No.403211

劇場版仮面ライダーゲイザー~受け継がれし天使と悪魔の力~ EPISODE1

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
設定集 http://www.tinami.com/view/401137
プロローグ http://www.tinami.com/view/401710
第1話『破壊の後継者/Iとの再会』 http://www.tinami.com/view/402298
第2話『驚愕の転校生/忍び寄るFの影』 http://www.tinami.com/view/402305

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2012-04-05 20:21:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1013   閲覧ユーザー数:1010

【???】

 

ダークネスフォルスを追いかけ、闇の中に飛び込んだ刹那は曇り空に包まれた学校のグラウンドらしき場所にたどり着いた。

 

「ここはいったい? それにこの学ランは……士さんが世界を移動する度に起こるっていう職業変換システムか」

 

身に覚えのない学ランを着ていることを確認した後、状況確認のために周りを見渡す。

 

「人を探すか……敵の勢力圏内である可能性があるから気をつけなければいけないが」

 

そう言った刹那は辺りを警戒しながら校舎に入っていった。

 

「学校で人がいるとなれば基本は職員室だな」

 

校舎の中を歩いていた刹那は誰かが接近してくる音を聞き、ライドブッカーⅡをGモードで構えて十字路の陰に身を潜めた。接近してくる足音の主は声を発さず、銃に弾を込めた。

 

(来る!!)

 

足音が十字路まで近づいてきた瞬間に刹那は陰から飛び出して足音が聞こえてきた方向へとライドブッカーⅡを向けた。同時に、足音の主……紫の髪と緑の瞳を持ち、セーラー服を着た少女もまたハンドガンを刹那に向けた。

 

「ずいぶんと物騒な物を持っているじゃない。あなた、神の関係者かしら?」

「残念だが、そんな御大層な身分ではない。お前こそアロガンスの構成員じゃないのか?」

「そんな名前聞いたこともないわ」

 

2人はしばらくお互いの目を見つめあい、敵ではないと判断して銃を降ろした。

 

「私の名前はゆり。いちおうここ天上学園の生徒よ」

「俺は工藤刹那だ。ある事件を追っていたら偶然ここにたどり着いた。この場所について話を聞かせてくれないか?」

「良いわ、食堂で何か食べながら話しましょ。こっちへついてきて」

 

刹那はゆりについて食堂へと向かった。

 

 

★★★★★

【天上学園・食堂】

 

「未練を残して死んだ者達が暮らす世界か」

 

刹那はステーキ丼を食べながら話を聞いていた。

 

「そう、私達は死んだ世界戦線を結成して生徒会長である天使と戦っているの。今は、何故か休戦状態だけれどね」

「天使か……」

「どうかしたの?」

 

工藤刹那が知る限り、そのカテゴリーに該当する人物は4人・・だけだった。現在、押しかけ妻の如く工藤家の炊事を取り仕切っている恋人のイカロス(その母親は直接会ったことが無いので省く)とその幼馴染2人と後1人だけいる。

 

「いや、天使と言うのはまさに俺の母さんのためにあるような言葉だと思っただけだ」

 

そう、彼の母親である。

 

「ふうん」

「俺が小さい頃に死んでしまったが、母さんは強く、可憐で、不器用だけれど優しい人だった」

「良い人だったのね……」

 

悲しそうな表情で語る刹那の話をゆりは何も尋ねずに静かに優しい笑顔で聞いていた。

 

「あなたのお母さん、名前はなんていうの?」

「母さんの名前は工藤か『ゆり、ここにいたのか』」

 

刹那は台詞を遮るように現れた2人を見て声を失った。

 

「音無君! 天使も一緒なんだ」

「たまたまそこで一緒になったの……」

「ん? そいつは誰なんだ? 新しくこの世界に来た奴か?」

「ああ、彼は――」

 

 

「父さん……母さん……」

 

 

刹那が音無結弦と天使と呼ばれた少女――立華奏――を見て呟いた台詞で世界の時は止まった。

 

「「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」」

 

刹那の発言に驚き、音無とゆりは叫び、奏はキョトンとしていた。

 

「そ、それってどういう意味――」

 

音無しは刹那に詰め寄るが、二度あることは三度あるとはこのことなのかまた会話が中断された。だが、今回中断したのは戦地でよく聞く乾いた音である。それが絶え間なく聞こえるということは現在進行形で戦闘が行われていることを示している。

 

『ゆりっぺさん、大丈夫ですか?』

「今食堂よ。いったい何があったの?」

 

戦線のオペレーターである遊佐からの通信がゆりの無線機に入る。

 

『現在黒い影の様な存在とグラウンドにて交戦中です。至急、向かってください』

「分かったわ」

 

通信が切れたことを確認したゆりは刹那を見つめた。

 

「話の途中で悪いんだけど、ちょっと手を貸してくれるかしら、刹那?」

「別にかまわない。俺は影を追ってここまできたわけだしな」

 

刹那が右腕を上げると、ゲイズチェイサ―が食堂を破壊しながら突っ込んで来た。

 

「バ、バイクが勝手に!?」

「校内でバイクを使うのは校則違反よ」

「今は非常事態よ! 少しは大目にみなさい!!」

 

音無は驚くが、奏は平然と注意し、ゆりが声を上げる。

 

「それ、無理して乗っても3人が限界だろ。いったいどうするんだ?」

「こうする」

 

刹那はゲイズチェイサーに乗ってタンク上にある溝にカードを1枚差し込んだ。

 

≪ATTACK RIDE:SIDE BASSHAR≫

 

電子音と共にゲイズチェイサーはスマートブレイン製のサイドカー……サイドバッシャーへと姿を変えた。

 

「へぇ、なかなか面白いバイクを持っているじゃない」

 

ゆりはサイドカーに乗り、奏がその後ろに割り込む。

 

「ちょっと!! なんであんたまで乗るの!?」

「事態を収拾するのは生徒会長の役目だから……」

「父さんは俺の後ろに乗って」

「分かった」

 

音無は事態の緊急性を考え、刹那が父さんと呼んだことには何も言わず、Gサイドバッシャーの座席の後ろに乗って刹那につかまる。

 

「行くぞ!!」

 

刹那はGサイドバッシャーを目的地に向けて発進させた。テーブルや椅子、その他もろもろの設備が吹っ飛んでいくが、気にしていられない。仮面ライダー史上最強のモンスターマシンと噂されることもあるほどの馬力を持つそれは4人も乗せながら2分ほどでグラウンドが見えた。下を見ると、銃を使って『影』と戦っている者が多くいたが、中には刃物を使っている者もいた。

 

「なんて数だ!?」

「一気に駆け下りる! しっかりつかまってろ!!」

 

刹那はGサイドバッシャーを左斜めに傾け、一気に坂を駆け下りて『影』を何体か吹き飛ばしてブレーキをかけた。バイクが止まった事を確認した4人は下車してそれぞれ戦闘態勢に入った。

 

「ゆりっぺ!」

「音無さん、来てくれたんですね!!」

「一緒にいるのは、天使と……誰だ?」

「俺か?」

 

刹那は戦線メンバーを見据えながらゲイザードライバーを装着し、変身カードを右手で持つ。

 

「俺は破壊を受け継ぐ仮面ライダーだ!!」

≪KAMEN RIDE:GATHER≫

 

大勢の敵味方がいる中で少年は仮面と鎧を身にまとい、仮面ライダーに変身し、ライドブッカーⅡをSモードで構え、敵に突っ込んだ。


 
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