No.445900 テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー〜レイフォンさん 2012-07-04 22:14:52 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1904 閲覧ユーザー数:1859 |
~レオンSIDE~
あれから俺達は現れる魔物達を退治しながら、ハ・ミルに進んで行っている。
先行して歩く俺とミラの後ろではジュードとアルヴィンが話をしていた。
「ミラがマクスウェルってマジなのか?確かにちょっと変わってるけど、普通の女にしか見えないぜ」
「本当……だと思う。初めて会った時、ミラは四大精霊を従えてたんだ」
「なっ、四大元素を操る最強の精霊たちを!?」
ジュードの四大精霊と言うのに、驚くアルヴィン。
「うん。火のイフリート、水のウンディーネ、風のシルフ、地のノーム……僕もあの時初めて見たけど、あれは四大精霊に間違いないよ」
「それが事実ならただの女にできることじゃないなぁ」
「うん」
俺はそれを聞かなかったことにして、ミラの横を歩きながら進んでいった。
また少し、進んでいくと動きを止めるミラ。
「ふぅ……歩くというのは、なかなか大変だな。足が太くなってしまいそうだよ」
足の膝に手を置き、言うミラ。
「ミラって、案外お嬢様なんだ」
「お嬢様などではないが、ずっとシルフの力で空を飛んでいたのでな」
「ああ、ミラはいつも歩かないよな。歩くと言ったらウンディーネと俺、ミラの3人で水上を歩く時ぐらいか?」
「ああ、レオンの言ったように私は歩くときは3人での散歩の時だけだ」
さも、普通に言う俺達にジュードとアルヴィンは苦笑いしていた。
「……それは、お嬢様には無理だね」
「四大精霊をコキ使って、バチ当たっても知らねーぞ」
からかうように言うアルヴィンにミラは少し不満そうな表情をして言う。
「なに、少々力はあるが、口うるさい小姑のような奴らだよ。時に私を子ども扱いしたりする。まったく困ったものだよ」
そんなミラの言うことに固まり、唖然とする2人、
「四大精霊を……」
「小姑呼ばわりかよ」
唖然とし、そして、呆れる2人に俺は言う。
「2人とも……慣れろ。これがミラなんだ」
俺がわかりやすく言うと2人は納得という風に笑う。
「何を言うレオン。お前とてよくイフリートと喧嘩をしていたではないか」
ピキッ
ミラの一言がジュードとアルヴィンの動きを止めた。
「火の大精霊のイフリートと……」
「喧嘩だと…?」
2人は信じられない物を見る風に俺を見る。
俺は思わずその視線から目を逸らす。
「お前がイフリートと喧嘩をした矢先にそのあたりの岩場が荒野になりかけたこともあっただろう」
「いや、あれはイフリートと喧嘩していると……つい、テンションが上がって喧嘩がエスカレートしてってな……」
「しかも、その後には2人そろってウンディーネに頭を冷やされたのには笑えたな」
「あ!!!何も聞こえない!!この話は終わりだ!さっさと、ハ・ミルに行くぞ!!」
俺はそのまま、早歩きで歩き始めたのであった。
そして、数時間後、俺達はハ・ミルに到着した。
「果物がいっぱいだ。甘い匂いがするね」
「酒の匂いもな。果樹園でもやってるんじゃないか」
そう、ジュードとアルヴィンがハ・ミルに来た感想を言っていると、
「おやまぁ。こんな村にお客さんとは珍しい」
1人の老婆が近づいてきた。
「おばあさん、村の人?」
「村長をやっとります」
すると、村長は俺を見て驚いた。
「おやまぁ。レオンさんじゃないですか」
「お久しぶりです。村長さん」
ジュードとアルヴィンは俺を見た。
「知り合いだったの?」
「ああ、数年間旅している時、ニ・アケリアに戻る時にここを通ったんだよ」
「ああ、だから、ニ・アケリアまでの道に詳しかったのか」
2人は何で俺は杏奈にも詳しかったのかようやく納得したみたいだ。
「レオンが知っているが、ニ・アケリアへ行く道はこっちであっているか?」
