一体正樹に何があったんだろう・・・・・
俺はとりあえず音楽室に入ってみた
ガチャン!
そこには全員黙り込んでいた
泰「ゴメン遅くなって・・・一体正樹に何があったの?」
唯・律・紬・澪・楓・圭「・・・・・・・・・・・」
誰も喋らない・・・・・
ここで澪が重たい口を開く・・・・・・
澪「実は・・・・・」
===============================
~7:00~
澪「泰広が来ていないから始めるぞ」
律「で、話ってのは何だよ~澪~?」
澪「新入部員が入ったのにいつまでもまったりダラダラとしてたらマズイと思うんだよな」
正「俺も澪に同じ」
唯・楓「「そうなの!?」」
圭「『そうなの!?』じゃねぇ・・・・・」
澪「このままじゃあ梓辞めてしまうかもしれないぞ!」
唯「あずにゃんがいなくなるのはヤダ~!」
澪「ちゃんと活動計画を立てたほうがいいんじゃないか?律」
紬「活動計画?」
律「それじゃあまず・・・・・梓の歓迎会でもやるか!」
唯「イイねイイね~やろう!」
紬「楽しそう~!」
楓「服買わなきゃ~!」
正「・・・・・」
澪・圭「「何でそうなる!!」」
ガヤガヤガヤ・・・・・・・
唯「りっちゃんそれもいいね!」
律「だろ!?じゃあ次は・・・・・」
ダンッッッ!!!!
正「てめぇらいい加減にしろ!!!!!!!!」
楓「うわっ!」
紬「どうしたの正樹君!?」
正「どうしたのじゃねぇよ!!!少しは真面目に考えろよ!!!」
律「だから真面目に・・・・・」
正「歓迎会の時点で真面目じゃねぇよ!後輩辞めさせたくないなら『練習しよう』ぐらい言えよ唯!」
唯「・・・・・・」
正「紬と楓、お前らも流されすぎなんだよ!」
紬・楓「・・・・・・・・」
正「律、お前は部長だろ!!お前次第でこの軽音部が全然変わるんだぞ!部長として少しは自覚しろよ」
律「・・・・・・・・・・」
澪「正樹落ち着け!」
圭「言い過ぎだ正樹!」
正「黙れ!!!てめぇらもだ!!練習を真面目にやりたいなら強く言ってみろよ!!ああ!?」
澪「・・・・・・・・」
圭「・・・・・・・・」
正「けっ!!俺が少し怒鳴ったくらいで黙り込みやがって・・・!確かになこういう遊びとか娯楽も必要だぜ、だけどなお前らは程度がひどいんだよ!!やるときはちゃんとやれよ!!!」
全員「・・・・・・・・・・・・・・・・」
正「俺は教室に戻る、歓迎会やりたきゃあ勝手にやれよ!俺はやらねーからな!」
ガチャン!!!
=============================
澪「・・・・・というわけなんだ」
泰「そっか・・・それなら俺も悪いかもね・・・俺も練習したいのに言えなかったから・・・」
圭「正樹はどうすんだ?」
泰「どうやって教室に行ったの?」
紬「怒鳴っていっただけよ」
楓「あれならマシかもね・・・」
泰「あいつがもっとキレたらもっと大変な目にあっていた」
澪「た、大変な目って・・・?」
泰「それは言えない・・・・・とにかく謝っていったほうがいいよ」
楓「そうだね・・・正樹があそこまでキレるなんて思わなかったし」
律「じゃあ謝りに行こう・・・」
唯「うん、まーくんに謝らなきゃ・・・」
澪「正樹よっぽど梓が入ってきた事が反発材料になったんだろうな」
~2年2組~
泰「正樹~」
正「おお泰広、どうした?」
すっかり機嫌が良くなっているみたい?
