No.407974 超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateその62012-04-14 01:12:35 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:801 閲覧ユーザー数:775 |
~午前九時 ラステイションスラム~
「女神に対抗、女神を殺すための女神を創る計画、コードネーム【ラグナロク】…粋な名前ですねぇ。」
「神々の闘争という意味合いではきわめて的確なコードネームだとは自負しているですの。」
薄暗い家屋の中、外観とはかけ離れた機械的な内装の部屋には数人のコート姿の人間と、狭間テルミの姿があった。
一つのコートの中から年端もいかぬ少女のような声もする。
「いやぁー。今思ってもまさか女神にこうまで大々的に反抗する人間たちがいようとは。人間とはわからないものですよねぇ。」
「それこそが人間にしかない多種多様性というやつだ。勿論、女神にもない。」
「女神を崇拝する教祖がいれば、女神に敵対する貴方方がいる…。」
「無駄な話はそれぐらいにしたら如何ですの?それより、素体は何時完成する?」
「ただ今突貫作業で制作中です。サービスとしての改造に意外と手間取ってしまっていまして。始めてしまった以上中断もできないので。」
ニヤケた表情を崩さずに話すテルミ。
その顔に苛立ちを抱いたか歯ぎしりのような音もコートの内から鳴った。
「そのサービス、待たせるだけの価値はあるのだろうな?」
「それは保障します。何せ、対女神のとっておきですから。」
「……いいだろう。これにて解散する。」
「愉しみですの。」
「………。」
突然全てのコートがひらりと地に落ちる。
最初から何もなかったかのように部屋が静かになり、テルミもその場を後にした。
「……ハッ、誰もテメェらに期待なんざしちゃいねぇよ。人任せの雑魚共が」
テルミの呟きは人少ないスラムの中に消えた。
~九時十五分 ラステイション教会~
ケイの「とりあえずゲイムキャラ取ってこい」というアバウトかつ適当な指示に従い、ネプギアねーさん、ユニねーさんとついでの二人でゲイムキャラの協力を取り付けに行ってしまい、わたしとケイの二人だけが残った。
「…その狭間テルミという男。少し調べてみたが。」
「……が?」
「確かに、存在している。ラステイション警備隊の大尉だ。」
「…じゃあ、思い過ごし?」
「かもしれないね…。もう少し洗ってはみるけど。」
…むぅ。何かあやしいと思ったんだけどなぁ。
「ネプギア達がゲイムキャラを持って来れば、あとはルウィーとリーンボックスだったね…。だとすれば……。」
ケイもぶつぶつ言いだしたし。
…一気に暇になった気がする。ネプギアねーさん達についていけばよかったなぁ。
~数十分後~
何もなく、ただ腕を整備しながらぼーっとしてると、突然教会の扉が開かれた。
蹴り開けたような、すごく乱暴な音だ。ネプギアねーさんじゃない…。
「たのもー!」
扉を開けた主が、意気揚々と叫ぶ。
妙に耳に残る声の主は、妙に胸元開いたスーツとバンダナ+ポニーテールという髪型が特徴的な少女だった。
「君は……ギルド所属の日本一君か。何か用かな?」
「ふっふっふ……。」
日本一と呼ばれた少女がわざとらしく含み笑いをすると、私を指さして叫んだ。
「突如現れた謎の女神!そして世界を救わんとする女神さま達!これに加勢しなくてはヒーローの名が廃るというもの!」
「…つまり、協力を願ってきたと?」
「hai!このゲイムギョウ界のヒーロー日本一、呼ばれなくても即惨状!」
……果てしなく不安。
何が不安って、この少女、日本一の雰囲気が不安。
なんか、こう。やらかしそう。
「まぁ、戦力が大いに超したことはないと彼女らも言うだろうしね。とりあえず彼女らが戻ってくるまでここで待っているといい。」
「ケイ、わたしに面倒丸投げする気じゃないの?」
「さて、何の事かな。僕も忙しいんだ。」
ケイが奥に籠り、書類仕事を始めてしまった。
話す対象を失った日本一がここぞとばかりにわたしに視線を向けた。
「と、いうわけで女神さま!このヒーロー日本一、御用があればいくらで呼んじゃってくださいな!」
「煩い、黙れ。」
「はい…(´・ω・`)」
意外にもあっさり黙り、近場の椅子で座った日本一。みるからにしょぼーんとしている。
ぶっちゃけどうでもいいのでスルーして整備を続けることにした。
~さらに数十分後~
「ただいま……」
ユニねーさんが帰ってきた。が、妙にテンションが低い。何かあったのかな…?
