No.410790

《インフィニット・ストラトス》~二人の転生者~

菊一さん

第十四話!遂に鈴登場!恐らくメインヒロインの中で自分的にトップ3に入るヒロインだと思います。メイン以外を入れると微妙ですがねwってかサブヒロインって何処まででしょうね?下手したらモブキャラまで入りそう^^;
そんなこんなで、ではどうぞ~

2012-04-19 00:29:00 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1487   閲覧ユーザー数:1394

第十四話 転校生と告白

「はよーっす」

俺と夏が席に着くと直ぐ様数人の女子が話しかけてくる。何時も元気で何よりです……俺は寝不足で低血圧です。

「一ノ瀬くん、織斑くん、おはよー。ねえ、転校生の噂聞いた?」

「転校生?今の時期に?」

この時期に転校生……おかしな話だがよくよく考えてみれば答えはすぐに見つかった。

「その転校生って何処の国の代表候補だ?……大方中国かドイツ辺りだとは思うんだが……」

この時期の転校生はほぼ確実に国家の代表候補生である。なぜなら普通に転校してくるには国家の推薦とかが必要だからだ。詰まりは代表候補じゃないとまず無理って話だ。二つ目に国の特定が出来たのは、前に束さんにもらったデータの中にまだトライアル中でロールアウト前のIS機体があったからだ。その中で特に有力なのが中国とドイツだった。

「なんでも中国の代表候補生なんだってさ」

「ふーん」

「中国、か」

夏の軽い返事をよそに俺は思い出していた。

確かISは《甲龍(シェンロン)》だったかな?なぜ神じゃなく甲なんだろうか?神のほうが強そうに見えると思うが……まあいい。

「あら、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」

思い出していると、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットが腰に手を当てたポーズをしながらそう言う。

「……恐らくそれもあるんだろうけど、正確には他の国とその第三世代のISを危ぶんでだろう。多分セシリアのことは中国はおろか、その他の国も全然気にして無いと思う……」

「もう!なんで秋葉さんは一々そうやって!!大体ですね……」

「落ち着け、最後まで聞いてからの反論は聞くから」

俺は頭に血が上ったセシリアをなだめながら続ける。

「気にしてないって言うことは逆に言うと気にする対象が他にあるって言うことだ。そしてそれは自国のIS……他国のISよりも自国のISが強くないと色々な意味で駄目だからな。しかしお偉いさん方は理解してない。ISは人が乗って初めて真価を発揮するということを。だからセシリアが公の場で中国の代表候補を潰せば中国のISと代表候補より強いって言うことが証明できる、ってわけだ?わかったか?」

まあ今のブルー・ティアーズの稼働率じゃあ互角、良くて紙一重で勝ってるってとこかな?中国の代表候補生の戦闘を見たわけじゃないからな……なんとも言えん。

俺が唸っていると窓側の自分の席に座っていた箒が話しに入ってきていた。

「このクラスに転入してくるわけではないのだろう?騒ぐほどのことでもあるまい」

「どんなやつなんだろうな」

箒の言葉をよそに、夏は気になって仕方ないようだ。夏、気持ちはわかるが今のタイミングは不味かったな。

「む……気になるのか?」

「ん?ああ、少しは」

「ふん……」

ほら、やっぱり。

俺の想像通り箒は不機嫌になってしまった。しかし夏の唐変木ぶりにも呆れるが箒も箒だ。夏はこれでもカッコイイからな、早く告白とかしないと他の女子に取られるぞ?……まあ夏の唐変木ぶりは、わざとやってるんじゃないかと錯覚する時があるからな、一番の敵は夏自身かもな。

「……てか夏、お前にその転校生を気にしてる余裕は無いと思うぞ?なんせ来月にはクラス対抗戦があるんだからな。優勝賞品が賞品だけに下手したらクラスの女子の反感買うぞ?」

「そう!そうですわ、一夏さん。クラス対抗戦に向けて、より実戦的な訓練をしましょう。ああ、相手ならこのわたくし、セシリア・オルコットが務めさせていただきますわ。なにせ、専用機を持っているのはまだクラスでわたくしと一夏さんだけなのですから」

《だけ》を強調された……なんかムカツク。ここは一つ反論を。

「その前にセシリアは《インターセプター》をちゃんと出せるように訓練するんだな、それからBTのビット攻撃も。稼働率が五割以下って、下手したら転校生に負けるぞ?」

「うっ……も、もちろんわたくしの近接戦闘の訓練も兼ねているのですわ」

声が小さいが……まあいい。

ついでにクラス対抗戦とは実力目標を作るため、さらにはクラス単位での交流、クラス内の団結力を深めるためのイベントらしい。

しかしやる気を出させるために優勝賞品は学食のデザート半年無料パスとか……春華がいるから一組が優勝したら学園側が泣く羽目になるぞ?

