No.424777 真・恋姫アナザー~二つの鈴の音~ 第三音秋華さん 2012-05-18 23:44:55 投稿 / 全9ページ 総閲覧数:8935 閲覧ユーザー数:6919 |
~王座の間・三人称視点~
呉の将達はこの日、雪蓮の号令により理由を聞かされずにこの場に集まっていた。
「これから王座の間にて、孫策様が重大な発表をするということだ!なので全員集まるのこと!以上!」
使いの人から伝えられた言葉は、たったこれだけだった。もともと雪蓮は突拍子も無い事が多く、将達もそれは重々承知していた。しかし、今回は今までとは色々異なっている。特に、将達を全員玉座の間に行き成り集める事など、今まで無かったのでなので、将達は何かあったのではないかと騒ぎ立てる者までいた。
そんな将の中でも、一番落ち着きが無かったのは、孫策の妹であった。
彼女の名は孫権。字は仲謀、真名は蓮華と言う。その真名の通り、美人揃いの呉の将の中でも、一際その美しさと可憐さが際立っており、時より見せるその笑顔は、多くのものを魅了していた。
「はぁ…いったいどういうつもりなのかしらお姉様は。まさかその身に何か起こったのか!?」
「あは~♪蓮華様大丈夫ですよ~。」
緊迫した空気の中、何処か抜けているような声を出して、蓮華の問いに答えるのは陸遜。字は伯言と言い、真名を穏と言った。
普段はどこか抜けていて、頼りなさそうに見えるのだが、その智はとても素晴らしく、冥琳に才を見出され、冥琳の一番弟子として呉の臣下となっていた。ちなみに、もはや凶器ともいえるほど、自己主張している胸と、倉庫から何故か聞こえる穏の妖艶な声に、兵達や男の将などが次々と犠牲になってしまっている事は穏には内緒である。(主に男の名誉の為)
「穏!それはどういうことだ?」
「だってぇ~。もし雪蓮様に何かあったら、こんなのんびりなんて出来ないですよ~」
「た、たしかにそうだな。…しかし穏?そこまで落ち着いている所を見ると、何か心当たりでもあるのか?」
「そうですね~。もしかしたらと言うものはあるんですが…。まぁ、もし私の想像している事が正しかったら、呉にとって良いことなので大丈夫ですよ~」
「はぁ…その気の抜ける返事はどうにかならんのか?」
「あはは~♪」
笑って誤魔化す穏を見て、更にため息をついてしまう蓮華で合った。
そうやって、二人で話し合っていると、玉座に雪蓮達が現れ、皆の前に立った。
皆、その姿を見て一斉に臣下の礼を取る。
それを確認した後、雪蓮は全員に向かって話し出した。
「皆、良く集まってくれた!実は、今日この日より我らの同士となり、共に呉を支えてくれる者を紹介する為に皆には集まってもらったのだ。…ってことで一刀、挨拶して頂戴♪」
「ちょっ!?行き成りかよ!…それに、たかだが一将の紹介なのに、これ大袈裟すぎないか?」
「だって嬉しかったんだもん♪」
「一刀あきらめろ…」
ニコッと一刀に笑いかける雪蓮と、それを見ながら一刀の肩に手を置く冥琳。
その姿に、初めて一刀を見る人は驚いていた。
特に、雪蓮の妹である蓮華の驚き方はかなりのモノである。
そして、当然の如く雪蓮に紹介された一刀の方に全員の視線がいくが、その本人は呆れているというか、何かを悟っているような表情をして、ため息をついていた。
その姿は丁度、冥琳が雪蓮の無茶を聞いて頭を抱えている姿に良く似ていた。
「はぁ…」
一刀は、もう今更自分が何を言ってもどうにも成らない事を悟り、とりあえず自己紹介を済ませようと、一歩前に出て話し出すのだった。
「私は姓は北、名は郷、字は江清と言います。今日より皆様と一緒に働くこととなりました。よろしくお願いします。」
凛とした声が、王座の間全体に響き渡る。その声を発した一刀本人はと言うと、先ほどまで見せていた表情とはうって変わり、どこか硬さが残る者の、初めてこの大勢の将を前にしたとは思えないぐらい堂々とした顔をしていた。更に、その目の輝きはとても綺麗で力強い。
それを見て、この場にいた将達は思う。
この男は、将になったばかりだというのに、既に歴戦の将さながらの空気を匂わせていると。