ふらふらと歩き、日本一をスルーしてわたしの隣に座り、わたしを突然抱き枕に。
…ああ、いつものねーさんだ。
「おかえりユニ。ネプギアにボコられてきたのかい?」
「……負けた…」
「だろうね。予想はしていたよ。」
…?ユニねーさんとネプギアねーさんが喧嘩でもしていたのだろうか。
ああ、割といつものあるなぁ。
「つまり、どういうこと…?」
「何、この黒もやしがネプギアに喧嘩売って返り討ちにあったというだけだろうさ。」
「大体あってるのがムカツク…ただ黒もやしだけは認めないわよ!」
「だとさネロ。君の時代ではユニとネプギアの関係はどうだったんだい?」
「どうと言われても・・・。日中から抱き合ってたり一週間に三日はデートしてたりしてたけど。」
「だそうだよユニ。」
「何で私に振るのよ。」
ケイとユニねーさんが信じられないという表情でアイコンタクトしている。
わたしからすればここまで仲が悪いねーさんたちのほうが新鮮だけどなぁ。
「それで。どうするつもりだいユニ。」
「うう~…ネロ渡したくない~……」
((何を賭けたんだよ……))
物惜しそうにわたしに頬擦りするユニねーさん。
…言葉にできないきもちよさはともかく、私賭けてたんだユニねーさん…。
「じゃあどうする?ネプギアに先だってルウィーにでも行くかい?」
「……。私達が先にゲイムキャラを集める→私がネプギアより優れていることが証明される→
「せめて口に出さないでほしかった。」
ああだこうだいいつつも決してわたしへの頬擦りをやめようとしないユニねーさん。
流石ユニねーさん、姿かたちは変わっても中身は全然変わってない部分がユニねーさん。学習能力が若干欠如している。
「えーっと、あのー……。」
「あ!?誰よあんた!」
「協力志願者、日本一だ。折角だし連れて行ったらどうだ?」
「ならばよし!日本一っつったわね!あんたも行くわよ!」
ユニねーさんがわたしと日本一を掴み、女神化して飛びだした。
……あ、嫌な予感。
「ケイ!ネプギアに【あんたより先に私がゲイムキャラを集めてやる】っつっといて!」
「無事に帰っておいでよー」
「あーれー。」
「にゃぎゃああああああああああ!!!???」
教会の扉をぶち破り、空を駆けるユニねーさん。わたしは女神化してもいまいち滞空性能がよくないのでこの状態でいいや。
……空慣れしてない日本一は顔が蒼くなってるけど。
「こわくないこわくないこわくないこわくない……」
イイケシキダナー。
少し見渡せば、遠くに中央山脈、かなり遠めにリーンボックスやプラネテューヌが見えた。後は海。
……あれ。進んでる方向がリーンボックス方面だ…。
「ユニねーさん?リーンボックスに行くのですか?」
「ルウィーに行ったってネプギアと鉢合わせするでしょ。なら先回りしてリーンボックスのゲイムキャラを回収するわ。」
「コワクナイコワクナイコワクナイコワクナイ……」
「おい高所恐怖症かお前。」
…まぁ、確かにラステイションの最上層より大分高いし…高度120mといったところかな。
まぁ、十分高いかなぁ。
「ところで、ネロ。あんたは女神化しないの?」
「あんまり高く飛べないので。」
「あー…。まぁそんな重くないし大丈夫よね。」
わたしと日本一をぶら提げたまま、ユニねーさんはラステイション~リーンボックス間上空を飛行中。
空は敵っぽいのが少なくていいなぁ。
~十数分後~
徐々に遠くの緑の陸地が見え始めた。
一番近い部分にラステイションのような多階層の都市が見える。リーンボックスで間違いない。
「見えた…!」
「ユニねーさん、どうするつもりで?ラステイションとリーンボックスはいがみ合っていたそうですが。」
「それはそうだけど、マジェコンヌが出てきてそれどころじゃないからね。」
「なるほど……。」
「………」
「日本一?」
妙に日本一が静かだ。顔の青ざめは治ってるし、どちらかと言えばリーンボックスを睨んでいるようにもみえる。
……なんなんだろう。
「あ、はい。なんでしょう女神さま?」
「さっきまでこわくないこわくない言ってたのに急に静かになって。腕痺れた?」
「それは大丈夫ですよ!鍛えてますから!」
「……じゃあ、何故?」
「いえいえ。なんでもないですって!ゲイムギョウ界のヒーロー日本一は世界をちょっと眺めていてしまってー。こんな高高度からゲイムギョウ界見れませんし。」
そういう日本一の表情には明らかに汗が乗っている。何かを隠しているのは間違いないだろうけど…。
何を企んでるのか、予想がつかない。あの惨劇の引き金にならないといいけど…。
元々信用なんかしてないけど…何かしらあると前提してみないといけなさそうかもね…。
「そろそろ到着するわよ。」
ユニねーさんの言葉ではっと我に返り、真下を見てみる。
リーンボックスの都市や、特徴的な白い箱型の建物が見えた。
下から見ればあんなにデカいのに上から見ると小さく見える。不思議。
さて……。ユニねーさん、私、日本一。
なんでだろう、ユニねーさんがいるのに不安しかないのは……。
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すっごくダークで鬱なネプテューヌが見たいです…書きたいです…かけないです…