「まあ、やれるだけやってみますか」

「やれるだけでは困りますわ!一夏さんには勝っていただきませんと!」

「そうだぞ。男たるものそのような弱気でどうする」

「織斑くんが勝つとクラスみんなが幸せだよ!」

「まあ勝つにはISの基本操縦位は楽勝で出来ないととてもじゃないが……」

そう、夏は最近基本操作でつまずいており、夏自身もそれをわかっているからこその自信のない返事なのだろう。

やがてクラスの女子達がぞろぞろと俺達(というよりは夏の方に)集まってきて騒がしくなった。この現象は既に何時ものパターンなので俺達は慣れていた。まあ騒がしいのに変わりはないがな。

「織斑くん、がんばってね!」

「フリーパスのためにもね!」

「今のところ専用機持ってるクラス代表って一組と四組だけだから、余裕だよ」

一組は夏というのはわかる、四組のクラス代表が専用機持ち……ああ、簪か!しかし簪の専用機、打鉄弐式は完成してるんだろうか?不安だ。まあ簪自身が自分で出来るって言ったんだから大丈夫だとは思うが。

「――その情報、古いよ」

女子達の話し声を破って教室の入口からそんな声が聞こえた。……あれ?何処かで聞いた声だが、どこだったかな?まあ発した本人見れば思い出すかな?

俺は入り口に目線を移すと、そこには一人の女子が立っていた。

身長は平均より少し低いが春華ほど小さいわけでもなく、茶色の髪をツインテールにしている、春華ほど長いわけでもないが。目はツリ目で東洋系の顔立ち……うん、パッと見は美少女だ。服装は制服にハイソックスにブーツ、制服の肩口が分離しておりノースリーブになっている、まだ初春だが寒くはないのだろうか?

そんな東洋系の女子が腕を組み、ドアにもたれかかっていた。

「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

……待て待て待て、情報があってたら二組のクラス代表は専用機持ちじゃなかったはずだ。ということは……転校してきた中国の代表候補に変更したっていうことか!?ん?たしか過去にこういう強行手段を平気で行う知り合いがいたような……

「鈴……?お前、鈴か?」

「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告しに来たってわけ」

……思い出した……小学校の五年から卒業式まで一緒だった中国人の鈴だった。

当の本人は決まった、という余韻か、ふっ、と笑みをこぼす。よし、その余韻を台無しにしてやるぜ!

「誰だと思ったら《ちんちく鈴》じゃないか?何かっこつけてるんだよ?傍から見ると痛い子に見えるぜ?」

「本当、すげえ似合わないぞ」

「んなっ……!?なんてこというのよ、アンタ達は!だいたい秋、わたしをちんちく鈴って呼ぶなって何度言ったらわかるのよ!」

鈴が右手で握りこぶしを作り、突っ込んでくる。

「……やれやれ」

俺はゆっくり立ち上がり、脱力した。

次に鈴の右手に拳が俺の顔に向かてきたので、右にずれ、左手で燐の顔を掴むとそのまま前へ倒す。

床に背中を打ち付けながらも立ち上がろうとする鈴の首元に手刀を寸止めで入れる。

「……これで通算692戦で俺の692勝だな。せめて一発ぐらいは俺に食らわせてみろよ?」

俺は鈴に手を貸し、起き上がらせてやる。

「あのねぇ、そういうのはもう少し手加減してから言いなさいよ!」

「無茶言うな、これ以上手加減したら避ける以外の手段がなくなる。それよりさっさと戻らないと脳細胞が五千個死ぬぞ?」

俺がそう言って席に着くと同時に鈴の頭に出席簿アタックが炸裂した。

「もうSHRの時間だ、教室に戻れ」

「ち、千冬さん……」

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ」

「す、すみません……」

すごすごと鈴はドア付近まで戻っていく。鈴はむかしから冬姉が苦手なのだ、まあ得意な奴はそうそう居ないがな、束さんとか。

「また後で来るからね!逃げないでよ、秋!」

俺が逃げる意味がわからん……

「さっさと戻れ」

「は、はいっ!」

冬姉の言葉にビビるように二組へ猛ダッシュで鈴は戻っていった。いや、完全にビビってたな。

「それはそうと、あいつがIS操縦者ねえ、意外っちゃあ意外だよな」

「そうだな、初めて知った」

俺の言葉に夏が肯定する。

「……一夏、今のは誰だ?知り合いか?」

「あ、秋葉さん!?あの子とはどういう関係で――」

この二人が発端で周囲にいた女子からも質問攻めの集中砲火、鬼が目の前にいるのに馬鹿な奴らだ。

バシンバシンバシンバシン!