正樹はどうやら俺が来る前にあったことを俺が知らないように思っているみたいだ
泰「ちょっと来て」
正「なんだよ回りくどいな、ちょっと待っててくれ」
そう言って正樹はクラスにいるもう一方の男子に言い残してこちらへ来た
正「でなんだよ?」
泰「こっち・・・」
正「・・・・・お前ら」
正樹が視線を向けた先には泰広以外の6人が立っていた
泰「事情は俺からも聞いたよ」
正「そうか・・・・・」
律「正樹ゴメン・・・あたしのせいで・・・もう少し真剣に考えるべきだった・・・」
唯「私も・・・私あずにゃんに良い所見せるどころか皆と一緒に騒いでしまって・・・グスン」
紬「私からもゴメンなさい。中学校と比べて高校生活が楽しくて・・・少し浮かれていました・・・」
楓「私からも謝るね、転校して入部したばっかりなのに・・・お茶を飲んで、ロクにも練習しないで・・・」
澪「ゴメン私がもう少し強く言っていればまだまだマシだったかもしれないし・・・」
圭「俺も唯を野放し過ぎた、本当に悪かった・・・・・」
泰「俺の方からも・・・ゴメン、練習しようって言おうとしたけど、とても意見がしづらくて・・・結局は家でしか練習はできなかったんだ、俺が一番悪かった」
そうして俺達は正樹に頭を下げる・・・
正「・・・・・・・・・・・・」
すると正樹は・・・・・
正「分かってくれたならいい、でもな正直俺も言い過ぎたとは思っていた。
まあ俺はどっかの高校の軽音部みたいにクソ真面目に練習しろとは言わねぇさ、
たまにお茶を飲んで休み、遊んだりするのも悪かねぇさ。むしろ俺はそっちが性に合っている
ただけじめをつけろと言っただけだ、とにかく全員元気出せよ」
泰「しかし・・・・・」
正「なんだよまだ言われてぇってか?このドM!」
泰「俺はドMじゃない!」
正「そうだその意気だ、てかドMじゃないやつは自分を『ドMじゃない』とは言わないぜ?」
泰「なっ・・・!///」
唯「プッ・・・」
澪「フッ・・・」
律「ブッ!」
紬「フフフ・・・」
楓「ククク・・・」
圭「ハハハハハ・・・」
正「フッ・・・」
全員「アハハハハハハハハハハハハハ!!!」
結局俺も笑ってしまった
正「それでこそ桜高軽音部だ、湿っぽいのは嫌いだからな」
キンコーンカーンコーン!
楓「あっ!予鈴だ!」
ホントだ、腕時計は7:35になっている
朝課外まであと5分だ
澪「そろそろ朝課外が始まる・・・」
律「あーーー!予習やっていない!ムギ見せてくれ~」
唯「ムギちゃんお願い!」
正「ヤベー俺もだ、俺も頼むわ!」
紬「はいはい」ウフフフ
楓「皆予習ちゃんとやろうよ」
正「お前やってないだろ」
楓「ご名答~!」
正「ムギこいつに見せなくていいぜ!」
楓「あっ!ダメダメ!ムギちゃん私も~!」
泰・澪・圭「(((この4人は何してんだ・・・・・)))」
澪「じゃあ私達も戻るから」
正「おうまた放課後な!」
澪「ああ!」
泰「うん!」
圭「じゃあな正樹!」
唯「バイバ~イ、やっくん、澪ちゃん、圭ちゃん!」
楓「またね~!」
紬「じゃあね」
律「あとでな~!」
こうして何とか正樹との騒動はこれで済んだ
最後のドM以外は解決したけど・・・・・
=====================
~放課後~
律「じゃあ練習するぞ~!」
正「おう!」
泰「これでやっと合わせられるね」
澪「うん」
ようやく練習開始
しかし今日に限って梓は来なかった・・・・・
唯「あずにゃん来なかったねやっくん・・・」
泰「梓の奴どうしたんだろう・・・・・」
澪「風邪でも引いたのか?」
圭「あんな強くて真面目な子がね・・・・」
正「仕方ねぇ、明日またやるしかねぇよ」
そうして次の日また次の日も梓は来なかった
さすがにマズイと思ったので練習を開始してから4日後部活を早退して梓の家へ向かった
泰「(梓の家も久しぶりだな・・・)」
ピンポーン!
ガチャン!
そこに出てきたのは・・・・・
梓「兄さん?」
泰「梓・・・」
梓「とりあえず兄さん上がってよ、兄さんが来るの久しぶりだよね!?」
梓は微笑みながら俺に言った、しかし目が笑っていない
泰「分かったよ、あれ?おじさんとおばさんは?」
梓「まだ仕事」
泰「そっか」
そう会話を交わしながら俺は家に上がらせてもらった」
梓「兄さん何か飲む?」
泰「いやいいよ、梓ちょっとここに来て」
梓「何?」
泰「梓・・・君は軽音部を辞めるつもり?」
梓「・・・・・・・・・・」
沈黙の末梓はついに泣いてしまった
梓は俺に抱きつきながら泣いた
やはり梓は相当悩んでいたみたい、俺も早く気づいてあげるべきだったな・・・
梓「うっ・・・ひっぐ・・・」
泰「泣くな梓、高校生だよ?」
梓「うん・・・ひっぐ・・・ぐすん」
