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魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? 〜過去に戻った高町なのは〜 【無印 Before】 第三話

新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。

任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。

なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!

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2012-07-04 14:26:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3194   閲覧ユーザー数:3051

 更に二年が経ちました。

 

 ちなみに今は木刀を持ちながら山奥にあった小屋に居ます。

 

 どうしてこんな山奥に居るのかというと、新たなデバイスを作るためです。

 

 朝から出かけて夜に帰るのですが、それに付いて誰も心配しているような事はありません。

 

 なぜなら、この時期は私のお父さんが重傷を負って入院している時期で、お母さんは喫茶店で忙しく、お兄ちゃんとお姉ちゃんはお父さんの看病と家業で、私が一人ぼっちの時が多かった時だから。

 

 幼かった頃は寂しいとは思っていたけども、精神年齢的に大人である今の私にとって好都合だった。こんな事を言うのは不謹慎であるのは分かるけど、私の自由になれる時間が多いのはこの時期しかなかった。

 

 この間にもやっておきたい事はたくさんある。その内の一つが私のもう一つのデバイス作りであった。

 

 どうやっててデバイスパーツを手に入れたかというと、タイムリープする前にお兄ちゃんと忍さんの子供、私から見て甥っ子がこの山奥でデバイスパーツを偶然見つけたのだ。それを思い出して一度個の山奥に入り、デバイスパーツを手に入れたのだ。その中に材料は全てそろっており、その事を覚えていたので自由になれるこの時期を待っていた。正直十五年以上の年月の差があったので、あるかどうかは心配だったのだけど、取りにいった時にあったのでそれより以前にあったものだと分かった。

 

 この小屋はそのデバイスパーツを手に入れて、帰ろうとしている時に偶然にも見つけ、中に入ってみるとここ最近使われた形跡が無く、埃だらけで蜘蛛の巣までたくさんあったくらいだ。何年以上もここに人が訪れていないと分かり、勝手に利用させてもらった。不法侵入になるけど、ばれたらばれたで何とかしようと思ったのだ。この年齢だから何とか騙せるだろうと。

 

 それに、この小屋を使うのはデバイスを作るだけに使うつもりであった。デバイスを作ればとりあえずは魔法の練習もはかどるし、なにより別の次元世界に移動するためにも便利だった。別の次元世界でどこか建物を借りて、そこでやっておく事がたくさんある。そのためにもデバイスは作っておく必要があったと思ったのだ。

 

 まぁ、デバイスを作るとしてもさすがに埃だらけで蜘蛛の巣をそのままにしておくのはさすがに私も勘弁なので、この小屋の全てを掃除はさせてもらったけど。それだけで今の年齢的に二日も使ってしまう事になったけど、仕方ない事だとは思っている。特に電球の傘などを掃除するのが大変で大変で、背が小さい事がこれほど不便だと思わなかった。小屋にあったテーブルと椅子を全て使わないと届かないはさすがに落ちないか怖かった。っていうか一回崩れて落ちたし。椅子は折れずにすんだけど。

 

 

「う~ん……どうすれば良いのかな……」

 

 

 ちなみにただ今絶賛悩み中。正直私が生まれた世界でデバイスの材料がある事自体驚いていたので、今悩んでいる事は後にそうなるだろうという所であったから予想通りの事だった。

 

 かと言って悩んでいる事には変わりないので、困っている事には困っているのだけど。

 

 

「デバイスの形は考えるのがめんどくさくて、レイジングハートのような球体にしてみたけど……」

 

 

 結局いい策が見つかりません。

 

 小屋の中はこれと言って散らかっていないようにしています。私が纏めておいたノートとデバイスを作るのに必要な部品があるくらいです。どうやらこの小屋は水道水も一応出るようなので、水分補給は何とかできるようですし。勝手に使うのはどうかとは私でも思いますけど。

 

 ちなみにデバイスの形は先ほど言った通り、レイジングハートと同じような球体で色が違うだけ。翡翠色で、レイジングハートとは違ってストレージデバイスでミッドチルダ式ではなく近代ベルカ式にしてある。近距離戦に使うのならば、ミッドチルダ式より近代ベルカ式の方が便利だと思っての事だ。

 

 

「こういう時は息抜きに魔法か御神流の特訓でもしていようかな?」

 

 

 気分転換にそうするのも時間の有効利用だと思い、私は木刀を持って一度小屋の外に出る。

 

 去年の4月頃に私が御神流を学びたいと言い、最初は私自身無理だろうとは思っていたし誰もが反対して来たのだけど、お父さんがやる覚悟があるのかと聞かれて私が頷いた後、何故かやらしてくれました。正直私自身断られる覚悟でいましたので、あの時は言った私ですら驚きました。以来、お父さんが重傷を負うまでお父さんとお兄ちゃんに教わりながら鍛えられていたのです。

 

 お父さんが重傷を負ってからはこうやって自分で練習をしている。魔法も含め、鈍らないようにするために。

 

 

「最初は魔法からでいっか」

 

 

 近くの木に木刀を置いて、私は魔法の練習を始める。

 

