この作品は恋姫無双の2次創作です。
作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが
そこらへんはご容赦のほどを。
一刀が漢中を訪れ雪蓮達の母孫堅と出会っているとも知らず、雪蓮達が内政に励んでいると袁術から呼び出しが掛かった。
普段なら駄々をこね行くのを渋る雪蓮だったがこれには嬉々と応じ、冥琳と共に袁術の元へと向かった。呼び出された理由は分かっている。
暴徒の鎮圧。それを袁術は雪蓮達にさせようとしているのだ。だが、実はそれは雪蓮達が仕込んでいた策。民達と言っても中身は孫家の者達。これを鎮圧すると見せかけ出撃、合流反転し袁家を倒し独立を果たそうという筋書きである。
そして袁術に言われるであろう言葉を待ったのだが、出て来た言葉は意外なものだった。
「これを見よ!この玉璽は妾が皇帝の証!!故に妾は『仲』という国の皇帝と言う事になるのじゃ!そして大陸中のの蜂蜜を集めるのじゃ!!うははははは!」
「よっ!さっすがお嬢様!動機がすっごく不純ですけど、そこに痺れる!憧れるぅ!!」
「うははははっ!妾をもっと褒めるのじゃ!!」
突然こんなことを言われた雪蓮達は亜然とした。皇帝になることもそうだが、その動機に二人は言葉を失っていた。
そんな二人に尻目に声を掛けたのは、美羽を挟んで七乃の反対側にいる女性。名は紀霊と名乗った。
紀霊は袁術と張勲のやり取りを傍目に淡々とした口調で次の報告をした。
それは「暴徒の頭領を討った。」との事。これを聞いた雪蓮達はぎょっとする。
そして、その首を見せられた。それは今回雪蓮達と共謀し袁術を倒そうとした雪蓮達の部下だった男達の首。
「反乱を企てていた者達の首です。これらは事前の情報で捕えたんですが、中々口を割る事が無かったんですが、反乱を示唆する証拠品があった為、斬首としました。」
美羽を挟んで七乃の反対側にいる女性が説明をしていたが、雪蓮は俯き肩を震わせていた。その様子に気が付いた冥琳。
「きさまらぁ~~~~~!!」
だが冥琳が声を掛けるより早く、雪蓮は声を上げ剣を抜き放ち、美羽目掛けて一直線に駆けるが、その間に割って入ってきた女に剣を振り下ろそうとする。
「邪魔をする(ゾワッ!!)……!?」
が、剣を振り下ろすことを途中で止め、空中で身を翻し着地と同時にバックステップで後方へと下がる。
「雪蓮!?いきなりなにをする!?」
雪蓮の様子に違和感を感じた冥琳は、近付くが俯いて表情は分からない。だが肩に手を置くと身体が細かく震えている事に気が付いた。
「済まないが、興奮しているようなのでこれで失礼する。」
冥琳はそう言って一礼すると、怯えている美羽を尻目に、雪蓮の手を引き玉座の間から出て行った。そして少し離れた一目の付かない所で手を離すと、雪蓮は壁にもたれ掛かるとそのまま座り込んでしまった。
「一体どうしたと言うのだ雪蓮?…雪蓮?」
部屋の外に出た雪蓮と冥琳だが、雪蓮は未だ俯いたままで僅かながら息が荒い。
「雪蓮!?一体如何したんだ!?」
「…冥琳、首だけだったらなんとか私も堪えられたんだけど、あの…あの髪紐を見たら、もう怒りが収まらなくて…」
「髪紐…あれは一体?」
男達の首と一緒にあった布切れ。そう言われてみれば場にそぐわない物があったそれを思い出すが、雪蓮が取り乱す要素が見当たらない。
「あれは昔、お母様がシャオにあげた物よ。それを見た瞬間私は…!」
「なに!?」
言われた初めて冥琳は気が付く。シャオが身に付けていた髪紐。確かに似ていた。見間違いではと思ったが、雪蓮が言うのなら恐らく間違いはないだろう。
そして、それが男達の首と共にあったという事は…。
