剣を学ぶ本田・二代にとって、父である忠勝を含む松平四天王は特別な存在だ。三河は人払いや怪異の
多発で人が少なくなってきているが、それでも松平四天王の人気は未だに高い。最近、出張とやらで
井伊・直政を見ないが、彼や父、榊原は三河に残った人々ぼ顔役となっている。
そして、ここにいる酒井は松平四天王の実質リーダーとされる御仁。
昔に会って話したこともあるのだが、十年前のことであまり憶えておらず単なる猫背のオヤジだと。
そしてもう一人、酒井の右側に座っている男は李・小狼という名らしく、元信公に拾われた者らしい。
父上は十年程前に会ったことがあるらしく親しげだ。そして先ほどの戦闘でも反応が恐ろしく早く、
こちらの斬撃に対しカウンターをとってくるほどの腕前だ。
「あ、俺、酒井・忠次ね。君のお父さんとかよりマジ偉いから。俺と君のお父さんは地元で、そっちの
榊原と、ここにいない井伊は、小4からの編入組。で、学生時代は殿先生、
ーー元信公が学長兼永世生徒会長だったから俺総長で、君のお父さんが特攻隊長」
「副長って言えよ馬鹿野郎。今でも三河特例として聖連認可の特殊予備役副長だそ。」
「無視するけど、井伊が副会長で、榊原が口先だけの書記でなあ」
「べ、別にそんなことなかったのですぞ!書記で文系といての能がありましたしな!」
榊原がからかわれて興奮している
「Jud、榊原様落ち着いてください。それに学長も忠勝公もからかい過ぎですよ」
「はっはっは、すまんすまん。つい久しぶりに会ったからいじりたくなってなあ」
酒井がそうして笑っていると忠勝が、
「小僧、二代はお前のことを知らん。お前も自己紹介ぐらいしとけ」
と小狼に促した。
「Jud]
と一息おき、
「俺は李・小狼、年は君と同じで武蔵アリアダスト教導院の学生だ。一応役職持ちで今はいない副長の
代理を預からせてもらっている」
とその紹介に忠勝が
「何だ小僧、お前正式な副長じゃねえのか?」
「ええ、何より俺は襲名者じゃありませんし、教導院の皆にも言われたんですがこちらの方が動きやすいので」
「ああ、そういえば君は本田・正純を知ってるか?
武蔵の副会長をしているんだが、「君によろしく」だそうだ」
「Jud。正純とは中等部行以降、顔を合わせておらぬが、武蔵に行ったと聞いている」
すると酒井が日本酒を片手に、
「ダ娘君、武蔵来ない?君みたいな人材かなりほしいなあー。今なら特典で小狼君と毎日、
稽古をつけられるけど」
二代はしばし考えた・・・武蔵に来い、か。
極東唯一の領土だ。移動によって極東をまわる艦だ。
環境のいい武蔵の学長が誘うのだからサポートも万全なのだろう。それに歳も同じで同レベルの実力者
は三河にいないので小狼殿との稽古はいい刺激になるかもしれない。
だが、すぐに答えは出せない。なぜなら、
「ーーー少し待ってろ、酒井」
父上が酒井殿と話している。拙者が父上と決めたことなので変えるつもりはない。
だが酒井の提案もそれはそれで気に入っていた。と、そうしていると、
「ーーー鹿角様」
「Jud。」
昔馴染み達との話し合いが終わり、忠勝が去ろうとする時、
「少しお待ちを、忠勝公」
小狼が忠勝を止めて近づいた。
「どうした小僧。腹でも下したか?便所なら店の中だぞ」
「いえ、そういうわけではないのですが少し気になってしまって」
「ほう、何が気になってるんだ?」
「忠勝公、何かなさろうとしてますね、それも命懸けの」
忠勝は小狼の言葉に真剣な表情になった。、
「ほう、なぜ気づいた?」
「目と口調です。それと学長や俺と話している時の雰囲気で感じました」
「ではどうする小僧、俺を止めるか?」
と忠勝が試すように言うと、
「いいえ、俺は止める気も誰かに話すこともしません」
と小狼はいつもと変わらない落ち着いた声で言った。
「あなたが今から何をしようとするかは俺は知らない。
だけどあなたが今からすることに対してそれほどの覚悟でやると決めたなら俺はあなたを止めることはしない。
俺の出来ることといえばあなたがやると決めたことをやり遂げられるよう祈るぐらいしかないでしょう」
「俺がやろうとすることをお前はなぜそこまでする?」
と忠勝の言葉に小狼は、
「俺にもやらなければならないこと、取り戻したいものがある。だから今のあなたの気持ちが分かる」
と言われ忠勝はしばし黙っていると急に笑い出し、小狼の肩を軽く叩いた。
「はっはっは、お前は相変わらずだなあ」
「は、はあ」
なぜ笑われているのか小狼はよく分かっていない。
「なあに気にするな、少し懐かしくなってな」
と小狼に言うと、
「忠勝様、そろそろお時間が・・」
「ん、そうか悪いな小僧、祭の準備で我はここまでだ。この先、しっかりやれよ」
「Jug、そのつもりです。ああそういえば忠勝公、
もし元信公に会ったらこう言っておいてください」
一息おき、
「「俺にも願いができた」と」
「Jug、伝えておく」
と忠勝公が去っていくと鹿角が小狼に、
「小狼様、もし二代様が武蔵に行った場合、少し世間知らずなことがあるので、
・・・・よろしくお願いします」
数時間のち、三河の地脈が暴走するまであと数分しかないころ、
「これはーー、」
{西国無双}立花・宗茂が妻、立花・誾へ蜻蛉切と一本の長刀が渡された。
「再戦したいなら、三河消失で吹っ飛ばしたら駄目だろうが。--大罪武装とまでいかずとも、
このくらい無くちゃあ、そっちのボウズと対等の勝負になるめえよ」
「ではこちらは?」
「ああそっちはな、殿が前々から渡したっかったんだがタイミングが合わなくてな。それは
武蔵の李・小狼に渡してくれや」
Tes、と言って誾が去っていく。
本田・忠勝は、全身から血をこぼしながら新名古屋城前の一座に着いた。
「おうい、先生よ。我と、こいつも中にいれてくれっか?」
「未成年は飲種禁止だぞー」
「なあ先生よ、我、中退だってよ」
「安心しなさい。井伊と榊原もそんなな感じだから」
「じゃあ、残ったのは酒井の馬鹿だけかよ。
ーーー馬鹿のくせにいつも上手いことやりやがる」
だよなあ、と元信が言葉を天を仰ぐのを忠勝は見た。
「そういえば、僕が作ったあれ、しっかりと渡してくれた?」
「Jud。しっかりと渡したぞ。しかしなんだあれ?聞いた話だとおもしろい仕様だな」
「まあね。だけどあれは彼専用ともいえる仕様だろ」
「たしかにあいつにピッタリだな、そういえば先生、さっき酒井達と会った後小僧にこのことばれちゃってな。
それなのにこんな事言われちゃってさ」
「へえ、彼は何て言っていた?」
「「あなたが今からすることに対してそれほどの覚悟でやると決めたなら俺はあなたを止めることはしない」とさ」
「そうか彼は初めて会った時と変わらないんだね。僕も会いたっかなあ」
元信が懐かしんでいると、
「そういえば殿先生、あいつからの伝言がある」
「どんなだい?」
「俺にも願いができた」
その言葉に元信はとても嬉しそうに微笑んだ。
そうして時間が経過していき、
「殿先生そろそろ時間だ」
「そうだね。では、---------これより授業を始めます」
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今更ながら小狼って優秀ですね