No.420572

恋姫外史終章・いつまでも一刀第5と1/2話

アキナスさん

おまけです

2012-05-09 16:08:27 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8007   閲覧ユーザー数:5998

袁紹軍への黄巾党本隊の投降により、戦いは始まる前に終わった。

 

この結果はすぐに各諸侯たちの下にもたらされ、誰もが「信じられない!」と口を揃えていた。

 

帰り支度をする麗羽たちだったが、そんな彼らのところへ来客があった。

 

それは、集まってきていた軍の長三人プラス一人。

 

華琳、雪蓮と冥琳、桃香であった・・・・・・

 

 

 

「どんな手を使ったのか知らないけど、戦わずして勝つとは見事な物ね。麗羽」

 

「華琳さんがワタクシを褒めるなんて、明日は大雨が降りそうですわね」

 

「・・・・・・まあ、自分でもそう思わなくはないけど、今回に限っては素直に褒めるしかないわ。それだけの事をしたのだから」

 

「でしたら、素直に受け取っておきましょう」

 

柔和な笑顔で麗羽はそう言った。

 

「確かに・・・・・・このような事が可能だとは、正直驚きだよ」

 

「・・・・・・私は戦いたかったんだけ・・・ぐふっ!」

 

雪蓮の言葉の途中で、冥琳の肘が雪蓮の腹部に突き刺さる。

 

「どのような策を用いたのか教えて欲しいものだ」

 

「言っても貴方達に真似できるようなやり方ではありませんわ。まあ、袁家とワタクシ袁本初の威光にひれ伏したとでも言っておきましょうか・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

無言で麗羽を見る冥琳。

 

しかし、これ以上聞いても無駄だと悟ったようでそれ以上の追及はしなかった。

 

「もうよろしいかしら?ワタクシも暇ではありませんの。ここでやる事はもうないのですから、もう帰りたいのですけれど・・・・・・」

 

「・・・そう、邪魔したわね」

 

「行くぞ、雪蓮」

 

「わ、分かったわ・・・・・・」

 

麗羽に背を向け、帰っていく華琳と雪蓮たち。

 

残ったのは桃香だけ。

 

そして、今まで何も喋らなかった桃香は麗羽に訊ねた。

 

「あの・・・袁紹さん?」

 

「何ですの?劉備さん」

 

「えっと・・・・・・」

 

桃香はどう言いだそうか迷っているようだった。

 

「そういえば、劉備さんは記憶が戻ってるんでしたね?」

 

一刀にそう聞いていた麗羽は、さらっとそう口にした。

 

「袁紹さんもですか?」

 

「ええ」

 

「そうなんですか。何だかほっとしました」

 

桃香は、周りの人間に前の外史の話をぽろっとしてしまったりして、訝しげな目で見られる事がたびたびあった。

 

そんな中で、前の外史の話題を共有できる人間に出会えたのは、桃香にとって本当に嬉しい事だった。

 

「じゃあ、真名で呼んでも?」

 

「もちろん構いませんわ」

 

その後、二人はいくらか雑談を交わした。

 

「えっと、私も帰る前に一刀さんに会っていきたいんですけど。ちょっと用事が・・・・・・」

 

「そうですか。少し待ってなさい」

 

麗羽は天幕の入り口に控えていた兵を呼び、一刀を連れてくるよう命じた。

 

そして、少し後・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・おお、久しぶりだな。桃香」

 

一刀が天幕に入ってきた。

 

顔が少しげんなりしているように見える。

 

「お久しぶりです。・・・疲れてます?」

 

「おう。約束とはいえ、あいつら容赦なしに人をこきつかいやがる。まあ、こっちが言い出した事だから仕方ないんだけどな・・・・・・」

 

ふう、とため息をついて一刀は言う。

 

「そんで?何の用だ?」

 

「えっと、顔が見たいっていうのもあったんですけど、一つ気になる事があって・・・・・・」

 

「何ですの?」

 

割り込むように麗羽が口を挟む。

 

「多分、一刀さんも気にしてると思います。月ちゃんたちの事です」

 

「・・・・・・ああ、反董卓連合の事か」

 

「何故、反董卓連合で月さんの話が?」

 

頭の上に?マークを浮かべる麗羽。

 

月の事は、蜀の人間たちと、元董卓軍の将くらいしか知らない事であったから無理もないが・・・・・・

 

