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桂花エンドアフター 第5話 一刀、呉に向かうのこと 後編 

思春デレ回?

2012-05-31 23:49:11 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7681   閲覧ユーザー数:6142

 

   しばらくして、みんなが玉座の間に集まり、倒れていた3人も目が覚めてみたいなので

   俺は式神“朱雀”を使い、ついでに仙術で見えないようにコーティングをした。

   案内は甑が引き受けてくれるらしい、いや正確には孫策さんに頼まれたらしい。

   俺たちは建業に着くまで、談笑をしていた。そして、あっという間に建業に着いてしまった。

 

     ~建業~

 

   一刀「じゃあ甑、案内を頼むよ。」

    甑「はい、お任せください。その前にお願いがあるのですが、この間着ていた“ろうぶ”とか

      いうものを羽織っていてくださいませんか?」

   一刀「別に構わないけど、確かアレは………あ、あった。でも、なんで着る必要があるんだ?」

   華琳「貴方の服は民たちの目に付くから、それの配慮でしょ?」

   一刀「逆にこれだと、魏の精鋭に捕らえられた下手人にしか見えない気が・・」

   桂花「それ以上は言わないほうが得策よ?一刀。」

   一刀「そ、それもそうだ。俺は何も言ってない、これでいいよね?……って、ごめんなさい。」

   秋蘭「それで良い、一刀。」

    甑「相変わらずですね、隊長は。まぁ、もうそろそろで着きますね。」

              ……………………………

   門番1「あ、これはこれは祇栄さん。結構早かったですね、お待ちしておりました。」

   門番2「それに曹操様を初め、皆様ようこそいらっしゃいました。ささ、中で我らが王が

       お待ちかねです。」 

   華琳「そう、じゃあ通らしてもらうわ。それにしても、呉の兵たちはだいぶ貴方を気に

      入っているのね、祇栄。」

    甑「いえいえ、そんなことはありませんよ。一部だけです、それも隊長のおかげで

      自分は何も。こちらが玉座の間になります、どうぞ。」

   門番3「魏王、曹操様を初め、魏の重臣様のおな~り~。」

   一刀「(ここは大奥か!)ツッコンだら負けな気がするな。」

   春蘭「何か言ったか、一刀?」

   一刀「ううん、何も言ってないよ。」

 

    ~玉座の間~

 

   華琳「急に呼び出してどうしたの?雪蓮。」

   雪蓮「決まっているじゃない、天の御使いである北郷一刀がどんな人物か気になって、急いで

      頼んだんじゃない。それにしてもずいぶんと早かったわね、驚いたわよ。」

    甑「だって、雪蓮さまが半日以内に呼んでこないと、長江に沈めるって言ったんじゃないですか!」

   雪蓮「私がそんなことすると思ってるの?まったく、どこをどう見たらそう思うんだか。」

    甑「だって、あの時、目が笑ってなかったじゃないですか!……すいません、王に向かって、

      礼儀を弁えず、話していました。」

   雪蓮「今回は構わないわよ。……って、華琳どうしたの?」

   華琳「いえ、祇栄が貴方の真名を呼んでいたから、驚いたのよ。一般兵に預けるなんて、

      仮にも王ならしないと思っただけよ。」

   雪蓮「彼には色々と教えてもらったのよ、だからそのお礼。で、噂の御使い君はどこかしら?」

 

      俺はローブを脱いで、孫策さんに話しかけた。

 

   一刀「お初にお目にかかります、私の名は姓は北郷、名は一刀、真名と字はありません。

      呉王、孫伯符さま。」

   雪蓮「そう、貴方が御使い君か~、う~ん、なんかぎこちないのよね。普段の話し方で

      構わないわ。」

   一刀「じゃあ、孫策さん。これでいいかな?」

   雪蓮「そうね、だいぶマシにはなったわ。それで話は変わるけど、冥琳に祭、いらっしゃい。」

   冥琳「久しいな、北郷よ。と、言っても以前は敵だったがな。」

    祭「久しいな、小僧。」

   秋蘭「なっ!?黄蓋殿、生きていらっしゃったんですか!」

    祭「あぁ、そこの小僧のお陰でな。」

   魏勢「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」

   一刀「俺は華佗に頼んだけだよ、華佗の腕が良かったから助かったんだ。だから、お礼なら

      華佗に言ってくれ。」

    祭「あやつにも礼を言ったが、あやつは『一刀が教えてくれたから、助けられたんだ。』

      と言っておった。」

 

