翔太郎と亜樹子はクイーンとエリザベスに出会い、T2メモリの情報を聞き出していた。
「変なガイアメモリ?それなら持ってるよ。ほら!」
エリザベスは自分が拾ったT2メモリを二人に差し出す。
「クイーンも持ってるでしょ?」
クイーンにも二人にT2メモリを渡すように言うエリザベス。クイーンは、
〈QUEEN!〉
T2メモリを自分に挿そうとしていた。
「わーっ!!!」
「メモリと惹き合ってる!!翔太郎くん止めて!!」
亜樹子が慌て、翔太郎はクイーンにT2メモリを挿させまいとクイーンの手を引く。その弾みでT2クイーンメモリはクイーンの手を離れ、飛んでいってしまう。
そのT2クイーンメモリは、近くにいた女性の手に収まった。
「ん~…なんか体質合わないっぽい。」
女性はそう言って、T2クイーンメモリを自分の服のポケットにしまおうとする。
「あーちょっとちょっと!それは危ないも…」
翔太郎はメモリを取り戻そうと、女性の手に触れた。
しかし、その瞬間、あることに気付いた翔太郎は、女性から手を離してしまう。
「冷てぇ…!」
そう、彼女の肌が氷のように冷たかったのだ。それを聞いた女性の目付きが変わる。
「人が気にしてることを…!!」
怒る女性は、服のポケットにT2クイーンメモリをしまい、代わりに『別のT2メモリ』を出して、起動させる。
〈HEAT!〉
そのガイアウィスパーを聞いた翔太郎は驚いた。
「ヒートだと!?」
女性はT2ヒートメモリを自分の左鎖骨に挿し、女性を模した赤い怪人、ヒート・ドーパントに変身した。彼女こそ克己の部下の一人、羽原レイカである。
「あんたを燃やし尽くしてやる!!」
火球を放って翔太郎を攻撃するヒート。翔太郎はそれをかわしてダブルドライバーを装着。
「フィリップ!変身だ!」
「わかった。」
〈CYCLONE!〉
〈JOKER!〉
「「変身!」」
〈CYCLONE/JOKER!〉
翔太郎はWに変身し、ヒートと対決。
「ちっ…!」
やがてヒートは近くにあったバイクに乗る。
「逃がさねぇぜ!」
Wもハードボイルダーに乗り、ヒートを追撃。ヒートは後ろに手を向けて、火球で攻撃する。
その戦いを、近くで見ている者がいた。
「派手にやってるわね、レイカちゃん。」
オネエ言葉のこの男は、泉京水という。彼もまた、克己の部下の一人である。
「それじゃあ私もそろそろ…」
京水は自分が手に入れたT2メモリを起動させる。
〈LUNA!〉
それはT2ルナメモリ。
「行かせてもらおうかしら!!」
京水はT2ルナメモリを投げた。すると、T2ルナメモリは空中でUターンして帰還し、京水の額に挿さる。
「来た!!きたきたきたきたきた…キタァァァァーッ!!!」
京水は触手のような長い腕を持つ黄色の怪人、ルナ・ドーパントに変身した。
「行きなさいあんた達!!」
腕を振るルナ。すると、伸縮自在なルナの腕から、バイクに乗ったT2マスカレイド・ドーパントが数体現れる。これがルナの幻影能力だ。現れたマスカレイド達は、Wを追う。
〈TRIGGER!〉
〈CYCLONE/TRIGGER!〉
追ってくるマスカレイド達に気付いたWはサイクロントリガーにハーフチェンジ。銃撃して一体、また一体と倒していく。
ついに全滅するマスカレイド達。Wは残ったヒートを倒すべく、トリガーメモリをトリガーマグナムに装填。
〈TRIGGER・MAXIMUM DRIVE!〉
「『トリガーエアロバスター!!』」
風のパワーを集束した銃撃で、ヒートを攻撃した。しかし、ヒートをしとめられず、最後には互いのバイクでぶつかり、両者は吹き飛ばされる。
サイクロンジョーカーにハーフチェンジし、ヒートを追い詰めたW。
その時、
「うらぁぁぁぁっ!!」
突如として現れた男が、鋼鉄の棒を手にWへと襲いかかった。
「何だこいつ!?」
驚くWだったが、やはりただの人間と仮面ライダーでは力の差が大きく、簡単に返り討ちにしてしまう。
「へっ!あっ、やべっ!」
襲われたとはいえ、人間相手に戦ったことに焦るW。男は半身の肩が外れていたが、自力で治してしまった。
「ん?」
と、男が近くの瓦礫に埋もれているものを発見し、拾う。
「ハッハッハッ!!ついに見つけたぞ!!」
