No.439933

ゲイムギョウ界の守護騎士

ゆきさん

打倒アヴニール一日前。その日シアンの食堂でネプテューヌ、コンパ、ライカによる料理対決が開かれていた。相変わらず鈍感発言をするタイチ。そんな彼はどうなる!久々の戦闘なし!ネプsideあり!日常をどうぞお楽しみあれ!!

2012-06-21 00:41:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1376   閲覧ユーザー数:1305

第17話 未知の料理対決

 

「痛い、痛えって!」

 

「あなたが体を触ろうとするからよ!」

 

「あほか、俺は包丁の使い方を教えようとしただけで決してそんなやましいことは考えてねえぞ!」

 

「マスター!お姉ちゃんの体より私の体のほうがいいんだよ!」

 

「サクラ......はぁー、お前らなぁ!」

 

台所に俺の大切な2人はいた。

料理が苦手な二人が夕飯を作ると言ったので心配になって台所に来て見れば、これだ。

セフィアは包丁を使わず、エクスカリバーを使い野菜を捌こうとしていた。

サクラに関しては魔法で野菜が見るにも耐えない姿になった後だった。

 

「最初からうまくいくわけないだろ。だから、俺がちゃんと一から教えてやるよ」

 

「タイチ....」

 

「マスター...」

 

戦いばかりの俺の生き方を変えてくれた大切な人。

どんなときでも癒してくれた妹みたいな存在。

そんな大好きな2人がいた世界がそこにはあった。

 

 

「あのときの再現だな、こりゃ」

 

俺は閉じていた目を開け、現実に意識を引き戻した。

目の前には厨房の中で野菜を捌こうと剣を振り回す三つ編みの美少女。

エプロンに身を包む変身後のネプテューヌだ。

 

「おいこら、厨房を壊すつもりか!」

 

「ひゃん!そんな、ご、強引よ」

 

「あのなぁ.....料理対決しろとか言った張本人が言うのもなんだけどな「やめないわよ」「そうです」「そうですね、やめることはできないですね」...あー、分かったよ。分かったからお前ら武器じゃなくてちゃんとした道具使ってくれ」

 

俺が額を押さえがらそう言うと、三人は文句を言いながらも武器をしまいそれぞれの料理に手をかけた。

そして審査員席のカウンターに腰を下ろした。

 

「まさか、ネプ子ならまだしもコンパやライカまで料理ができなかったなんて意外ね」

 

「お前ら、明日アヴニールに乗り込むのにあんな殺人兵器を食っても大丈夫なのか?」

 

「シアン、それはお前も同じだ。これを乗り越えるしか、明日の総合博覧会には出られないしな」

 

それを聞いてか、急に青ざめるシアン。

アイエフはそんなシアンを見て笑いながらも若干顔が青ざめている。

そう。明日は打倒アブニールだ。

俺が戦闘の際意識を失っていた数日の間にいろいろとことがはこんでいた。

アヴニールの悪行を止める為に仲間の四人は俺が生きていることを信じ必死にたくさんの証拠を集めていたらしい。

その証拠に必要だったアヴニールが使っている生体基盤を得る為機械兵器を倒してきた。

そんな折にガナッシュが現れ自分も会社の方針には納得していないとか何とかいって生体基盤を譲ってくれたらしい。

で、国政院に協会を追いだされた教院の方々と手を組み打倒アヴニールとかなんとか。

 

「今回の総合博覧会は主催が国政院だからな。まあ、最終的には女神様が決めるから決して勝ち目がないってわけじゃないはずだ」

 

「だな」

 

「すまないが、私は最後の調整があるから「ああ。構わないぜ」...では、せいぜい死ぬなよ」

 

笑顔を見せたシアンに少しだけドキッとしてしまった。

カウンター席(死に行く審査者の席)から離れたシアンは店から出て行った。

さすがにシアンを倒れさせるわけにはいかないので本人がそういうなら二つ返事で返そうと思っていた。

 

「ところで何であんたはいつも1人で戦うのよ?」

 

突然俺にしか聞こえないくらいの小さな声でアイエフが言ってきた。

 

「それは....」

 

理由は至極単純。ただ巻き込みたくないから。

あんなやつらと戦ったらもしかすると悲劇を生み出してしまうかもしれない。

(いくら過去といえどもアイツと俺は全く違う道を生きている。だからこそ、あいつが何をしようとしてるのかが全く分からない)

思い出すのは数日前の戦闘。あの時、圧倒的なまでの実力差を見せつけられた。

絶望的なまでの戦力の違い。だが、それがどうしたというのだ!

