「……お前、あんな凶悪魔法教えていたのか」
「凶悪だなんてひどいな~。最低基準の自己防衛魔法だよ」
周囲の景色を見てみる。
そこには二人の女神候補生を中心に花が咲くように螺旋を描いた氷柱が突き立ち、俺たちが戦っていたロボットは無残に氷の棺に閉じ籠られ二度と動きそうにない。
「お兄ちゃん!空お姉ちゃん!やったよーー!!」
「ぶい……」
ピンクのプロセッサユニットを装備し女神化しているのはラムちゃん、薄水色のプロセッサユニットを装備しているのはロムちゃん、二人はバックプロセッサのブーストで退避していた俺たちの方へ飛んできた。
無邪気に嬉々の表情を浮かべる二人に俺は心底凄いと思った、こんな広範囲の魔法を行使するには絶妙なコントロールを要するいくら二人の持つ杖が特殊でもそれだけでは到底できない高難易度の魔法を彼女たちはマスターしたのだ。
……俺の隣にこんなに周囲を氷漬けにしても最低基準と言っているバカがいるがこいつは論外だ。うん
「僕の顔になにかついているの?」
「……なんでもないさ、ロムちゃん、ラムちゃん。お疲れ様」
「あんな奴ら、私たちにとって御茶の子さいさいよ!」
「うん……」
俺でもあんな魔法は会得できない。
俺は速さで懐に飛び込んで確か一撃を加える戦法だから、あまり長い詠唱が必要な魔法は使えないんだよな、防御力はプロセッサユニットが合っても限界というものがあるからな。
抱きついてきた二人の頭を撫でていると氷の中に閉じこまれていたロボット達が一体、また、一体と消えていく
「……ネプギア、そっちも終わったか……」
恐らく、最初にゲイムキャラが飾れていた祭壇へたどり着いてこのロボット達を封印することに成功したんだろう。
やっと、達成感が感じれた今まで何もできず倒されてばっかだけどここに一つの希望を守ることができた。
「これからだよ。もっと、もっと頑張らないとね」
「あぁ、分かっているさ」
これからの決意を改めて固め、俺たちは教会へ戻るために翼を広げた。
ーーーーーーーー○●○ーーーーーーーー
「もう行っちゃうの……?」
「もっと遊んでよ!」
「こら、二人とも紅夜さんに迷惑ですよ」
さて、困ったがすとの錬金術に何か異常が合ったのかゲイムキャラは二つになることのおかげで無事に俺たちは目的を果たし、ルウィーへと旅立つことになった。
だが、この二人が先ほどから俺のコートを掴んで離そうとしない。
ブランが捕らわれたことにより約三年間、この二人はずっとミナさんとだけで暮らしてきた。
ロムちゃん、ラムちゃん互いに支え合う関係でも口には出していないが、きっと寂しいと思ったこともあるだろう。
「好かれているね~~」
はい!そにで、にやにやしている破壊神うるさい!
「ほら、俺たちやらないといけないこといっぱいあるからさ……全部終わったら、また来るよ」
そう言って二人の頭を撫でる。
俺も出来ればここで二人とまた雪合戦とかしたいけどそんな悠長な時間は俺にはない一刻も早く、お前たちの姉を救わなければ、ならないだから我慢してほしい
「また、遊んでくれる……?」
「あぁ、もちろんだ」
「なら……ゆびきり!」
俺の言葉に寂しげな表情ながらもコートから手を離してくれた。
小指だけ立てられたロムちゃんとラムちゃんの手に俺は膝を下ろし両手でそれぞれを結んだ。
「「「ゆびきりげんま、嘘ついたら(アブソリュート・ゼロだよ!)(サザンクロス……)(え?針じゃないの!?)指切った!!!(………)」」」
明らかに針千本飲むより恐ろしいことをロムちゃん達が言っている。
幻聴ではないことは明らかだ。ふと、横を見れば笑顔でグットサインをする空の姿があった。なるほどお前の差し金か……!