 

   冥琳「そうだ、お前が華佗に伝えてくれなければ、この命はとうに尽きていた。

      だから、お前の口から我々を救った理由を聞きたい。」

   一刀「俺はね、周瑜さん。俺の知っている歴史を変えたんだ、そう、俺はあの群雄割拠の時代に

      何が起こるのかを知っていたから、そんなことが出来たんだ。

      最初に歴史を変えたのは定軍山の戦い、俺の知っている歴史では秋蘭が死ぬはずだった、

      だが俺は、秋蘭に死んで欲しくないから、華琳やみんなに伝えた。だから、秋蘭が生きている。

      それから、少しずつだけど歴史を変えた。そしてね、感じたんだ。俺がいつか消えて

      しまうことを。だから、俺は俺が居なくても三国が支えれるように、いや、誰かが悲しむ

      ことがないように、俺の知る歴史で死んでしまう黄蓋さんやあなたが死なないように

      華佗に頼んだ、ただそれだけだよ。でも、俺は魏の皆を悲しませてしまったのが悔しかった。」

 

      俺は言い終わると、目から涙がボロボロとこぼれるのを感じたが抑えることができそうに

      なかった。そして、俺が泣いていると周囲からも同じように掠れた声が聞こえた。

 

   冥琳「そうか、ありがとう北郷。お前のお陰で私の命は助かった。だから、次は三国の民たちに

      お前の夢を、理想を叶えるために私は力を貸そう。私の真名は冥琳だ。」

    祭「あぁ、小僧のお陰で存えた命。おぬしの想いと共にあろう。わしの真名は祭じゃ。」

   雪蓮「二人ともずるいわよ、私の真名は雪蓮ね。敬語なんて似合わないから、呼び捨てで

      構わないわよ。みんなも真名を預けなさい。」

   小蓮「良い男じゃない、一刀。私の真名は小蓮、シャオって呼んでね!。」

   亞沙「昔に聞いた通りのお方です、御使いさま。私の真名は亞沙です、よろしくお願いします。」

   明命「亞沙が積極的なのは驚きましたが、流石は御使いさまです。私の真名は明命です。」

    穏「おやおや~、皆さん積極的ですね~。私の真名は穏です~。」

   雪蓮「ほ~ら、二人とも真名を預けないの?」

   蓮華「私は私です。北郷、お前が望む世界とはどの様な世界だ。」

 

      俺は笑みを浮かべながら、自信を持って答える。

 

   一刀「民たちが笑顔を浮かべながら、戦いに怯えることがない日々を過ごし、そして

      大切な人と何気ない日々を過ごすことかな。」

 

   蓮華「そうか、私の真名は蓮華だ。よろしくね、一刀。」

 