だが、将達はまだ知らなかった。
一刀の真価はこれから発揮させれるという事を…。
「私はまだまだ未熟です。なので、皆様の手を煩わせる事があるかもしれません。ご迷惑かと思いますが、出来ることならこの若輩者の私に力を貸してください。皆様の力を借りる事ができれば、それだけ早く一人前の将になれると思います。そして私も早く立派な将になる為に、精一杯努めます。改めて、これから呉を支える同志として、よろしくお願いしますね(ニコ」
全員「///////////////////////」
一瞬、この場にいた全員の時が止まった。
そして、次の瞬間、将達は一斉に顔を赤くしてしまった。
一刀が見せたその笑顔は、一瞬にしてこの場にいた全員を虜にしてしまったのだ。
それも当然なのかもしれない。
先ほどまであんなに堂々し、歴戦の将の匂いまで漂わせていた男が、行き成りまるで子供のような笑顔を見せたのだから。
本来子供の笑顔というのは、自分の感じたまま…。そう言うなれば、心から笑う為、その場にいた人の心を和ませる。
それは、ある意味子供だけの特権なのだが、それをこの青年は魅せてくれたのだ。
先ほどとのギャップ。更には、もともと女性受けしそうな顔立ちとあわせてその威力はまさに最強にして最高の武器といえよう。
「あいかわらずあの笑顔は反則よね////」
「たしかに…一瞬にして全員を虜にしてしまったようだ////」
「あっはっはっは…!これから楽しくなりそうじゃ」
この笑顔に少しは耐性のある三人でさえ、顔が真っ赤になるのを抑えれないのだからその威力はすさまじい。
雪蓮達は、顔が赤くなっているのを感じながらも、今だ声を出す事が出来ない皆を見ながら笑いあうのだった。
「あ~、やっぱり江清さんでしたか~。それにしてもあの笑顔は反則ですね~/////」
「な!…なんなんだあいつは…/////」
「あれ?何で皆顔が真っ赤なんだ?」
ちなみに、行き成りその武器を放った本人は、どうしてこんな状況になっているのか分からず、ただ首を傾げるのだった。
その後、雪蓮の声で呆けていたものは、今だ顔の熱は治まらないものの、何とか行動する事が出来るようになり、顔の熱を冷ます様に大げさに動きながら、宴の準備を始めるのだった。
「なんか一刀を手に入れただけで、天下が取れるような気がする…」
と、雪蓮が一人呟いていたのだが、その認識はおそらく間違っていない。
それくらい一刀の笑顔は、この殺伐とした時代の中では、希少で魅力に満ち溢れているのだから。
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そんな、ある意味波乱の一日からしばらくして。
何時も通り、冥琳に監視されながらも、政務に勤しんでいた雪蓮の前に、袁術の使いがやってきた。雪蓮は、めんどくさそうにしながらも、一応袁術の客将と言う立場な為、袁術の城に向かうのであった。
~袁術・居城・王座の間~
雪蓮が袁術がいる、王座の間に入ると、そこには馬鹿そう…もとい、能天気な顔をした二人がいた。
一人はもちろん袁術。真名を美羽と言う。
そして、もう一人はその側近として何時も傍にいる張勲(ちょうくん)。真名を七乃と言った。
「それで?急に私を呼び出して、いったい何の様なの?」
「は~い。実はですね、最近、長江で錦帆賊とか言う賊が暴れまわっているらしいんですよ~」
「うむ。それでじゃ。お主達には、そのもの達を退治してもらいたいのじゃ」
「ということなので、ぱぱ~と行ってササっと片付けてきてください」
(あ~むかつくなぁ。いっそ今この場で殺してあげようかしら…)
自分達をまるで番犬のように使おうとしている、二人を見て、思わず雪蓮から殺気がこぼれ出す。
しかし、それに気付いないのか、それとも気付かないフリをしているのか分からないが、何時も通り何を考えているのか読めない笑顔で、七乃が雪蓮に話しかけてくる。
「どうしました?」
「なんでもないわ。…わかったわよ。」
「うむ、頼むぞ!」
玉座で胸を張りながら、偉そうに言ってくる袁術を見て、雪蓮は更に機嫌が悪くなる。
なので、適当に一礼だけして、すぐさまその場を後にした。
