No.450010 IS『に』転生ってふざけんな! 第14話ヒビトさん 2012-07-09 21:40:47 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3442 閲覧ユーザー数:3353 |
――――今の気持ちを一言で表すのなら『心地いい』ではなく『鬱陶しい』だ。
自分の姉がナターシャさんにどんな事をしているのかも知らずに、のうのうと最新最強の第4世代ISを乗り回す篠ノ之箒に対して。
そんな奴を『仲間』だと言い、(多少被害妄想が過ぎると思うが)この福音事件で最大の被害者である俺達を攻撃する鳳鈴音、セシリア・オルコット、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ。そして―――ここにはいないが、織斑一夏。
こいつらが正義面して俺の前に立っているのが、たまらなく鬱陶しい。
(真実を知ったら、一体どんな表情をするんだろうな)
……だが、それを教えてやることができない俺は――――その心の靄(モヤ)を掻き消すために、新たな武器である《ガラティーン》を天に翳し………腕全体を使って、振う。
その剣は、空気を切る音すら聞こえない。
(さて………まずは―――――)
俺はゆっくりと周りを確認し、4人の位置を確認した。
そして―――戦闘が再開される。
頭上にエネルギーの塊のようなものを生み出し、そこからエネルギー弾の超乱射による攻撃で箒を狙う。起爆によるダメージよりも、その圧倒的乱射による圧力で箒は吹っ飛ばされた。
そして―――――
「!!?」
一瞬でセシリアとの間合いを縮めた俺は、ガラティーンで2メートル以上あるライフルを斬り、銃身を切断する。
「――――っく!」
セシリアは唯一の武装が破壊されたためか、後方に退いて逃げようとした。
だが、俺はそれを逃がさない。
ブルー・ティアーズよりもさらに速いスピードで加速し、それに追いついた。
エネルギーでできた翼を大きく広げ、青い機体を完全に包み込む。
そしてエネルギーを流し込んで攻撃し、シールドエネルギーを一気に削りきる。これで残りは2機。
再度頭上にエネルギーの塊を出現させ、箒と同じようにシャルロットを攻撃する。しかしそれはエネルギーシールド1枚を壊すだけで、本体までは届かない。しかし今はそれでいい。
俺の本命は―――――ラウラだ。
ラウラの砲撃を全て回避しながら接近し、ガラティーンの間合いにまで入り込み、4枚の物理シールドと2門の砲身を斬り刻んだ。
「そんな、バカな……!!?」
エネルギー弾を超至近距離で連射し、シュヴァルツェア・レーゲンは海に頭から落下していく。
そして最後に残ったシャルロットの前に飛び、物理シールドごとラファール・リヴァイヴカスタムⅡをガラティーンで突き刺した。
そのままリヴァイヴを蹴り飛ばし、剣がシールドから抜ける。これでもう、この空域には俺以外のISの姿はない。
(……――終った―――)
襲い掛かる安心感と解放感。心の底で燻ぶっていた鬱陶しさはもう無くなっていた。
いや、まだだ。エネルギーを完全に消費させなければ、ナターシャさんを助けた事にはならないし、5機のISもまだ完全に機能を停止してはいない。
(それに――――)
――――バシュウゥゥゥ!!――――
《銀の鐘(シルバー・ベル)》を最大出力で撃とうとしていた俺に、荷電粒子砲による狙撃が襲いかかった。
来るのは解っていたが、モーション中だったので回避が遅れてしまい、僅かにではあるがシールドエネルギーを持って行かれた。
「俺の仲間は、誰一人としてやらせねえ!」
(――――主人公サマのご登場だ)
これで、最後だ。俺はお前を斃し、好き勝手に暴走した挙句にエネルギー切れで停止した【最悪のIS】としての末路を辿ってみせる。
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これは、米国の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』に憑依転生してしまった少年と、その操縦者であるナターシャ・ファイルスの噺である。