それでも泣き止まない梓
泰「一体どうしたというんだよ?」
梓「だって・・・ぐすん・・・あんなお茶を飲むだけで・・・練習もまともしないで・・・」
やはり梓の不満点はそこに来たな、梓は俺以上に真面目だし・・・
梓「ねえ兄さんと圭哉先輩、澪先輩は何で外バンをしないの?」
俺はその言葉で大体分かった、梓は軽音部を辞めて外バンをするつもりだったのだと・・・
泰「そうだね、俺たちの軽音部よりも確かに外のバンドの人達が上手いさ、だけどねこっちはね向こうに負けないくらいの気迫でやっているからね」
梓「それだけ...?ぐすん・・・」
泰「あとはあそこで演奏をしていると何か引き付けられるものがあるんだよね、それは分からないけど俺はそっちの方に引き付けられて入ったと思う、梓もそうだろ?」
梓「・・・・・」
泰「最初に律と澪、紬が『翼をください』を俺に演奏してくれたんだ、俺はそれにひきつけられて入ったよ」
梓「そうなの・・・・・」
泰「澪は分からないけど、圭哉兄さんはおそらく梓と同じような感じで入ったと思う」
梓「そういや圭哉先輩は・・・」
泰「うん、俺は梓に軽音部を辞めないでほしい、皆そう望んでいる。俺はずっと待っているよ、でもねそれでも外バンをしたいなら俺は止めやしないよ?」
梓「・・・ううん、私辞めたくない・・・というより辞めない!」
泰「そうだ梓、その意気だ」
梓「兄さんありがとう」
泰「いえいえ、じゃあ俺はそろそろ帰らないと・・・」
梓「ご飯でも食べていってよ兄さん」
泰「いや俺はマジで帰らないといけないから・・・それに叔母さんたちに迷惑が掛かるし・・・」
梓「迷惑なんてかからないよ」
泰「でも用事があるから・・・・・」
梓「そっか・・・・・」
泰「じゃあね梓」
梓「兄さんありがとう!」
泰「気持ちの整理がついたら軽音部に来てね」
~2日後~
唯「最近あずにゃん来ないね・・・・・」
正「見ろやっぱこうなったろ、全部お前らのせいとは言わねぇがよ」
澪「もう来ないかもな・・・・・」
『そんな事はないよ』
ガチャン!
正「泰広!!」
澪「それに梓まで・・・・・」
梓「・・・・・」
泰「梓ホラ黙ってないで」
梓「うん・・・・・」
梓は全ての事を8人全員に話した
楓「そっか・・・・・」
正「じゃあ梓ちゃんのために演奏してやるか」
泰「そうだね」
兄さんと柳瀬さん以外で俺達は『ふでぺんボールペン』と『ます。』を演奏してあげた
=======終了=============
泰「澪、兄さん、ちょっと・・・・・」
俺は澪と兄さんに梓に外バンしない理由を教えてあげて欲しいと頼んだ
澪「梓、何で私が外バンを組まないかだってね」
梓「・・・はい」
梓は涙を拭き取りながら答える
澪「私はやっぱりこのメンバーでバンドをするのが一番楽しいのだと思う、きっと皆もそうでだからいい演奏になると思う」
圭「俺は秋山さんみたいな事を言えないけど外バンは正直あんまり楽しくなかった、練習の詰め込みすぎで・・・でもさここは皆仲が良いしとても楽しく出来る、そしてあの演奏ができる、だから入ったんだ」
泰「梓、一緒に皆で演奏しようよ!」
圭「きついより楽しいが一番さ」
澪「さあ皆で一緒にやろう梓!」
梓「・・・はい!やっぱり私先輩方と演奏がしたいです!」
そして全員から笑みが毀れる
唯「うわーん!良かった~!」
澪「まあこれからもお茶を飲んだりしてダラダラしたりすると思うけど、きっとそれもやっぱり必要な時間なんだよ」
梓・正「「本当に|(かよ)?」」
椅子の上にはダラけている唯、律、柳瀬さんがいた
澪「多分・・・・・」
泰「(梓、正樹にお礼を言いなよ)」
梓「(何で?)」
泰「(実は正樹が一番と言っていいほど君の事で悩んでいたんだ、キレたりしてね)」
梓「(うん)・・・正樹先輩」
正「ん?どうした梓さん」
梓「私のために色々と・・・ありがとうございます」
正「いやいや、そんな事はねぇさ。それに普通はそれぐらいが当たり前さ」
梓「それと私の事は『梓』と呼び捨てでいいですよ」
正「俺はいいけど泰広がキレたりしないのか心配でよ」
泰「何でそうなる!!!」
正「んじゃそう呼ばせてもらうぜ、『梓』」
梓「これからも宜しくお願いします、正樹先輩!」
正「ああよろしくな」
唯「あずにゃ~ん、猫耳つけてよ~」
梓「イ、イヤです!」
楓「いいじゃんかわいいよ~」
梓「ぜ、絶対にイヤです!!」
泰「ハハハハハ...」
ガヤガヤガヤガヤ!
こうして軽音部の騒動は終了
ようやく新入部員が入りこれから本格活動・・・になるのかな?
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
新入部員編終わりです
では30話目どうぞ~