No.423395

Sky Fantasia(スカイ・ファンタジア)8巻 エピローグ

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
”masa”改め“とげわたげ”です。
今作、1年の休載からついに書き終えることができました。
今まで読んでくれた方やこれから読んでくれる方。
簡単でいいので、よろしければ、感想おねがいします。

2012-05-15 20:02:31 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:721   閲覧ユーザー数:719

 

エピローグ

 

 

 お昼休み時間、屋上の扉を開けたわたしは、探していた相手を見つけた。

 

 ポピーちゃんのお姉さん救出から、1週間後。お姉さんは、眠るように息をひきとった。そこに立ち会っていたポピーちゃんが言うには、満足するような顔だったそうだ。そして、その遺体は、ポピーちゃんとお姉さんの故郷である世界に埋めたそうだ。

こちらに帰ってきたとき、ポピーちゃんは、いつものポピーちゃんに戻っていた。多分、お別れを、しっかり言えたからだと思う。

「ポピーちゃん」

「ん? ああ、リリちゃん、どないしたん?」

手すりに寄りかかって景色を見て居たポピーちゃんは、視線をわたしに移した。わたしは、その隣に立つ。

「サブ君とリョウ君は、購買に買出し、リニアはお留守番。そして、わたしはポピーちゃんを呼びに来たの。すぐに教室から居なくなるから探したよ」

「ホンマ? それはゴメンなー。ちょっと、外の景色がみとーて」

そう言うと、ポピーちゃんは、視線を外へ戻した。わたしも同じように外を眺める。

「大丈夫?」

「・・・・それは、何に対してや」

「お姉さんのこと」

「・・・・」

少し間を空けると、ポピーちゃんの口に笑みが浮かんだ。

「たくさん泣いて、ホンでたくさん話した。だから、悲しくない、ゆーたら嘘になるけど。それでも整理はついたわ」

「そう・・・・でも、ポピーちゃんが、あんなに泣いたの始めて見た」

わたしは、いつもの仕返しと少し意地悪してみた。すると、ポピーちゃんは、少し頬を染めた。

「別にええやろ。ウチだって女の子なんや。それに我慢せんでええって言ってくれたひとがおったから」

「えっ?」

「そんなことよりも・・・・」

すると、ポピーちゃんは視線をわたしに向けた。

「リョウ君と話できたん? ウチ、ばたばたしてたから聞けんかったけど」

「う、うん。急に寮に移ったこととか、避けてたのは、わたしの勘違いだったこととか」

「なんや、“自分のことどう思う?”ぐらいのこと聞かんかったんか?」

「そ、そんなこと訊くわけないよ! リョウ君だって、困るだろうし。そもそも、わたしとリョウ君は―――」

わたしは、頬に熱を感じながら必死に否定した。その姿をポピーちゃんは、楽しそうに笑う。

「居た。お前ら、まだそんなところ居たのか? サブとリニアが文句言ってたぞ」

入り口が開くと、そこからは、リョウ君が現れた。どうやら、わたしとポピーちゃんが遅いから呼びに来てくれたみたい。

「あっ、ごめん」

わたしは、素直に謝ると、リョウ君は苦笑いを浮かべた。

「たく、早く食おうぜ」

そして、そのまま先へ行ってしまった。

わたしも後を追おうとした。そのとき、ポピーちゃんが、わたしの前に出た。

「なら、ウチが先制打たせてもろーてもええな?」

「えっ?」

わたしは、一瞬、驚いて目を見開いた。そして、さらに。

「ウチ、リョウ君、好きやから」

笑顔でそれだけ、言い残し、ポピーちゃんも屋上から出て行った。

 最後に残ったわたしは、なにが起きた数秒分からなかった。そして、やっと理解すると。

 えっえええええええええ!!

 声に出さなかった自分が、奇跡だと思った。

 

                       ○

 

 青年は、ビルの上から街を覗く。

 雑音しかない街。

 少年の耳には、そうとしか聴こえなかった。

 少し強い風が青年のフードを揺らす。

 そして、そこから表れたのは、黒い髪だった。

「それじゃあ、始めるか」

                                  To be continued

 

 
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