次の日朝起きて居間に行くと、母さんが帰ってきていた。何か分かったのかな?
「お帰りそれとおはよう母さん。プレシアさんの事、何か分かった?」
「おはよう神那。分かったには分かったんだけどね~・・・」
なんか渋ると言うか、困ってるみたいだけど・・・。そうしていると父さんが起きてきた。
「おはよう神那、雪乃もお帰り」
「おはよう父さん」
「ただいま帰りました、あなた」
「・・・何か困ったことでもあるのか?」
さすが父さん、すぐに母さんが悩んだのが分かったみたい。
「それなんだけど・・・神那。今度フェイトちゃんに、プレシアさんとお話がしたいって伝えておいてくれないかしら?」
「いいけどどうして?」
「プレシアさんが管理局をやめて何をしていたか、それを本人に確認したいのよ」
あれ?それを調べに行ってたんじゃ・・・。
「ふむ、フェイトちゃんが関係しているんだな?」
「ええそうなの。だからお願いね」
「今は言えないってことなんだよね?」
「そういうことよ」
「了解、今日の夜にでも伝えておくよ」
なるほど、フェイト自身のことなのに、他人がむやみに知っていいものじゃないってことか。母さんは調べるためだったから仕方ないけど、僕や父さんは違う。知りたくても、知ってほしくない事だって誰にでもあるはずだから。
「あ、母さんはいつが空いてるの?」
「そうねぇ・・・次の日曜日がお休みね」
「分かった。その日でお願いしておくよ」
「お願いね。もしフェイトちゃんが渋ったら、責任は全部私が持つってことも伝えておいてね♪」
「・・・ほどほどにな」
父さんはため息混じりにそういった。母さんもほんわかしてるように見えて結構頑固なところがあるからね~。後、意外と無茶をしたりするのが玉に
―――ちょっと時間は飛んでその日の放課後―――
「さて、すぐ家に戻ってフェイトを探しますか」
<<・・・どうやらその余裕はなさそうですよ>>
「・・・この感覚は・・・ジュエルシード!」
<<はい、しかも結構近いです>>
ナンテコッタイ!もう少しゆっくりさせてくれてもいいのに・・・。
[フェイト聞こえる?]
[あ、うん聞こえるよ神那]
[今ジュエルシードに向かってる?]
[と言うか今まさにジュエルシードにとりつかれたものと戦闘中なんだけど・・・]
[邪魔してゴメンよぅ・・・僕もすぐに向かうから。母さんからの伝言もあるし]
[ん、分かった]
すでに戦闘中だったとは・・・。僕も急いで手伝いに向かわなくちゃ。もう終わってそうだけど・・・。
―――戦闘現場―――
・・・なんじゃこりゃ?バリアジャケットを展開した後、ついでに結界も張ってフェイトに近づいたんだけど、なんかすごいのがいた。というかフェイトよ、せめて結界くらい張りなさい・・・。周りに被害が出てからでは遅いんだよ・・・。
「フェイト、これいったいどんな状況?」
「あ、神那。えっとね・・・私もよくわかんないけど・・・ジュエルシードの反応を感知して近づいてみたら、この
「なんかこっちを気にしてないようでねぇ、攻撃しても何も反応しないから効いてるのかどうかも怪しいもんだよ」
なるほど、一応攻撃はしてみたんだね。それで反応が無いと・・・。おそらくなにかの動物だとは思うけどだと思うけど・・・。
「ちょっと失礼。イサカフォーム」
<<了解。フォームをイサカフォームへ>>
さて、まずはこのフォームの銃を撃って起こしてみるか。攻撃が通らなくても爆音で目が覚めるでしょ。
「フェイト、アルフさん。ちょっと耳ふさいでて」
「?わかった」
「何するんだい?」
「まあ見ててよ」
そう言って、僕はイサカをおよそ動物と思われるものに向かって一度だけ撃ち放った。この距離ではずす事はなく、撃った弾は散弾となり全て命中した。そして命中した瞬間爆発と、ソレによる爆発音が鳴り響いた。
「・・・爆発した・・・」
「しかも結構音が大きくて耳が・・・。銃だよねそれ?」
「ま、その辺はおいおい話すよ。さて起きてくれたかな「グルルルル」・・・お目覚めのようだけど・・・」
<<寝覚めは最悪のようですね>>
思ったとおり獣で、狼?だった。明らかにこっちを睨んでるなぁ・・・。と、そのとき。
「てやああぁぁぁ!!」
「いやいや、それはいくらなんでもやりすぎでしょ。っとそんなことより、ヴェルジュ」
<<すぐに変更します>>
掛け声と共に上空からなのはちゃんがデバイスを前方に構えた状態で狼もどきに突撃をしていった。あるぇ~?なのはちゃんって確か砲撃を得意としてなかったっけ~?ま、そんな事よりフェイトに説明をしとかないと。
[フェイト、ちょっと事情により正体を隠さなきゃいけなくなった。この仮面を付けた時、僕のことはクラージュって呼んで]
[う、うん。それも後で話してくれるんだよね?]