拾ったものをWに見せる男。
「俺のメモリィィィィィーッ!!!」
〈METAL!〉
それはT2メタルメモリ。起動させた男はT2メタルメモリを投げ、戻ってくるまでの間に上半身の服を脱ぎ、戻ってきたT2メタルメモリは男の背中に挿さる。
名を堂本剛三というこの男は、レイカや京水と同じく克己の部下で、いかにも剛健そうな姿の鉄色の怪人、メタル・ドーパントに変身した。
「今度はメタルかよ!?」
再び驚くW。そこへ、
「Wのメモリばかりが私達のところに集まるなんて…運命かしらね!」
ルナも来た。
『君は…まさか、ルナ…?』
若干引き気味のW。そこへ、
「らあっ!!」
再び襲いかかるメタル。今度はドーパントなので、パワーは常人より遥かに上。
「うわっ!!」
Wはメタルの棒に殴り飛ばされる。
「この野郎…!」
〈HEAT/METAL!〉
ヒートメタルにハーフチェンジするW。果敢に応戦するが、ヒートとルナもメタルに加勢し、状況は一気に不利に。
その時、フィリップが見た謎の緑色のドーパントが現れ、三体のドーパントを追い払った。
「…」
ドーパントは無言でWを見つめ、去っていった。
「何だよ…あのドーパント…」
Wは呟いた。
事務所に戻った翔太郎は、敵の正体を知るべく、フィリップに検索を頼んだ。しかし、うまくいかない。
「どうしたらいいかなぁ…」
「照井や光輝が帰ってくる前に、なんとか正体を掴んどかねぇと…」
光輝達はまだ帰ってきていない。考える亜樹子と翔太郎。と、翔太郎はレイカの手が冷たかったことを思い出す。そのことをキーワードにしてみると…
「ビンゴだ!」
見事ヒットした。
フィリップが地球の本棚から割り出した敵の正体。その名は『NEVER』。死体に薬物投与や人体強化を施し、戦士として復活させた死者蘇生兵士のことらしい。
「だからあんなに肌が冷たかったのか…」
翔太郎は納得した。冷たいのは当然だ。元々死んでいたのだから。
すると、フィリップのスタッグフォンに、マリアから電話がかかってきた。
「はい。」
「私よ。ちょっと伝えておきたいことがあって…来てもらえるかしら?」
「わかりました。すぐ行きます」
フィリップは電話を切った。
「どうした?」
「マリアさんからだ。ちょっと伝えておきたいことがあるって」
「なら俺が」
「いや、僕が行く。」
フィリップは譲らない。亜樹子が言う。
「あのマリアって人、フィリップくんのお母さんかもしれないんだって。」
「ああ?おいフィリップ。お前何考えてんだ?」
「べ、別に。相棒にだって、詮索してもらいたくないことはあるさ。」
フィリップは出て行った。
フィリップはマリアから教えられた場所に来た。そこは、現在マリアが滞在中のホテルだ。
「伝えておきたいことって何ですか?」
マリアの部屋。単刀直入に尋ねたフィリップ。マリアは部屋に飾ってあったオルゴールを鳴らす。
「綺麗な音ですね。」
「…私には息子がいたの。このオルゴールは、ピアノの発表会で弾いた曲をオルゴールにして、息子が私にくれたもの…」「そうだったんですか…でも、なぜそのことを僕に?」
「…初めてあなたを見た時から、なんだかあなたのことを他人だと思えなくて…」
「!」
フィリップには、幼少時の記憶がない。自分が幼い頃、何をしていたのかも知らない。もしかしたら彼女の言った通り、ピアノの発表会に出て、その時弾いた曲をオルゴールにしたのかもしれない。
(やっぱり…この人は…)
事務所に帰ってきたフィリップ。待っていたのは、先に戻ってきていた照井、フェイト、一真、ダンテ、バージルからもたらされた、ある知らせだった。
「白宮光輝と連絡が取れない?」
「はい。ちょっと気になって電話したんですけど、出なくて…」
フェイトは言う。ダンテも続く。
「こっちはあらかじめコウキから居場所を聞いてたから、フェイトから連絡受けて捜したりもしてみたんだが、いないんだよ。」
それは妙だった。嫌な予感が一同の胸をよぎるが、翔太郎のスタッグフォンにマリアから電話がかかってくる。電話の内容は、集めたT2メモリを指定の場所へ持ってきてほしいとのことだった。
「光輝、どうしたんだろう?」
心配するフェイト。一真が元気付ける。