雪蓮「あれ~、蓮華。急に態度を変えてどうしたの?」

   蓮華「なっ、別にいいじゃないですか雪蓮姉さま。って、華琳もニヤニヤしないでよ、もぅ~。

      思春はどうするの?…って、ぼぉ~としてどうしたの!?」

   思春「…っは!すみません蓮華さま、少し気が抜けていたみたいです。北郷、私の真名は思春だ、

      よろしく頼む。」

   桂花「思春がいきなり真名を許すなんて、しかもアレは絶対そうよね、うん。」

   蓮華「確かに思春が真名を許すなんて驚いたわ。」

   思春「北郷は信用にたると思っただけです。」

   一刀「ありがとう、思春。」

   思春「ふん、礼を言われることではない///」

    穏「あれあれ~、どうしたんですか~、下を向いて。」

   魏勢「「「「「「「「「「「「(流石は魏の種馬だぁぁあああ)」」」」」」」」」」」」

   一刀「あれ~、何で俺睨まれてるの?」

   桂花「自分で考えなさい、馬鹿。」

   雪蓮「ねぇ~、一刀。呉で暮らさない?華琳たちなんてほっといてさ。」

   一刀「魅惑的な誘いだけど、断るよ。確かにこんなに美人や可愛い娘いるけど、俺は

      華琳たちを愛しているからね。」

   華琳「私たちの目の前で他の女を褒めるのは呆れるけど、まぁ私も愛してるわよ、一刀。」

   春蘭「華琳さまだけがお前を愛しているわけじゃないことを忘れるなよ。」

   一刀「そんなこと当たり前だろ、春蘭。」

   明命「こんなに御使い様に愛されるなんて少し羨ましいかも。」

   亞沙「そうですよね、明命。はぁ~」

    祭「明命も亞沙も恋する乙女よの~、ふっふ。わしも若ければ…。」

   冥琳「流石の祭殿も年には敵わないませんか。」

   一刀「何言ってるのさ、冥琳さん。年なんて関係なく祭さんは美人だよ、冥琳さんもね。」

   冥・祭「なにを言っている!///」

   一刀「あれ、怒らしちゃった?」

   雪蓮「照れてるのよ、二人とも?それで私は?」

   一刀「もちろん、美人さ。」

 

   雪蓮「そ、そう。ありがとう、一刀。」

   流琉「兄様、いい加減女性を口説くのは止めてください!」

   一刀「えっ!口説いてなんてないよ、本当のことを言っただけさ。」

   季衣「それは兄ちゃんの場合、口説いてることなんだよ。もぅ~。」

   一刀「う~ん、イマイチわかんないな~。」

   雪蓮「天然なのね、一刀は。じゃあ、そろそろ行きましょうか。」

   華琳「どこに行くのかしら?雪蓮」

   雪蓮「一刀を私たちの民に紹介しようと思ってるの。」

   華琳「そう、確かに天の御使いがどんな人物か知ってもらうか、必要があるわね。」

   雪蓮「う~ん、その必要はないんだけどね。まぁ、行こっか。」

   華琳「その必要はないって、どういう意味?…って、引っ張らないでよ。」

 

     ~建業~

 

   雪蓮「皆の者、聞けぇええ!この場に魏王曹孟徳を初めとする魏の重鎮と共にもう1人来ている。

      そう、その一人は魏に舞い降りた天の御使い。彼は再び、この大陸に舞い降りた。

      彼のことは皆も知っているだろう、彼は我が友である周瑜を、母の代から仕えてくれている

      重臣、黄蓋の二人の命を敵であった時ですらも心配し、そして救ってくれたことを。

      その感謝の気持ちを持って、明日、祭りを開催することを宣言する。

      一刀、民たちに挨拶をしてくれないかしら?」

   一刀「わかったよ、雪蓮。初めまして、北郷一刀と言います。世間では天の御使いだなんて

      言われているけど、俺一人では何も出来ない人間だ。そんな俺のために祭りを開いてくれる

      なんて、とっても嬉しいと思う。…これでいいかい?雪蓮」

   雪蓮「えぇ、一刀。皆の者、ここに集まってくれて感謝する。」

   華琳「後で、じっくり話を聞かせてもらうわよ雪蓮。」

   雪蓮「えぇ~、冥琳代わりに教えてあげて~。」

   冥琳「やれやれ、さっきまでの威厳はどうした。」

   雪蓮「だって、ねぇ~。」

 

   俺たちは城に戻り、華琳からの問いに雪蓮の代わりに冥琳が話してくれた。

   そして、俺たちはあの場に甑が居たことを初めて知り、彼が呉に当時のことを伝えてくれたこと

   を知った。そして、そんなこんなしている間に夜になり、城内で宴をしてくれた。

   そして、俺は呉のみんなと少しだけ仲良くなれた気がした。

 