「席に着け、馬鹿ども」

予想通り冬姉の出席簿アタックが閃いた。

まったく、朝から疲れたぜ。

そんなコトを思いながら授業が普通に始まった。

 

「お前のせいだ!」

「あなたのせいですわ!」

「「なんでだよ……」」

時間は変わって昼休み、しかし開口一番箒とセシリアが俺達に文句を行ってきた。どうせ朝の出来事を思い出していたんだろうが、授業中に山田教諭に五回注意され、冬姉に至っては三回も出席簿アタックを食らっていた。まったく、冬姉の前で上の空なんて自殺行為もいいところだ。

「取り敢えず学食いこうぜ。ハラ減った」

「そうだな、話しならメシ食いながら聞くから」

「む……。ま、まあお前がそう言うなら、いいだろう」

「そ、そうですわね。言って差し上げないこともなくってよ」

「じゃあ来んな」

俺は箒とセシリアの言葉にピシャリと言い放つ。俺は上から目線の奴は嫌いなんだ。

「「……一緒に行きます(わ)」」

「よろしい。春華も、行くぞ」

「わ~い!」

は~い、じゃない所が春華らしいといえば春華らしい。こいつは食べ物を食べるのが何よりも好きなのだ。それで太らないのだから不思議だ、身長も伸びないし。

そうして俺達五人とついてきたクラスメイト数人はぞろぞろと学食に入る。

俺の今日のメニューはざる茶そば大盛りだ。ちなみに夏は日替わりランチ、箒はきつねうどん、セシリアは洋食ランチ、春華はジャンボ味噌ラーメンだ。

春華、お前はそれを食べきれるのか……IS学園設立以来食べ切れた人物が誰もいないと聞くが?」

「大丈夫!私の胃袋は四次元だから!」

む?いつの間にか声に出てたらしいな。そして春華、お前が言うとそれが本当に聞こえるから怖い。

「待ってたわよ、秋、一夏」

そんな言葉と共に立ちふさがったのは鈴だった。こいつはホント昔から変わらんな。

「とりあえずそこどけ。食券が出せんし通行の邪魔だ」

「う、うるさいわね。わかってるわよ」

鈴がどくのを待っていると、手に持っているお盆に目が行った。ラーメンだった。

「ってか早く食わねえとそれ、伸びねえ?」

「わ、わかってるわよ!大体、アンタ達を待ってたんでしょうが!何で早く来ないのよ!」

「無茶言うなって」

お前の事情でこっちが動いてるわけじゃねえし。

まあ鈴がうるさいのは何時ものことだ。俺は食券をおばちゃんに渡す。

「それにしても久しぶりだな。ちょうど丸一年ぶりになるのか。元気にしてたか?」

俺が茶そばが出来るのを待ってる間に夏と鈴が話し込んでいた。俺としては特に気にもならないので加わらない。

「はい、おまちどうさま」

「あんがと、おばちゃん。さてと……向こうのテーブルが空いてるな、俺先に行ってるから」

「あ、待ちなさいよ」

俺の言葉に鈴が反応し、ついてくる。

俺は席に着くと暇なので胸ポケットからペンを取り出し、回し始める。小学校の頃から暇があればよく回したものだ、と思い出しながら素早く、連続で、いろんな方向で回し始める。

「あんた、相変わらずペン回し上手いわね」

「まあ元々手先が器用だったしな。でも最初は回すのに一苦労だったぜ。鈴はどうなんだよ?小学校の頃よく一緒に回してただろ?」

俺は回しながら聞く。

そう、小学校の頃こいつは俺に対抗してかよくペン回しをしていた。最初こそ失敗していたが小学校の六年の夏休み前にはかなり上達していた。

「私だってあれからかなり上手くなったんだからね!利き手じゃない左手でも上手く回せるのよ」

「ふーん……」

俺はそれを聞き、右手で回していたペンを空中に放り投げて左手でペンを挟み、回し始めた。

「それぐらいは俺も出来るぜ?どうだ」

「うっ……」

「おっ!何してるかと思えばペン回しかよ。相変わらず秋は上手いな」

トレイを持ってきた夏が俺の左手を見ながら笑った。

「やっときたか。じゃあ食おうぜ」

「おう!」

俺は夏が座ったのを確認しながら、ペンを空中に投げ、胸ポケットへと入れた。

序にテーブルは丸型。かなりの大きさなので俺、春華、夏、箒、セシリア、鈴は余裕で席に付けた。他のクラスメイトは隣のテーブル。聞き耳をたてるのはいいが手が止まっている。昼休みは短いんだ、早く食べないと出席簿アタックが来るぞ!

