No.430182 記憶のライダー10 協力者O/京都から来た王と皇女秋良さん 2012-05-30 19:37:40 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1189 閲覧ユーザー数:1176 |
[O月K日(天気晴朗なれど波高し)]
[この間の『変換事件』以来、僕と美夜子ちゃんは恋人のようになっています。]
[僕は美夜子ちゃんの事が、その、好きなんだけど彼女はどうなんだろう……。]
[そ、それはともかく!]
[最近妙にドーパントがまとまって現れる気がします。]
[それこそ、僕らを誘導するみたいに。]
[なにか大きな事件の前触れじゃなければいいんですけど……。]
「ふぁ、っぁ。おはよーございますみなさん」
僕が挨拶をすると、皆返してきました。今日も今日とて、依頼は少ないみたいですね。
「亜樹子所長、今日の依頼はありますか?」
「今日の依頼は無いわね……聡里君が来てから、
ペット探しも一日かからずに終わるから助かるわね~」
亜樹子所長はいうけど、やることがないと落ち着かないんだよね……
と、その時。窓をノックする音が。
「スタッグフォン!? ドーパントか!行きますよ、翔太郎さん!!」
「ああ! フィリップ、スタンバイしとけよ!」
「ああ、翔太郎。この間のことは検索を済ませたからね」
この間の事……ちょっとしたトラウマになりそうだ。
「じゃ、行くぜ聡里!」
「アイ・サー、翔太郎さん!」
そう言い合い、僕らは事務所を飛び出しそれぞれのバイクで現場へ向かった。
~風見採石場~
僕らが到着したとき、すでに数十体のマスカレイドドーパントが出現していた。
「くっ、こんなに!?」
「怯むな聡里! 行くぜ、フィリップ!!」
[Joker!]
『ああ、翔太郎!』
[Cyclone!]
「了解、翔太郎さん!!」
[Memory!]
「『変身!!』」
「変ッ身!」
[Cyclone! Joker!!]
[Memory!!]
「『さぁ、お前達の罪を数えろ!』」
「あなたたちの記憶、見せてもらいます!」
久々の名乗りを上げ、僕らはその怪人の群れに突撃した。
『翔太郎、相手は一体一体ではさして強くない。それでこの人数なら、これだ』
[Heat!]
「持久力重視か……わかった!」
[Metal!]
[Heat! Metal!!]
Wは防御力を上げて攻撃のダメージを減らすことにして、
「だったら僕は、速攻で行きます。
メモリイジェクター、カブトメモリ・イジェクト!」
[Kabuto!!]
「チェンジ、カブト・マスクド!」
[Kabuto!] [Henshin]
僕は普段のメモリとは違うゼクターの変身音と共に装甲を纏ったカブト、
『カブト・マスクドフォーム』へ変化。そして
「装甲の雨のプレゼントだ! チェンジ、ライダー!」
[Change-Beetle!]
僕は『キャストオフ』した装甲が弾け飛び、僕の周りの二体を吹き飛ばした。
「行きます。クロックアップ!」
[Ability! Clock-Up!]
さらにアビリティスロットにカブトメモリを放り込み、起動。
クロックアップ状態になった僕は、一気に十体ほどのマスカレイドを撃破。しかし。
「変身者が、いない?」
そう。その場に落ちたのはメモリと、数枚の割れた銀色の『メダル』。
「あん?メダル? なんでこんなもんが……」
『翔太郎、気を散らしている場合じゃないよ!』
「っと、悪ぃフィリップ! だらぁ!」
翔太郎さんたちWは一対多の戦闘が苦手なため、徐々に押され始めていた。
「ダブル! くっそ、こう数が多くちゃ援護もできやしない!」
僕がクロックアップの限界になりメモリーに戻った瞬間、
僕とWの背後からそれぞれマスカレイドが攻撃してきた!
「やっべ、対応できねぇ!」
「しまっ……!?」
受身なども取れない状態のため重い一撃を覚悟した僕達だったけれど、
[タカ!][トラ!][バッタ!]
