No.407306 超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス燐さん 2012-04-12 21:51:03 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1034 閲覧ユーザー数:1008 |
「グガァァァァァァァ!!!」
そこには世界の終末を予言しているかのように眼があり不規則な形のタワーの屋上で獣のような咆哮が轟いた。
それは胸と両手に龍の顔面があり背中には蝶のような幅広い六対の翼が無造作に広がり周辺の岩石を吹き飛ばせる。
それはとても苦しんでいた四天王と呼ばれるハードと闘い敗北し更に身体の中に入れられた誰かの人格、それはこの世のすべてを破滅させようと動く。
それは歯を食いしばり耐えていたいずれ来ると信じている光の存在を自分も同じ存在であったがこのような失態をさらしてしまった悔しいとても悔しい女神達から
あのお方の敵となるならいっそのこと自決しようと身体を動かすがそれを自分の中に入れられたもう一つの意思が止めてくる
『なぜ……そこまで抗う?』
謎めいた声でそいつは自分の体の中で呟いた
その問いに自分はきっと胸を張って答えれる。
「っ……光が、希望が、私には……見えるからだ……!」
闇を食い破るように水が溢れるように広がっていく光
それは儚く遠いと同時にもっとも身近に見える希望
信じている自分を生みだした母親と呼べる存在と共に見てきたこの世界が初めて決められた運命を否定し自らの意思で未来を決断したあの誇り高き女神達、近く遠くそれを見つめ支えになると決意した負の神の信念、そのすべてを彼―――ゼクスプロセッサ・ドラゴニスは信じて疑わない
『……ふっ、戯言だな』
それを鼻で笑うそいつにゼクスは更に笑う今にでも見ていろと言うように
「(女神達!見せてくれ母上と私が見てきた常識を覆した君たちの可能性を……!)」
今自分にできることはこの意思を抑えることその途中でもしかして力尽きるかもしれない。
そうなってしまえばこの意思はゲイムギョウ界を戦略、破滅させていくだろう。
絶望と失望と憎悪の中でこの世界を見てきた自分の母親はもっと苦しい現実に直面してきたはずだ、それを考えればこんな奴の誘惑に負けることなんて絶対にありえない!!
暖炉の中でめらめらと燃える炎を前に服に付いている雪を掃っている知り合い
兎の耳のように長い部分がある変わった帽子を被り明らかに手の比率に合ってない手袋、見た目から厚いと思わせ同時に不思議さを感じさせる蒼い服装
「紅夜、緊急事態とはどうしたのですの?」
独特の口癖と共に濃い茶色とまだ幼き貌が傾げる彼女の名前はがすと、プロ(恐らく)の錬金術師だ
「……とても失礼なことを思われた気がするですの」
気にしない気にしない……まぁ、とりあえず見た目で判断できないが俺もちょくちょく調合薬でお世話になった事がある……迷惑したことあるが
「あの、本当に治せるんですか?」
「もちろんですの、がすとのご先祖様はゲイムキャラを治す事ができる秘伝の錬金術があるですの!」
がすとのご先祖がそんなにすごい人だとは思わなかったがソファで横になっている空が頷いているという事は本当の事なんだろう
「錬金術は確か、素材同士を調合して新しいアイテムを作る技術ですよね?」
「そうですの」
「それならゲイムキャラを直すにも素材がいるの?」
バラバラに無残な姿になってしまったゲイムキャラの欠片を一つ一つがすとは丁寧に観察していき
「このタイプにはレアメタルとデータニウムという素材が必要ですの」
結果はその二つが必要ということが分ったそして俺たちの視線はまっすぐ空へと向いた。
「……はぁ、持っていきなよ」
いつものように自己空間から必要な分の素材をこちらに投げてくるそれをネプギアと俺はキャッチする
「ありがとう、空さん」
「………ん」
ネプギアの礼に少しだけこちらに視線を送り直ぐに外の方へと身体を向ける空……照れているのか?
「この素材でいいだな?」
「……色々ツッコミたいところですが……良質な素材ですの、これなら直ぐにでも作業に開始できるのですの」
そういい何処からか取り出した巨大な壺に素材とゲイムキャラの欠片を入れてかき混ぜ始めるがすとに俺たちは邪魔しないように少し離れた場所で待機する事にした
「紅夜が連れてきたってことで信用しているけど……大丈夫でしょうね」
耳元でこっそり呟いて来るアイエフに俺は頷く。
確かにこいつは守銭奴だが時と場合は考えれる奴だ……まぁ、後で大金を請求されだろうがそれは自腹で支払おう。
それより今は……
「…………くぅ」
この横になっている空だ外傷はないみたいだが余ほど消費しているんだろうこんなに無防備な空を見るのは初めてだ、恐らくそれほど強いんだろうあいつは……昔の零崎 紅夜と名乗っていた。
ーーー俺は昔を思い出す事はやめている。もし、思い出したら自分が自分で無くなるような気がしてそれでもある程度は思い出してはいるんだがあれは鮮血と復讐が支配した憎悪の過去とこの世界でレイさんと過ごした楽しい記憶……
空いわく俺は万単位まで生きているとのことその中で様々な希望と絶望を見てきたであろうだけど俺はその全貌は何一つ知らない。
俺が俺でありたいゆえに、知ってしまえばもし戻れないそんな恐怖がずっと俺を責め動けないでいた、それは今もこれからも続いて行くだろう
「あまり深く考えない方がいいよ」
「空……」
外を見ていた空はごろりと寝がえりこちらに向く白雪のような肌は青ざめいかにも身体の調子が悪いと言っているような顔だった
「君とレイスの相性は悪過ぎなんだよ。君の動きはレイスだから先意味が容易なんだよ」
それはつまり俺の動きは相手に筒抜けということかレイスにとっては鏡を見ているような
気分なんだろうそれほど俺の行動は分りやすいとのことかレイスは俺の記憶にない本来の力を使って闘ってくるので俺にとっては予想できない
「どうすれば……あいつに勝てる」
「…………」
分っている俺の言っている事がどれだけ愚かなことなのか、今のところ二回闘いその全て一撃も与えれてない技術も経験も劣る俺があいつに勝てる方法なんて……
「
「っーーー!!!」
今のおれでは勝てないと空はハッキリと言った
「あと、君の思いかな」
「………なぜだ」
俺はなんでここまで弱い
強く、強く、強く、強く、と今まで剣を振ってきた!引き金を引いてきた!それには誰にも負けない思いがあったからと自分で確信しているのにこれ以上の思いがレイスにはあるのか!?