俺の過去が今を壊そうとしているのは紛れもない事実だ。

だからこそ、俺は1人で戦うべきなのかもしれない。守りたいものがあるのならば。

たとえ刺し違えてでも俺は―――――!

 

「ねえ、聞いてる」

 

「あ、ああ。.....」

 

「いいわよ。タイチが言いたくなったら言えばいいわ」

 

「.....ありがとう。アイエフ」

 

笑顔で微笑む俺に対してアイエフは顔を赤らめた。

そしてすぐに視線を俺から厨房に移した。

 

「そろそろできそうね」

 

「ああ。.....変なもん入れてなきゃいいな」

 

そこで、一番早く出来たのかライカが赤いぐつぐつと煮え立つ何かを皿に盛って俺たちの前に持ってきた。

呆然と見つめる俺に対しアイエフは焦りの表情が出ていた。

(こんなマグマみたいなスープ飲めんのかよ?)

死を覚悟しスプーンでそれをすくおうとしたところで一瞬でスプーンが溶けた。

(おい!?おいおいおいおいおい!入れてもねえのに溶けるなんてどうしたらこんな代物作れんだよ!?)

確かな焦りなのか、それとも暑さなのか汗が滝のように額から流れ出る。

覚悟を決めて......皿を持つが全く熱くなかった。

違和感を感じながらもそれを恐る恐る喉に流し込んだ。

 

「頂くぞ....うが!の、喉がぁぁ!!な、なんだこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

喉を一瞬で焼かれるような感覚が襲いすぐに皿を元の位置に戻す。

 

「お、お兄様!?」

 

「.........あ、アイエフ。やめとけ....死にかねん」

 

「え、ええ」

 

俺の目の前に立つライカは肩を落としかなり落ち込んだ様子で俺を見ていた。

 

「ま、まあ、最初からうまくやれるやつはいないからな。そう落ち込むな」

 

「は、はい.....」

 

 

次に現れたのはコンパ。持って来たのは黒い丸。

どうせ質問は無駄だと悟り臭気を発してないことを確認しそれを飲み込んだ。

 

「うま、っぐ!な、なにが!おこ!っく、うう!」

 

突如と腹を襲う激痛。

(でたらめ過ぎるぞ、この味は!!)

一言で言ってしまえばかなり不味い。

最初はうまいと思ったのにどうして急に味が変化するのだろうか?

不思議な現象もあるもんだ。

 

「これもダメだからな」

 

「...分かったわ」

 

「ごめんなさいですー!」

 

ペコペコと何回も頭を下げるコンパ。

 

「いや、ま、まあ、がんばれ」

 

「.....はいです!」

 

 

「おまたせ!早速食べて頂戴!!」

 

目の前にさしだされた料理より先にネプテューヌの方が俺を釘付けにした。

 

「!!.....か、かわいいな」

 

改めて見たら思わず見惚れてしまったネプテューヌのエプロン姿。

 

「ば、ばか!そんなこと言われても.....食べなさいよ」

 

「......頂くぞ」

 

ただのカレーライスに見えるのはいいのだが、あいつらと同じ料理兵器だったらたまったもんじゃない。

なんとなく覚悟を決めそれを口に運んだ。

 

「うお!う、うまいな。よく出来てるじゃないか」

 

「が、がんばったんだから」

 

「ホントね!ネプ子にしては意外な才能だわ」

 

「い、意外は余計よ!」

 

普通の物をさらにおいしくするのはかなりの才能だと思った。

 

「じゃ、じゃあデート権は頂くわよ!」

 

「え?」

 

思わず間の抜けた声が自然と口から出た。

無理もない。いきなりデートと言われたのだから。

 

「この料理対決は一日タイチを好きに出来るという条件の下でって言ったわよね」

 

「そりゃ、お前らがあまりにもやる気をださないからな。....まさか、デートに誘われるなんてな」

 

「ダメ、かしら?」

 

「.......構わない」

 

「ふあ......う、うん!わがまま、聞いてくれてありがと!」

 

「どういたしまして.....デートの日は明日のことが片付いた明後日でどうだ?」

 

「......うん」

 

わずかに頬を赤らめそれでもこちらを見る目は少しだけ蕩けていた気がした。

(可愛いいやつだ......ネプテューヌとのデートは俺の時間で言えば10年ぶりだな)

 

「「「イチャイチャするなー!」」」

 

見つめあう俺たちを見た三人から嵐のような文句を一時間にわたって何故か俺だけ聞かされたのだった。

(なぜ説教?)