[タットッバッ♪ タ・ト・バ タットッバッ♪]
「セイヤァッ!」
何かの歌声と掛け声と一緒に横合いから黄色い爪と銀色の拳が叩きつけられ、
ドーパントは弾かれた。
「諦めんな、風都の仮面ライダー!」
「私達が援護する。行くぞ、キバット!」
「キバって行くぜ!」
そこに現れたのは、縦に赤・黄・緑の三色に分かれたライダーと、
吸血鬼を髣髴とさせる、所々に銀の鎖が付いたライダー。
「オーズに、キバ? でも、原作の変身者じゃない、か……?」
僕はそう少々悩む。
(ちなみにそのとき後ろから来たマスカレイドは裏拳でふっとばした)
「ぼさっとすんな聡里!
なんだかわかんねぇが援軍がきたからには、とっとと片付けるぞ!」
「あ、はい!」
翔太郎さんの激で戦闘に意識を引き戻し、僕も再び戦いに戻る。
と、その前に僕はオーズに質問を飛ばした。
「オーズ!今どのメダルを持ってる!?」
「え?今はタトバとタジャドル、シグサキ、ブラカワニだ!」
聞いた事無いコンボもあるけど……この中なら、アレで行けるか!
「そうか……よし!だったら、タジャドルで行けるか!
よし、オーズ!タジャドルになって、アイツらにマグナブレイズだ!
それとキバの君!君はバッシャーで、アクアトルネードを!
チャンスは僕達が作るよ! いいですね、翔太郎さん!」
「え?あ、おう。一箇所に纏めりゃいいんだな!」
『だったら、このメモリだね翔太郎』
[Cyclone!]
「だな。行くぜ!」
[Joker!]
[Cyclone!][Joker!]
「あの人たちの力、使ってみますか!メモリイジェクター、電王メモリ、イジェクト!」
[DEN-O!]
「も一つオマケに、チェンジ、ロッド!」
[Rod-Form]
デンオウベルトの電子音と共に、僕は『電王・ロッドフォーム』へ変化する。
「お前達、僕に釣られてみる?……なんて、行くよ、そぉれっ!」
僕は掛け声をかけ、
翔太郎さんたちがサイクロンサイドの竜巻である程度集めた残りのマスカレイドに、
メモリーの能力で取り出した『デンガッシャー・ロッド』を振るい
オーラライン……釣り糸のようなものを巻きつけ一箇所に固めた。
「オーズ!キバ!今だッ!」
「判ったぜ!」
[タカ!][クジャク!][コンドル!]
[タ~~ジャ~~~ドル~~~!!]
オーズはオーズオライバーのメダルを赤の三枚に入れ替えスキャンすると、
メダルのエネルギーがオーズを取り巻き、炎と孔雀の羽のようなエネルギーが放射され、
『オーズ・タジャドルコンボ』へコンボチェンジし、
「キバット!」
「よっしゃ! バッシャーマグナム!!」
キバはベルトに装着されているキバット族の『キバットバット三世』に
緑色の『フエッスル』を吹かせると、どこからか緑の石像のような物が飛んできた。
キバが右手でそれを掴むと右腕に装甲が付く。
最後に仮面が緑に染まり『キバ・バッシャーフォーム』に姿を変えた。
[スキャニングチャージ!]
「バッシャーバイト!」
「はぁっ!」
「はぁぁぁぁ……」
掛け声と共にオーズは空へ飛び上がり、
キバはバッシャーマグナムを構え敵たちに狙いを定める。
「せいやぁぁぁぁっ!!」
「はあぁぁぁぁぁっ!!」
そのままオーズは背中のクジャクウィングを飛ばしマスカレイドの半分を消し飛ばし、
反対側のもう半分はキバ・バッシャーのアクアトルネードにより吹き飛ばされた。
その戦いの後、僕ら四人は顔を突き合わせて会話していた。
「助かったぜ。オーズにキバ、だっけか?」
「ええ、翔太郎さん。でも『僕が知っている』オーズとキバとは違うみたいですけど」
僕らはそう言って変身を解除し、彼らに自己紹介を。
「俺は左翔太郎だ。助かったぜ」
「僕は星雄聡里。翔太郎さんの助手をしてます。あなたたちは?」
僕が聞くと、彼らも変身を解除した。って!