(こんな所にいたら、馬鹿がうつるかもしれないじゃない。…はやく帰って、一刀に癒してもらおうっと♪)
そんな事を考えながら、愛すべき人達がいる場所へと戻っていくのだった。
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~一刀視点~
その日俺は、城に勤めてから初めての非番であり、それを利用して街へと出掛けていた。
街に出掛ける理由は、これと言って特に無いのだが、どうせ城にいても、本を読むとか自主鍛錬する以外する事も無いので、実家に帰って、城に勤める前に、一人で造っていたお酒の様子でも見に行こうと思い立ったからだ。
城に勤めてからは、最低限親に面倒を見てもらっているのだが、自分で造りたいとわざわざ親に頼み込んで造っているので、ちゃんと自分が最後まで面倒をみたいと思っている。
もちろん。俺は今城で働いているので、それが難しい事は分かっているのだが、今日みたいに非番の日には、これからも様子を見に家へと帰るつもりだ。
なので、街に出てから最初に家へと戻り、親と適当に話しながらお酒の様子を見てきた。
そして、今は城へと帰る途中に何時も遊んでいた子供達に捕まってしまい一緒に遊んでいた。
「お兄ちゃん!またお歌歌って~」
「ええ!それは…こまったなぁ」
子供達に歌を歌って欲しいと言われ、どうしたものかと考えていると、遠くの方から雪蓮が歩いてくるのを見かけた。
あっちも俺がいる事を見つけたのか、こっちに近づいてくる。
…どうやら袁術の所で何かあったらしい。
微妙に機嫌が悪そうだ。
「あれ?雪蓮おかえり。なにかあったのか?」
何で機嫌が悪いのか気になった俺は、雪蓮の顔を覗き込みながら理由を聞いてみる。
すると、顔がほんのり赤くなって視線を外された。
雪蓮の心の声(//////////こ、これは…計算なの…いや…多分違うわよね…でもそれでもいい!!今すぐ部屋にお持ち帰りしたい!!)
「雪蓮?」
「は!?…大丈夫よ。それよりも一緒に城に戻りましょ。皆に話さないといけないことが出来たから…」
「?わかった…そういうことだからまた今度ね。」
一瞬呆けた後、まだ少し顔が赤いようだったが、雪蓮は俺にそう伝えると城へと戻っていった。
いまだに、何故雪蓮が何故顔が赤かったのか分からないけど、伝えたい事があると言われたので、子供達に謝って、俺も城へと戻るのだった。
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しばらくして、雪蓮が呼びかけた事で城の中庭には、呉の主要の人たちが集まっていた。
そして、その集められた将達を代表して冥琳が、集めた理由を雪蓮に尋ねた。
「それで?袁術は、何を言ってきたのだ?」
「それがね~なんでも長江で暴れている錦帆賊?っていうのを退治して欲しいんだって。」
「錦帆賊?…ああ、あの義賊とか言って民からは何も奪わず、悪名高い者ばかりを狙っている賊たちのことか…」
「へ~そんな賊がいるんだ。でも変だな?俺この街に住んでからそんな賊達の事噂すら聞いた事が無いんだけど…」
錦帆賊…。俺はその名前を始めて聞いた。
結構有名な義賊らしいのだが、この街に住んでいてその噂すら聞いた事が無かった俺は、首を傾げる。すると、穏が俺の疑問に答えてくれた。
「まぁ~確かに有名ですけど、雪蓮様が治めている土地には近寄りませんからね。確か…長江の上流辺りを拠点にしている賊とか?情報を集めている私達でも、後は錦帆賊の棟梁さんの名前ぐらいしか聞いた事がありませんから。この街で噂になって無くても仕方がないと思いますよ~。」
「ふ~ん。そうなんだ。…でも何で袁術はその義賊を討伐するんだ?別に民を襲っている訳じゃないから、討伐する必要なんて無いような気がするんだけど。」
「まぁ~確かにそうなんですよね~。でも袁術ちゃん馬鹿だから、大方自分への貢物を載せた船でも襲われたんじゃないんですか?だから私達に討伐させようと命令してきたのでは?」
「え゛!!なにその迷惑な話は…」
穏の推理に、思わず頭を抱えてしまう。