「ええ、合っていますよ。数年前でしょうか。そちらにいるレオンさんが村の近くに群れを作っていた魔物達を退治してくれた時に、ニ・アケリアに戻るためにここに寄ったと言っておりましたから。それにしても、ニ・アケリア……ですかぁ、随分と懐かしい名です」
懐かしがる村長にアルヴィンは聞いた。
「どういう意味だ?」
「忘れられた村の名じゃ。今では数年前にレオンさんから聞くまで、忘れておりました。私も昔……子どもの頃にキジル海瀑の先にあると聞いていましたし……」
懐かしむ村長に俺は聞いた。
「村長さん。昔みたいに村長さんの家で休ませてもらってもかまわないか?」
「おお、ええとも。この村には宿がありませんからの。私の家に空き部屋があるので、使ってくださって構いませんぞ」
「おばあさん。ありがとうございます」
ジュードがお礼を言った。
村の中を見ているとナップルのなった木があった。
「いい匂いの正体はナップルの実だ。甘酸っぱくて美味しいんだよね」
「ああ、それわかる。俺も数年前に村長の家で休ませてもらった時に、ナップルで焼いたパイとかフルーツたっぷりのフルーツポンチをいただいたけど……あれは美味かったよ」
「じゅる……そうなのか」
「ああ、ちょうど食べ頃だな」
「じゅるる……興味深いな」
俺達と説明とナップルを見ながらヨダレを出すミラに俺とジュードは言った。
「おいミラ、ヨダレが凄いことになっているぞ!」
「ミラ、ヨダレがすごいよ!?」
「じゅるる……なぜか……じゅるる……とまらないのだ」
そんなミラを見て、笑い声を抑えるアルヴィン。
「……食事に目覚めちゃったんだね」
「……ああ、これはいいことではあるが……なんていうか……うん、何でもない」
「盗み食いすんなよ。追われる理由が増えちまうからな」
その後、俺達は村長の家で休みんだのであった。
次の日。起きて、部屋から出ると同じように起きてきたミラとあった。
「おはようミラ」
「おはようレオン」
俺達は何も言わず外に出て、村の人達を見る。
そこへ、
「おはよう。何してるの」
ジュードが起きて来て、俺達が何をしていたのかを聞いてきた。
「人を見ていた」
「同じく」
そんな俺たちにジュードは、ふ~んといい、俺達と一緒に村の人達を見る。
「ねぇ、ミラ、レオン、聞いてもいい?」
「ん?」
「何だ?」
俺達はジュードを見る。
「黒匣(ジン)って何?どうしてイル・ファンにあった装置を壊そうとするの?」
少し、考えてミラは言った。
「あれは人が手にしてはいけないもの。だから、人の手から離さねばならない」
「どうして?」
疑問に思ったジュードが聞いてくる。
「ジュード。このことはお前が聞くことじゃないはずだ。その必要を感じないんだが?」
俺がジュードに言った。
驚く、ジュードだが少し寂しそうな表情をする。
「……信用されてないんだね」
そういう、ジュードにミラがそのことを否定した。
「そうではない。君たち人は赤子が刃物を手に遊んでいたらどうする?」
「え、取り上げるんじゃないかな」
「何でだ?」
今度は俺が聞く。
「それはほら、危ないから。正しい使い方も知らないだろうし、ケガだってするかもしれない……」
「そういうことだ」
ジュードの言うことにミラがそうだというと、少し怒ったようにジュードが言った。
「僕たちは赤子じゃないよ!どういうものかわかったら、ちゃんと自分で考えて間違わないように……」
確かにジュードの言っていることは正論ではある。しかし、俺やミラにとっては
「私たちにとっては同じなのだ」
「だけど、レオンだって人だよ?」
「私とレオンは長い付き合いだ。それにレオンは……」
ミラが何かを言いかけるが、俺を見て、口を閉じた。
「いや、何でもない。気にしないでくれ」
「………」
黙るジュードはミラの後ろ姿を見ている。
「世界を守るのだ。だからこそ、必ずクルスニクの槍は破壊する。それが私の使命だ」
「そして、俺の使命はミラを守ること。言ってみれば騎士のようなものかね?」