俺は隣のテーブルに座った女子生徒たちを見てそう思った。

「鈴、いつ日本に帰ってきたんだ?おばさん元気か?いつ代表候補生になったんだ?」

鈴を挟んで俺の左側にいる夏が鈴に質問していく。事情を聞いてないからわからないが恐らく俺が夏達と別々の中学校に入った後に鈴も本国の中国に帰ったのだろう。記憶が正しかったら中二の終わりぐらいに転校していったはずだった。何で知ってるかって?前に夏と電話で話した時に聞いた。それがこんな形で再開するとは……夢にも思わなかったぜ、まあそもそも男子がIS学園に入ってることが異例だしな。今でこそ慣れたが入った当初は異次元と現実味があるようでなかったから発狂しそうだった。

「質問ばっかしないでよ。アンタたちこそ、なにIS使ってるのよ。ニュースで見たときびっくりしたじゃない」

「さり気なく俺に話をふるな……俺としてはその時にちんちく鈴がショック死しなかったのが残念だ」

俺は茶そばをすすりながら言う。ああ、美味い!普通のそばに茶を練り込んだだけなのになんて美味いんだろうか!まあだからと言って普通のそばが駄目ってわけじゃないんだけどな。

「ちょっと!あんたまたちんちく鈴って言ったでしょ!ってかショック死って何よ!そんなに死んで欲しいわけ!……ちょっと人の話を聞きなさいよ!」

「……聞いてるよ。それとも食い物を口に含んだまま答えろというのか?なあ夏」

「そうだぞ、鈴。口の中の物を食べ終わってから話すのが当たり前だぞ」

俺と夏の淡々とした口調が気に入らないのか不貞腐れてしまった。こういう動作も一つ一つが可愛い奴だ、故に美少女。まったく何でこいつは彼氏を作らないのだ?……いや、作ろうとした時期はあったんだが、その相手がなあ……

俺はため息をつく。するとその瞬間、向かい側に座っていた箒とセシリアが身を乗り出して聞いてきた。

「一夏、そろそろどういう関係か説明して欲しいのだが」

「そうですわ!秋葉さん、まさかこちらの方と付き合ってらっしゃるの!?」

おっと、この二人の存在を忘れていた、ってか箒とセシリアも疎外感を感じてたから話に入ってきたのだろう、多少刺々しい感じを持って。ほかの女子生徒も興味を持ったのか耳を傾けている。

「はあ……セシリア、なんでそういう話になるんだ?……まあ確かに告白はされたけどさ……」

「「「「「「………………」」」」」」

……一瞬の沈黙……その後ソニックブームが起きたのかと思うほどの女子の悲鳴やら黄色い声が上がった。

「ええーーーーー!!嘘っ!凰さんが一ノ瀬くんに告白したって!!いつ!?ねえ、いつの話!?」

「これはビッグニュースだわ!!このメモ、誰か新聞部の先輩に持ってって!!あ、あと突撃インタビューの準備も!」

「ねえねえ一ノ瀬くん!!その返事はしたの!?まだだよね!?まだだといって!お願い!!」

「あぁーーん、こんな事ならもっと早くアタックしとくんだった!!」

「いえ、まだ諦めるには早いわ!まだ付き合ってると決まったわけじゃないから!!」

やいのやいのと騒ぎ立てる女子を他所に俺は別段変わった様子もなくそばをすする。鈴は顔を真っ赤にして俯いている。夏は口を開けたまま箸を落とした。春華はニコニコと笑いながら嬉しそうに食べ続けている。箒は夏ほどではないが目を見開き口を明けている。そしてセシリアは……

「な、な、な、なんですってーー!!秋葉さん!それは本当なんですの!!こんなどこの馬の骨ともわからないような小娘にここここ、こ、こ、告白された、って言うのわ!!」

「おおおう!!く、首を掴んで揺するなセシリア!!そばが食えない!!ってか……死ぬ……マジ……とりあえず……落ち着い……」

「これが落ち着いていられますか!!」

セシリアは俺の首を掴み、更に揺する。ええい!こうなったら!!

