No.400463 そらのおとしもの 望むものBLACKさん 2012-03-31 10:00:19 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:1023 閲覧ユーザー数:1001 |
ある日の昼ごろ。
イカロスが食糧の買い出しをしにスーパーに来ていた。
「今日はアストレアも来るから……」
今日はアストレアも夕食を食べに来るのでそれなりに多く食材を買う必要があった。
しかし桜井家の家にあるお金を考えるとそこまで高いのは買えない。
「少しでも安いのを……」
バーゲンで安いものを買おうとするイカロス。
イカロスが色々見ていると…。
「これにしたらどうだ?」
イカロスに声をかける人物が一人。
秋山であった。
「秋山さん」
「今日はアストレアも来るんだろ」
「どうしてそれを?」
「いや、さっきのつぶやき声聞こえてたから」
「…そうですか」
「それで話が戻るが、5人もいるから大勢で食べられるカレーかシチューの方がいいだろ。
だからジャガイモとか玉ねぎがないとダメだろ。まあこの時期だとシチューがいいか」
秋山からアドバイスをもらうイカロス。そして答えを出す。
「……分かりました…。シチューにします」
「ソウネ、ソウスルガイイネ」
いきなり片言になる秋山。
「まあついでにこいつも入れてやったらどうだ?」
秋山は牛乳を持つ。
「牛乳ですか?」
「乳を大きくできるぞ~」
「ですが私達エンジェロイドは……」
「まあそこんとこは流せ。要は気の問題だ」
秋山がイカロスの持っている買い物カゴに牛乳を入れる。
「牛乳代は俺が出すからさ」
それからイカロスはシチューの材料を買い、買い物を終えてスーパーから出る。
「なあイカロス、お前この後、時間あるか?」
「ご飯を作る以外なら時間はあります」
「だったらちょっと付き合ってくれ。少し話がしたい」
「はい?」
秋山はイカロスを連れて行くのであった。
そらのおとしもの 望むもの
秋山はイカロスを連れて大きな桜の木の所に来ていた。
「まあここでいいか」
秋山は座り込み、イカロスも買い物袋を置いて座る。
「それで話ってなんですか?」
「最近思うんだよな。お前の望みって何だ?」
「はい?」
「お前の望みさ。愛玩用ならともかく戦略用だと望みが変わってくるからさ…」
「私の望みは……マスターと一緒に居ることです」
「だろうな。そう言うと思ったよ。お前はそこんとこは記憶がある時とない時と全然変わらないもんな」
秋山が笑いながら言う。
「それがどうしたんですか?」
「いや、最近になって俺自身の昔のことを思い出すようになってな…」
「秋山さんの昔ですか?」
「ああ、当然のことだが俺はこの闇の魂が体に入るまではなんてことのない普通の人間だった」
秋山が闇の魂の一部を具現化させて、掌に黒い球体を作り出す。
「そんでこいつが入った時、俺の価値観は変わったと思うか?」
「変わってないんですか?」
「ああ、変わってない。自分勝手なところも変わってない」
秋山が黒い球体を潰すように消す。
「変わったとしたら体の中身だな。不老でありほぼ不死なところ。
それ以外は変わったところはないな」
「本当ですか?」
「普通の人間じゃなくなっただけで俺は人間のままだ」
「人間……」
イカロスは「人間」と言う言葉に反応する。
「ああ、人間だ」
「人間はいつかは歳をとって死にます。マスターも……」
「そうだな」
「秋山さん、どうして急にそんな話を?」
「さっきも言ったようにふと昔のことを思い出してな。
そんでもってこの世界に来る前に俺は別の世界である二人の少年と少女と会ったことをを思い出したんだ」
「二人の少年と少女?」
「ああ。その二人、人間じゃないんだ」
「人間じゃない?」
「正確には二人とも初めて生まれた時は人間だった。けど二人は初めて出会った時はもう人間じゃなかった」
「それはなぜですか?」
「少女は自ら望んで人間をやめた。そして少年はその少女と出会って初めて人間でなくなったことを知った」
「少女は自ら望んだのは分かりますが、少年はどうして人間ではなくなったのですか?」
「その世界は二つ以上の平行世界があってな。何の能力もない人間が住む世界と異形の姿を持ち、人間の魂を喰らう異世界人の世界。
少年はその異世界人の一人に魂を喰らわれ、そして世界のバランスの為にその喰らった魂の残りの滓をその少年に模して造ったんだ」
「世界のバランス?」
「その世界ではな、極端に人間界の魂とかがなくなると世界が崩壊するんだ。俺が滅モードとかでやり過ぎて世界崩壊を起こすように…」
「………」
「だが少年は絶望はしなかった。絶望しても仕方なかったからな。まあ本人しか知らないところはいくつかあるが、少女は最初、その少年をモノとしか見てなかった。
だがその少年と過ごすうちに少女は少年を一人の男として接していた。ニンフやアストレアが智樹のことをただの人から違うものとして見るのと同じようにな……」
秋山の言っていることはイカロスはなんとなくわかった。
「けど、その少年は少女や大切な人達を守るためにあえて少女の敵となった」
