No.404179

そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~ 第14話『Sな3人組/復讐の断罪者』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-07 15:31:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:845   閲覧ユーザー数:844

【CD・DVDショップ】

 

「ねぇねぇ、トモちゃん。この曲、どう思う?」

「またか。そろそろDVDコーナーに行かせてくれよ」

「駄目だよ。どうせアダルトビデオでも見に行くつもりでしょ?」

「別に良いじゃねぇか」

 

智樹はそはらに腕をつかまれ、風都にあるレンタルショップのCDコーナーを見て回っている。

 

「悪いわね、付き合ってもらっちゃって」

「気にしないでいい……」

「気になる曲もあったしな。特に問題はない」

 

イカロスは静かに、刹那は[the Answer]をヘッドフォンで聞きながらニンフに答えた。

 

「好きな刑事ドラマのOPを探しているんだったな。なら、この辺りにあるはずだ」

「分かったわ」

 

曲を気に入った刹那は無表情でヘッドフォンを外し、そのサウンドトラックをかごの中に入れる。イカロスもニンフを手伝って周りを探していると、帽子を深く被った長い紫髪の少女とぶつかった。

 

 

「イカロス、大丈夫か?」

 

刹那がすぐさま駆け寄り、背中を持つと、相手の少女と目が合い、沈黙する。

 

「ふぅん、その子がイカロスかい?」

 

2人の後ろから頭の後ろで髪を纏めた勝ち気な少女が声をかけてきた。

 

 

「あんたは……!!」

 

瞳に映ったのは、本来ここで出会うことはないはずの人物だった。

 

「直接会うのは初めてだな、音無の息子」

「ひさ子……!!」

「誰?」

 

おいてけぼりを食らっているニンフが尋ねる。ひさ子は笑みを浮かべながら右手を差し出す。

 

「『Girls Dead Monster』……略してガルデモでリードギターをしているひさ子だ。よろしくな」

「ガルデモ……以前、刹那が訪れた世界で共に戦ったっていう?」

 

刹那に支えられて立ち上がったイカロスが話に加わる。

 

「そうさ。転生した後、なぜか皆とバッタリ会って記憶が蘇ってな。またバンドをやってるんだ」

「良かったじゃない」

「他の仲間はどうしたんだ?」

「体の悪いユイ以外は元気にやってるさ」

「……大丈夫なんですか?」

 

身体が悪いと聞いてイカロスは不安そうにしている。

 

「心配ないさ。彼氏が付きっきりで看護しているからな」

「……とても優しい方なんですね」

「まあな」

「あの〜、私のことを忘れていませんか?」

 

今まで一言も話していない紫髪の少女が話に加わってきた。

 

「悪いな、入江。つい忘れちまった」

「ひどいですよ、ひさ子さん!!」

 

入江がぷんすか起こっている様子は非常に微笑ましく、普段の絆の深さを思わせた。刹那はその光景を見ていたが、外から入江に向けられた殺気にすぐ気づいた。

 

「伏せろ!!」

 

刹那は覆い被さるようにして入江をかばった。そのすぐ上を大口径のビームが通過し、壁を溶解させた。その先には、大型のキャノン、バスターソード、ライフルをそれぞれ装備した3機の黒いソルジャーフォルスがいた。

 

「早く逃げろ!!」

「分かりました!!」

 

イカロス達は頷くと、一目散に逃げていった。

 

 

「刹那!!」

 

そはらを逃がした智樹が駆け寄ってきた。

 

「「変身!!」」

《KAMEN RIDE:GATHER》

 

2人は仮面ライダーに変身し、ゲイザーはライドブッカーⅡ・Sモードをバスターソードを持ったソルジャーに打ち込んだ。

 

「なぜ入江を襲った!? 奴はただの人間だぞ!!」

「貴様に教える必要等ない!!」

 

黒いソルジャーはゲイザーになんら劣ることなくつばぜり合いを続けた。

 

「何だ、このパワー!? 今までのソルジャーと違いすぎる!!」

「我ら、Tタイプはダークネス様の研究資料をベースに改造された。もはや、ライダーなど敵ではない!!」

 

ソルジャーT近接型は質量差を利用してバスターソードでライドブッカーⅡを弾き飛ばす。

 

「嘗めるな!!」

 

ゲイザーは弾かれた勢いを利用して回転しながらバスターソードを右足で蹴り飛ばし、奪い取る。

 

「止めだ!!」

 

ゲイザーは目の前の敵を叩ききるため、バスターソードを振り上げる。しかし、その後ろからソルジャーT遠距離型がキャノンで狙いを付けていた。

 

「ちぃっ!!」

 

ゲイザーは咄嗟にバスターソードを斜めに構えて放たれたビームを受け流した。

 

「くっ……!!」

「刹那!!」

「よそ見している暇はないぞ!!」

 

ゲイザーに気を取られた龍騎の隙を見逃すことなくソルジャーTは右手の爪を腹部に叩き込んだ。

 

「うわあっ!!」

「大丈夫か、智樹?」

「な、なんとか……」

ゲイザーはバスターソードを盾にしながら龍騎の前に立つ。

 

「仕方ない、あいつを使うか」

《ADVENT》

 

龍騎はカードをドラグバイザーに装填すると、ソルジャーT遠距離型が何かに引っ張られるように浮き上がり始めた。

 

「がっ……」

「おい、どうした!!」

「伏兵がいたのか!?」

ソルジャーT遠距離型は首をかきむしりながら徐々に上へと上がっていく。

 

「今だ、刹那!!」

「一気に畳み掛ける!!」

《FINAL VENT》

《FINAL ATTACK RIDE:G・G・G・GATHER》

 

出来た隙を活かすべく龍騎とゲイザーは必殺技の体勢に入る。

 

「「ダブルライダーキック!!」」

 

龍騎とゲイザーは固まっている2体に対しそれぞれの必殺技キックを叩き込む。しかし、どこからか飛んできたハーケンが2人を弾いた。

 

「刹那!!」

 

イカロスは思わず声を上げ、そはらも動揺する。

 

「まだ新型がいたのか!?」

 

ゲイザーが周辺を見渡すと、赤い仮面と鎧を身につけ、腰にロストドライバーを巻いた戦士がいた。

 

「なっ!! あれは!?」

「仮面ライダー……?」

 

赤いライダーは一言も発さずにただゲイザーたちの方へと近づいていった。

 


 
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