「んんっ・・・」
朝の目覚めは最悪だった。
ここ何か月間、ずっと体調がすぐれてはいなかったが、最近はさらにひどく、熱も出ていた。
しかし、今日は熱も下がり、気分もいつもよりは全然いい。
なぜ最悪なのか・・・
「起きたか、ツナ。」
「リボーン!おはよう。」
ツナは笑顔でリボーンにあいさつした。
でもその笑顔はどこか悲しそうだった。
「?何かあったか、ツナ?」
「・・・はは。さすがだね、リボーン(苦笑)」
「・・・・・・・今日なのか?」
「そうみたい。」
部屋に沈黙が走る。
「ねぇ、リボーン。」
ツナのほうを見る。
「俺がいなくなったら、みんなのことよろしくね。」
「みんなには言わないのか?」
「言わない。いや・・・言えないよ。これ以上心配かけられないから。」
「分かった。そういえば獄寺が朝飯の用意をしていたぞ。」
「ほんと?今日はみんなで一緒に食べられるかな?」
嬉しそうに笑って、ベッドから起き上がろうとする。
その時に一瞬辛そうな顔をしたが、気づかないふりをした。
「(どうしてツナが・・・。確かに何をしてもダメダメだが、仲間のためには本気で何事にも立ち向かういいやつだ。神に嫌われるようなこともこいつはしてねぇ。なのになんで、病気はこいつを・・・。)」
「リボーン?朝ご飯食べに行こう。」
「・・・。あぁ。」
「そんな悲しい顔しないでよ。こっちまで悲しくなる。」
「俺はそんな顔してねぇぞ!」
ツナに蹴りを食らわす。
「いたっ!一応病人なんだけど!」
「そんなことは関係ねえ。行くぞ、ツナ。」
「そんなぁ。」
といいつつ、リボーンに笑って答える。
「(こいつはいつものツナだ。いつも通りにせっすりゃぁいいじゃねぇか。)」
そう思いながら、ツナと一緒に階段を下りていくのだった。
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『ありがとう』の第一話です。