?」
まさか、こんな無礼な男を使い魔にしなければいけないのだろうか?
「待ってください。これはきっと何かの間違えです。もう一度やり直させてください。」
「ミス・ヴァリエール。これは神聖な使い魔の召喚儀式だ、やり直す事はできない。さぁ続きを。」
そ、そんなぁ~。ううっ、こんな無礼で変な仮面を被ってるヤツを使い魔にしなきゃならないなんて、最悪だわ。
「あんた、平民が貴族にこんなことされるなんて本当は無いんだから一生感謝しなさいよね。」
「お前は、なにバカな事をいってるんだ?」
「くっ!また、バカって・・・・まぁいいわ。五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ。」
私は呪文を唱えて男のにキスをしようと・・・・・・
「ちょっと、その変な仮面取りなさいよ。」
「なぜ取らなくてはならない。それに使い魔とはなんだ。」
「ああもう!私の言う事を聞いてればいいのよ。」
いちいち口答えしてくる男に私は飛び付き無理矢理仮面を取る。
「くっ、貴様なにをする!」
「うっさいわね!あんたが言う事・・・聞か・・ない・・から・・・」
「うそ・・」「カッコイイ~♡」「超美形♡」「♡♡♡♡♡♡」「私の王子様♡♡」
こんな変な仮面を被っているから素顔も変だと思っていたら・・・・すごく・・・・カッコイイ/////
たぶん歳は私達と同じぐらい、切れ長の目にサラサラな髪、そして美形。わっわっふぇ!
「おい、それを返せ。」
「・・・・えっ!あっ、いや・・・」
どうしよう、コレ返したらキスができ・・・キ、キス!え!この人とキス/////。お、落ち着きなさいルイズ。コレは神聖な儀式であってやましい事はなにもないのよ!そ、そうよ!ど、堂々としてればいいのよ。
「あああああんた!こ、これを返して、その・・・欲しかったら!そこに屈みなしゃい!!!」
///////////!!か、噛んだーーーー!!あああーー!何やってんのよ私!恥ずかしいーー。ハッ!ダ、ダメよルイズ、こんな事で取り乱しちゃ。私はなんとか冷静を装いながら彼の顔を見る。
「ふっ」
鼻で笑われたぁぁぁ、うぐぐ、落ち着きなさい私、私はルイズなのよ、あのヴァリエール家の三女なのよ、ガンバレ私。
「わ、笑うんじゃない!とにかく屈んで!」
「はぁ、これでいいか。」
・・・・・・・・はぁ~カッコイイー。って見とれてる場合じゃない!私は意を決して彼に近づき・・・
「んっ!」
「!?」
キスをする。
「!?・・・貴様何をする!」
「//////////つ、使い魔の・・・契約をしただけ・・・よ。」
「使い魔の契約だと?・・・くっ!な、なんだ!」
「あっ!だ、大丈夫、使い魔のルーンが刻まれてるだけだから。」
「つ、使い魔の、ルーンだと?・・・うっ、意識が・・・」
「えっ!ちょっと!」
彼はルーンが刻まれ始めるとフラフラと倒れて意識を失ってしまった。なんで!?
ジンSide
な・ぜ・だーーーーー!!!!!おいおいおいおいおいおい!!!なんでリオン・マグナスが召喚されんだよ!才人じゃないんだよ!タバサちゃんには変な忍者、ルイズにはリオン、一体全体どーなってるんだ!クソッ、これじゃあ俺の無双でハーレムな計画がぁぁぁぁ!!
「ミスタ・アルベルト!聞いているのかね?君が最後だ。さぁサモン・サーヴァントを」
「あ!はい、すいませんミスタ・コルベール。」
「君が呆けているなんてめずらしいですな。」
「あははは、俺も少しは緊張しますよ。」
うるせーなハゲ、こちとらパニクって大変なのに!が、愚痴ってても仕方ない。俺も使い魔を召喚してこれからの事を考えなければ。
「ついに〝あの〟アルベルトがサモン・サーヴァントを」「たった10歳でスクウェアになったて言う」
「しかも全ての属性が使えるんだろ。」「いったいなにが召喚されるんだ。」
さて、俺にはなにが来るかねぇ。まぁチート転生した俺なんだから使い魔もそれ相応の物が来て当たり前だよな。タバサちゃんとルイズの件もあるし俺も異世界の魔獣とかくるかもな。ふふふふ。
「・・・我が名はジン・アークレイン・ロ・ランタ・グシセイア・キ・アルベルト、五つの力を司るペンタゴン、我の運命に従い、使い魔を召喚せよ!」
ブゥン!
目の前に召喚の門が現れる。はてさてなにが・・・・
「・・・・・・・よ・・・・・わ・・・・・・てい・・・」
ん?なん・・・だ、門から・・・声が・・・?
「・・・・れる。こ・・・・・・・・なのね!!」
・・・・・き、聞こえてる!!確実に人の声!しかも女性だと!えええええええええええ!!俺もか!?俺もなのか!?い、一体誰が来るんだ!?俺は門から少し離れて様子を見る。すると
「おお!!神よ!これが薄幸で宇宙一の美少女である私の運命だと言うの!!なんて、なんてすばぁあぶぅ!!」
なんかヤバイ事を言いながら女の人が出てきてすっころんだ。えーと、外見は黒髪のロングヘアーで顔はチラっと見たけど結構可愛い。身長は160あるか?まぁそん位、服装は・・・・なんて言ったらいいのだろう?白をベースに青と黒の色が入ったコート(?)でいいのか?のんな感じの物を着ている。
「また?」「今年は一体どうなってるんだ?」「アレベルトまで」
さすがに3人も人間が召喚されれば周りのバカ共も不審に思う。しかし・・・
「ふむ、・・・・・ミスタ・アルベルト、儀式の続きを」
やはり、この世界のメイジはバカらしい、ってか見ず知らずの女性にキスしろと?さすがの俺でもそれは気が引ける。なにより初めてだし。
「ミスタ・コルベール。相手は女性ですので、さすがに一方的なものは善くないと思います。せめて事情を説明してからでもよいかと。」
「ああ、そうですね。それでは私達は先に戻ってますので終わったら来て下さい。」
そう言ってコルベールは生徒を連れてフライで教室に戻っていった。・・・終わったらって、この娘使い魔にするのアノ人の中では決定かよ!とにかくこの娘を起こすか。
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真主人公の召喚