 

 

ネプテューヌside

 

私達はあの後、自分達の宿に帰った。

変身を解いた今でも私のドキドキはいまだ収まらず、あれからタイチの顔を一回も直視出来ないでいる。

今は隣の三人はすでに寝てしまっているが、私は布団に入り込んでからずっと寝れないでいる。

考えるのはタイチのことばかり。

タイチとは一日しか離れていないのにラステイションで出会ったときはなぜかとても久しぶりな気がした。

そして、タイチと一緒に来たライカちゃん。

タイチの事をお兄様と慕っていてタイチのことが好きな女の子の1人。

そして、変身後の私とよく似た格好をする白髪の女の子。

あの子はタイチの事をお兄ちゃんと呼び親しんでいた。あの子もタイチのことがすきなのだろうか?

 

「私は負けないよ。.......~っ!タイチにもっと甘えたいな」

 

タイチの部屋と私達の部屋を隔てる一枚の壁。けど、今頃行っても迷惑に違いない。

それでもダメだ。タイチの顔が見たい。傍に居たくてたまらない。

必死に抑えていた衝動はどんどんと溢れてきている。

そして、私は寝間着のまま部屋を飛び出していた。

 

 

タイチside

 

「もう寝たほうがいいな」

 

時刻は深夜一時過ぎ。明日のこと以上に明後日のデートのことで頭がいっぱいだった。

(.....ネプテューヌ....あいつはもう寝たかな?)

なぜか分からないがとても気になる。

脳が沸騰するぐらい頭の中がエラーし始めた俺は頭を冷ますため風に当たりに外に出た。

 

「.......ネプテューヌ」

 

「タイチ......」

 

外には寝間着姿のネプテューヌがいた。俺と同じことを考えていた――――それはないか。

そう考えているとネプテューヌはゆっくりと近づいてそのまま抱きついてきた。

普段の俺なら驚いた反応をするが、今回は違った。俺は無意識のうちにネプテューヌを抱き返していた。

 

「......私今はタイチに凄く甘えたい」

 

「好きにすればいいさ」

 

「うん」

 

より強く抱きついてくるネプテューヌ。

 

「あのさ、どうせなら俺の部屋に行かないか?」

 

「う、うん」

 

タイチからの誘いに体の芯から凄い勢いで熱くなっていくのが分かる。

(これはチャンスだね!一緒に寝れれば好感度UP間違いなしだよ!!)

そんな期待を巡らせタイチに手を引かれながら部屋に入っていくのだった。

 

 

 

タイチside

 

部屋(布団の中)に入ること20分程度

 

「はう~。温かいよ」

 

「温かいな。......もっとくっついていいか?」

 

「うん。いいよ」

 

もっとくっつきたい理由。俺が布団の掛け布団からはみ出しているから。

ネプテューヌは顔を真っ赤にし、とても幸せな表情をしている。

(よくわかんねえけど、幸せならいいか)

 

「もっと、抱きしめてもいいんだよ」

 

「?....もう体は全部布団の中に入れたから、これ以上は必要がないんだが」

 

「ねぷ?......~っ!もう知らないよ!」

 

「ば、ばか!寒いじゃねえか!」

 

「乙女心が分からないタイチには罰が必要だよ!!」

 

「ああ、そうかよ。悪かったな鈍感で」

 

ため息をつきながら部屋で寝れる場所を探すがベッド以外はない。

あるにはあるんだが.....床は寒い。

 

「まあ、一日ぐらい大丈夫か。おやすみ、ネプテューヌ」

 

「......おやすみ」

 

なぜか不機嫌な声と共にこちらに背を向けてしまったネプテューヌ。

気になるがご機嫌をとるには難しそうだ。

(俺はど・ん・か・ん!だからな)

心の中で意味もない文句を言いながら俺は眠りについていった。


 
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