その時、双方から温かい感触が伝わってきた一瞬が動転するが直ぐに正気に戻った。
「えへへ……」
「お兄ちゃん、大好きだよ!」
…………。
未だに頬に残るロムちゃんとラムちゃんの温かさに、何をされたのかを理解した俺は再度、その場でフリーズ状態になってしまった。
見ていたミナさんは口に手を置いて驚いていたがロムちゃんとラムちゃんに連れて行かれ協会の中へ消えていった。
……えっと、俺もしかしてロムちゃんとラムちゃんに頬にキスされた?
「……むぅ!」
バシッと突然頭を叩かれた。
そこには頬を風船のように膨らませているネプギアだった。
バシッ、バシッ、ブォンッ!
「うわぁ!?剣を振り回すな!!」
「お兄ちゃんのバカ!おたんこなす!!」
なんで俺がおたんこなす!?って危ない!髪が!髪が、俺のアホ毛が永遠にバイバイになるかと思った!
「あ、あいさつしてなかったね僕の名前は夜天 空だよ」
「がすとはがすとですの、よろしくですの」
「また、旅が騒がしくなるわね」
「でも、楽しいです」
「ヒーローに新たな仲間が加わったね!」
お前ら自己紹介してないで助けろよ!!!
「うううぅぅ!!」
ギャーーー!ネプギアストップ!ストップゥゥゥ!!!
ーーーーーーーー○●○ーーーーーーーー
はぁ……。
俺たち突然だがラステイションへ来ていたここからリーンボックス行きへの高速電車が出るのだ。
本来ならすぐに行きたいところだったがラステイションに到着したのが深夜だったのだったで一時宿屋に泊り朝一に乗ろうという話になったのであった。
あれからネプギアが俺を避けるようになった話しかけても「知らない!」って顔すら合わせてくれない……俺が何かしただろうか?
とりあえず、早朝に俺たちは一番に早起きし直ぐに駅へ向かったのだが……
「えーー!リーンボックス行きは乗れないですか!?」
「え、えぇ、数日前にエンジンが何故か故障してしまいまして……」
ということだ、アイエフと空と目が合い脳裏にレイス、ティシフォネ、下っ端が浮かび上がった。
互いに考えていることは同じだろうな……やはり、リーンボックスで何か企んでいるのか?
「なんとかならないんですか?」
「私たち、とっても急いでいるんだよ!」
「そう、言われましても……」
駅員は困り顔で今にでも飛び掛かりそうな日本一を抑える。
「モンスターが生殖している場所の素材が必要ですが、……ルウィーでしか採れないそうで……」
………((素材|・・))という言葉にアイエフやネプギア等、全員の視線がとある人物へと注がれた。
「………なに?」
頼みよそらえもん
「紅夜……君、喧嘩をもしかしてなくても売ってる?」
誰がお前と喧嘩するか、命がいくつあっても足りないぞ?
お前がすることは基本的に一気に懐に潜り込まれてずっと俺のターンか、遠距離から聖剣、魔剣などのオンパレードだろ?
「お願いします!そらえもんさん!!」←ネプギア
「そうね、ここからもう一度ルウィーに行くのは骨が折れるわ。お願い、そらえもん」←アイエフ
「お願いです!そらえもんさん」←コンパ
「悪人を直ぐに追いかけよう!そらえもん」←日本一
「えっと……お願いですの、そらえもん」←がすと
「ほら、みんな言ってるぞ、そらえもん」←俺
「うわぁぁぁん!みんなが虐めるぅぅぅ!!」←そらえもん(笑)
こうして俺たちは多少の障害が合ったが、無事に素材を譲ってもらいリーンボックス行きの電車に乗ることができた。
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なかなか進まない……ベンタブレットもなかなか使えない……明日はテスト……癒し、癒しの動画や画像はないのか……(今回とても短い。後先追加するかも)