No.447960

魔法少女リリカルなのはStrikerS~軍狼の生きる道~第二話「狼は居場所を得る」

白さんさん

クイントとスバルの誘いにより、ナカジマ宅にやって来たフェンリー。さてはて、彼は一体どうなる!?

2012-07-07 11:24:33 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2474   閲覧ユーザー数:2393

ナカジマ宅へと来たフェンリー。現在、彼は居間に居て、目の前には一人の男性がいる。

 

 

「お前さんがスバルを助けたのか。本当にありがとうな」

 

 

ゲンヤ・ナカジマが、フェンリーに頭を下げ礼を言う。

 

 

「別に礼を言われるような事しちゃいねー。後、成り行きだって言ってんだろ?」

 

 

フェンリーの言葉に、ゲンヤは笑う。

 

 

「若いもんにしては中々面白い事言うやつだな、気に入ったぞ」

 

 

「はぁ……(の前によー…こいつ如何にかなんねーのか?)」

 

 

「♪」

 

 

フェンリーは隣を見る。フェンリーの隣には、満面の笑みを見せるスバルが居る。

 

 

「ははっ、随分とスバルに懐かれてるな」

 

 

「……おいおい(人間の餓鬼に懐かれるとはな……オッサンやティターニャンが見たらなんて言われる事やら……)」

 

 

頭を抑え、呆れたようにため息を吐く。

 

 

「……」

 

 

そんなフェンリーの様子をギンガはじっと見る。

 

 

 

「お待たせ~♪」

 

 

クイントがキッチンからやって来た。クイントは手に持った料理を食卓に乗せていく。

 

 

「お、今日はカレーか!うまそうだな」

 

 

「でしょ~♪フェンリー君、遠慮せずに食べてね」

 

 

そう言いながら、クイントはフェンリー、ゲンヤ、スバル、ギンガにスプーンを手渡す。

 

 

「それじゃ、食うか」

 

 

「「「いただきま~す!」」」

 

 

スバル達はカレーを口に運んでいくが

 

 

「……」

 

 

フェンリーはスプーンを手に持ったまま固まる。

 

 

「?どうしたの?」

 

 

「いや…」

 

 

「もしかしてカレー嫌いだった!?」

 

 

「そうじゃねー……あのよ、はっきり言うぜ?」

 

 

「?」

 

 

「俺、料理っての生まれてからこのかた、一度も食ったことねーんだわ」

 

 

「「「!?」」」

 

 

「え…?」

 

 

彼女達は信じられなかった。ではこの青年は料理を食べずに、今までどうやって生きてきたのだろうか?

 

 

「……わりぃ、なんか空気壊したみたいだな、あぐっ」

 

 

フェンリーはカレーを口に運ぶ。

 

 

「!?こ、これは……」

 

体を震わせ

 

 

「う、うめーじゃねーか!……まさか料理ってのがここまでうめーなんて知らなかったぜ!」

 

 

まるで子供のようにはしゃぐフェンリーを見て、クイントは微笑ましく彼を見る。

 

 

「私達も食べましょ」

 

 

「「は〜い!」」

 

 

 

そうして、晩御飯の時間は過ぎていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クイントはスバルとギンガを寝かしつけ居間へとやってくる。そしてクイントはゲンヤの隣に座る。机を隔ててフェンリーが椅子に座っている。

 

 

「さて、フェンリー。お前さんの事について色々聞かせてもらうが…いいか?」

 

 

「別に構わないぜ」

 

 

「まず、あなたの出身は?」

 

 

「知らねー」

 

 

「…じゃあ次、あなたは何歳?」

 

 

「知らねー」

 

 

「……あなたは」

 

 

「知らねー」

 

 

「まだ何も言ってないんだけど……ってか真面目に答えてる?」

 

 

「あ?俺は至って真面目に答えてるぜ?」

 

 

嘘は付いていないようなので、質問は続く。

 

 

「質問を変えるわ。あなたは生まれてからこのかた、料理を食べたことがないって言ってたけど……あれはどういう意味?」

 

 

「そのまんまの意味だ。俺は元々レプリロイドだし」

 

 

「レプリロイド?」

 

 

その単語に二人は頭を傾げる。

 

 

「んだ?そんな事もしらねーのか?しかたねえ、説明してやんよ。レプリロイドってのは人間的思考回路を持つロボットの事だ。常識だぜ?」

 

 

「常識……なの?」

 

 

「いや、俺を見るなよ。俺も今日初めて聞いたんだからな……お前さんがそのレプリロイドってのは驚いたが、元々ってのはどういうことだ?」

 

 

フェンリーは表情を変え不機嫌そうに言う。

 

 

「俺はとある作戦の実行中に、同じレプリロイドに破壊されて、気づいたら人間の姿になってて、あの公園に居たんだよ」

 

 

「破壊された…ってあなた、一度死んじゃったってこと!?」

 

 

「まあそうなるな」

 

 

クイントは驚愕したまま固まってしまう。

 

 

「俺は戦闘用に作られたレプリロイド。いつかはそうなる運命だったんだ、別にこれといった感情なんざねーよ。それに最後の戦いは楽しかった。満足に死ねたからなんの問題もねえ」

 

 

「……」

 

 

「フェンリー……」

 

 

すると、クイントが立ち上がり

 

 

「フェンリーk、いや、ルナ君!」

 

 

「は!?ルナ君!?」

 

 

「あなた今日から此処に住みなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

フェンリーは思考が一旦停止した。だが直ぐに

 

 

「はぁああああ!?何言ってんだお前!?」

 

 

「あなた戦闘用に作られたって事は、戦闘以外何もしらないんでしょ?」

 

 

「あ?…ああ、まあな」

 

 

「そんなの可哀想よ!私が戦闘以外のこと色々と教えてあげる!!どうせ行く所ないんでしょ?」

 

 

「どうせってなんだ!?ま、まあ、行く所はねえな…行くとしたらあのベンチくらいか……ってか、俺みたいな素性不明でわけわかんねー奴、家に置いて良いのか?」

 

 

「大丈夫!一人増えても生活には大して支障は出ないから!!「いや、そういうことじゃなくて」あなたもいいわよね!?「話きいてんのか!?」」

 

 

クイントはゲンヤを見る。ゲンヤはため息を吐きながら

 

 

「相変わらずお前は勝手に話を進めていくな……まあ、別に俺は構いはしねぇ。スバルも随分とフェンリーに懐いちまってるし、ギンガもそこそこ興味もってるし……いいんじゃないか?」

 

 

「なら決まりね!!ちょっと待ってて!空いてる部屋があるから、今すぐ過ごせるように準備してくるから!」

 

 

光の速さでクイントは居間を出た行った。残されたのは茶を飲むゲンヤと、話が進みすぎて、全く追いつけていないフェンリーだった。

 

 

「まあ、クイントはああいう奴だ。気にしたら負けだぞ?」

 

 

「チッ……人間ってやっぱわかんねー生き物だぜ」

 

 

「ははっ、まあそう言うな、フェンリー。さて……俺達でお前さんに人間の生き方っての教えてやるから、覚悟しとけ」

 

 

「お手柔らかにたのむぜぇ……」

 

 

ダルゲに言うフェンリー。

 

 

 

 

 

そうして、フェンリーとナカジマ家の奇妙な生活がスタートしたのであった。

 

 

 


 
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