「大丈夫だよ!今までだってヤバいことはあったけど、光輝はいつだってちゃんと帰ってきたじゃないか!」
「…そうだよね…」
不本意ながらも納得するフェイト。
「とにかく今は、集めたT2メモリを引き渡すことが先決だ。」
「そうだな。俺達が持っているより、その方が安全だ。」
バージルと照井の出した結論により、一同はT2メモリの引き渡しに向かう。
引き渡し場所。
そこには連絡をよこしたマリアが待っていた。
だが、待っていたのはマリアだけではなかった。
近くの物陰から、克己が姿を現したのだ。
「大道克己!?」
「ウソ!!まさか騙したの!?」
驚くフィリップと亜樹子。マリアは目を背け、克己はフィリップに馴れ馴れしく声をかける。
「よう兄弟。会うのは初めてだな」
「…兄弟?」
フィリップは突然の言葉に困惑した。
「お前と俺は似ている。だから兄弟だ」
「フィリップは俺の相棒だ。てめえなんかと一緒にするんじゃねぇ!」
そこへ、翔太郎が割り込んだ。
「そんなことはどうでもいいんだよ。俺の目的は、お前らの持ってるT2ガイアメモリだからな。」
克己の言葉を聞き、ダンテは笑う。
「馬鹿かお前?渡すわけねぇだろ。」
「だろうな。だから力ずくで奪わせてもらう」
「お前もドーパントか!!」
身構える照井。しかし、
「いいや違う。」
克己は否定した。
「俺は…」
そして克己は、
「仮面ライダーだ。」
ロストドライバーを出して装着。あるT2メモリを起動させる。
〈ETERNAL!〉
その名はT2エターナルメモリ。
「変身!」
克己はT2エターナルメモリをロストドライバーに装填し、開く。
〈ETERNAL!〉
二度目のガイアウィスパーが響き、克己は黒いマントを纏った白い戦士に変身し、名乗る。
「俺の名は仮面ライダーエターナル。」
今この場に、永遠の名を持つ白い悪魔が降臨した。
フェイトは驚く。
「エターナル…光輝の使うメモリと、同じ…」
一真は言った。
「翔太郎さん達が今まで倒したドーパントと同じメモリがあったんだ。光輝のメモリと同じものがあっても不思議はない」
しかし、翔太郎は目の前の存在を認めない。
「ふざけんな!仮面ライダーはこの街の人達にとって希望の証なんだ!」
「翔太郎。ここは僕が行くよ」
フィリップが手を出すと、近くに隠れていたのだろうファングメモリが乗る。
〈FANG!〉
フィリップはファングメモリを起動させ、
〈JOKER!〉
翔太郎もジョーカーメモリを起動させる。
「「変身!」」
〈FANG/JOKER!〉
二人はWファングジョーカーに変身した。
「さぁ、地獄を楽しみな!」
エターナルは自分の武器であるコンバットナイフ、エターナルエッジを出してWを挑発。
〈ARM FANG!〉
Wもアームセイバーを生成してエターナルに挑む。
エターナルは強かった。接近戦において無類の強さを持つファングジョーカーのWを、完全に圧倒している。そのうち、Wはエターナルの攻撃を受けて、変身が解けてしまった。
「左!」
「フィリップさん!」
驚く照井と一真。
「やらせん!」
「行くぜ!」
〈SLASH!〉
〈BLAST!〉
「「変身」」
〈SLASH/BLAST!〉
見るに見かねたバージルとダンテがソウガに変身し、エターナルに仕掛ける。
「ちっ!」
さすがのエターナルもソウガが相手では敵わず、徐々に圧されだす。
「俺達も行くぞ!」
「はい!」
〈ACCEL!〉
「変・身!」
「変身!」
〈ACCEL!〉
〈TURN UP〉
照井と一真もアクセルとブレイドに変身し、ソウガに加勢しようとするが、二人の前に目付きの悪い一人の男性が立ちはだかる。
名を芦原賢というこの男性。彼も克己の部下の一人であり、またT2メモリの所有者であった。
〈TRIGGER!〉
T2トリガーメモリの。
「…ゲームスタート。」
感情のない声で言った賢は、T2トリガーメモリを自分の右手の掌に挿し、片手にライフルを携えた青い怪人、トリガー・ドーパントに変身した。変身するやいなや発砲するトリガー。
「「うわああああああああああああ!!!」」
アクセルとブレイドは吹き飛ばされた。