   祭りの日、当日。俺は華琳たち魏の面々と雪蓮たち呉の面々と一緒に街を周った。

   すると、お饅頭屋のおばちゃんが饅頭をくれたし、桃をくれるおばちゃんが居たり、

   酒屋のおっちゃんが白酒をくれたりと色々な人たちが物をくれるんだけど、『悪いから』と

   言うと、皆、口を揃えて『黄蓋様や周瑜様を命を救ってくれ、そして三国を平和に

   してくださったんだから、受け取ってください』と言われた、そして華琳にも『受け取りなさい、

   そうじゃないと失礼よ。』と言われたので受け取った。

   そして、俺たちは祭りを楽しみ、そろそろ別れの時間がやってきた。

 

   華琳「じゃあ、そろそろ帰るわ雪蓮。」

   雪蓮「そう、じゃあ一刀は置いて帰ってね♪」

   桂花「何言ってるのよ。一刀、っさ帰るわよ。」

   一刀「引っ張るなって、じゃあ帰るよ。」

    稟「桂花、私も一刀殿と腕を組みたいので片方を譲ってくださいね。」

    風「おやおや~、珍しく積極的ですね~、稟ちゃん。」

   秋蘭「我々魏の頭脳がこれほどとはな。じゃあ、私は背を借りようか。」

   一刀「しゅ、秋蘭、ちょっと待ってて。桂花と稟も少しだけ腕から離してね。」

   俺はそう言うと雪蓮ら呉の面々の前に行き、尊敬と感謝の意味を込めて、手の甲にキスをした。

   すると、『一刀ぉおおおお!!』と言う春蘭の声や恨みがましい声が魏の面々から聞こえ、

   『キャーーー』と言う、呉の面々の声が聞こえたが俺は何かやってしまったのだろうか?

   あれ?華琳も涙目で睨んでいるし、これ以上ややこしいことになる前に洛陽に戻ろう。

   一刀「よし、さぁ洛陽に帰ろうか……って、桂花どうしたの?」

   桂花「さっきの行為はどういう意味か後で、きっ・ち・りと話してもらうわよ。

      そして、今夜は寝れないと思いなさいよね、フッフッフフ。」

   一刀「わ、分かったからヤンデレみたいな雰囲気出さないで、ちゃんと教えるから。

      ね、華琳たちも俺も若干恥ずかしくなってきたから、早く帰ろ?」

   華琳「エエ、ワカッタワ。フフフ」

   一刀「いっややああああああああ!」

 

 

 

 

   思春side

 

北郷は華琳殿らを連れて、洛陽に帰った。そして、私を含め全ての人が真っ赤に顔を染めていた。

   なぜ、こんなことになったのかを考えてみた。

 

   私は最初、ヤツの言葉を祇栄から聞いた時、『(偽善者が!!)』と思っていた。だがあの時

   ヤツ自身から聞いたとき、それは良い意味で裏切られた。あいつは笑みを浮かべながら話した。

   それは偽善者が浮かべるような薄っぺらい笑みではなく、されど、欲深い人間のニヤつくような笑み

   でもなく、ただ穏やかな笑みだった。私は何回か見たことがあった。

   それは蓮華さまが私に手を差し伸べて下さったときに見た笑みと似ているのだ。

   そう“信頼している者”や“信念を持って話している”時にむける笑みに。

   私はヤツが…北郷が信用できる者だと判断したとき、胸が高鳴るのを感じ、緊張が溶けるを感じた。

 

 

 

 

 

 

   あとがき 最近、バイトが忙しいma0です。

        実際にはバイトのほかにも文化祭の劇のシナリオを書いたり、

        準備をしたり、監督にも選ばれて、辛いですww

 

        さて、今回デレてもらったのは思春さんでしたが、いかがでしたか?

        実は桂花エンドの中篇書いてた時に考えた文章を使いました!

 

        次にデレてもらうのはツンメガネメイドのあの方か、犬が苦手なあの方のどちらか

        たぶん、どちらか一つだけで拠点ぽい感じで短いのを書きます。


 
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