No.447614

超次元ゲイムネプテューヌ『女神と英雄のシンフォニー』チャプターⅠ第5話『覚えなき武の記憶』

月影さん

ストーリーは無印ですが、スキルはマーク2準拠です。でないと、DL コンテンツがないのでガストとかを戦闘シーンで空気化させるので

2012-07-06 23:15:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1124   閲覧ユーザー数:1090

「すっげー……」

 

 思わず感嘆の声が出る。視線の先にはさっきとはまるで別人になったネプテューヌがモンスターと戦っている。太刀と鍵がぶつかり合い、火花を散らしている。尤も、それはネプテューヌが攻めてる時のみで空中でも自由に動ける事からモンスターからの攻撃はことごとく避けられている。

 

「ほ、ホントにあの女の人がねぷねぷなんですかぁ?」

 

 そこでようやくフリーズ状態から回復したコンパが声を挙げる。その気持ちはよく判る。見た目は勿論、性格すら普段とは別人なのだから。頭では納得した今でも、何処かでやっぱ別人なんじゃと思う俺がいるのだから

 

「とはいえ……」

 

 あれがネプテューヌであるにせよ無いにせよ、ハッキリしてるのは

 

「このまま黙ってる訳にはいかないよな」

 

 男女差別のつもりではないが、男の俺が守られっぱなしと言うのは頂けない。親友の様に常に誰かを守りたいという主人公体質な献身的精神も持ち合わせちゃいないが

 

「せめて、共に戦うぐらいはしないとな」

 

「で、でもどうするです? 私達じゃあのモンスターさんには歯がたたないですよ」

 

 そう、問題はそこだ。俺やコンパはあのモンスターに対し、効果的なダメージを期待できる攻撃手段を持ち合わせてない

 

(いや……あるじゃないか)

 

 不意にそんな考えが頭を過る。ちょっと待て、無いからこそこっちは手をこまねいているんだぞ

 

(こう言う時は――)

 

 俺は棒術具を構え意識を集中させる。すると、棒術具がぼんやりと山吹色の光に包まれる。更に集中を続けると、ぼんやりとしていたそれがハッキリと色づいてきて、最後には完全に光に包まれた状態になった。己の闘志を物理的な力に変換した状態だ。別に頭のなかに他の誰かの声が響いた訳でもないし俺は多重人格でもない。なのにこれの使い方が判る。違う判った訳じゃない、この感覚は――

 

(いや、考えるのは後だ)

 

 何故、という疑問はあるがハッキリしてる事がある

 

(これなら、やれるっ!)

 

 その確信。俺はモンスターを睨み付け、そして駆ける。間合いに捉えると跳躍

 

「下がれっ! ネプテューヌ!」

 

 そう叫ぶとつばぜり合いをしていたネプテューヌがモンスターから離れる。その入れ違いで棒術具をひるがえし

 

「金剛撃っ!」

 

 渾身の力でそれを降り下ろす。すると、モンスターは攻撃を受けきれず、大きく後ろに後ずさる。棒で殴る、と言う攻撃手段は変わってない。しかし、さっきまではその硬い皮膚に弾かれてた筈の攻撃が今度はその衝撃が皮膚を貫通しモンスターに明確なダメージを与える程の桁違いの威力を見せた。ケイトが着地すると同時にモンスターは鍵を振り下ろす。今まではそれを回避していたケイトだが、今度はそれに対し棒術具を振り上げて迎撃を試みた。普通ならば上から下への攻撃の方が有利だ。しかし、棒術具と鍵がぶつかり合い、勝ったのは後者だった。鍵を持つモンスターの腕は余りの衝撃に後ろに大きく流れる

 

「今だっ! ネプテューヌ!」

 

 その瞬間、モンスター胴はがら空きとなる。

 

「ハァーーッ!」

 

 気合いの声と共にネプテューヌががら空きの胴に向かって太刀を一閃、モンスターの皮膚を切り裂き、大きな傷を作る

 

「まだよっ! 叩き込めるだけ――」

 

 しかし、それだけじゃネプテューヌは止まらない!更に斬撃のラッシュを放ち、モンスターを切り刻む

 

「叩き込むっ!!」

 

 最後に肩から胸にかけて斜めに一閃。モンスターの呼吸は弱々しく即に虫の息だ。そして――

 

「これでトドメよっ! ケイト!!」

 

「ああっ!!」

 

 ネプテューヌが空いてる方の手を上に翳すすると、ネプテューヌの頭上に光の粒子が集い一振りの光の剣を生み出す。それに合わせ、俺も棒術具を勢いよくひるがえす。意識を更に集中させ、出来る限りの闘志のエネルギーを棒術具に集める。もはやこの勝負の流れはこちらにある。ならば後は――

 

(このまま一気に……決めるっ!!)

 

 

「エクスブレイドっ!」

 

「捻糸棍っ!」

 

 ネプテューヌが翳した手をモンスターに向かって降り下ろすと光の剣はモンスターの胸目掛けて飛び、そのままモンスターの胸に突き刺さる。同時に棒術具を振ると、山吹色の光弾が放たれ、頭部を直撃し、爆発。それがトドメとなり上半身は蜘蛛の姿をした下半身の上に崩れ落ち、下半身の方も脚から力が抜け地に伏した

 

「終わったか……」

 

「ええ……」

 

 ケイトとネプテューヌは暫くモンスターを睨んでいたが動き出す気配はない。それどころか、モンスターの死体はそのまま粒子となり消えた

 

「あら?」

 

 モンスターの消えた跡には何かのパーツと思われる物が落ちていた。それに気付いたネプテューヌがそれを拾い上げる

 

「何かしら、これ?」

 

「俺に聞かれてもな……」

 

「取り敢えず、貰っておきましょう」

 

 そして二人がコンパの所に戻るとネプテューヌの姿が紫色に輝き、其れが弾けたかと思うとそこには何時ものネプテューヌの姿が

 

「ね、ねぷねぷ……ケイトさん、ふ、二人は一体何者なんです? いきなり変身したり、凄い技まで使ったりして……」

 

「うーん、何者と言われても私達記憶喪失だもん。ね、ケイト?」

 

「まぁ、な。俺にもよく分からないよ」

 

 記憶喪失は嘘だが、金剛撃と捻糸棍、そして今回は使わなかったがもう1つ、旋風輪という棒術。これらの使い方を何故、自分は“思い出した”のか? 訳が分からないのは本当だった

 

 


 
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