「君達、高校生!?」
そう。オーズが高校生くらいの男の子、キバが同い年くらいの女の子だった。
「はい。俺は『神代 達也(かみしろ たつや)』です」
「私は『如月 志野(きさらぎ しの)』だ。よろしく頼む。風都の『仮面ライダー』」
そして僕ら四人は情報交換ということで、鳴海探偵事務所へと戻ってきた。
「じゃあ、まず風都に来た理由から聞いていいか? あー、神代だっけか」
「俺の事は達也でいいですよ、翔太郎さん。俺の方が年下ですし」
と翔太郎さんたちが口火を切って、僕らの間の情報交換が始まりました。
「俺たちは、最近京都に『メモリで変身する怪人』が現れたんで、
それを調べにきたんです」
この語りだしから、達也くんが教えてくれた情報は以下の通りです。
一つ.京都に多数のマスカレイドドーパントが現れた。
二つ.マスカレイドを倒すと割れた『セルメダル』が一枚と、
ガイアメモリの残骸がその場に残った。
三つ.マスカレイドのうち一体が『風都』についての手がかりを残していった。
「……って感じです。で、これがその手がかりです」
そういって差し出してきたのは、『ふうとくん』のストラップだった。
「これが怪人、ドーパントでしたっけ?を倒したときに出てきたんです。
で、俺がもともと風都に住んでたんで気づいて来てみたんです」
そういい、翔太郎さんにそのストラップを手渡す達也くん。
「なるほどな……だったら、検索と行くか。フィリップ!」
「ああ、翔太郎。
そう言い、フィリップさんが地下のガレージから出てきた。
「翔太郎さんに聡里さん、この人は?」
「あっと、達也くんと如月さんにはまだ紹介してなかったね。
彼はフィリップ。翔太郎さんの相棒で、地球上の全てを『知る事ができる』人」
僕はそう言いつつ、『地球の本棚』の事を説明した。
「なんと、この人にはそのような力があるのか」
「すっげー! だったら、今回の原因もすぐ判りそうですね!」
志野ちゃんと達也くんははどうやら驚いている。
「あー、そういうわけにも行かねぇんだ。フィリップは、
さっきも言ったとおりすべての事を『知る事ができる』が
その情報の全てを『知っている』わけじゃねぇんだ。
なんせとんでもない情報量だからな。
この手がかりがあっても、絞込みはうまく行かねぇと思うぜ」
「そうか……やはり、何事にも万能という物は無いのだな」
「すまない、力になれなくて。だが、まだ手はある」
フィリップさんに言われ、身を乗り出してくる二人。
「じゃあ早速行きましょう!早く解決しないと京都にまた敵が出てきますし!」
「私達にも手伝わせてくれ!出来るだけの事をさせて頂く!」
二人は翔太郎さんに詰め寄り、翔太郎さんはにやりと笑って返す。
「んじゃ、探偵の基本と行きますか」
「「基本?」」
「聞き込み、だよ。ついでに達也。
お前は志野を風都観光に連れて行ってやったらどうだ?
んじゃ、俺たちは別行動だから、二人で観光楽しんで来いよ!行って来るぜ!」
と二人に言い、翔太郎さんはハードボイルダーで出かけていった。
「あ~っといけない、私も買出しに行かなくっちゃ!
(頑張ってね志野ちゃん。私、応援してるから!)」
括弧の中を志野ちゃんにささやいた後、亜樹子所長は事務所を出て行った。
「それじゃ、僕も。美夜子ちゃん、一緒に行こうか」
「はい、判りました。と美夜子はお二人を応援しつつ事務所を後にします」
と、さすがに空気を読んだ僕と一緒に美夜子ちゃんもついて来て、
事務所に居るのは達也くんと志野ちゃん、そしてフィリップさんだけになった。
~達也&志野Side~
「え~っと、んじゃ志野。行くか?」
少々頬を染めながら、こくっ、と頷く志野。
「んじゃ、とりあえず……博物館あたりから行くか」
こくこくっ、と志野は頷き、どちらからとも無く手を繋ぎ風都へ出かけていった。
そして以前聡里と美夜子が回ったような観光スポットを大方回り終え、
二人は風都タワーへと来ていた。
「志野、これが風都タワー。この風都のシンボルで、巨大な発電施設でもあるんだ」
「大きな風車だな。 これならこの街のどこからでも見えそうだ……っ!?」
志野が感心していると突然体の各所に鋭い痛みが走り、
めまいに似た感覚に襲われた。
「く、あ……?」
「ん、志野? 志野!大丈夫か!?」
様子がおかしい志野を心配し達也が額を触り熱を確かめようとするが、
その手を振り払われてしまう。
「志野!?」
「ちが、う。体が、勝手、に、動かされ……あぁっ!」
その時志野が叫び『本来人間ではありえない動き』で立ち上がった。
「何が、起こってるんだ?」
「バッキャロー!志野は操られてんだよ!」
そういいつつ飛んできたのは、キバットバット三世。
「どうやら体に変なモンを打ち込まれてるみてーだな。
俺様の魔皇力で打ち消せるかどうか……ガブッ!」
いいつつキバットは噛み付き志野の自由を取り戻そうとするが、
すぐに彼の様子もおかしくなってしまった。
「おわっ!?俺も体が……!」
キバットは注入した魔皇力を強制的に操らされ、
志野の腰には止まり木のようなベルトが形作られる。
「や、めろ……。やめてくれっ!」
志野とキバットは最後まで抵抗するもキバットがベルトに装着されてしまい、
『ステンドグラスのような色の瞳の』キバに変身してしまった!
