No.449258 いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生したたかBさん 2012-07-08 19:23:13 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:7615 閲覧ユーザー数:7080 |
第二十話 ま、まあ。細かいことは後で考える!
黒の放浪者。アサキム。
『知りたがりの山羊』ともう一つの正体不明のスフィアの持ち主で、黒い魔王。暗黒騎士と髣髴させんばかりのそのバリアジャケットは鋭角なフォルム。シュロウガ。
右手には赤黒く染まった細身の両刃剣。
魔王剣ディスキャリバー。
それを軽く振っただけで先程の執務官と金髪の少年をぶっ飛ばした。
その直後にアサキムの鎧から手品のように放たれたカラスのような炎でこの結界をぶっ壊す。
それからはアサキムの独壇場だった。
なのはのディバインバスターを軽々と避け、フェイトの高速で繰り出される斬撃をディスキャリバーで受け流す。アルフのバインドもまるで何もなかったかのように振りほどく。
そうしている間にヴィータと他の女性と狼がシュロウガがぶち抜いた結界の穴から抜け出す。その後シュロウガから広がった魔力が新たな結界で俺達は閉じ込められた。
ブラスタのSPIGOT(射撃型)には流石に危機感を覚えたのか防御態勢を見せて、それを受け止めた。
ブラスタから放たれた四つの光輪から吐き出される幾本もの光線でシュロウガを止め、魔力を増幅させたレーザーがブラスタの胸部から放たれる。
放たれたレーザーは四つあるうちの
クロウは焦っていたのかレーザーは四つではなく、光輪の二つを通ったところでシュロウガを纏ったアサキムに当たり爆発を起こした。が、
「な、なんで…。なんでSPIGOTが効かない!」
「不思議かい?『揺れる天秤』?僕に勝てないことが?」
爆発の中から現れたのは少し焦げ跡を残しただけのシュロウガだった。
…どんだけチート?
俺。沢高志が望んだ平和な世界はこれで完全に否定された。
いくら未完成のSPIGOT(射撃型)とはいえ、焦げ跡だけって…。
俺は
(…ねえ、お兄ちゃん。あの子誰?凄い私に似ているんだけど?)
しまった!?
ていうか、なんでフェイトがこの結界内にいるの?!
ええいっ、今は緊急事態だし遅かれ早かれ知るんだ。今のアリシアには最低限の事を教えればいいっ。
(……あ~、あいつはお前の妹だ)
(嘘?!お母さんは何も言っていないよ!?あたしが寝ている間に何があったの?)
(まあ、明日全部プレシアが話すさ。とりあえずあの子はお前の妹。OK?)
(オッケー♪…あれ?でも?)
俺の答えに何の疑問も持たずに答えたように見えたアリシアだが何かに気づいたようだ。
(どした?)
(あの子の方が私よりも大きくない?)
…う、やっぱり気が付くか。
…え、えーと、どう言うべきか。
(…いっぱい飯を食ったからじゃないか?その分大きくなったんだろ)
(そっか)
ごめんフェイト。
俺の発言でアリシアの中でのお前のイメージが大食いキャラになった。
(私もたくさん食べれば大きくなれるかな?)
(なれるさ)
横にな。
(…お兄ちゃん。へんなこと考えてない?)
(カンガエテナイヨ)
あぶねー、感づかれるところだった。
ところでユニゾンしているやつと別思考しているこの意識の差ってなんだろう?
帰ったらプレシアに聞いてみよう。なんて考えていたら、
「フェイトとなのはを離せぇえええええ!」
アルフの雄叫びと同時に俺は再び意識を空に向けるとなのはとフェイトがアサキムにのどを掴まれて苦しそうにしていた。
…やばい、あれじゃ下手したら死ぬぞ!
あのチートなアサキム相手だ。絶対にマグナモードを使わないと負けてスフィアを狩られる。
だけど、使っていいのか?
マグナモードの使用でアリシアがスフィアに喰われないという保証も何もないのに…。
(お兄ちゃん!あの子を助けよう!)
(…アリシア。お前。…いいのか?あいつ相手だとマグナモードは絶対使うことになるんだぞ?)
アリシアもうすうすは感じ取っているのだろう。スフィアと自分が違う存在ということを…。それなのに…。
(当たり前だよ!だって私の妹だもん!)
だな!
家族の為に全力を振るわないのは俺の心情に関わる。
でも、出来れば話し合いで済めばいいんだけど。なんて甘い考えもあったが更にアサキムがなのはとフェイトの首を絞め始めたのを見て俺は考えるのをやめてアサキムに突撃した。
「ああ、もう。やっちまったよ!」
(全くだよ!だけど、長居は出来ないんだよね)
アルフに完全に気を取られていたアサキムをライアット・ジャレンチで地面に叩き落とした俺。
これで交渉の余地は無くなった。
思えば、対人戦闘では不意打ちしかしていないような…。
ま、まあ。細かいことは後で考える!
マグナモードでボコした後にアサキムを説得しよう!
「一気に決める。アリシア!」
(うん!スフィア全開!)
「ガンレオン・マグナモード!!」
まずは現状打破を最優先!
俺はマグナモードの副作用で体中に走る激痛に耐えながらもライアット・ジャレンチを掲げながらアサキムに特攻を開始した。
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第二十話 ま、まあ。細かいことは後で考える!