 と言ってもデバイスがある訳ではないので、やる事と言っても地味な事だけ。魔法の精密な動作などの基礎練習のようなものである。二年間これを続けているが、いい加減そろそろ変えても良いのではないのかとは思っている。そのせいか、一回に出せる操作がどれくらいできるのだろうかと思ってやってみたら、デバイス無しに50以上を超えてしまった。さすがに練習しすぎたとはあの時思ったのだが、なんだかんだで今も魔法の操作練習を続けていたりする。魔法であまり目立つことが出来ないので、それくらいしかする事が無いのだ。

 

 

「……一応やってみようかな」

 

 

 魔法の操作練習を少ししていると、ある事を思いついた。正直これは出来るかどうかやってみないと分からないのだけど、やってみる価値はあるかもしれないと思った。

 

 私の魔法は遠距離型砲撃魔法を得意とするけど、今のデバイスが無い状態で近距離型の魔法を使えるのかと思ったのだ。得意としていない魔法だという事は私だって分かっているけど、それでもやってみる価値はあった。

 

 かと言って咄嗟に思い付いたので、どのようにやってみればいいのかまだ決めていない。そう簡単にやってみると言われてもどのようにやればいいのかというのが全く決めていなかった。

 

 

「あ、あれを使って見るのもアリかもしれない」

 

 

 そう思って私はある方向へ振り向き、そちらに歩いていく。そして、歩いた方向にある木刀を持ち、御神流を練習するときのように構えた。

 

 私が思いついた方法は木刀を使って魔法の練習ができないかという事だった。木刀に魔力を込めて使って近くの木などに向けて攻撃してみるというやり方だった。初めて試みるので、魔法をデバイス以外に込めるのはやった事が無いから上手く出来るか自信が無かったが、やってみる事にした。

 

 魔力を木刀に込め、そして少ししたら一気に近くの木へと木刀を振るった。すると、予想以上に簡単に木が切れてしまいそのまま倒れた。倒れていく音がかなり響いたが、山奥であるのでに気づく人は居ないだろうと思った。

 

 

「にゃ、にゃははは。や、やりすぎちゃった……」

 

 

 苦笑いするしかなかった。さすがにやりすぎた。

 

 木が切れない程度にやってみるつもりだったのだけど、どこまで切れるか分からなかったので、少し魔力を込めすぎたのが原因だと思った。タイムリープする以前の癖でそのとき使っていたくらいの魔法で使ってしまったのだ。

 

 しかし、そのおかげであるアイデアを思い出した。

 

 

「けど、良い事思いついた。御神流(・・・)と魔法を合わせてみるのは良いのかもしれない…… デバイスもそれに合わせたように作れば……」

 

 

 私は突然そう思い、すぐさま木刀を持ちながら小屋に戻る事にした。

 

 デバイスの事で私が悩んでいた事、それはどのような戦い方にするかだった。

 

 近距離戦と言ってもたくさん戦い方がある。さっきまでずっと自分にあった戦い方を探していたいたのだけど、なかなか思いつかず途方に暮れていた。けどそんな事考える必要なんて今更ながらなかった。

 

 御神流を使った魔法。殺傷設定にすればかなり危険だが、非殺傷設定にすればかなり有効利用できる。そうと思って私は小屋に戻り、すぐさまデバイス作りを再開させた。

 

 

 

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「出来た!!」

 

 

 それから数時間後、空はもう夕日色に染まっていた頃、私はやっとデバイスを完成させた。

 

 先ほど試しにデバイスを起動してみたが、結構上手くいった。

 

 デバイスモードの形状は小太刀が一つで、両手に手袋を付けてデバイスの翡翠色が両手の甲に半球対で付いている。

 

 バリアジャケットはまだ決まっていないので、先ほどは適当にしてみたけど、そのうち考えないといけないとは思った。

 

 とりあえずデバイスも作り終えた事だし、もうここにも来る必要が無いと思い、持ってきた物や部品を全て荷物に入れて小屋から出て家に戻ろうとする。

 

 ドアを開けると――見た事が無い三十くらいの男性が立っていた。

 

 

「あれ、どうして子どもがこんな所に?」

 

 

 その言葉の言い草からして、多分この小屋の持ち主だろうと思った。

 

 ……まずい状況になりました。

 

 当分放置にされていると思っていたから、誰も来ないと持っていたのですが、まさか来るとは思いませんでした。

 

 私の持ち物は全てリュックの中に仕舞ったので、私物は小屋の中に残っていないのですので、それに付いては大丈夫ですが……

 

 とりあえずこういう時は……

 

 

「ご、ごめんなさ~い!!」

 

 

 この年齢だと逃げ切れるとはどう考えて無理だとは思いましたけど、とりあえず逃げてみる事にしました。昔にこんな事を言って逃げた記憶があるような気がするけど。

 

 ちなみにこの後、何故か男性は追ってくる気配が無く、そのまま私は逃げ切れることができ、このまま家に帰る事が出来ました。

 

 さすがに無断で使うのは今回で止めようと思いました。多分、この先無断で使うという事はするつもりはないのですけど。


 
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