ソウガがエターナルの気を引いている間に変身したW。ヒートメタルやルナトリガーにハーフチェンジしてエターナルに立ち向かうが、ソウガの足手まといにしかならない。サイクロンジョーカーエクストリームに強化変身しても同じだ。
その時、トリガーがライフルから放った流れ弾が、亜樹子とフェイトに向かって飛んでいった。亜樹子を庇おうとするフェイト。
だが、
〈CYCLONE!〉
ガイアウィスパーが響き、緑色のドーパント、サイクロン・ドーパントが二人の盾になり、風を起こして攻撃を防いだ。
ほどなく変身を解除するサイクロン。その正体は、マリアだった。
『そんな…マリアさんがドーパントだったなんて…!!』
フィリップは驚かずにいられない。
「よそ見をしていていいのか?」
言ったエターナルは、エターナルエッジにエターナルメモリを装填する。
〈ETERNAL・MAXMUM DRIVE!〉
すると、
「『うわあああああああああ!!!」』
「ぐああああああああああ!!!」
Wとアクセルに異常が発生し、両者の変身が解除された。それだけではない。ダブルドライバーから分離したエクストリームメモリが、そのまま墜落したのだ。亜樹子の手の上に乗っていたファングメモリも、苦しむような動作を見せた後、機能を停止した。
「な、何が起きたんだ!?」
驚くブレイド。エターナルは説明する。
「俺のT2エターナルメモリは特別でな、T2以外のメモリを全て機能停止させる。永久に」
「そんな…あたし聞いてない!!」
あまりの事実に、亜樹子はいつもの口癖を言う。
「終わりだ。過去の仮面ライダーども」
言い放つエターナル。
しかし、
「誰が終わりだって?」
ダンテの声が聞こえ、エターナルは群雲に斬られた。
「ぐあっ!!な、何!?」
エターナルは信じられないものを目にする。
なんと、ソウガの変身が解除されていなかったのだ。
エターナルのマキシマムドライブ、エターナルレクイエムが発動すれば、T2以外の全てのメモリが機能を停止し、ライダーやドーパントなら変身も解除されるはずである。
だが、ソウガの変身は解除されていない。
「俺達が使うメモリには特殊な処理が施されていてな、メモリに直接効果を及ぼす攻撃は通じんのだ。」
「残念だったな?てめえの目論見は大外れだよ。ほんでもって、終わるのはてめえだ!」
バージルが説明し、ダンテが嘲笑い、ソウガは情け容赦一切なくエターナルを攻撃する。
「ぐうっ!!」
ソウガとエターナルのスペックは、大人と子供の喧嘩ぐらいの差があり、生身でもダンテとバージルの方が強い。ダンテは訊く。
「そういえばお前、一回死んだんだっけか?」
ダンテとバージルは、ここに来る途中でNEVERのことを聞いている。
「亡者は冥界へ還れ。できんのなら俺達が手伝ってやる」
バージルが言い、ソウガはエターナルの首筋に群雲を突きつけた。
その時、手榴弾が飛んできて、ソウガはそれをかわす。
「よぉ克己。無事か?」
現れたのは影斗である。
「お前は…!!」
驚くエターナル。影斗はエターナルに言った。
「お前、昔から仮面ライダーの力がほしいって言ってたけど、そんな弱いライダーじゃなぁ…」
「…ずっと見ていたのか?」
「まぁな。」
「だったらすぐに助けに入れ!」
「言ったろ?俺は俺で勝手にやるって。お前を助けるのも助けないのも、俺の自由さ。それより、どうするつもりだ?見たところ、お前のT2エターナルメモリに直接的な攻撃力はなさそうだが、俺から言わせや、お前のライダーは欠陥だぜ?」
「勘違いするな。」
エターナルは割り込む。
「あ?」
「確かにエターナルメモリ単体には、直接的な攻撃力はない。だが、T2メモリが全て揃いさえすれば、こんな奴らはすぐにでも…!!」
どうやらT2メモリが全て揃えば、何かできるらしい。
「…なら行きな。」
「何?」
「行けっつってんだよ。それくらいの時間は稼いでやる」
「だが、お前のメモリは…」
「使えねぇと思うか?」
影斗はロストドライバーを装着。
〈BERSERK!〉
「変身!」
〈BERSERK!〉
影斗はベルセルクに変身した。
「何だと!?どういうことだ!?」
「おいおい、前にも言ったろ?俺の情報網を甘く見るなって。T2メモリのことは知ってるし、ちゃんと処理だって施してる。抜かりはねぇさ」