「ああ、だが、私はレオンのことを最高の相棒だと…思っているよ///」
自分でも恥ずかしいことを言っていると思っているミラは顔を少しだけ赤くした。それに釣られて俺も赤くする。
「使命……」
「安心しろ、ジュード。ニ・アケリアに着けば、君には無縁の話だ」
「そうだな。ジュード。お前はこれからの自分のことを考えているんだ」
話をしていると村の入り口が騒がしくなってきた。
「何だ?」
見てみるとラ・シュガルの兵士がいた。
そこへ、1人の大男が……。
「(ジャオか。相変わらず、でかい図体しているな)」
実は俺、少しジャオとは面識があったりもする。
そこへアルヴィンが合流してきた。
「どうやら、これ以上のんびりしているわけにはいかなそうだ」
「やっぱり僕たちを追ってきたんだよね……」
「さてな。国外捜査には早すぎる気もするけど」
「さすがに尋ねられる状況じゃないしな。見つかる前にさっさとこの村を出よう」
俺の言うことに3人は頷き、アルヴィンがあることを聞いてくる。
「ああ、村の西に出口があったが、レオン、そこがキジル海瀑はその出口を使えばいいんだろ?」
「そうだ。その近くに小さな小屋があっただろ?その左にあるのが出口だよ」
そのまま、俺達は走って西側の方へと向かった。
西側の出口のすぐ近くに実を隠す俺達。隠れる理由は出口にラ・シュガルの兵士がいるからだ。
「もう兵士がいる」
「どうすっよ」
アルヴィンが俺とミラを見る。
そこで俺は剣を抜いた。
「2人程度なら俺がすぐに片付けられる。俺が行こう」
「……なんともまあ、短い作戦会議だこと」
いざ、俺が兵士たちの所へ行こうとすると、ジュードは自分の後ろに気配を感じて振り向いてみると……そこにはぬいぐるみを持った少女が立っていた。
そう、エリーゼとティポだ。
「あ、あの……」
「女の子?」
「え、えと…………なにしてる……んですか?」
視線を逸らしながら俺たちに聞いてくるエリーゼ。
「うむ。邪魔な兵士をどうするか考えて、レオンが気絶させることにしたのだが……」
何も隠さず話すミラにジュードが言った。
「……直球だね」
「それがミラですから」
と、俺が返す。
エリーゼは兵士の方を見て言う。
「あの人達、邪魔……なんですね」
エリーゼは寝ている?ティポに視線を送ると…
ボヨォォ~ン
目を開けて動いたティポ……ぬいぐるみに驚く俺達。俺も実物を目の前で見たのが初めてだからびっくりした。
そのままティポは兵士たちのところまで飛んでいき、兵士たちを怖がらせる。
「うわ!なんだこれ!ひぃ!」
「これは……」
「どうなっているの?ぬいぐるみが??」
エリーゼを見ながら驚くジュード
そこへ、
「ここで何をしておる」
ジャオが来た。
「こら、娘っ子。小屋を出てはならんというに」
ジャオの言葉を聞いて、寂しそうにするエリーゼ。
「ラ・シュガルもんめ。勝手な真似を」
ジャオはラ・シュガルの兵士たちのところへ向かった。
その隙にエリーゼは広場の方へ走って行った。
そして、兵士たちを倒したジャオは俺達の所へ戻ってきた。
「ん?よく見たら……レオンではないか。久しいな」
ようやく俺に気づいたのかジャオが話しかけてきた。
「おう、久しぶりだなジャオ」
「ああ、お主も元気で何よりだ。おっと、こんなところで挨拶をしている暇ではなかったな。レオン、娘っ子はどこへいった?」
聞かれた俺は指をさして言う。
「広場のほうへ走っていったぞ?」
俺の言葉を聞いたジャオは焦り始めた。
「なに?い、いかん!」
「お前たち、よそ者だな。なら、とっとと行ってしまえ。レオン、今度時間ができたら一緒に酒を飲もうではないか」
「ああ、そうさせてもらうさ」
「ではな」
そういい、ジャオは走って広場の方へ向かった。
「よくわかんないけど、手間省けたみたいだな」
「なら、早く出よう」
そのまま、俺達は村を出て、キジル海瀑へ向かうことに。
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第8話 ハ・ミルでの出会い