~聡里Side~
「達也くんたち、今頃どんな風になってるかな?」
僕がそう呟くと、その達也くんから電話がかかって来た。
「はい、聡里です。達也くん、そっちの調子は?」
『それどころじゃ無いんだ聡里さん!』
僕の暢気な気分は、達也くんの緊迫した声でどこかへ飛んでいった。
「一体どうしたの!?」
『今風都タワーの前に居るんですが、
いきなり志野とキバットの様子がおかしくなって俺に襲い掛かって来てる!』
「なんだって!?」
『キバットが言うには、何かに操られているんだろうって……うわっ!』
そこまで聞いたとき、ぐしゃりという音と共に通話が不意に途絶えた。
多分攻撃をかわしたとき携帯が壊れてしまったんだろう。
「何かあったのですか?と美夜子は聡里さんのただならぬ表情から推察します」
美夜子ちゃんに聞かれ、翔太郎さんに一報入れた僕は状況を説明する。
「幸い、場所も聞いたしこれから向かうよ。
思いっきり飛ばすからしっかり捕まってて!」
と美夜子ちゃんに一声かけ、メモリーボイルダーのフルスピードで向かった。
そして数分後、
フルスロットルで駆けつけた僕らが見たのはキズだらけで倒れている達也くんだった。
「達也くん! クソッ、遅かったか……!」
幸い気絶しているだけのようだけど、大事をとって病院へ連れて行こうとした。
その時、いきなり近くの街頭スピーカーから声が流れ出してきたのだ。
『あーあー、聞こえてるか?京都のライダーのお仲間さんよ』
「ッ!? 誰だ!!」
僕はそのスピーカーを睨む。
『おっとと、俺はこのスピーカーを操って声を送ってるだけでね。
そっから普通の手段じゃ辿れねーぜ?』
そいつはどこまでも人を小ばかにしたような態度で話しかけてくる。
「如月さんをどうする気だ?」
『如月。ああ、あの吸血鬼みてーなライダーか。キバとか言ったっけか?
アイツは人質だ。明日、風吹山(かざふきやま)の洞窟で待ってっぜ。
その如月ってお嬢ちゃんにテメーらを倒させてやる。
必ず来やがれよ?じゃねーと、おっかねーキバのお嬢ちゃんに
[自分で自分を斬らせる]ことになっちまうぜ』
ソイツはとんでもない要求をしてきた。
「ざっけんな!そんな事の為に志野を攫いやがったのかよテメー!」
叫ぶ達也くん。しかし、相手の方はまったく気にしていなかった。
『ハッ、お前が京都から来たもう一人のライダーか。
お前が何かいえる立場だと思ってんのか?お前の好きな女はこっちにいるんだぜ?
お前らに拒否権は無ぇ。待ってるぜ、この[オーベディエンス・ドーパント]様がよ!』
そいつが自慢げに名乗った瞬間ブツリと音を立ててスピーカーが音を出さなくなり、
一切の手がかりは途切れた。
「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
その日、風都に一人の少年の叫びが木霊した……。
続く。
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今回は、以前『小説家になろう』でライダー物を書いていた、
『EXAM』と言う方からキャラをお借りした回です。
その方のオリジナル要素もあります。
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