ベルセルクはアームズベルセルク ソードモードを背中から外して言う。ソウガは身構える。
「てめえ…」
「邪魔をするつもりか?」
「こいつと俺にはちょっとした縁があってね。こいつの作戦が成功するまでの間、協力してやることにした。」
「そうかよ…!」
両者はぶつかった。ブレイドはブレイラウザーをエターナルに向ける。
「お前のメモリが効かないのは、ソウガだけじゃないぞ!」
「お前のことは知ってるよ。あらかじめ調べてあったからな。知らなかったのはあいつだけだ」
フェイトは慌てた。
「こんなに大変なことになってるのに…光輝は何やってるの!?」
と、
「光輝?それって白宮光輝のことか?」
なぜかエターナルが反応した。
「な、何で光輝のことを…」
フェイトはさらに慌て、エターナルはある真実を告げる。
「来るわけないだろ。死んだんだからな」
その言葉には、フェイトはもちろんのこと、ブレイドや亜樹子、満身創痍な翔太郎とフィリップと照井、ソウガも手を止めて驚いた。
「光輝が…死んだ…?」
呆然と呟くブレイド。エターナルは続ける。
「ああ。この街のライダーの中ではクロスが一番厄介だし、元々クロス以外のライダーは眼中になかった。第一、エターナルメモリの使い手は俺一人で充分。だから死んでもらったんだよ」
しかし、フェイトは認めない。
「ウソをつくな!光輝がお前なんかに負けるわけがない!!」
「やったのは俺じゃない。」
言って指を鳴らすエターナル。すると、どこに隠れていたのか、仮面を付けてスーツに身を包んだ女性が何人も現れた。エターナルは説明する。
「こいつらはセクレタリー…俺達のスポンサーが生み出した人造悪魔だ。腕が立つうえに命令に忠実でな、俺が命令を出して、白宮光輝を殺させた。」
「な、何だと…!?」
苦しみながらも驚く翔太郎。
次の瞬間、
「…ッバルディッシュ!!!」
フェイトが動いた。
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!!」
バルディッシュをザンバーフォームにし、エターナルに斬りかかる。だが、両手にナイフを装備したセクレタリー達が行く手を阻み、近付けない。
「邪魔をするな!!!」
砲撃魔法の態勢に入るフェイト。エターナルが叫ぶ。
「プロフェッサー!!」
プロフェッサーと呼ばれたマリアは、何かのリモコンを取り出し、スイッチを押す。
その瞬間、集束していた魔力が消え去り、その隙を突かれたフェイトはセクレタリーから一斉攻撃を受け、倒される。再び説明するエターナル。
「今プロフェッサーが作動させたのは、マジックキャンセラー。この風都に設置された装置から、ありとあらゆる魔法を無力化するフィールドを風都全域に発生させた。もっとも、装置がどこにあるか教えてやるほど、俺も馬鹿じゃないがな。」
そこへ、T2メモリを持ったトリガーが来た。
「もうすぐ全てのT2メモリが揃う。その時こそ本当に、お前達の最期だ」
言ったエターナルは、セクレタリーに指令を出す。
「こいつらを足止めしろ。可能なら殺しても構わん」
「任務了解。ただちに実行します」
セクレタリーの一人が言い、セクレタリー達は一斉に襲いかかってきた。
「くそっ!!」
ブレイドはセクレタリー達を迎え撃つ。その間に去っていくエターナルとトリガー。そして、マリア。
「マリア…さん…」
フィリップはマリアの名を呼ぶが、マリアは一度、悲しそうな目でフィリップを見てから、エターナルとともに去った。フィリップはうつむいてしまう。
やがてベルセルクが引き上げ、ブレイドがセクレタリー達を全滅させた頃、亜樹子は呟いた。
「まさか…こんなことになるなんて…」
そして、
「光輝…」
フェイトは、
「うあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
悲しみと悔しさから、涙を流した。
************************************************
まだまだ続きます。次回もお楽しみに。
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パート2です。うろ覚えですが、どうかご容赦を