アニスサイド
「ニートの分際で!」
「何よ、そっちだって変態の癖して!」
「変態とは何ですか!私は純粋に愛しているんです、アニス君を」
「あら、どの口が。悪魔界では手癖が悪いと評判のザゼルで通ってるのに……」
「それはあらぬ誤解です!」
ギュムッ!
「うわぁ!?」
「私はアニス君を愛しています!アニス君一筋です!」
「あらあら、でもアニス君は、貴女みたいな貧乳よりも、私みたいな胸の方が好きに決まっているわ」
ギュムッ……!
「ちょっとぉ!?」
あ、どうも……ただいま修羅場の真っただ中に居るアニスです。
切実に言います、誰か助けてください……そもそも俺は誰の物でもありません。
むしろ俺の所有物俺なので、俺に許可を取ってください。
そして俺は美乳はです。
さて、みんなにはどうしてこうなったのか話さないといけないね。
まぁ……回想に入ろうじゃないか。
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「さて、イシュタルさん呼んで、後何回儀式をすればいいのか聞かなくちゃ」
昨日思っていた疑問を効くために、契約したてのイシュタルさんを呼ぼうと思います。
まぁ、あの人ニート生活してるとか言ってたし、呼び出しても大丈夫だろう。
でも、ザゼルさんは……まぁ、良いか。
「使い魔召喚、イシュタル!」
何か最近、魔力を他の所で感知するんだけどさ。
もしかしなくてもジュエルシードの反応?
たぶんそれしかないよね。
そう思いながら、俺はイシュタルを召喚する。
ザゼルさんの時とは違い、少し小さめの魔方陣が展開された。
そして、発行が収まると、視界が開けてくる。
俺はそこで、見てはいけない物を見た気がした……。
「おっ、よっしゃ。紅玉ktkr……あっ」
「………すみません、取り込み中でしたか……」
イシュタルは何故かソファーに座りながらモンハンをやっていた……。
えっと……マジでニート生活してたんだこの人……。
「……あ、どうぞお続けください……」
「その優しさが妙に痛いから止めて!?」
「いえいえ、妙なではありませんので気にしないでください。ただ、これが元女神か、落ちた物だと思っているだけなので気にしないでください」
「二回も気にしないでって言われた……orz」
それは貴女のせいなので、特に言葉も掛けないぞコノヤロー。
つか、何で神はこんな人を女神にしたんだろうか。
仕事はしないし、他の世界に遊びに行くし、堕天するし、いつの間にか悪魔になってるし。
……あぁ、顔か、なるほどなるほど。ホント、神は節操無しですね……ド変態。
「うぅ~……小さい子に虐められた~……」
「あの……マジ泣きしないでくれます?ニートさん」
「ニートって言わないで!せめて自宅警備員って言ってくれないかしら!」
「……契約破棄しちゃいましょう……」
「いやぁ止めて!?やっと手に職付いたのに、一日で解雇ってあんまりよぉぉぉぉ!!」
………何なんだこの悪魔……もとい元女神さんは。
あぁ、もう虫を見るような目で見た方が良いのかもしれませんねこれは。
だってちょうど良いでしょ?
「はぁ、分かりました。こちらがいきなり呼んだのが悪かったのですから、別に契約は気なんてしませんので安心してさい」
「ホント!?やったぁ!それで、何で私を呼んだのかしら?星を一つ壊してほしいって願いなら今すぐにでも!」
「いやっ、やらなくて良いから……。それより聞きたいことがあったんだ」
「?聞きたい事?何です?」
「実は、儀式って後何回で終わるのかな~って思って……イシュタルさんに聞こうかなって思いまして」
「あぁ、その事……。そうねぇ、悪魔の加護を取り払う為の儀式だしぃ~。ん~……多くて後七回、少なくて五回かな」
まだそんなにあるのか……。
そして、最低でも後五人の悪魔が使い魔に……多いなおい……。
「用はそれだけかしら?」
「あ、はい……すいません……お忙しい中お呼びしてしまいまして……」
「それは私に対する挑発と取っても良いのかしら?アニス君……」
あ、ヤバッ……調子に乗り過ぎちゃった……。
「良いでしょう……そまで言うなら……私にも考えがあります」
「な、何でしょう……」
「……貴方を襲います……勿論、辱めると言う意味でですけど……」
えっ……ちょっ…それはいわゆる逆レイプと言うものでは……。
もしくは……いえ、なんでもありません。
「私、昨日から思ってたんです。「この子は良い声で鳴いてくれそう……」って」
うわぁ、この人ドSさんだぁ!?
しかも、九歳の子に何言ってんだこの人!?
「……冗談ですよね?」
「……私が冗談を言うとでも?」
「……あうあう、今から俺、襲われちゃうのですか?みぃ、痛いのは嫌々なのです……」
「……誘いの言葉としか聞こえないのですが?」
なにぃ!?
俺の渾身の梨花の真似で切り抜けよう作戦が通じないだと!?
くそ、ここは黒梨花で行くべきだったか!?
「おトイレは済ませましたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ命乞いする心の準備はオーケー?」
いや、殺しちゃ駄目でしょ!?
仮にも俺、貴女のマスターなんですから!?
「それじゃあ……行きますよ♪」
「ちょっ!?ヤバいッ!?使い魔召喚!ザゼル!」
俺はもうなりふり構っては居られなかった。
仕方がないのでザゼルさんを召喚する事にした。
「ハァーイ!アニス君のアイドル、ザゼルさんですよー!って……あれ?」
……ザゼルさん、痛いですってその台詞。
余りに痛すぎて、イシュタル固まりましたよ?
「……久しぶりね、イシュタル」
「……えぇ、そうね。ザゼル……まさか、貴女もこの子の使い魔になっているとは……」
「貴女の方こそ、私と同じ人と契約していたとは……いやはや、気づきませんでしたよ。それで、何をしようとしてるのですか?私の物に手を出そうとは……流石、堕天した女神は違いますね。ニートさん?」
「はっ、変態が良く吠えるわね。そんなに今の主が大事?あはは、笑っちゃうわ。性癖がおかしい貴女には言われたくないわね、変態さん?」
そう言いあい、二人は睨み合う。
えっと……これって修羅場?修羅場だよね?
そして、冒頭に戻ります。
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「ちょっ!?いたたたたた!?痛いよ二人とも!?二人の力を考えて!俺死んじゃうから!」
「あ、すいませんアニス君……」
そう言って、ザゼルさんは離してくれたのだが。
「どうやら、私の勝ちの様ですね」
何故かイシュタルだけは離してくれなかった。
あぁ、胸の感触が嫌に腕に着く……はぁ、助けてほしい。
「何が貴女の勝ちなんですか!?どう見たって、引いた私に勝ちでしょう!」
「はん、それは言い訳に過ぎないでしょ?それに、先に引いた方が勝ちなんていつ言ったかしら?」
「ずっと腕を組んでいた方の勝ちとも言っていないじゃないですか!」
「あらあら、そんな信憑性ない事を言うのかしら貴女は。それだから変態なのよ、貴女は」
「えぇい!さっきから変態変態って!私を一体何だと思っているんですか!」
「変態」
「ムキーーーー!」
ザゼルさんは足をドンドンしながら怒りのボルテージを上げる。
あぁ、そんなにどんどんしたら、あのお方が……。
ガチャッ!
「さっきからうるせぇんだよ!!いい加減にしないと消すぞ!!」
ドