No.406247

IP〜インフィニット・ストラトス・パラドックス〜 第十一話



遅くなりました。・・バイトがキツイ・・時間減らそ・・

2012-04-10 21:08:52 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2535   閲覧ユーザー数:2417

 

 

 

時間は一気に試合当日まで飛ぶ。

 

 

 

やあ、皆。皆の織斑一夏だよ。・・・・・ごめんなさい、なんかごめんなさい・・・・・存在しててごめんなさい・・・・・・・

 

とりあえず、気を取り直して・・・俺はピットにいま〜す。そして箒とセシリア、織斑先生に山田先生もいま〜す。

 

 

「・・・・さて、行くとするか」

 

 

俺は黒菊を展開。軽く動かして調子を確かめる。・・・ん〜いい感じ。

 

・・・・結局、俺と鈴はあの日からまったく口を聞いていない。・・・・さすがにこれははじめてだな。

 

謝ろうと思うも、自分の何処が悪かったのかが分からずどう謝っていいのか分からなかった。

 

 

「一夏さんっ!一夏さんならあんな小娘、簡単に倒せますわっ!!ですので緊張なさらないように・・」

 

「・・・・・鈴を簡単にか・・それは無理だな」

 

「え?」

 

「・・あいつは俺のパートナーだ。俺の動きや考えは簡単に分かるだろうさ」

 

 

・・それこそ、半人前とはいえ仮面ライダーとして戦ってきた俺をずっと見てきたわけだしね・・・・・

 

 

「そんな・・・・」

 

「だが、だからこそ俺もあいつの考えは読める」

 

 

・・・・ただ、ここでの問題は俺もあいつもお互いの『ISとしての戦闘』を知らないこと。どのように戦うかまでは分かんないだよね〜。

 

さすがにそれを言うと不安にさせてしまうため、皆には言わない。

 

 

「・・・では行ってくる」

 

「ああ。行って来い、一夏っ!」

 

「がんばってくださいませ、一夏さんっ!」

 

 

そして俺はピットからアリーナへと飛び立つ。そこには既に鈴が待ち構えていた。

 

・・第3世代型IS『甲龍』。確か安定性と燃費の良さを目標に作られた機体。武器まではネットでは調べきれなかったが、あいつの性格からして近接戦闘型。

 

 

「一夏、今謝るなら少しくらい痛めつけるレベルを下げてもいいわよ」

 

「・・やれやれ。代表候補生は皆言うことは同じみたいだな」

 

 

セシリアとの時も似たようなことを言われたもんね〜。

 

 

「手加減は結構だ。俺がそう言うのは好まないのは知ってるだろう?」

 

「・・・まあね。なんとなく聞いただけだし」

 

 

どうせんなこったろうとは思ってたわい。

 

 

「まあ、一夏なら分かってるだろうけどISの絶対防御も完璧じゃないのよ。シールドエネルギーを突破する攻撃力があれば、本体にダメージを貫通させられる」

 

 

うん、分かってる。だから俺があの人のを真似して出来たあの技は対人戦じゃ使えない。

 

 

「・・・それを聞いて俺が怯えるとでも思ったか?」

 

「ううん、まったく・・・・・・・じゃあ、始めましょうか?」

 

「そうだな。いい加減観客も待ちくたびれてるだろうしな」

 

 

そして鈴は青龍刀を構え、俺は黒雷と黒嵐を構える。

 

 

「ハアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

「フッ!!」

 

 

盛大な叫び声と共に鈴が青龍刀を振りかぶって突撃してくる。

 

俺はそれをスライドして避けながら、二丁の拳銃を乱射する。しかし、鈴もそれを軽く避ける。

 

 

「相変わらず、上手いわね」

 

「お前も随分と頑張ったようだな」

 

 

さすが、代表候補生。しかもセシリアと違って油断がないしな〜。

 

 

「じゃあ、これはどうかしらっ!?」

 

 

すると、鈴はもう一本青龍刀を取り出し、二刀で襲いかかってくる。

 

 

「っ!二刀とはっ・・随分っ・・器用になったなっ!!」

 

 

俺は襲いかかってくる二刀を避ける、もしくは拳銃で受け流す。

 

 

「生憎とあたしは前から器用よっ!」

 

「そんなのは初耳だなっ!」

 

 

俺が後ろへ一気に距離を取ると、鈴は二刀の青龍刀を連結させた。

 

・・・・・おいおい、そんなのありですかっ!?