冥琳は嫌な想像をしてしまい、身震いをする。
「大丈夫よ。シャオは未だ生きているわ。」
そんな冥琳を察してか、雪蓮はシャオが生きていると告げる。
「お前の勘か?」
「ええ、そうよ。」
「なら信じよう。」
雪蓮の勘だけではなく、冷静になって自らの導き出した答えもシャオは生きている事に辿り着いた。そしてそれを使って何をさせようかという事も…
「それにしても良く止められたな。」
「…あれは止めたんじゃなくて、止められたのよ。危険だ、って勘にね。これを見て…」
そう言って袖をまくり上げ、腕を見せると未だ鳥肌が立っており、そして顔には未だ大量の汗が浮かんでいた。先ほどの騒動から時間は経っているにも係わらず…
「あのまま斬りかかっていたら、私死んでたわ。」
「そんなに強いのか?」
「強い、なんてものじゃないわ。次元が違うわ。一刀や連合で見た呂布、下手すればお母様なんか目じゃないかもね。」
「なっ!?」
呂布や一刀、そして雪蓮の母孫文台。彼らの強さは冥琳も知っている。それを同じく知っている雪蓮から、それを越える者、しかも次元が違うと聞かされた冥琳は驚愕する。
「あいつ、一体何者なのよ?」
「紀霊…とか言ったな。あのような奴、連合前にはいなかったはずだが。…何者だ?」
「さあね。判っているのは超が付くほど危険な奴よ。それに多分、彼らを殺し、シャオを攫ったのもあいつだわ。」
「それだけでは無い。『仲』の国を興す事を袁術に唆したのは恐らく奴だろう。張勲はどちらかと言うと保守派。袁術を守るためだけに存在していると言ってもいい。だが傍に置いているという事は、それだけ奴は袁術に気に入られていると言う事だ。そして袁術軍の泣き所である軍部は奴が実権を握っているのだろう。気が付いていたか雪蓮?お前が襲い掛かった時、あの場に居た兵全員が包囲するように動いていたことを。」
「ええ、勿論気が付いたわ。今までなら私の殺気にやられて動けずいたのに、多少及び腰になっていたけど、すぐさま陣形を組んでいたわ。恐らくは紀霊が仕込んだんでしょうね。」
そう明らかに連合での時と違い、兵の質が上がっていたのだ。今までなら多少の兵数の差があっても兵の質と冥琳の策等で五分以上に持って行けたが、兵の質が上がり紀霊の加入というのは孫家にとって厳しくものとなってくる。そして雪蓮達だけを呼んでこの事を言ってきたという事は、反乱軍との繋がりを知ってはいる。黙っててやるから自分らの下で働けと言う脅し。シャオはその人質ということなのだろう…
武では雪蓮を凌駕し、智でも冥琳達に悟らせず行動を起こす策謀…
全てはあの女が握っていると結論付けた二人は、孫呉の独立に強大な壁が立ちはだかった事を感じた。
あとがき
前の投稿から一ヶ月過ぎてた…
書き進めようと考えている日に限って仕事が長引いてしまい帰宅→そのまま疲れて就寝…
そしていざ書こうとする日に限ってと筆が進まず時間だけが過ぎてしまうという
構想はあるんだけどなぁ~…
そんな気持ちを途切らさないため、とりあえず出来上がった分だけでも投稿をしてみました。
短くてすいませんm(_ _)m
ところで話は変わりますがここに投稿を始めて一年が過ぎました。
思えば「もう」と言うか「やっと」と言うかそんな感じです。こんなペースでいつ終わるんだろう?とちょっと不安になったりしますが、完結目指して頑張っていきますので、応援してくださってるみなさん、これからもお付き合いの程宜しくお願い致します。
ではまた次回ぃ~
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お久しぶりです。あろんあるふぁです。
覚えていてくれたでしょうか?
変に忙しい(´;ω;`)