No.410531

ストライクウィッチーズBLACK第2話「取調べ」

ゴルゴムとの戦いを終え、放浪の旅に出た南光太郎
そんな彼を待っていたのは、ネウロイとの戦いだった
1人ぼっちの英雄は、その心の傷を癒すことが出来るのか!?
仮面ライダーBLACK×ストライクウィッチーズです

2012-04-18 13:44:05 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4184   閲覧ユーザー数:4122

ミーナ

「では、これより取調べを行います」

 

 

坂本

「なに、取調べといってもそちらが協力的になってくれればすぐに済む。では、心の準備はいいな?」

 

 

ブラック

「はい……」

 

 

本日の第501統合戦闘航空団のとある一室

そこでは、黒いバッタ男がまるで母親に叱られる子供のように佇んでいるという

世にも奇妙な光景が広がっていた

 

 

ブラック

「(何故こうなった…?今思えば、この子達はどうやって空を飛んでいたんだ?

それに…確か動物の耳のようなものも生えていたし、何より何故スカートをはいていない!?)」

 

 

ちなみにブラックはキングストーンの力で飛んでいました

 

 

ミーナ

「…まずはネウロイ討伐に助力していただいたことに感謝します」

 

 

ブラック

「ネウロイ?あの怪人はネウロイという名前なのか?」

 

 

ミーナ

「怪人??…何のことか良く分かりませんが、まさか…ネウロイの事をご存知ではないのですか?」

 

 

ミーナがブラックに訝しむような視線を向ける

ネウロイと言えば、この世界でその存在を知らない者はいない人間の怨敵だ

それを、まるで初耳のようにブラックが聞き返すのだから無理もない

 

 

ブラック

「ネウロイという存在については初耳だけど…ゴルゴムについてなら知っている

教えてくれ!奴らは滅びたんじゃなかったのか!?世界は平和になったんじゃないのか!?」

 

 

ミーナ

「お、落ち着いてください!」

 

 

ミーナの表情が一瞬恐怖にゆがむ

まるで、化け物に怯える子供のように…

光太郎はその表情に見覚えがあった

そう…今までの戦いの中で、ゴルゴムの怪人と遭遇してしまった人が見せた表情だ

 

 

ブラック

「済まない…みっともなく取り乱してしまった」

 

 

ミーナ

「いえ、どうかお気になさらず…まずは、あなたの名前…そこから始めましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラックは変身を解除し、本来の姿である南光太郎の姿に戻った

元々、いつまでも変身しているほうがおかしかったのだが、ネウロイの出現のせいで少し混乱していたのだ

それに、自分の異形としての姿が人を怖がらせてしまっては、人の平和を守るのが目的の光太郎にとっては本末転倒だ

 

 

光太郎

「そうだな…俺の名前は南光太郎。日本の生まれで、歳は19だ。

もっとも、あと1月足らずで20になるんだけどな」

 

 

ミーナ

「…え?」

 

 

坂本

「まさか……」

 

 

光太郎

「どうしたんだ、2人とも?」

 

 

坂本

「人間…だったのか…」

 

 

坂本のその何気ない一言は、光太郎の胸に深く突き刺さった

今までの言動から察するに、おそらくこの2人は仮面ライダーを知らないのであろう

ならば、光太郎の変身した姿を見て人と思わないのは当然だ

それでも…光太郎は自分を一目で『人間』と見抜いてもらいたかった

 

 

光太郎

「あ、ああ。さっきのは変身していただけで、こっちが本当の姿なんだ。改めてよろしく」

 

 

ミーナ

「え…ええ、よろしく。では…次にあなたのさっきの力のことですが…

魔法力とは似ても似つかないけど、とてつもないエネルギーだったわ

あの力は一体…?」

 

 

光太郎

「あれは俺に埋め込まれたキングストーンの力だ。そして、さっきまでの俺の姿はブラックサン。

俺はあの力を使い、日本でゴルゴムと戦っていたんだ」

 

 

坂本

「日本…聞いたことがない国だな。ミーナ、知っているか?」

 

 

ミーナ

「…いいえ、私も聞いたことがないわ。それと、南さんがさっきから知っていて当たり前のように話している

『ゴルゴム』についても」

 

 

光太郎

「そんなバカな!?ゴルゴムは人の命を…自由を弄んだ、あの悪魔の集団だぞ!」

 

 

光太郎はゴルゴムの成してきた悪夢のような所業を思い出す

まるで、人を物の様に弄び、心を利用し、終には日本を征服した悪魔達

仮に仮面ライダーを知らない者がいたとしても、世界に宣戦布告をしたゴルゴムを知らない者などいるはずがない

光太郎はそう確信していた

 

 

だが、目の前にいる2人はゴルゴムはおろか、日本すら知らないと言う

にわかには信じがたい話だ

 

 

坂本

「…すまんが、やはり取調べは長くなりそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから光太郎は自分が話せるだけのことを全て話した

 

自分の住んでいた国、日本のこと

 

ゴルゴムという組織のこと

 