 

長柄の形を取った武装《双天牙月》を剣舞のように振るい、上下左右から剣撃を振るってくる。

 

マズッ!!

 

俺は瞬時に拳銃をしまい、ショットガンを二丁取り出す。そして所構わず鈴に向かって連射する。

 

 

「くっ!?」

 

 

さすがの鈴もこれは辛いのか、一旦動きを止める。

 

その隙に俺は鈴から大きく離れる。

 

 

「甘いわよっ!!」

 

 

鈴がそう叫ぶと、両肩にあるスパイクアーマー、と思っていた非固定浮遊部位(アンロックユニット)がスライドした。

 

そして次の瞬間、俺は何かが放たれたのを感じた。俺はそれに従い、瞬間加速(クイックブースト)を発動させた。

 

俺はついさっき俺がいた場所に見えない何かが通ったのを感じた。

 

 

「・・へぇ・・・よくかわしたわね」

 

 

・・・まさか、今のって・・・・・

 

 

「・・・・衝撃砲、か・・・・」

 

 

ブルーティアーズと同じ特殊装備か・・・

 

 

「正解よ。これから放たれるのは見えない砲撃。ふつうはかわせないんだけど・・・」

 

「お生憎様だな。俺は見えないが感じることは出来る」

 

 

これも仮面ライダーとしての経験か・・・・やっぱり凄いねっ!仮面ライダーはっ!!

 

 

「確かに当たらないかもしれないけど・・・・牽制にはなるでしょっ!!」

 

「チッ」

 

 

確かに当たりはしないけど、動きがかなり制限されるね・・・・ならっ!

 

俺はショットガンをしまい、雪片弐型を取り出す。

 

 

「刀って、正気?あんた近接武器なんて上手く使えないでしょ?」

 

「確かにな。・・・だが、ある程度なら使える」

 

 

本当にある程度だけどね・・・・。さて、狙うとしたらやっぱり零落白夜による一撃必殺か・・・う〜ん・・本当は博打っていうのは嫌いなんだけどね〜。

 

 

「・・行くぞ」

 

 

俺は再び瞬間加速(クイックブースト)を発動し、一気に鈴に近づく。

 

・・・・ここで、エネルギーは大丈夫なのかという疑問が上がってくるが、黒菊はエネルギー消費は他のISと比べて3割ぐらい抑えられるのだ。・・・・さすが束さん。チートだよこれ。

 

鈴は近づいてくる俺に向かって衝撃砲を連発して打ち込んでくるが、俺はそれを翼のスラスターを使い、横に上に瞬時に動いてかわし続ける。・・・・ウオッ!?結構G来るな〜これ。

 

そして鈴に衝撃砲が使いずらい距離まで近づいた。

 

 

「さあっ!終わりといこうかっ!!」

 

「あらっ!随分とせっかちねっ!!まだこれからじゃないっ!!?」

 

「何、お前みたいないい女を相手にしてるとせっかちにもなるものさっ!!」

 

 

鈴は双天牙月を構える。俺は雪片を思いっきり振りかぶる。そしてそれと同時に零落白夜を発動。

 

鈴の双天牙月の振りおろしをかわし、一気に懐に潜り込む。

 

 

「これで、チェックだっ!!」

 

 

そしてその勢いのまま、雪片を振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——— ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

 

次の瞬間、アリーナが閃光に貫かれた。

 

アリーナのグラウンドは爆発し、黒煙を上げていた。

 

客席をシェルターが覆い、緊急事態を告げるアラートが鳴り響く。

 

 

「何が起きた・・・・?」

 

 

緊急事態が発生したのは分かった。そして煙の中に何かがいるのも分かった。

 

・・・・侵入者かい?

