No.450028

Kingdom

lepusさん

このゲーム、VRMMO「Kingdom」は古の王国を目指して全100階のダンジョンのフロアを進んでいくゲームです。ちなみにログアウトはできませんのでご注意を・・・
パーティー作成不可?、武器無し?
こんなんで生きていけんのか?

はじめて小説をかいてみました。

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2012-07-09 21:53:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:343   閲覧ユーザー数:343

 

――――このたびはVRMMO「kingdom」をお買い上げいただき、ありがとうございます。

早速ですが好みのキャラを作成し、武器を指定してください・・・

 

 

今日、俺は新しく発売されたゲーム「kingdom」を買った。

このゲームはバーチャルのなかに入ってプレイするらしいのだが、よくわからない。

そもそもゲームなんて興味なかった俺がこのゲームを始めようと思ったのは、

大学に落ち、受験勉強に疲れ果てたため、気分転換をしようと思ったからだ。

というのは口実で、バーチャルの中に入れるという新機能にひかれて、

予約開始日に速攻で予約しに行ったんだ。そして今日がサーバーが立つ日。

しかし、久しぶりに買ったゲームでこんなことが起こるなんて・・・

 

 

ゲーム開始初日、俺は片手剣を選んでキャラを作成した。

初日とあってかプレイヤーがかなりの数だ。

俺がバーチャルの感覚を楽しんでいる時、

 

悪夢の始まる音が流れた

 

ピンポンパンポーン

軽やかな電子音がこの世界に鳴り響いた

 

「えー、このたびはVRMMO「kingdom」をお買い上げいただき、ありがとうございます。

こちらは運営しているサーバーの主です。

プレイヤーの皆様は自分好みのキャラを作れたでしょうか。

これから、このゲームについての詳しい内容をお知らせいたします。

VRMMO「Kingdom」は古の王国を目指して全100階のダンジョンのフロアを進んでいくゲームです。

1フロアは1階と解釈しもらってかまいません。

1フロア内には町が一つあり、そこを拠点としてフロア攻略をして下さい。

フロアの最奥部にはフロアボスが待ち構えており、ボスを倒す次のフロアへ行ける仕様となっております。

最後に、このゲームはログアウト不可、つまりゲームの終了ができません。

ログアウトするには、100階目のフロアのボスがラストボスとなっていて、

ラスボス討伐が確認され次第ログアウトができるようになります。

ただし、プレイヤーが倒された場合、この世界での死亡とともに、

現実世界でも死亡と判断され、特殊な電波をプレイヤーに送り、脳死させます。

詳しくは、アイテムボックス内の説明書をお読みください。

では、ご健闘を願っております」

 

 

・・・・・・

数秒間か声が出なかった。

周りから悲鳴やら泣き叫ぶ声が聞こえる。

俺もメニュー画面を開いてみたが、「ログアウト」のコマンドがなかった。

 

さて、他のプレイヤーの反応はこうだった。

即座に現在地、1フロア目の町からダンジョンへと向かっていったもの

パーティーを作り、レベルを上げに向かったもの

モンスターに怯え、宿に引きこもっているもの

モンスターを狩り、ダンジョンを進めるプレイヤーを支援するもの

の4つにわかれた

俺はと言えばパーティーを作ってレベルを上げようとしたのだが、

「パーティーの作成ができません」

とテロップが出てできなかった。

 

あれ?

何で出来ないんだ?

普通はできるはずだよなぁ

もしかして・・・バグ?

そんなことはないはずだ

とりあえずメニューを開いてみよう

 

”新しい称号を獲得しました”

 

メニュー画面を開くと同時に電子の音声が鳴り響いた

俺何かしたっけ?

たしか称号を獲得すると何かしら特殊な効果が半永続的にかかるはずだったな

まぁ称号が手に入ったんだうれしいことには変わりない

さてどんな効果だろうかなーっと

 

 [雑魚]

  全ステータスダウン(かなり)

  クリティカルヒットされやすい

 [ぼっち]

  パーティーを作成できない

 [キュウソネコカミ]

  敵とのレベルが10以上離れている場合ステータスアップ

 [不運]

  スキルが外れやすい

  状態異常にかかりやすい

 

え?

ええ?

えええええええええええええええええええ

 

ウソだろ

初っ端からこんな称号が入ってるとか

俺何にもしてないぞ

え?

マジで?

まさか俺だけじゃないよなぁ

そうだよな

 

「ちょっとそこの君ー」

 

「はい?パーティーの勧誘?残念だけどソロで活動するから」

 

「まってまって」

 

「え?まだ何か用ですか?早くレベル上げたいんスけど」

 

「ああ、すまん一つだけ聞かせてくれ。

なんか称号獲得してある?」

 

「ちょwwまだ始まったばっかスよ?

こんな早く称号手に入るとかありえませんよww

じゃ、一つだけっていいましたよね、ではー」

 

・・・・・・はぁ?

まじかよ俺だけかよ

しかもなんだあの態度は

あんな弱そうな体で両手剣なんか背負って

・・・あれ?

そういえば武器は?

片手剣は腰に装備されて・・・ない?

ちょ、え?

武器ない?

アイテムボックスの中に入って・・・もない

どうしよう

ん、ちょうどいい長さの棒だなー

 

ヒョイ

 

ポーン

”称号[弘法武器を選ばず]を獲得しました”

”片手剣「wood」が装備されました”

 

へ?

また称号?しかも木の棒が武器?

ていうか弘法武器を選ばずってなんだよ

 

 [弘法武器を選ばず]

  腕のいい戦士は武器を選ばないということから。道に落ちているものでもなんでも武器にできる

 

 片手剣「wood」

  攻撃力 5

  重さ  約600グラム

   フロア1 町 にて獲得

   ただの木の棒

 

なんだこれ

こんなんでこれから生きていけるの?

 

 
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