バチンッッ!!
朱乃さんにいれてもらった紅茶を飲もうとしたとき、一誠が部長にビンタされていた。
「何度言ったらわかるの? あのシスターの救出は認められないわ」
一誠は学校へ行かずに、近くを歩いていたら堕天使の元から
逃げてきたアーシアにあったらしい。
でも、一誠の元カノの夕麻が儀式がどうこういって連れ去ったという。
部長の言っている事は正論だが、俺は一誠を押す。
あいつのそういうところは、けっこう気に入っているんだ。
でも、この口げんかはとめないとな。主と下僕が仲違いしていたらだめだよな。
「一誠。部長の言っていることは正しいぞ」
「クリス…お前もか…」
一誠ががっかりした顔をしている。
「でも、友達を助ける事は賛成だ。俺だって、親友を目の前で助けられなかった
からな」
「クリス。あなたもなの?」
部長が悲しげな表情になっていた。
「すみません、部長。でも俺は一誠の気持ちがわかります。自分に力がないせいで
友達が目の前からいなくなった…俺の場合はできなかったですけど
いま行けば間に合うかもしれない…なら、俺は一誠と一緒にアーシアを
助けに行きます。それでも止めるなら俺達を眷属から外して下さい。
それなら、部長には迷惑はかからないでしょう」
「そんな事はできないわ。どうしてわかってくれないの!?」
部長が怒った。あのやさしい部長が…
その時、朱乃さんが険しい顔で部長に耳打ちしてきた。
一応聞こえているけどな。……なるほど、そういう事か…
「大事な用事ができたわ。私と朱乃は少し外すわね」
「部長! まだ話は終わって―――――」
「一誠。行かせてやれ」
「! クリス…わかった」
「一誠にクリス。『プロモーション』について話しておくわ。あなた達は
私が『敵の陣地』と認めた場所の重要なところへ足を踏み入れたとき、
『王』以外の駒に昇格できるわ。現時点では、『女王』には無理でしょうけど」
一誠の顔に希望の色が宿っていく…確かにそれなら…勝てるかもしれない。
「それとね、神器は想いの力で動き出すの。その力もね」
そう言うと、部長達は外へ向かった。
部長は、遠まわしに教会を敵地と認めた。
これで、プロモーションの条件もそろった。いけるぞ!この戦い。
「行くのかい?」
祐斗が呼び止めた。
「祐斗、止めても無駄だぞ」
「知ってるよ。だから、僕も行く。個人的に堕天使や神父は好きじゃないんだ…
憎いほどにね」
何か…過去にあったんだろうな。
「……私も行きます。…敵地に三人では不安です」
「小猫…ありがとう」
心配…してくれているのだろう。無表情でよくわからないが。
「よし、堕天使からアーシアを救出するぞ!」
◇
「…よし。行くぞ」
バンッ!
扉を開き、聖堂まで向かっていく。教会は、あっちこっちに十字架が壊されたりと
けっこう酷いことになっていた。
「いやぁ~久しぶりだねぇ~。悪魔くん達」
フリードが陰から出てきた。
「セイグリット・ギアァァ!!」
一誠の左手に赤い籠手が現れた。
俺は今回、星刻の竜騎士(ドラグナー)の聖騎甲(アーク)を思い浮かべる…
よし! これだ。
「武装創造(アメント・イマジン)!!」
俺の全身が光に包まれる…やがて、光はおさまり俺は、鎧を着ていた。
体が…軽い。これならいける!
「お~かっこいい鎧だねぇ。行かせてもらいますっよと」
普通の人間では出せないほどの速さで俺に向かってくる。
俺は、固有魔装の詳細を検索し能力を見て思わずにやけてきた。
「(固有魔装は…これか!)」
まず、フリード光の剣を拳で弾き、横腹に叩き込んだ。
「ぐはぁ!」
よろけたところを一誠がフリードの顔面を殴った。
「ぐっ…!」
フリードに隙ができた…今しかない。
「顕現せよ…絶対氷河の聖騎銃。その銘はブリューナク!!」
両手にランスのような銃が現れた。
ジャコッとスライドをひき、フリードのいた場所へ撃った。
すると撃った場所からパキパキと氷が広がってきた。
「す、すごいね。その神器」
祐斗はびっくりした表情をしながら聞いてきた。
「そうだな。この神器については、この救出作戦を成功させてからだ」
「そうだ。アーシア、まっていろよ」
俺たちは、地下の聖堂へ向かった。
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神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。