 

 

——— 警告 中央に熱源反応 所属不明のISと断定 ロックされています ——

 

 

『一夏っ!試合は中止よっ!あたしが時間を稼ぐから、すぐにピットに戻ってっ!!』

 

 

鈴から個人回線(プライベートチャンネル)が飛んでくる。

 

 

『・・・どこに戻れというのだ?出口は既に封鎖されている』

 

「何ですってっ!?」

 

 

俺も個人回線(プライベートチャンネル)で返すが、鈴は俺が言った言葉に驚いたようで普通に声を発した。

 

俺は緊急事態と分かった瞬間、アリーナの出口を確認していた。結果、既に閉まっていた。

 

・・・・・逃げようとしたわけじゃないよ?鈴が逃げれるか確認したかっただけ。

 

 

「・・・それにこいつの目的は俺みたいだ。お前は逃げに徹しろ」

 

 

前みたいに安全なところまで退避が出来ないなら、逃げ回るしかない。

 

 

「・・・・嫌よっ!!もう前みたいにただ見てるだけなのは絶対に嫌っ!!」

 

 

・・・・はぁ?いきなり何を・・・・・っ!?

 

 

「鈴っ!!!」

 

 

俺は黒煙の向こうに高エネルギー反応を察知したので一気に飛んだ。鈴を抱き抱え、彼女を狙った攻撃をギリギリで躱した。

 

 

「遮断シールドを貫通する威力を持ったビーム兵器か・・・」

 

 

一撃でも喰らったら拙いね・・・・・

 

 

「ちょ、ちょっと、離しなさいよっ!」

 

「馬鹿っ!暴れるなっ!!」

 

「う、うるさいっ!!いったいどこ触って———」

 

 

俺は再び放たれたビームを一気に加速することによってかわす。

 

そして再び煙の方を見るとそこから現れたのは・・・・・・

 

 

「何、あれ・・・・?」

 

「・・・」

 

 

2メートルを超える、全身装甲(フルスキン)のIS。

 

本来、ISの防御はバリアで行われるため、全身装甲という物はまず存在しない。物理シールドを持つ防御特化の機体もあるが、それでもこれは異常だ。

 

巨大な腕部は地面まで着き、人というよりもゴリラのような印象。腕部と肩部に恐らくビーム発射口であろうユニットが計四門。

 

全身には姿勢制御用だろうスラスターが何機も見え、頭部にはむき出しのセンサーレンズが規則性無く並んでいる。

 

・・・・こんなISがあるのかい・・・・でも、なんか違和感がある。

 

 

「・・・・・何だ?お前は」

 

 

・・・・俺の問いかけは無視か・・・・・これは確定かな?

 

目的は分かってる。俺と黒菊だ。理由は・・・心当たりが分からないな。

 

 

『———織斑君、凰さんっ!』

 

 

突然、開放回線(オープンチャンネル)での通信。それはピットにいる真耶からだった。

 

 

『今すぐに、アリーナから脱出してくださいっ! すぐに先生方がISで制圧に向かいますっ!!』

 

 

だから逃げ道がないっちゅうに・・・・・

 

 

「いや、出口は既に封鎖されています。どの道、今ここから逃げたら観客に被害が及ぶ可能性がある」

 

『で、でもっ!!生徒を危険な目にあわせるわけにはっ!!』

 

「こう言うのはずるいですが・・・・既に危険な目にはあってます」

 

『あうぅ・・・・』

 

「では」

 

 

俺は解放回線(オープンチャンネル)を強制終了させる。

 

 

「・・・・鈴、お前は下がってろ。あいつの狙いは俺だ」

 

「嫌よっ。あたしも戦う」

 

「ダメだ」

 

「何でよっ!!」

 

「・・・・即席のタッグで戦えるわけがないだろうが」

 

 

むしろお互いの足を引っ張る要因になる。いくらパートナーだからって一緒に戦ったことはない。

 

 

「でも、絶対に嫌っ!!一夏が傷つくのをただ見てるのはもう嫌なのっ!!」

 

 

鈴のその言葉に俺は今まで鈴にたくさん心配をかけてたことをようやく理解した。

 

・・・・・・そこまで心配かけてたとはね・・・まだまだ俺もハーフボイルド、か・・・・

 

 

「・・・・なら好きにしろ。・・ただ怪我しても知らんぞ」

 

「ッ!!うんっ!!!」

 

 

鈴は嬉しそうに頷く。俺はそんな鈴を見て軽く微笑む。

 

俺は今まで抱きかかえていた鈴を降ろす。そして雪片をしまい、黒雷と黒嵐を取り出す。

 

鈴も双天牙月を構えなおす。

 

 

「・・・行くぞっ!!」

 

「うんっ!!」

 

 

俺と鈴はそのまま侵入してきたISに向かって突っ込んでいった。

 

 

 

 

 
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