No.42659

空へ、遠くへ

kurorobeniさん

青い、蒼い空。

遠くへ、遠くへ。

求めたのは、翼か空か。

2008-11-20 23:44:51 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:440   閲覧ユーザー数:422

薄暗い空へ飛び立った。

 

東の空はたくさんの雲で覆われていた。

 

遠くへ行きたい。

遠く、遠くもっと向こうへ。

 

 

僕は都会上空の排気ガスのにおいがこびりついた空を抜け出した。

 

 

雲の向こうへ。

東の厚い雲。

たくさんの雲の峰。

 

この峰を越えたら、どんな世界が広がっているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

まぶしい朝日。

輝く朝日。

 

目が痛くなるほどの輝く朝日。

綺麗だった。

綺麗だった。

だけど僕はここにいてはいけない気がした。

 

神聖な朝の綺麗な景色。

きっとそこに僕の黒い羽は邪魔だと思ったんだ。

多分、

朝も僕に邪魔だと言ってるよ。

  

 

夕方になった。

西に赤い赤い太陽。

 

どうしてだろう。

こんなに世界が綺麗なのは。

どうしてだろう。

こんなに涙が出てくるのは。

 

 

夕日は僕の黒い羽もオレンジ色に染めていた。

 

それはまるで、

 

僕が世界の一部になれたような。

 

まぁ、錯覚だけどね。

 

 

 

あの夕日に向かって飛んでみよう。

 

 

そうしたら、この黒い翼も

 

燃え尽きるだろうか。

 


 
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