No.446376

魔王少女?冥王の前には無力!!15

自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか? そしてその世界で彼は何を望むのか?

2012-07-05 12:51:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2819   閲覧ユーザー数:2679

あの戦闘から6時間経ち、なのは達はアースラの個別ルームに休んでいる。

 

いや、性格には休まされていると言ったほうがいいか。

 

ヴォルケンリッター達ははやてを助けるの一点張り、シグナムとヴィータは独自

でファントムを追いかけようとする始末。

 

だが、一番堪えているのはフェイトだろう。

 

自身の行いの全てを否定されたんだ。

 

今は自室で横になっているらしい。

 

衛宮は未だに意識不明、なのはは竜王子と共にトレーニングルームに3時間篭っていたらしく、魔法で無理やり眠らされた。

 

という私もかれこれ5時間ぶっ通しで解析中だ。

 

といっても実際は旧管理局跡地から生きているデータを探しそこから局のデータバンクにアクセスを試みようとしていた。

 

ちゃんと許可も取った。最初は渋られたが、

「管理局の裏を知っているということは裏と関係のある人物であること。実験体となり廃棄処分とされた生き残りである可能性もある。」

 

と言った。

 

そして深いため息をつき、

「偽りの正義の誇りより、はやてちゃんを探すための手がかりを見つけるのが先決ね。」と自嘲気味に笑い許可を出してくれた。

 

 

そしてバンクにアクセスして探してみると出るは出るは違法行為の数々、最初は一つ一つ報告していたが次第にリンディさんが、今に関係のあるものだけを探してく

れと疲れた声で言われからは黙って行動している。

 

暫くして私は一つの項目に眼がいった。

 

「WM計画?」

 

そう言うとリンディさんの顔が強張る。

 

「………それは、昔管理局内で持ち上がった違法技術。人工的にレアスキルを作り出し人に移植して局員の戦力増加を考えられたの。しかし、そこで行われた実験は余りにも残酷過ぎた。秘密裏に管理外世界の人間を誘拐しそこで人体実験が行われていた。私もその時はまだ一介の魔導師、研究員を捕まえていたけど、今思えばあれも管理局が敷くんでいたのかも。」

 

段々と疑心暗鬼にぬっていくリンディさんを無視して調べているとある情報と同じ時期にこの事件が発生しているのが解った。

 

(第30管理外世界のエンドラの消滅、原因は不明。互いに最終兵器を使い消滅した。か?正確にいえば表面が焼けてしまい数十年間人が住めなくなったとあったが。)

 

G.Zの情報を思い出し、全て理解した。

 

(なら、そこの出身の実験体を探し出して、魔力が高い、または、特殊な力を持つ者を。)

 

そして2人(……)の人物に行き着いた。

そしてその周囲の宇宙空域を調べ、

(ビンゴ。)

 

 

そこまで調べて私はキーボードから手を離しリンディさんに向き合い、言った。

 

 

「ファントムの、八神はやての居場所が分かったかもしれません。」

 

さぁ、茶番を終わらせようか、ファントム。

 

 

????~

 

 

「ふぅ。………」

 

 

深い、深いため息をつく。あれから何年立ったのか。

 

私には分からない。

 

だが、自身の手を見て、老いた事は理解した。

 

私は二度目の生を受けささやかに生きていたあの頃、まだ私が光の元を歩いていた時、私は少年であった。幼い妹を連れ野を駆け、草原を駆け、と遊び続けた。

 

 

あの地獄が起こるまでは。………

自国と他国の戦争。

 

全てはそこから始まった。自国は謎の兵器を投入し敵国を侵略した。最初はそのことを物語のように聞き入れ妹と共に楽しんだものだ。

 

しかし、敵国も謎の兵器を投入、次第に自国は劣勢になり、父は出兵、母は首都の工場に行き働いた。

 

 

私と妹は家を守り家族の帰りを待ち続けた。

 

だが、…謎の光と共に全てが吹き飛ばされた。

 