つまり、俺達は袁術のわがままで、その賊を…しかも民達の為に頑張っている義賊を討伐しないといけないという事だ。
…それって、土地を治める者としてどうなんだろう。
そんな事を考えていると、どうやら他の皆も俺と同じ気持ちのようで、ため息をついていた。
「そういう奴なんじゃよ、あの餓鬼は」
「そうね。そういう馬鹿なのよ」
「だよね」
「はぁ~そんな馬鹿のためにやらなくちゃいけないのか…」
改めて全員でため息をつく。すると、冥琳が気を取り直して討伐について話を進める。
「袁術の馬鹿さ加減は、今に始まったことじゃないとして…少々厄介な敵だな」
「そうなの?」
「そうなんですよ~。そこら辺の賊よりもかなり強いですし、中でも棟梁はそこら辺の武人じゃあ太刀打ちできないと噂されているのですよ~」
「うげ…」
「ほう…そんなにか…血が騒ぐのう」
「祭殿。そんな嬉しそうな顔をしないでください…にしても困ったな…」
そう言って、皆で頭を抱えていると雪蓮がぼそりと呟いた。
「…その賊ごと私達の下につけることは出来ないかしら…」
「な!…お姉様!何を言っているんです。相手は義賊とは言っていますが、ただの賊ですよ?」
「そんな事わかっているわよ。…でもその賊は民には被害を与えていないのでしょ?それ所か、困窮している民達に施しまでしているそうじゃない。たしかに、やり方は間違っていると思うけど、根本は私達と同じ思いの元行動していると思うのよね~。」
「しかし!」
「蓮華様~、雪蓮様がそう考えたら仕方がないかと~」
雪蓮の言葉に強く反対していた蓮華を、穏がやんわりと止める。
まぁ…止め方は正直雪蓮を主と仰いでいるのに、その言い方はどうなんだ?!と思ってしまうが…事実だから仕方が無い。
「ふむ…たしかにそれが出来れば、兵の増強にもなるし、良い将を手に入れることが出来る。だがしかし…穏。敵の棟梁の名前は分かっていると言っていたが、何と言うのだ?」
「え~と…たしか甘寧さんって言ったと思います。私が掴んでいる情報によると、”鈴の甘寧”って言われているはずです。」
そう穏が喋っているのを聞いて、思わず大声を出してしまった。
「え!!甘寧だって!!」
「わぁ!!びっくりした~。いきなり大声を出さないでよ~」
「あ、ごめん」
「いったいどうしたというのじゃ?甘寧の事を知っておるとでも言うのか?」
「…ああ、知っている…と思う」
俺が、自信なさげにそう言うと、冥琳がズバっと俺に聞いてくる。
「いったいどう言う事だ?説明してくれるか?」
「…雪蓮、祭さん、冥琳は知っていると思うけど、その甘寧って子は、多分昔同じ誓いを交わした子だと思う。」
「え!それって…その鈴と一緒に誓ったって言うあの子の事?」
「ん?…それは何の話なの?」
俺の話を聞いて驚いている三人をよそに、話を知らない孫権様と穏は、首を傾げ何の事なのか俺に聞いてくる。でも俺はそれに答える事が出来ない。
なぜなら、俺の頭の中では”何で思春が?””どうして?”とそんな言葉が回っていたからだ。
「それは…一刀話してもいいな?」
(コクン)
「わかった。実はですね…」
俺の表情を見て、大方俺が陥っている状態がわかったのか、俺に話していいか確認をとった後、俺の替わりに、孫権様達に俺と思春の関係を説明してくれた。
俺は冥琳に感謝しながら、冥琳が説明している間、どうして思春がそんな事をしているのか?必死になって考えていた。
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「そうなのか…。しかし、その者がお前が知っている者とは、限らないのではないか?」
話を聞いた孫権様が、そう尋ねてくる。
確かに、孫権様の言う通り別人かもしれない。
だけど、俺にはなんとなく”鈴の甘寧”は、俺が知っているあの思春だという確信にも近い予感があった。