[もちろん]
そううなずいて僕はなのはちゃんのほうを見た。するとなのはちゃんは狼もどきが弱っていると判断したのか、ジュエルシードを封印しようとしていた。
「ジュエルシード封印!」
<<シーリング>>
「ぐるあぁ!!」
「あ!」
封印されるのを嫌がってか狼の魔物はなのはちゃんの足元から逃げ出した。空は飛べない分足は速いねぇ~。・・・なんてのんきに話してる場合じゃない。あの早さだと、結界の外に逃げられる可能性がある。
[フェイト、あの狼もどきの足止めをするから封印をお願い]
[わかった!]
そうフェイトに伝えた後、僕はソニックムーブで敵の近くまで行き、イサカを二発放ち足止めをした。
「ぐるぁ!?」
「今だ!」
「うん!はああぁぁ!」
直前の打ち合わせどおり、僕が足止めをしてフェイトが封印するために攻撃を仕掛ける。思った以上にスムーズに出来たので、内心少し驚いている。
「あぁ!?」
「ジュエルシード封印・・・!」
<<インターナライズ。NO.Ⅰ>>
ふぅ、無事に封印完了っと。被害が広がらなくてよかった。なのはちゃんは驚きつつもこちらに振り返る。
「・・・クラージュさん?」
「昨日振りかな?え~と・・・」
「あ、私の名前は高町なのはです。それとその子はいったい・・・」
「ふむ、高町さん。それに関しては話すことはできない。僕は彼女の協力者だ。君がそこの彼に対する立場と同じということだ」
名前は知っているけど、ここはあえて知らないふりを通した。演技するのも楽じゃないね~。
「クラージュさん、ジュエルシードはとても危険なものなんです!だから・・・」
「ユーノ、ジュエルシードが危険なものだということは分かってるよ。それにこっちも善意で集めているのに、いきなり悪者扱いしようとしないでくれるかな?」
「それは・・・すいません。そうですよね、そちらの事情を何も知らないのに・・・勝手に悪者扱いしたのは謝ります。でも!」
「善意で集めているのなら私たちと一緒に・・・!」
ふぅ・・・善意で集めているとは言ったけど、それだけでこちらを信用するのはいかがなものか・・・。というか、
「高町さん、昨日も言ったがそんな簡単に相手を信用しちゃいけないよ。それに値する行動をしているのならまだしも・・・」
「・・・どうしてもだめですか?」
「悪いけどね。信用できたとしても君はまだ未熟だ。そんな人物とは協力できない」
「・・・」
そう、どんなに信用していても、片方が足を引っ張る程度の実力しかないなら、はじめから協力しないほうがましだ。そう考えていたんだけど、なのはちゃんはとんでもないことを言い出した。
「だったら認めさせればいいんですね?クラージュさんを」
「ん?そういうことだね」
「だったら、戦って認めさせます!」
「うん?」
あれ?どうしてこうなった?まさかなのはちゃんがこんなに好戦的とは思いも寄らなかったよ!なんかもうやる気十分ですって感じだし・・・。
「はぁ・・・知ってるかい?今の君の行為は無謀というものだよ?」
[ゴメンフェイト、先戻ってて。終わったらまた念話するから]
[うん、分かった。待ってるよ]
「たとえ無謀と言われても、何もしないで後悔するよりはやって後悔するほうがましだと思うの!」
やれやれ、意思は固いってわけね。じゃあ始める前に・・・。
「改めて名乗りを上げよう。僕の名前はクラージュ」
<<私の名前はヴェルジュと申します、以後お見知りおきを>>
「私は高町なのは!」
<<私はレイジングハートと申します。マスターを得て間もない未熟者ではありますが、勉強させていただきます>>
「・・・いざ!」
「勝負なの!」
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こんばんは~^^今回は無印・劇場版の1シーンを少し変えてお送りします。ではどうぞ~。