修行を開始してから一週間が過ぎた。イッセーの修行は『赤龍帝の籠手ブーステッド・ギア』が目覚めたことにより、いっそう厳しくなり毎日悲鳴を上げていた
「・・・喉が渇いたな。水でも飲みに行くか」
真夜中に目覚めた大は喉が渇き、キッチンに行き水を一杯飲んでいると
「あら?目が覚めたのマサル?」
「こんな時間に何してるんだ?部長?」
大が聞くと
「ちょっとね」
大はテーブルに近づき広げられている地図とノートを見た
「作戦を考えていたのか?」
「ええ。・・・でも、これを読んでいても気休めにしかならないのよね」
リアスはため息交じりに言った
「相手がフェニックスだからか?」
大が聞くと。リアスは頷き、一冊の本を持ってきあるページを大に見せフェイニックスについて説明した
「フェニックスを倒す方法はふたつ。圧倒的な力で押し通すか、起き上がるたびに何度も何度も倒して精神を潰すか。前者は神クラスの力が必要。後者はライザーの精神が尽きるまでこちらのスタミナを保つこと」
「前者だったら俺とイッセーで出来るが決め手がないので無理」
大がそう言うと、リアスは顔を附せ頷いた
「(まぁ、アレを使えば簡単なんだけどな)」
大は気になっていたことがあったのでリアスに聞いた
「一つ聞いていいか?何で縁談を拒否してるんだ?」
大が聞くと、リアスは話し出した。自分はグレモリーの人間で、どこまでいってもその名が付き纏うことを。そして、人間界での充実した生活のことを
「私はグレモリーを抜きとして、私を、リアスを愛してくれるヒトと一緒になりたいの。それが私の小さな夢。・・・・残念だけれど、ライザーは私のことをグレモリーのリアスとして見ているわ。そして、グレモリーのリアスとして愛してくれている。それが嫌なの。それでもグレモリーとしての誇りは大切なものよ。矛盾した想いだけれど、それでも私はこの小さな夢を持っていたいわ」
「・・・・俺はそういう家柄の事とかよく解んねぇけど。俺はお前の事、ただの女の子として見てるぜ。リアス・グレモリーとしてではなく、リアスとして好きだぜ」
「え?」
大の言葉を聞き、リアスは少し顔を赤くしてしまった
「それと、一ついいことを教えてやる。例え相手がどんなに強く、自分がボロボロになっても、心が折れなきゃ負けじゃない」
「心が折れなきゃ負けじゃない」
「そうだ。喧嘩でも戦いでも、最後まで諦めない奴が勝つんだ。覚えておいて損は無いと思うぜ、部長」
大が笑って言うと
「・・・リアス」
「はい?」
「これからはリアスって呼んで頂戴」
「何でまた?」
「いいから!」
「はいはい、リアス。これでいいんだな?」
「よろしい」
リアスは笑って言った
そして、翌日。イッセー対祐斗の軽い模擬戦をしたとき、イッセーは自分の力が上がっていたことに驚いたのは新鮮だった
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折れぬ心