「そうだと俺も信じたいんだけど、多分本物だと思う。あいつは自分達の村が賊に襲われたときに自分の無力さに気がついたんだ。それで賊にまで身を落として、その時助けてくれなかった人達…それ所か、自分達を苦しめている悪漢達にある意味の意趣返しをしているんじゃないかな。あいつは気持ちを切り替えるのがうまくないから…。でも、鈴を持っているということは俺との約束は忘れていないんだと思う。…いやむしろ、だから義賊を名乗って民には手を出していないんじゃないかと俺は思う。…いやそうだと信じたいのかな俺は…。」
「そうか…」
そう俺が言うと、皆何処かやりきれないような顔をして下を向く。
そんな中、俺は雪蓮にある事を言った。
それは、俺の自己満足で、下手をすれば、主である雪蓮にも、そして俺を仲間として扱ってくれている冥琳達にも迷惑をかけることに成るであろう願いを…。
だけど、それを承知の上で俺は言う。
それぐらい俺はアイツを助けたかったから。
「雪蓮…お願いがある。」
「何かしら?」
「思春を…甘寧を助けたい。」
「……」
「あいつは多分今苦しんでる。でも、何で苦しんでいるのか良く分かっていない。甘寧も本当はこんな形で誓いを守りたくないはずだ。けど、自分にはそれしか出来ないと思って…いや思い込んで、今も血にまみれているんだと思う。だから気付かせてあげたいんだ。甘寧に出来る事は他にもあるんだって、そしてそれはここにあるんだって事を…。だからお願いだ。力を貸して欲しい。わがまま言っているのもわかっている。甘い考えだというのもわかっている。でも…それでも俺はあいつを助けたいんだ」
そう俺は雪蓮に言った。
すると、ジッと俺の目を見ていた雪蓮は、スッと目を閉じて少し何かを勘がるようなそぶりをした後、俺の肩に手を置いて、ニコっと笑い掛けてくれた。
「なにいってるの、当然いいわよ!それに最初から私は甘寧を仲間にしたいって言ったじゃない♪それに私の勘も、その甘寧って子を将として迎えたほうが絶対にいいって言ってるもん。ドンと任せてちょうだい!」
そう言って少しおどけた感じで言いながら、自らの胸を叩いて得意げな顔をする。
そんな雪蓮を見て、パァっと自分の表情が明るくなるのを感じると、雪蓮の言葉をかわきりに、他の皆も次々と賛成の言葉を述べてくれた。
「フフッ…前々から一刀が信を置いている人物を、呉に迎え入れようという話はしていたのだ。むしろ、その人物を探す手間が省けたと言うものだ。それに、一刀から甘寧について大体聞いていたとは言え、ここまで噂される武を持っているとは…おもしろい。ぜひとも手に入れようではないか!」
「そんな切羽つまったような顔せんでも、手伝ってやるわい。何、ワシは一刀の話を聞いてから、一度会って見たいと常々思っておったわ。それに、ワシはそいつの事は一刀から聞いただけじゃから良く知らんが、お主の事はそれなりに知っておる。一刀がいい奴と言うならワシもそれを信じるぞ?にしても…く~久々に楽しい戦になりそうじゃの。」
「そうですよ~。一刀さんがそこまで信をおいている方に、私も一度会ってみたいです~。それと祭様?今回はあくまで討伐じゃなくて捕縛なので、そこら辺よろしくお願いしますよ~。」
「正直言えば、私はまだあまり賛成的ではないが…。だが、もし本当に甘寧がお前の知っている幼馴染で、お前と子供の頃に約束した誓いを覚えていて、やり方は褒められたものじゃないが、誓いを果たそうとしているのなら、その想いは素直に素晴らしいと思う。だから、私もその想いを信じて手伝ってやる。…だから、その…そんな顔をするな。」
「素直じゃないわね~蓮華は。」
「ね、姉様!!/////」
『ハハハハハハッ…』
孫権様の言ってくれた言葉に、雪蓮がニヤリと笑いながらつっこみ、それに顔を赤くなりながら抗議する孫権様。
それをみて、笑う皆。
うん。
何時も通りの光景だ。雪蓮はこうやって場を和ませることが出来る王様。
彼女の周りには何時も笑顔が絶えないんだ。
俺は本当に、彼女達と一緒にいられる事は幸せな事なんだと思う。
だから、笑顔で俺はこう言うんだ!
「みんな…ありがとう!!」
ありったけの感謝を込めて、俺は笑顔で皆に俺を言った。
『///////////////////////////////////////』
何故か皆、顔を真っ赤にして俺から目を逸らしているけど、何故だか分からない。
あれ?俺何か変な事したのかな?