「どうして?」
「少年は少女と…敵対していた組織のボスと同調したんだ。結果だけを言うとボスの思い通りになった。
けどそれは世界にとって決して悪いことではなかった。それですべてが終わった後は少女と少年は結ばれ、旅立った。その時だな」
「? その時?」
「少女と少年が結ばれた時のことだ。俺は極モードに初めてなった。滅モードを超える最強のモードであり、世界に介入しても世界崩壊を起こさず、問題を起こさない究極の状態。
その状態になれば俺は本当によく言われる神レベルのことが出来る。
それこそ人間じゃないものを人間にすることだって可能だ。その二人は元々は人間だったから俺が人間に戻してやろうかと尋ねた時、二人はどう答えたと思う?」
「分かりません」
「断ったんだよ。『こうして出会えたのは今のこの状態だから』ってみたいなことを言ってな…」
秋山はそのことを思い出して、少しもの寂しそうな顔をする。
「秋山さんは戻したかったのですか?」
「ああ。人間は人間のままの方がいいって言うのが俺の考えだからな。
けどあいつらはそれを蹴った。俺は悪人以外なら個人の意思を尊重するからな。俺や世界にとっての悪人には容赦なく意思とは逆のことをするけどな」
秋山は笑顔を見せる。
「ああ、言っとくけど今の俺にはお前を人間にする力はないぞ。
今の俺はまだ真モードだからな」
「分かってます」
イカロスは先ほどの秋山のように少しもの寂しそうな顔をする。
「まあお前の望みが俺の力で叶うものかはよく分からんけどな」
秋山は立ち上がる。
「野暮な話して悪かったな」
「いえ……」
「人間ってたまには無駄な話をしたくなっちまうんだ」
「人間はたまに無駄な話……」
「言っておくけど、前置き無しで智樹達に無駄話をするなよ。また変に気にすると思うから」
「それは……」
イカロスは前に嘘をついたことを思い出して、恥ずかしがる。
「まあとりあえず俺が言えることは自分の望みは可能な限り自分で叶えるもんだってことだ。頑張れよ、じゃ」
秋山はそう言って立ち去った。
「自分の望みは自分で叶えるもの…」
その言葉がイカロスにどう影響するかは誰も分からないのであった。
秋山について分かったことその5
秋山はいまだに自身を人間だという。
秋山は人の意思を尊重する。
秋山は極モードと呼ばれる最終モードになれば世界干渉が可能になる。(ただし本人としてはあまりしようとはしない)
おまけ
作者「『秋山ってどんな奴』シリーズ最終回」
イカロス「早いですね」
作者「休みだからいいだろ。
そういえば少し前にyoutubeで公式配信されてる『鳥人戦隊ジェットマン』のある話を見たんだが…」
イカロス「?」
作者「動物園とかで智樹とイカロスとニンフのデート話でニンフが智樹とキスしようとする場面見て、たまらなくなったイカロスが思いっきり地面に自分を叩き付ける場面、あれの元ネタみたいな感じがジェットマンであったんだよな」
イカロス「………」
作者「まあ場面としてはブラックがホワイトに何度も告白してもホワイトがレッドが好きだというようなことを言ってブラックがたまらなくなってバイクで駆け出してこけるんだよな。セリフ的にも『何故だ…』みたいなことを言ってたな。おまけに最初ヘルメットしようとしたけど憤ったせいかヘルメット投げ出してノーヘル運転だもんな。しかも今週配信されてる2話分の話でもノーヘル運転、今じゃ絶対考えられない」
イカロス「撮影だったとはいえ、ノーヘルは犯罪ですよね?」
作者「まあな、いくら91年くらいでも基本的に道路交通法は変わってないはずだ。それに今では色んな意味で規制が厳しいからノーヘル撮影なんかまずさせてくれないだろうな。
余談だけど、俺が今まで書いてきた『仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双』シリーズに出てくる北郷一刀はマシンディケイダーに乗る時は現代世界(正史)だとヘルメットしてるけど、外史だとノーヘルなんだよな。道路交通法がないせいもあって。それにあいつは最初に乗った時は無免だったしな」
イカロス「危ない人ですね」
作者「まあフィクションと言うことで…。そうそう、今回秋山が出したある二人の人物についてだが、ヒントを出すと、最近アニメでも原作でも最終回を迎えたある作品なんだよな。雛祭り回のかるたでも出してるからな、気になる人は探すか、俺に聞いてみよう。
とりあえず今回はこんなものでいいかな、ほかに書きたいことあった気がするけど、まっいっか。次回はエイプリールフールネタだ。
それでは!」
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引き続き「秋山総司郎(作者の分身のオリジナルキャラ)はどんな奴」シリーズです。今回で終わりです。
しかしオリジナルのみでは伝わりにくいので、今まで書いたそらのおとしものを使っています。ご了承ください。
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