「この手を……離せ!!」

「ぐっ……え?……」

俺は首を掴んでいたセシリアの腕を掴み、おもいっきり締め上げて、緩んだ後にセシリアの頭を掴み、テーブルに強かに打ち付けた。

「……ったく、話の続きだが告白されたのは小学校の六年の卒業式の時だ。そしてその時に鈴は俺に、遠まわしだったが付き合って欲しいって言ったんだよ。それで俺はこう返事をした《そうだな……俺らまだ中学生になったばっかだし、こういうのはお互いの気持の問題だろ?高校生とかになってまだ気持ちが変わってなくて、告白した時に俺が付き合う、って言ったら付き合ってやるよ》って言った。一字一句間違ってないはずだ。だから保留中かな?」

……ったくこいつらは、しかし女子はこの手の話題になると凄い力を発揮するよな、それをもっと別の所に活かそうぜ?っと、忘れるとこだった、電話電話っと。

俺はそばを食い終わり、汁をそば湯で薄めながら飲んでいた。それを中断して携帯を取り出し、電話帳から相手の携帯へ発信する。

……プルルルル……プルルルル……ガチャ

『はい、もしもし?』

「あ、黛先輩ですか?俺です、一ノ瀬秋葉です」

『ああ、一ノ瀬くんか!うふふ~聞いたよ~、凄いことになってるらしいじゃん?』

くっ……さすが新聞部副部長、情報が早い。

「ええ、そのことでちょっと……実は記事にしないで欲しいんですよ?」

『ん?まあ人の恋路を邪魔するのはよくないとは思うけど……やっぱりそれなりの条件は欲しいかな~』

条件か……う~ん……

「……織斑一夏の私生活とその実態!なんて記事はどうっすか?映像と音声は送るんで後はそっちで……」

『ん、OK!』

「ちょ、まて~~い!!」

くっ!気づかれたか!だが知られてそんなに困ることでもないだろう!それよりも大事なのは明日の俺の安否だ!!あの黛先輩だ、捏造されて付き合ってるとか書かれたら最悪だしな!

「じゃあ今すぐ送るんで!ではまた」

『ほいほい~』

俺は黛先輩と電話を切るとトレイを持って出口へダッシュ!夏はそれを追いかけてくる。

「なめるなよ!俺の百メートル走の自己ベストは10秒01だ!」

まあ中学三年の春の記録だけどな……

そして俺が全力疾走して食器を返却口に出しながら見ると、箒に襟を捕まれ引きずられている夏が見えた。ご愁傷さまだな。

「ちょっと、待ちなさいよ!」

「ん?」

俺が食堂を出ようとすると後ろから声がかかってきた。そこには多少息を切らした鈴が立っていた。

「なんだよ?」

「その……さっきの話だけど……保留中ってやつ」

鈴は手をもじもじさせながら言ってくる。やっぱり性格とかは結構サバサバしてるがこういうところは花も恥じらう十代なんだろうな。

「ああ、あれか……あの時の気持ちのままなのか?」

「……うん」

俺は頭を掻き、鈴は頬を赤らめながらも上目遣いでこっちを見ている。

「……正直言うとさ、俺は鈴のことを可愛いと思うよ。結構性格はサバサバしてるけど、活発で、いっつも元気で、でも時々恥らったりしたり。外見だってお前は身長が低いとか、体の凹凸がないとか気にしてるけど、俺にしてみたら別に構わないと思うし、寧ろそこが魅力なんだと思う」

「じゃ、じゃあ!!」

「でも、お前とは付き合えない」

「……………え?」

 

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どうも、作者の菊一です。

さて、最後のこの告白シーン……というか過去の告白の話のところからですね、正直言って最初は入れるつもりはサラサラありませんでした。でも普通に行くと一夏と鈴の話ばっかりで秋葉が入るシーンが思いつかなかったんですよね。で夏の告白を無理やり秋葉に差し替えたわけです。まあ夏のヒロインは箒以外にするつもりはなかったので一石二鳥でした!

さて、次回は鈴が秋葉を追いかける話になるんですが……凛と秋葉が恋愛関係のため戦う!なんて話はないです、あしからずwと言うことは勿論専用機はまだ出て来ません^^;しかし鈴パートの中では出す予定です。まあ飽くまで予定で、予定は未定ともいいますのでもしかするとシャルパートまで食い込むかもorzまだそこまで書き溜めてないっす……スランプいい加減だ出したいっす><。

ではまた次回にでも~

 

追伸 やばい、秋葉と春華の設定何時だそう……タイミングを誤りそうで怖いw


 
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