気がつくとボロボロの私と片腕を失った妹だけが横たわり、身体を何かによって縛り付けられていた。そして医者のような男達が私達に近寄り、……………

 

 

 

 

 

 

つぎに目覚めたのは冷たい牢獄の中だった。

 

その中には私達兄妹と私より小さい位の子供達が沢山いた。

 

 

医者のような人達は私達を代わる代わる連れて行き、実験を行っていった。

 

私は眼を、他のものは足を、手を、胸を、血管を弄られたモノもいた。

 

 

そして、彼らは次第に消えていき、私と妹だけが残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファントム様、デススターに着きました。」

 

ドア越しに親衛隊の1人が告げた。

 

「解った、今向かう。」

 

私は机に置いてある仮面を着け、マントを纏う。

 

「もうすぐだ、もうすぐ完成し、……リリ、お前を救うことが出来る。」

 

私はロケットの中にある写真を見つめ、決意を新たに部屋から出た。

 

 

???? 終~

 

 

 

フェイト~

 

 

今までの私がやってきた事って、何だったの?

 

私は自室のベッドに座り考えていた。

私は、お母さんに、プレシア・テスタロッサによって作られた人工魔導師。アリシア・テスタロッサのクローンだった。

 

そんな私を、なのはは、皆は受け入れてくれた。

 

私は、私を支えてくれた皆の為に頑張ろうと決めた。

 

夢も出来た、私の様な人工魔導師として作られた、改造された子供達を救う。という夢が。……

 

 

 

誰かを助けることが出来た時、救えた時、私は、………

 

全ては、無駄だったのかな。

 

 

「フェイト、いるか?」

 

 

扉の奥から声が聞こえた様な気がした。

 

「フェイト、入るぞ。」

 

 

誰かはそう言って入ってきた。

 

 

私は目線をそちらに向け直ぐに下に向ける。

 

 

入ってきたのは真尋だった。

 

「ファントムの居場所が特定した。今から5時間後にそこに着く。フェイトも準備しておいてくれ。」

 

 

「……………」

 

私は何も答えずタダ俯いていた。

 

 

「……………」

 

 

「……………」

 

そんな私の隣に腰をつけ唯、静かに側に居てくれた。

 

それから何分立ったのだろう。

2人とも沈黙してから時間の流れが分からなくなった。

 

でも、誰かの温もりが感じられ嬉しかった。

 

「あのね、私ね、…………」

 

彼に、真尋に言うのが辛い。

 

でも聞いて欲しい。私の事を、そして、助けて欲しかった。

 

本当に誰でも良かった。

 

「クローンなんだ。」

 

ダレカニシッテイテホシカッタ。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は何かのタカが外れ雪崩のように真尋に泣きついた。

 

そして言った。私の全てを。

 

 

いい終わり暫く泣いていると真尋は優しく私を抱きしめ、

 

「フェイトは、後悔しているのか?」

 

と言って来た。

 

 

「…………ぇ?」

 

 

私は何のことだか分からなかった。

 

 

「子供達を助けた事を後悔しているのか?」

 

 

!!?

 

 

「そ、そんなことは…」

 

 

無い。コレだけは言える。

 

 

でも、私がデータをとって来てしまったせいで多くの子供が傷ついているそれが悔しく、何も出来ない自分がもどかしいんだ。

 

 

そんな私に真尋は頭を撫でながら優しく言った。

 

 

「私はフェイトがやって来た事は、無駄だとは思わない。それに助けた子供達の笑顔を見て、フェイトは助けられて良かったと思わなかったか?」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

「なら迷うな。そして諦めるな、例え周りがどう言おうとも私はフェイトがやって来た事は、頑張ってきたことは無駄じゃないと信じている。だからお前を誇りに思え。悔しく思うなら周りに頼れ。1人では出来なくても皆でならできるかもしれないだろ。」

 

 

私は真尋に言われて頷く事しか出来なかった。

 

 