「////////////・・・コホン。で、では、甘寧を説得すると言うことでその方法を話し合うとするか」
「////////は!そ、そうね。そうしましょ。それと一刀!多分私達がそう言っても、甘寧は素直に説得されてくれないだろうから、直接の説得は、貴方に任せたわよ?」
「ああ、絶対説得してみせる」
若干まだ顔の赤い雪蓮にそういわれて、俺は力強く頷く。
そして心の中で誓うのだった。
(思春、お前が望む、そして俺達が憧れた未来をつくるの場所はここにあるんだ。そして、この場所には当然お前の居場所もあるんだぞ!?だから、待っててくれ。もう、一人で苦しまなくていいんだ。その暗くて、寂しい場所から俺が救い出してあげる。そして…改めて、”ただいま”って言ってやるからな)
チリーン…
腰に付けていた鈴が、風に吹かれてその綺麗な音を鳴らす。
それは、かつて一緒だった自分の半身とも言える鈴に向けて何か伝えているのだろうか?
そんな事ありえないと分かっているけど、俺はこう思いたい。
腰に付けている鈴もまた、思春がつけている鈴との再開を望んでいるんだろうと…。
その後も、風に吹かれて鈴はその綺麗で澄んだ音を鳴らし続けていた。
「////////は!…あ、あの江清?」
「はい?なんでしょうか?」
「わ、私の真名は蓮華という。受け取ってもらえるか?それと、歳も同じ位だし、姉様達と同じように私も普段通りの喋り方で話しかけていいぞ?」
「ええ!!いきなりですか…。でも、そんな展開にも俺は慣れましたよ…。それなら、俺の真名の一刀も受け取って欲しい。」
「わかったわ。…これからもよろしくね一刀/////////」
『ニヤニヤ』
「!!//////////////////////////////////」
お待たせして申し訳ありませんでした。
思)というかだな、投稿予告はしないほうがいいんじゃないか?
まぁ、正直そう思ってしまいますね。
今回なんか特にですね。
仕事は急に忙しくなるし、いきなりパソコンがフリーズして焦ってたら、次起動したら10秒たたない内に、またフリーズして、結局パソコン買い替える事になったし…。
まさに踏んだり蹴ったりってやつですね。
思)ああ、それは………そうだな。大変だったな。
ええ、もう泣きそうですよ。
おかげで今月は金欠…まさか、一日300円で過ごすことになるとは思いませんでした。
思)昼飯はどうしていたんだ?
もちろん、作って持って行ってますよ?食堂があるのに、一人だけ、手作りお弁当ですよ。
といっても、おにぎり+何かがデフォでしたけど。
思)それは本当にお疲れ様だ。
いえいえ
…さて、今回で第一部の登場人物がほぼ全員揃いましたね。
思)私を除いてな。
あははっ…。どうせ次回かその次登場しますから…。それにまだ出てない子達もいるんですから文句言わないでください。
思)…一応私がヒロインのはずなんだがな…。
……えーとですね。それで次回ですが、作戦パート+思春登場になるかと思います。ただ、ここらへんは前作よりもボリュームが増えていますので、途中で切ることになるかもしれませんが、そこらへんはご了承ください。
思)ん。早い投稿を期待しているぞ。
頑張ります。
さて、そろそろ〆とまいりましょう。
「今日の思春ちゃん」のお時間です。
今回ですが、いろいろ悩みましたが、これに決めました。
手作りお弁当を届けてくれた思春。
それでは、次回またよんでもらえるとうれしいです!
思「こ、こんにちわ。えっ!?何しに来ただと?……コレを渡しに来ただけだ。…今日のは自信作なのに、忘れていくなんて…。…////バカ。…今日もいっぱい愛情をこめておいたから、午後からもがんばるんだぞ!…夕ご飯もごちそうにするから、今日はまっすぐ家に帰ってきてね♪////お前が帰ってくるのをずっと待ってるからな」
そんなことを言われたらまっすぐ帰るにきまってるじゃないですか!!
もちろんデザートはし…
思)!!////言わせてたまるか!この万年発情期男ー!!!
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お待たせしました。
遅くなりましたが、投稿します。
次ももう書き終わっているので、できれば仕事に行く前に朝投稿したいと思っていますが、起きれるかな…。
それでは、どうぞ!