「紅夜の信念にとやかく言うつもりはないけど……自分が壊れた所を理解しないと……」
「……う…さ…」
ふざけるな俺がいままでどれだけ必死に力を付けてきたのにその結果が負けて、また負けて、また負けて……
「レイスに傲慢って言われたよねなんでこんなこと言われるのかそれを……」
「う……さ、い」
もっと血のにじむような修行をすればいいのか?もっと自分の体を追い詰めれればいいのか?もっとあの負の地獄に身を任せれればいいのか?
「聞いて紅夜、君の頑固なところはレイスもあった……だけど君はレイスとは違う決定的な違いが……」
「うるさい!!!」
気が付けばそう叫んでいた
何事かとみんなの視線がこちらに注がれ特に隣いたネプギアは大きく肩を揺らした
心中に蠢く思いがとても気持ちが悪くて俺は強引に扉を開けて逃げるように部屋を後にした
空side
「お兄ちゃん!」
「やめなよ」
すぐに追いかけようとしたネプギアを停止させる。
確かにネプギアがいけば治まると思うけどそれじゃ根本的な解決にはならない今は静かに頭を冷やした方がいい
「どうしたのですの?あんな激情する紅夜は初めてですの」
「ーーー追い詰められているんだよ紅夜は」
冥獄界で死に物狂いで修行して力を付けて一時的とは言え冥獄界を支えれるほどまで成長したけど、ゲイムギョウ界の異変に気づかなくて四女神は捕らわれてしまった。これは自分のせい
身体に鞭打って来たものの結果的には足を引っ張ってしまう存在になってしまったそれでもなんとかしようとネプギアを救おうとしたけど所詮時間稼ぎ程度しかならなかった。これは自分が弱いせい
そして今回、万全の体調で挑んだにもかかわらず自分の全てを見切られて自分の今までの信念を否定させられてこれ以上に無い敗北。これも自分の力不足
「全てを守る、救うという信念を持つ紅夜にとって今の状況は今まで努力し培ってきたものを壊されている気分だと思う」
死に物狂いで頑張ってきた紅夜の自信はあっけなく崩れていかされる。
なら、一体自分はいったい何をしてきたそんな思いが今の紅夜の中を渦巻いているだろうね。
もともと、今は少し
「結果が全ての今の紅夜じゃ、ネプテューヌ達が囚われた事とかネプギア達の失敗とか全部、自分のせいにしてしまんだよね」
もっと自分が強かったら
もっと自分が迅速に行動できていたら
もっと自分が逞しくかったら
それがずっと渦巻いて傷つけて背負って責めてどれにも見せようとしない闇を紅夜は作っているんだ
「それって大丈夫なの……?」
超よくない、言う前に紅夜は行ってしまったけど今の紅夜と昔の紅夜の決定的な違いは
勿論、昔の
けど、正直
僕は、レイちゃんの出来ごとで少し
そして、今の紅夜は嫌な記憶を一度封印した結果、
彼は誰かに頼った自分が強いという自覚はあったのに女神やアイエフ達に相談したり支えてもらったりした、だからこそ僕を倒せたんだろうけど今現在の紅夜は力をつけすぎてネプギア達と疎遠になりかけている。
このままじゃ向かう先は昔の紅夜が一度体験した
「どうにかしないなぁ……」
自分の殻を生成し始めている今ならなんとか出来るかもしれない
もし、力に渇望し罪遺物を望めば自ずとして力は手に入るであろう。
けど、これはレイスも言ったけど罪遺物の力の権化は罪だ。
今の紅夜じゃそれを扱うのは禁忌に触れると言う事、その結末は亡骸しか残らない絶対に
今にでも飛びだしそうなネプギアを抑えつつ、がすとの錬金術が完成するまで僕たちはその場で待機をしていた
空side out
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久しぶりの更新&タイトル変更!カプリッチョは語呂が悪いといまさら思った作者でした。
少しずつ更新して行きたいと思っています。
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