No.450103

魔法少女リリカルなのはStrikerS~軍狼の生きる道~第四話「狼は相棒を知る」

白さんさん

ギンガに懐かれたフェンリー。彼はナカジマ家から、慕われる掛け替えのない存在になっていく。

2012-07-09 23:09:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3095   閲覧ユーザー数:2985

 

 

「しっかし、フェンリー。お前さんギンガと何があったんだ?そんなに懐かれちまって」

 

 

夕食後、フェンリーの隣でニコニコ笑うギンガを見て、思わずゲンヤが言う。

 

 

「さあな、気づいたらこうなってた」

 

 

「そうか…」

 

 

フェンリーは立ち上がり

 

 

「さて、俺はもう寝させてもらうぜ」

 

 

「ああ、お休み」

 

 

「お休みなさい、ルナ兄さん」

 

 

「おう…えっと、お休みなさい?これでいいのか?」

 

 

「ああ、それでいい」

 

 

ゲンヤは笑みを浮かべながら言う。フェンリーはその笑みの理由がわからないまま、自分に用意された部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

部屋に入ると、フェンリーは考え事をしていた。今自分は人間の姿をしているから、別に怖がられたりはしない。だが、もし元の姿になったら、クイントやギンガ達はどう思うのか?昔、彼はその姿を見られるだけで、人間は恐怖していた。彼女達も同じ反応をするのだろうか?

 

フェンリーは今この場所がとても気に入っている。戦い以外に初めて楽しい事を見つけた。初めて自分の居場所が出来た。できる事なら、この居場所を壊したくない。

 

 

「チッ…何考えてんだ…俺は」

 

 

フェンリーはそのままベットにダイブした。

 

 

「あぐ」

 

 

「あ?」

 

 

何やら声がした。フェンリーは気のせいだと思ったが

 

 

「潰れます。お願いですから退いて下さい」

 

 

「ッ!?」

 

 

フェンリーは慌ててベットから離れる。ベットの上に居たのは、とても小さな体に特徴的な犬耳?がついている妖精のようなもの。

 

 

「サイバーエルフ!?」

 

 

この場所に居る筈もない、サイバーエルフがフェンリーのベットの上に居た。

 

 

「なんだってこれがこんな所に!?」

 

 

「何を言っているのですか?私は貴方とずっと共にいましたよ?」

 

 

「あ?それはどういう……あーそういうことか」

 

 

フェンリーは理解した。そう、このサイバーエルフは彼が作られた時融合し、その生涯を共にした改造エルフであった。

 

 

「お気づきになられましたか?」

 

 

「おう…生まれたときからずっと融合してたから、お前の存在に気づかなかったぜ……で?お前がそこに居るっていうことは、融合は解けてるんだな」

 

 

「はい…あなたがレプリロイドゼロに破壊され、この世界に来た時から融合は解けていました」

 

 

「なら今まで姿を出さなかったのは何でなんだ?つーかどこに居た?」

 

 

「ポケットの中です」

 

 

「は?」

 

 

「ポケットの中です」

 

 

「いや、二度も言わなくてもいい、何でポケットの中に?」

 

 

「居心地が良かったからです」

 

 

「お前絶対変だぞ?」

 

 

フェンリーは軽くため息を吐き

 

 

「お前の名前は?」

 

 

「え?」

 

 

「お前の名前はって聞いてんだよ。一応今まで一緒に生きてきた相棒だ。今更だが、名前知っとかないとダメだろ?」

 

 

「……私はアクセラレーションエルフ。『セルシウス』です」

 

 

「セルシウスね……たいそうな名前だな。さて、俺は寝るからそこを「フェンリー」なんだよ…?」

 

 

「あなたに一つ、言わなければならない事があります……それは……」

 

 

「……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

 

 

 

「お、フェンリー。朝から早いな」

 

 

居間に来たゲンヤは、ソファーに座っているフェンリーを見て言う。

 

 

「まあな……」

 

 

「?どうしたフェンリー、やけに元気がないな」

 

 

「朝だからじゃね?」

 

 

「なるほど、お前さんは朝が弱いのか。なるほど、なるほど」

 

 

カッカッカと笑うゲンヤを尻目に、昨夜セルシウスに言われた事を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェンリー。あなたは私と融合すれば、元の姿……レプリロイドの姿に戻れることが出来ます」

 

 

「なっ!?それは本当か!!」

 

 

セルシウスは頷く。

 

 

「ただし、融合するには条件があります」

 

 

「条件?」

 

 

「はい、あなたが『真に戦いを望む時』あなたと私は融合することが出来ます」

 

 

「真に…戦いを望む時……つまり、俺の意思次第ってことか」

 

 

「そうなりますね。では、私は眠ります。なるべく起こさぬよう、お願いします」

 

 

そう言い、セルシウスは眠りにつこうとするが

 

 

「おい」

 

 

「何ですか?たった今なるべく起こさぬようと言ったはずです」

 

 

「そこ俺の寝床だ。退け」

 

 

「……枕の横で寝ても良いですか?」

 

 

「枕の横でも良いから、寝床の中心から早く退け。俺が寝れねーだろ」

 

 

「流石はフェンリー、話がわかります。それでは私は枕の横へ……」

 

 

「早く移動しろぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

後半寝床の話しかしていないきがするのは、気のせいだと信じたいフェンリーであった。

 

 

 

『あなたが『真に戦いを望む時』あなたと私は融合することが出来ます』

 

 

 

「(真に望む時…か。そんな時が来るのかねぇ?この世界で……)」

 

 

そう感じたフェンリー。

 

 

 

 

 

 

 

だが、その時は遠くない将来。やってくるのだ……

 

 

 

 

 


 
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