一刀はめんどくさそうに月が董卓だったことと、董卓陣営に一刀がいた時の事を麗羽に話す。

 

「・・・・・・流石に驚きましたわ。しかし、だとしたらあの檄文は・・・・・・」

 

「あの檄文、お前が出したんじゃなかったのか?」

 

「いいえ。何進が出した物でしたわ」

 

何進。

 

洛陽を取り仕切る大将軍。

 

「あのひょろひょろしたオッサンか・・・・・・」

 

一刀も月のところで働いていた時、何度か目にした事があった。

 

吹けば飛びそうなやせっぽちで、部下にまかせっきりで大した仕事もしないオッサンだったと記憶している。

 

「しっかし、何であのオッサンがそんなだいそれた事するんだ?第一やる理由がねえし。つじつまあわねえよ」

 

後々の事を考えても何進にいいことはなさそうだ。

 

「ワタクシに聞かれても知りませんわ。とにかく、彼の檄文でワタクシたちは反董卓連合を旗揚げして、董卓打倒に向かったんですわ」

 

「・・・・・・そういやあの後、あのオッサンはどうしたんだ?戦いが始まってから一度も見た覚えはないんだが・・・・・・」

 

「ワタクシも見てませんわね。あんな大騒ぎを起こした本人がいないと言うのは妙だと思っていましたけど・・・・・・」

 

「あの・・・・・・」

 

そんなとき、桃香が口を挟んだ。

 

「どうした?桃香」

 

「いえ、もしかしてとは思うんですけど・・・・・・こういう手を使う人達に、心当たりありませんか?あの・・・白い人達・・・・・・」

 

桃香の発言にハッとする一刀。

 

「確かに・・・やつらならありうるな・・・・・・」

 

一刀はそういいながら考えた。

 

桃香は一度、やつらに乗せられた経験がある。

 

確かにやり方としてはよく似ている。

 

しかし、あの時左慈たちはまだ外史に到着してなかったと貂蝉に聞いていた。

 

となると、あいつら以外の管理者が?

 

管理者はあいつらだけではないそうだし、ありうる話だ。

 

一刀はそう考えていた。

 

「とりあえず、麗羽。洛陽に間諜放っといてくれ。何が起こるか分からないからな」

 

「分かりましたわ」

 

一刀の言葉に頷く麗羽。

 

その後、これからの事に関して三人で話し合った。

 

ある程度話がまとまったところで、桃香は自分の陣へ帰ろうとする。

 

「それじゃあ一刀さん。また・・・」

 

「おお」

 

そう会話を交わし、桃香は帰っていった。

 

 

 

 

そして麗羽たちは、帰り支度を済ませて

 

 

 

 

自分達の国へ帰って行ったのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

おまけのおまけ

 

 

 

帰って一週間ほどして。

 

「お前ら、どんだけ買い込む気だ・・・・・・」

 

「まだまだに決まってんじゃない」

 

「歌える準備が整うまで暇だもんね~~」

 

「・・・あんな約束をした一刀さんが悪いんですよ・・・」

 

「・・・ごもっともで」

 

三姉妹の買い物につき合わされ、荷物持ちとして同行する一刀。

 

既に両手は塞がっており、背中にもかなり背負わされていた。

 

三姉妹も、本当に重要な仕事がある場合は一刀を解放したが、それ以外はほぼ四六時中一刀を傍に来させていた。

 

勿論、こきつかうだけではなく普通に遊んだり、一緒に寝たり、とにかく一刀と過ごしたいという気持ちの表れだとも言えた。

 

一刀もそれを分かっているため、疲れるが嫌な気分では無かった。

 

ちなみに、このべったりに対して風はずっと不機嫌で、麗羽もここまで一刀を独占されるとは思わなかったのか、面白くなさそうな顔をしていた。

 

さて、一行が色々な店を物色していると、天和が一つの目立つ看板を見つけた。

 

(大陸一の踊り子がやってきた!その踊りを見たい方はこちらへ→)

 

矢印の先には、芝居小屋らしきものがあった。

 

「ねえ、見に行ってみようよ」

 

「面白そうね。ちぃ達の踊りの参考になるかも・・・」

 

「・・・そういう事なら」

 

三姉妹は皆行く気のようだ。

 

