No.450420

いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した

たかBさん

第二十五話 木刀立派?

2012-07-10 16:01:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7134   閲覧ユーザー数:6599

 第二十五話 木刀立派?

 

 

 「こ、これは不味いのかもしれない…」

 

 私、エイミィは監視魔法(シーカー)から見ていた映像から焦りを感じていた。

 マンション内に設置されたモニターからはフェイトちゃんのお母さん。プレシアが映し出されていた。

 しかも、フェイトちゃんがお弁当を作ってあげた男の子。タカシ君。

 彼があのクロウ君を殴り倒したロボット君でもあるのだ。

 

 艦長どうするんですか?今ここでプレシアとタカシ君を取り押さえたらフェイトちゃんが…。

 

 と、考えていたら…。

 

 ヴィーッ!ヴィーッ!

 

 「こんな時に警報?!タイミングが悪すぎるよ!」

 

 

 

 「…っ。何ですって?!よりにもよってこんな時に!」

 

 「「?」」

 

 リンディさんが何かの連絡を受けたのか何やら焦り始めた。

 

 「…く、でも」

 

 「リンディさん。何かあったんですか?」

 

 その場にいたリンディ以外の全員を代表するような形でなのはが声をかけた。

 

 「…実は。…でも」

 

 リンディさんは俺とプレシアを前にして何やら慌てている。

 

 (なんか、あっちはあっちで忙しそうだぞ?)

 

 (…ふむ。これはチャンスかもね)

 

 プレシアは何やらあちらの様子を見て何やらあくどい顔をしてみせた。何を考えている?

 

 「…お困りのようね。手伝おうかしら?」

 

 「っ!?」

 

 プレシアの言葉にリンディが驚きの表情を見せた。

 

 「もちろん司法取引よ。こちらの伝えた要求を呑む。もしくは前向きに考えてくれるなら、だけどね」

 

 「…それは私の一任では」

 

 「前回の事件の責任者・指揮はあなた。今回もあなた。もしくはそれに準するはずよ。だからこそ、私とこうして話し合っているのでしょう?」

 

 …く、黒い。

 プレシアは本気で怒らせない方がいいな。

 

 「ですが」

 

 「…別に先延ばしにしてもいいわよ?ただ、今、そちらで起こっているものは先延ばしに出来ないでしょうけどね」

 

 あなたほど冷静な指揮官がそんなに焦るのだからね。と、言葉をつなげるプレシア。

 黒過ぎんだろ!どんな事情か分からないけどリンディさん相当焦ってんぞ。

 そんなリンディさんの様子に感づいたのかクロウが声をかけた。

 

 「…ヴォルケンリッターですか?」

 

 「木刀立派?」

 

 (違うよ。僕、ケン。ピッチャー。だよ。お兄ちゃん)

 

 アリシアが俺の言葉に訂正を入れてくる。

 と、なると。ラ○ウがキャッチャー。

 世紀末バッテリー!

 

 …バッターに絶対になりたくない。投球の余波で吹き飛びそうだ。

 

 「ヴォルケンリッターだよ!どういう耳してんだい!」

 

 アルフに聞き間違いを正された。

 

 「…ごめんなさい」

 

 (割と本気で間違えました)

 

 とりあえず謝っておく。すいません。

 アリシアも俺の中で素直に頭を下げた。

 

 「話が折れたわね。で、どうするのリンディ・ハラオウン?」

 

 「…く、わかりました。ですが、怪しい行動をとればすぐにその身を拘束します」

 (ここは彼等に協力してもらった方がいい。それにここの担当をしていた局員の話だとロボット。ガンレオンを纏ったタカシ君に助けられたという情報もある。…それに、クロウ君の虚偽申請疑惑もある)

 

 「どこからどこまでが怪しくない行動か分からないけど。まあ、そちらに対応を任せるわ」

 

 「リンディ?!本当にいいのかい!?」

 

 「・・・」

 

 フェイトが何やらプレシアとリンディさんのやりとりをきょろきょろと見渡す。

 同じように慌てているアルフはフェイトとは逆にリンディの答えに異議を申し立てた。

 

 「…ごめんなさい、アルフ。今は少しでも戦力が欲しいの。世界存亡の危機だもの。なのはさん。クロウ君今すぐ出撃できますか?」

 (ごめんなさい。アルフ。フェイトさん。でも、ここで闇の書の騎士達を抑えると同時にプレシア達の動向の監視も強化できるの)

 

 リンディさんは辛そうな顔を見せながらもなのはとクロウに向かって出撃が出来るかどうかを尋ねる。

 

 「は、はい!」

 

 「…仕方ない、か」

 (…く、これでガンレオンも管理局に関わっちまう。いざとなったどさくさに紛れて闇の書の騎士にやられるようにミスフォローでも狙うか?)

 

 「…まさか、呑むとは思わなかったわ。相当なことに巻き込まれているようね」

 

 プレシアも驚いたかのようにリンディの対応を見送った。

 てか、戦力って言ったよな?俺だよね?戦うのは俺とアリシアとガンレオンだよね。

 いや、戦うことは覚悟していたけど、せめて本人の了解を得てから取引は結んでほしいな…。

 

 「…あ、あの」

 

 「…フェイトさん。貴女は今回。出なくてもいいわ。今日はいろいろあったから貴女は…」

 

 「…い、いえ!私も行きます!」

 

 「フェイトが行くなら私も行くよ!」

 (プレシアが生きていてショックを受けたんだ!だからといってプレシアと一緒にいさせられない!)

 

 フェイトは気丈にも何やら出撃するようだ。

 アルフも主人であるフェイトと共に出撃するようだ。

 

 「…ごめんなさい。そして、ありがとうフェイトさん。…プレシア、タカシ君。一度、アースラに転送しますがよろしいですか?」

 

 「別にいいけど…。プレシアを拘束なんかしたらガンレオンのマグナモードでアースラとやらを全力破壊するからね」

 

 一応、俺も念を押すことにした。

 そんなことは起きなきゃいいけど…。

 

 「…わかったわ。…エイミィ。一度アースラに戻るわ。ここにいる全員を転送して」

 

 リンディさんがそう言うと俺とプレシアは時空航行船アースラに転送されていった。

 

 


 
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