自分はゴルゴムと戦っていたこと

 

そして、ゴルゴムとの戦いは終わり、世界に平和が戻ったこと

 

気付いたら変身した姿でネウロイの目の前にいたこと

 

 

 

もっとも、自分がゴルゴムの改造人間であることや、世紀王や創生王の存在、シャドームーンとの戦いのことは伏せてだが

 

 

 

逆に、ミーナたちも光太郎にこの世界のことを教えた

 

ネウロイのこと

 

今が1945年であること

 

ウィッチと呼ばれる魔法力を持つ者のこと

 

自分たちがはいているのはパンツではなくズボンであること

 

 

 

 

ミーナ

「つまり、結論から言うと…」

 

 

光太郎

「俺は別の世界から来たという事になるのか…」

 

 

坂本

「にわかには信じがたいが、お前が嘘を吐いているようにも見えん。つまりはそういう事だろう」

 

 

ミーナはこめかみに手を当てながら、軽くため息を吐く

 

 

ミーナ

「とにかく、あなたの処遇に関してはまた後ほどお伝えします。

部屋を用意するので、それまでは待機ということでよろしいですね?」

 

 

光太郎

「ああ。迷惑をかけてしまってスマナイ…」

 

 

ミーナ

「あなたのせいじゃありませんよ。それに…多分、迷惑をかけてしまうのはこちらの方ですから…」

 

 

光太郎

「え?」

 

 

坂本

「(こんな面白そうな奴、ハルトマンやルッキーニが放って置く訳がないからな)」

 

 

光太郎は頭の中に疑問符を浮かべながら、坂本に連れられて部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルッキーニ

「あーっ!少佐出てきた!!ねぇ、ブラックサンは!?」

 

 

部屋を出た光太郎達の前に無邪気な笑いを浮かべながら

愉快そうな口調で声を上げる黒髪の少女が飛び出した

 

 

しかも、それに続くかのようにゾロゾロと他のメンバーまで出てきた

やはり、『世紀王ブラックサン』と名乗った異形が気になっていたのだろう

 

 

坂本

「今、お前の目の前にいる男がそうだ。後で改めて紹介をするが

ちょうどいい。この機会に自己紹介と質問でもしておけ」

 

 

ルッキーニ

「…えー…もう黒くないの?つまんなーい…。あっ!あたしフランチェスカ・ルッキーニ!よろしくね!」

 

 

光太郎

「(こんな小さな子まで戦っているのか…)」

 

 

心の中に小さな怒りを秘めながらも、光太郎も笑顔を忘れず

ルッキーニと同じ目線になる高さまで膝を折り、自分も自己紹介をする

 

 

光太郎

「俺は南光太郎だ。よろしく、ルッキーニちゃん」

 

 

シャーリー

「私はシャーロット・E・イェーガーだ。シャーリーって呼んでくれ」

 

 

エイラ

「エイラ・イルマタル・ユーティライネンだ。デ、こっちの半分寝てるのがサーニャ・V・リトヴャクだ。よろしくナ」

 

 

リーネ

「リネット・ビショップです。リーネって呼んでください」

 

 

ペリーヌ

「ペリーヌ・クロステルマンですわ。まぁ、よろしくしてあげますわ」

 

 

バルクホルン

「ゲルトルート・バルクホルンだ」

 

 

ハルトマン

「エーリカ・ハルトマンだよ。よろしくぅ~」

 

 

宮藤

「宮藤芳佳です、よろしくお願いします。あの…南さんって扶桑のご出身なんですか?」

 

 

光太郎

「う~ん…扶桑ってこっちの日本だからな…この場合どうなるんだろう?」

 

 

宮藤

「??どういうことですか?」

 

 

光太郎

「それに関しては、多分ミーナさんが後で話してくれるよ」

 

 

ルッキーニ

「じゃあ、次あたしー!ねぇ、さっきの黒いのなんだったのー?」

 

 

光太郎

「あれはブラックサンっていう…まぁ、俺のストライカーみたいなものだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、一通りの質問がすむと、光太郎は指定された部屋へ向かい、命令どおり待機していた

やがてミーナが怪訝な表情で部屋へとやって来た

 

 

ミーナ

「…南さんの処遇が決定しました。ですが、それを伝える前に一つだけ聞かなければならないことがあります」

 

 

光太郎

「それは?」

 

 

ミーナ

「南さんは…ネウロイと戦う覚悟がありますか?」

 

 

光太郎には、ミーナの言う『南光太郎の処遇』がいかなるものか、半ば気付いていた。

 

 

ならば、この質問は避けようのないものだ

 

 

答えはすでに決まっている

 

 

光太郎

「俺は…戦います。戦い続ける覚悟は1年前から出来ています」

 

 

―――戦い続けなければならないのだ

 

 

―――この胸に焼き付く痛みを押し隠しても

 

 

ミーナ

「そうですか…。なら、501へようこそ南光太郎さん!」

 

 

―――たとえ11人の少女を地獄への道連れにしてでも

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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