No.435956

THE IDOLM@STER 三村かな子小説 かな子との約束

スーサンさん

ライブに成功し、プロデューサーはご褒美にかな子を食事に誘う。
そこでウェイトレスのミスでとんでもないことに……

2012-06-11 22:37:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1106   閲覧ユーザー数:1103

 ミニコンサートが終わり、会場に溢れんばかりの喝采が沸いた。

 文句なしの大成功イベントだった。

 ステージの上に立つかな子もイベントの成功に感動したのか、顔に少し自信が感じ取れた。

 ステージから楽屋裏に戻るとかな子は俺に抱きついてきた。

「やりました、プロデューサーさん!」

「あ、ああ!」

 いきなり、抱きつかれ、俺は真っ赤にした。

 B90のぷるんぷるんの超巨乳に抱きつかれてるのだ、俺でなくともかな子に妙な感情を持ってもおかしくないだろう。

 そもそも、かな子に変なことしたら、俺はクビどこから社会から抹殺される。

 我に返り、慌ててかな子の身体を引き離した。

「えへへ……ごめんなさい、プロデューサーさん」

 普段はちょっと自信の感じられない彼女の笑顔が、今はすごく輝いて見えた。

(初めてあったときとは偉い違いだ。そうだな。コンサートも成功したし、ご褒美に食事にでも誘うおうかな?)

「どうだ、かな子? これから、食事でも一緒にしないか?」

「いいんですか?」

「ああ、ファミレスだけどな?」

「行きます! プロデューサーさんの誘いなら、どこでもついていきます!」

 こんな目をされると意地悪したくなるな……

「それじゃあ、食事の後、ホテルとかどう?」

「え!?」

「アハハ! 冗談だよ!」

「……べ、別にいいですけど」

「ん? なにか言ったか?」

「あ、いえ……冗談ですよね。アハハ……はぁ」

 ため息を吐くかな子に俺は冗談が過ぎたかなと反省した。

 

 

 ファミレスにつくと俺は店員さんにチキンステーキを頼み、かな子はオムライスを頼んだ。

「今日のライブ、楽しかったですね! 私、ミスとかしてませんでしたか?」

「練習の成果がバッチリ出ていたよ! いいライブだった!」

「よかった! 私、これからも頑張りますから、もし、アイドルとして輝けたら……」

 一瞬、目をそらすかな子に俺はニコッと笑った。

「お待たせしました。チキンステーキとオムライスを持ってきました」

 かな子の前にチキンステーキが置かれた。

「あ、それ、俺のです!」

「え、あ、も、申し訳ありません!」

 慌ててチキンステーキを俺のほうへ置き、若いバイトのウェイトレスは逃げるように去っていった。

 どうやら、彼女の体系(主に胸)を見て、勘違いしたらしい。

 気持ちはわかるが……

(この胸は男を惑わす凶器だ。もし、この胸が将来、俺の知らない奴に揉まれると思うと……なんか、腹が立つな)

 本来、持っちゃいけない感情を持ちそうで俺は慌てて首を振った。

「やっぱり、私、太って見えますか?」

「い、いや、そんなことないよ」

 むしろ、グラマスなほうだ。(胸の割りに腰、細いんだよな)

 完璧にさっきまでの自信をなくしたのか、かな子はシュンッとなった。

 どうにかして、元気になってもらいたいと俺は慌てた。

 メニュー表を見た。

「すみません、ショートケーキ、一個をお願いします!」

「え、プロデューサーさん、私……」

 すぐにケーキが届いた。(さっきのウェイトレスじゃないウェイトレスから)

「プ、プロデューサーさん」

 困った顔をするかな子に俺は自分でケーキを食べはじめた。

「あ、プロデューサーさんが食べるんですか……はぁ」

 ガッカリするかな子に俺はニコッと笑った。

「はい、あ~~ん!」

「え?」

 真っ赤になるかな子に俺は笑顔のまま、もう一度言った。

「ほら、かな子、あ~~んだ!」

「え、えっと……」

「まったく、ほら!」

 かな子の口に無理やりケーキを放り込んだ。

「うむぅ……むぐむぐ?」

 かな子の顔がぽわぁ~~とした。

「おいしい~~……♪」

「やっぱり、かな子は笑ってる顔が一番かわいいよ!」

「え、か、かわいいって……」

 真っ赤になるかな子に俺はもう一度、ケーキを差し出した。

「ほら、あ~~ん♪」

「あ、でも……」

「今日のご褒美! 遠慮せず、食べろよ! 好きだろう、ケーキ?」

「は、はい……あ、あ~~ん♪」

 また、ケーキを口に入れた。

「むぐむぐ」

「どうだ? うまいか?」

「あ、はい、とっても! プロデューサーさんが食べさせてくれるから余計においしいです」

 最後の部分はかなり小声だったので聞き取りづらく、俺は首をかしげた。

「やっぱり、ケーキを食べてるかな子はとっても無邪気でかわいいよ!」

「うぅ……プロデューサーさん」

(うん? どうして、顔を真っ赤にしてるんだ……)

「あ、あの、プロデューサーさん?」

「うん?」

「も、もし、よかったら、今度、私が作ったケーキを食べてくれませんか?」

「いいのか?」

「は、はい!」

 力強く頷くかな子に俺も顔を輝かせた。

「じゃあ、喜んで食べるよ!」

「ありがとうございます! 今度のお休み、私の家に遊びに来てください! めいっぱい、ご馳走しますから……あむぅ?」

 また、ケーキを口に放り込んだ。

「もう、プロデューサーさん!」

 怒ったフリをするかな子に俺はまた、ケーキを差し出した。

「ほらほら、怒らないで笑顔、笑顔! ほら、あ~~ん……!」

「あ、あ~~ん」

 パクッとケーキを食べ、かな子の顔がまた幸せそうに微笑んだ。

「おいしい~~……♪」

「やっぱり、かな子は可愛いな!」

「え、あ……ありがとうございます」

 恥ずかしそうに顔を伏せた。

 その姿がどこか、小動物っぽく、俺は余計に彼女を愛しおうしく思った。

(いつか、その笑顔をみんなに向けられるようにしてやるからな)


 
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