そうだ。私には皆が居たんだ。

 

なのはにはやて達、お義母さんにお義兄ちゃん。

 

 

 

 

 

 

そして、真尋。

 

 

 

「真尋、…………うん。そうだね、そうなんだ。私は止まれないんだ。」

 

私は真尋の体温を感じながら呟く。

 

 

今の私は管理局執務官のフェイトじゃない。

 

 

1人の、1人の人間のフェイト・T・ハラオウンなんだ。

 

 

 

「もう、大丈夫そうだな。」

 

 

真尋はそう言って私を離した。

「ぁ、……」

 

もう少し抱きしめて欲しかった。

 

 

 

 

 

 

「ならブリーティングルームに来てくれ。はやての救出とファントムの確保について話し合うからな。」

 

 

それだけ言って真尋は部屋から出ていった。

 

 

 

 

「……ありがとう、真尋。」

 

フェイト 終~

 

フェイトの側に居た私は彼女の独り言のような語りをただ聞いていた。

 

 

自分は人工魔導師であること、

 

 

第魔導師プレシア・テスタロッサの娘、アリシア・テスタロッサのクローンであること、

 

 

そのプレシアに捨てられ、今はリンディさんの養女になっていること。

 

 

途中涙ぐみ、嗚咽混じりの声でしゃべり続けていた。

 

そして一通り語り、そして今私の腕の中で泣いている。

 

 

正直、私は彼女の心を癒す事は出来ない。

 

 

幼少期に受けたトラウマと言うモノはそう簡単に払拭出来ないモノだ。

 

 

特に親子関係の物は。

 

 

私が彼女にできるのは泣き止むまで抱きしめる位だ。

 

「私は、何がしたかったのかな?助けて来たつもりが私と同じ子供達を作り上げていただけだなんて。本当、嫌になってくる。」

 

 

虚ろな瞳で彼女はポツリポツリ呟く。

 

 

あ、ヤバイ。こりゃあ自殺しかねない位にボロボロだ。

 

私はフェイトを優しく撫でながら言った。

 

「フェイトは、後悔しているのか?」

 

 

「…………ぇ?」

 

 

「子供達を助けた事を後悔しているのか?」

 

 

「そ、そんなことは…」

 

 

「私はフェイトがやって来た事は、無駄だとは思わない。それに助けた子供達の笑顔を見て、フェイトは助けられて良かったと思わなかったか?」

 

 

「…………」

 

 

「なら迷うな。そして諦めるな、例え周りがどう言おうとも私はフェイトがやって来た事は、頑張ってきたことは無駄じゃないと信じている。だからお前を誇りに思え。悔しく思うなら周りに頼れ。1人では出来なくても皆でならできるかもしれないだろ。」

 

 

 

 

 

 

うわ、くっさぁ~。

 

 

自分で言っていて気持ち悪くなってくるな。それに言っていてなんだが途中から訳の分からん感じになっているし。

 

はぁ、こんなのは龍王子にでもやらせればいいのに。……

 

 

 

だが、私の声援?によってか何故かは知らんが瞳に光が戻ってくる。

 

 

 

 

チョイな。

 

 

「真尋、…………うん。そうだね、そうなんだ。私は止まれないんだ。」

 

 

しかも何か勝手に解釈しているご様子。

 

あれ、私ここに来なくても勝手に解決してたんじゃね?

 

一期のラストみたいに。

 

 

 

「もう、大丈夫そうだな。」

 

そう言って私はフェイトを離す。

「ぁ、…」と小さく落胆したような声が聞こえた気がしたがそんなことは無かった。

 

 

「ならブリーティングルームに来てくれ。はやての救出とファントムの確保について話し合うからな。」

 

 

それだけ言って私は部屋から出た。

 

 

あぁ、恥ずかしかった。

 

ファントムめ、厄介ごとだけ残して消えて行きおって。

 

本気で消してアゲル。

 

 

 

 

 

ふふふ。…

 


 
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