No.424605

ゲイムギョウ界の守護騎士

ゆきさん

アヴニールに依頼を頼まれたタイチ達は廃棄された工場でガナッシュと出会った。ガナッシュの意図に引っかかった一行は廃工場の中に閉じ込められてしまう。ガナッシュの目的とは!

2012-05-18 16:10:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1527   閲覧ユーザー数:1464

第14話 仕掛けられた罠

 

はい、こんにちわ。こっちに来てから波乱万丈な人生しか送れない上野タイチです。

そんな俺とお仲間はとある廃棄された工場を目指して歩いている。

右手には俺の手を両手で掴んでいるネプテューヌ。表情は満面の笑みだ。

その隣にはいつもとは違う雰囲気で歩いているコンパ。

こちらは目が死んでいるように見えるのは気のせいだろうか?

 

「ふふふふ、なんだかとっても注射器を使いたくなってきたです」

 

だ、ダメだ。明らかにいつものコンパじゃない!と、取り憑かれたのか?

だが、ネプテューヌさんはそんなのお構いなしとずっと俺の手を握っている。

しかし、右のお方だけじゃなかった。

左にはライカがネプテューヌと同じように両手で俺の左手を掴んでいる。

その隣のアイエフは携帯で何か話している。

 

「確かこの前ラオシャン〇ンでも一滴で失神する薬があるって言ってたわね.....何に使うかって?ちょっとお邪魔虫を....」

 

俺は何も聞いてないぞ!ってかなんでそんなもんがあるんだよ!

.......もう(どうでも)いいや。

 

「おや、あなた方がうちの会社の依頼を受けてくれる方々ですか?」

 

これまたいつの間にか目の前には眼鏡の長身の.....ガナッシュ?

ああ、アヴニールの会社員だったんだっけ。

ガナッシュの後ろには多少外壁は汚れているが十分に使えそうな工場。

 

「はい。アヴニールの依頼を受て来ました。俺の名前はタイチです」

 

「......ネプテューヌ」

 

「......ライカ」

 

ん?何でこいつら不機嫌なんだ?

 

「ちょ、おま、手、手がぁぁッ!」

 

両サイドからバキという聞きたくない音が鳴る。ッとそこで助け舟が登場!

 

「ほら、あんた達。依頼主の前よ。私はアイエフよ」

 

「タイチさんが痛がってるからやめるですー!あ、私はコンパです」

 

アイエフとコンパは同時に動きオレのもとから二人を引き離す。

離れたーと思ったら今度は腕に抱きついてきた。

 

「話を進めてもいいですか?」

 

「え、ええ。気にせずどうぞ」

 

苦笑いしながらガナッシュに返す。一方コンパとアイエフはため息をつきガナッシュに向き直った。

この光景が面白いのかガナッシュは含み笑いをした後、こほんと咳払いをし話を進めてゆく。

 

「自己紹介が遅れました。アヴニールで働いているガナッシュというものです。早速ですがあなた達には工場の中にあるとある鉱石を回収してきて欲しいんです」

 

「鉱石?いったいどういったものなんですか?」

 

オレの問いかけにガナッシュは一瞬あごに手を当て何かを考えているのか、うーんと言っている。

だが、すぐに顔をあげ

 

「まあ、依頼を受けてくれるのだから教えましょう。実はたったの一グラムの鉱石でゲーム機が一万年動くんですよ。我が社はケータイゲーム機も作ってますからね。「一万年!?そんなのがあるの!?」ん、ネプテューヌさんはゲームをやるんですね。そうですね......うまくいったら鉱石を少しだけ差し上げましょうか?」

 

隣のネプテューヌは目を輝かせながらうんうんと頷いた。

ライカは猫のように俺の腕に頬を擦り付けてくる。

 

「もう、行こうぜ」

 

オレの問いかけに皆が頷き廃工場の中に入っていった。

結局話し逸れたままだったなー。

 

 

廃工場に入った瞬間ズゴンとそんな音が天井から聞こえてきた。

天井を見上げる前にオレの体は動いていた。

腕にくっついている二人を前に突き飛ばし、さらにアイエフとコンパを前に突き飛ばす。

 

「ッち!......解除」

 

瞬間目に見える全ての物が止まっているかのように見える。

天井の瓦礫がゆっくりと重力に従いオレの元に降り注いでくる。

俺は身を屈めすばやい動きで瓦礫の合間を通り抜け

 

「ふー.......封絶」

 

後ろでは出口の辺りで瓦礫が音を上げ地面に叩きつけられていた。

目の前ではライカを除く3人が唖然としていた。

 

「......どうやら、閉じ込められたようだな。早く出口を探すぞ」

 

「そうですね。変なものを仕掛けられていたらたまったもんじゃありませんから」

 

「タイチ!いまの説「そこにいるんだろ!!こっちに来いよ、魔王!!」何でいつも変なタイミングで来るのよ」

 

アイエフはそうはき捨てると武器を構え声のしたほうに体を向ける。

残りの3人も声のしたほうに武器を構える。

俺も武器を構えようとしたところで急激な頭痛に襲われ、あまりの激しさにその場に膝をつく。

 

―――――完全じゃない君がそんな力を使えば死ぬよ?......声のしたほうに一人で来るんだ。誰か一人でも連れてきたらその子の命の保障はないよ――――

 

「タイチ!?て、手から血が出てるよ!コンパ速く治療してあげて!」

 

「大丈夫だ。それよりもみんなは速くここから出てってくれ」

 

「何言ってるですか!?そんな傷じゃあ......」

 

コンパはそこでオレの右の手の甲の傷を驚愕の表情で見ていた。

 

「剣?......どういうことなの?」

 

アイエフは怪訝そうな顔で俺の手の甲を見ていた。

オレは頭痛に痛む頭を抑えながら手の甲を見てみる。

血はほとんど止まっており手の甲には一振りの剣が黒く刻まれていた。

だが、それは明らかに不自然な形だった。

黒の剣は斜めに刻まれていてその隣には白の刀身のない柄だけが刻まれていた。

これが何を意味するかは時期に分かることだろう。

顔を上げ皆の顔を見て

 

「ガナッシュがここにオレたちを閉じ込めたってことはアイツは何かを企んでいるに違いない。シアンの工場に何かが近づいている......もしかすると.....アイツは......頼む速く行ってくれ」

 

シアンのことを出されてネプテューヌ達は何も言い返せなくなる。意を決したのか

 

「私達は信じてるからね。ッちゅ.......がんばってね!!」

 

オレの頬にキスをしてきたネプテューヌは自分でしたのに顔を真っ赤にして皆を連れ声のしたほうとは違うもう一つの道へ走っていった。

い、いきなりキスするなんて.......だぁぁぁぁッ!

頭を掻き何とか邪念を振り払う。俺にとっちゃネプテューヌとは10年ぶりなわけか。

年はとってないんだけどな。

 

「よし、行くか!」

 

鞘から剣を引き抜くと同時に剣から黒く禍々しい光が発せられる。

 

―――さあ、君の力。見せてもらうよ―――

 

誰だが知らないが、オレの邪魔をするなら容赦はしないッ!

 

―――少なくとも今の君じゃ僕に勝つことは不可能だよ。いいや、君は僕には絶対に勝てない―――

 

そんなものやってみなきゃわからない。

どこかで聞いたことのある声との会話を中断し廃工場の奥へと歩みを進めた


 
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