決戦当日。俺達は、部室で開始時間を待っている。
あの、鳥を潰すときがきた。でも…
「なんか、緊張する~」
とても緊張していた。それは俺だけではなくて、一誠や
祐斗達も緊張していた。あいつらも、初のゲームなんだよな。
「開始時間になったら、魔方陣から戦闘フィールドに転送されます。
場所は異空間につくられた戦闘用の世界。使い捨ての世界ですので
存分にどうぞ」
グレイフィアさんが説明してくれた。
俺は眼を瞑り精神統一を始めた。緊張をほぐすにはこれがいいからな。
しばらくしていると
「そろそろお時間です。皆様魔方陣の方へ。なお、一度あちらへ転移
しますと、終了まで魔方陣での転移は不可能です」
そうなのか…これは負けるわけにはいかないなぁ~
そのとき、光が包み込んで転移が始まった。
◇
転移してきた場所は、部室だった。転移の失敗か…?
話を聞くには、ここはレーティングゲームのフィールドらしい。
「はいこれ」
部長がイヤホンみたいなものを渡してきた。
「戦闘が始まったら、これでやり取りするから」
なるほど。これは便利だ。
~作戦会議中~
「作戦通りに行きましょう。イッセーとクリスと小猫は体育館
に向かって。祐斗は途中で別れてちょうだい」
「わかりました。いってきます」
俺達は体育館に向かった。
◇
俺達は途中で祐斗と別れ、体育館に着いた。
そこには、小さい姉妹と部室で闘った棍を持った女の子がいた。
「来たわね!! この前のリベンジよ!」
といきなり向かってきた。先手必勝って訳か…やってやるか。
俺は、シャーロックの武装を顕現し、雷化して避ける。
「姿が…変わった?」
相手は、俺を見て驚いているようだ。
一方、一誠の方は…
「きゃあぁぁ!!」
ロリ姉妹の洋服を破壊していた。何してんだあいつは
「この変態! 鬼畜! 死ね!」
「ふはははは!! これが俺の技。『洋服破壊(ドレスブレイク)』だ!!
俺は脳内で女の子の服を消し飛ばす事を考えていたのだ!!」
死んでしまえ。この変態野郎と心の中で軽蔑していた。
と、ふとロリ姉妹が目に入った。するとあの血流が…
「(う、嘘だろ!? あんなロリ姉妹相手にHSSになるなんて…)」
なってしまったのは仕方ない。少しでも持続時間が少ない事を願った。
「はぁ。小さな女の子になるなんて、いやだよ」
俺は、大事なところを隠している姉妹に近づいて
「ごめんね。うちの者がこんな事して…」
一誠の変わりに謝って、洋服を再生させた。
この技の名前は『洋服再生(ドレスリボーン)』だ。
一誠の『洋服破壊(ドレスブレイク)』の対極にある技だ。
「クリス! お前何してんだ!」
「一誠。いくらなんでも、洋服を破壊するのはいけないぞ」
今の俺は女性優先だからね。
「「ありがとうございます…」」
姉妹が感謝の言葉を言ってきた。ちゃんと礼儀はきちんとしているんだね。
「どういたしまして。次からあの変態さんみたいな人は気をつけるんだよ」
「わかりました。でも…」
姉妹が謝って、チェーンソーを振り回してきた。
「戦いとは関係ありません」
「そうだね。女性を傷つけるのはいやだが…仕方ないね」
俺は、姉妹と棍の女の子の背後にきて、
バチッ!
「「…っ…」」
「速すぎでしょ…」
バタッ… 三名とも痺れさせた。これでしばらくは動けないはずだ。
〔一誠に小猫。それにクリス。聞こえる? 私よ〕
部長の声だ。という事は…あの作戦か…!
〔朱乃の準備が整ったわ。例の作戦通りに〕
「了解!」
俺達は急いで外へ向かう。
「逃げる気! ここは重要拠点なのに」
そうだな。でも、いいんだ。これで…
女性を置いていくのは辛い…心が潰れそうだよ…
でも、部長があの鳥と結婚するのは止めさせないと…あの未来が
現実になる。それだけは阻止しなければいけない。
俺達が出てからすぐに朱乃さんの雷が体育館に落ちた。
〈ライザー・フェニックス様の『兵士(ポーン)』三名、『戦車(ルーク)』戦闘不能〉
ごめんね。俺は心の中で謝りながら次の場所へ向かった。
…が、そのとき小猫の方から爆発した。…え?
〈リアス・グレモリー様の『戦車(ルーク)』戦闘不能〉
空を見上げると上にはライザーの『女王(クイーン)』がいた。
くそ…気づかなかった…目の前で、仲間がやられるなんて。
俺がもっとしっかりしていれば…
よく見ると朱乃さんがあの『女王(クイーン)』と闘っている。
「行こう。小猫ちゃんのために…」
「…わかった」
俺達は、運動場へ向かった。
◇
運動場で祐斗と合流するとそこには、
ライザーの『騎士(ナイト)』『戦車(ルーク)』『僧侶(ビショップ)』がいた。
これは―――――なかなかの強敵だ。
「お前は平気そうでいいよな…」
一誠が祐斗に言っていた。
「平気? 違うよイッセーくん。僕も怖いさ、戦いだもの。
これが僕達のファーストゲームだ」
そうだよな…祐斗や朱乃さん達も初めてなんだ。俺だけじゃない…
そう思うと、少しだけ気が楽になった。
「私はライザー様に仕える『騎士(ナイト)』!リアス・グレモリーの『騎士(ナイト)』
いざ尋常に剣を交えようじゃないか!」
「僕はあいつとやる。一誠くんとクリスは『戦車(ルーク)』と『僧侶(ビショップ)』をお願い!」
そう言うと祐斗は飛び出していった。
さて、俺もやるか。初めてだが…できるはずだ!
俺は、シャーロックの武装から精霊使いの剣舞(ブレイドダンス)のカミトの
武装へチェンジする。
少しいじったので右手には『魔王殺しの聖剣(デモン・スレイヤー)』、左手には
『真実を貫く剣(ヴォーパル・ソード)』が現れた。原作にはない、二刀流だ。
「な、なんなの!? それは!」
縦ロールの女性がうろたえていた。
「これは神器(セイグリット・ギア)だよ。少しばかり珍しいけど」
俺は剣を構え
「さて。ここからが勝負だよ」
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神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。