「・・・まあ、いいんじゃねえの?」

 

一刀は何となく嫌な予感がしたが、三姉妹が行く以上、彼に拒否権は無い。

 

四人は小屋の中へと入っていった・・・・・・

 

 

 

 

 

入って見ると、中はかなり暗かった。

 

舞台には幕が張ってあり、舞台の中の様子は見えない。

 

看板に書いてあった大陸一が効いたのか、人は九割方入っている。

 

四人は席を探し、中央左寄りのところに空いていた二つに天和と地和。

 

その後ろに一刀と人和が座った。

 

周りから「どんな踊り娘だろう?」とか「やっぱ最高にかわいい娘だろうさ!」「いや!巨乳の色気満点な大人の女だろ!」などと男共の期待の声が聞こえてくる。

 

ジャーン!

 

銅鑼の音が鳴り響く。

 

どうやら始まるようだ。

 

幕がゆっくりと上がっていく。

 

 

 

 

そして

 

 

 

徐々に姿を現す踊り子

 

 

 

筋肉質の太い足

 

 

 

腰ミノを着けて

 

 

 

たくましい大胸筋

 

 

 

頭に笑う太陽の飾りを着けた

 

 

 

 

「ウッフ~~ン!」

 

 

 

 

・・・・・・貂蝉であった

 

 

 

 

 

その姿に観客は呆然としていた。

 

ピ~ヒャラ~~ラ~~・・・・・・

 

音楽が流れ、貂蝉は踊り始める。

 

その踊りは・・・貂蝉の格好から分かる人も多いであろうキ○キ○踊りであった。

 

そして、

 

「オエ~~~!」

 

「ゲボハアッ!!」

 

「目が!目が~~~!!」

 

「お父さん怖い!」

 

「見るな!見ちゃいかん!!」

 

正気に戻った観客たちの反応は燦燦たるものだった。

 

誰もが嘔吐し、泣き叫び、我先にとその場を逃げ去ろうとする。

 

客席は阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

 

そんな中、

 

「「「・・・・・・」」」

 

三姉妹は未だ放心状態で、

 

「~~~~~~!!」

 

一刀は腹を押さえ、笑いを必死にこらえていたのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご主人様はともかく、天和ちゃんたちは久しぶりねん♪」

 

騒ぎが収まった後、貂蝉は四人との再会を喜んでいた。

 

「は、はい・・・」

 

「そうね・・・」

 

「・・・お久しぶりです」

 

張三姉妹は萎縮しながら貂蝉に答える。

 

あの地獄絵図は、あれで終わりではなかった。

 

「失せろ!化け物!!」

 

逃げる観客の一人が言ったこの捨て台詞に、

 

「ぬわんですってえええええ!!」

 

切れた貂蝉が舞台から降りてきて、さらに大混乱になったのだ。

 

ちなみに、その観客は貂蝉に掴まり、幻海にボコボコにされた鈴木状態にされた。

 

「つうか、こんなところで何やってんだよ?」

 

「あらん?あたしは踊り子よん♪これが仕事なんだから、何の不思議もないでしょう?」

 

「・・・・・・ちなみに、この外史に来て何回目の興行だ?」

 

「これが最初よん♪アタシの魅力を分かってくれる人たちが、中々いなくてねん・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

一刀は思い出す。

 

そういえばここの従業員は、美形の男ばかりだった。

 

・・・・・・しかし、それ以上考えてはいけないと一刀の中で警報が鳴り響いたため、一刀は考えるのを辞めた。

 

「んで、お前これからどうすんだ?」

 

「せっかく会えたんですもの。ご主人様についていくつ・も・り・よん♪」

 

一刀にウインクしながら、そう言う貂蝉。

 

「・・・・・・そうか」

 

一刀は色々と諦めたようで、三姉妹と共に貂蝉を引き連れて、麗羽たちの待つ城へと帰って行ったのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもみなさん大変おひさしぶりです。

 

アキナスです。

 

ここまで投稿に間が空いたのは初めてですが、原因は・・・・・・

 

モチベーションが、だだ下がりしちゃったんですよね。

 

何度パソコンを前にしても、書く気が起きなくて・・・・・・

 

まあ、なかなか休みが取れなかったというのもあるんですが。

 

次はいつ投稿できるのかなあ・・・・・・

 

それでは次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ツイスターブレード!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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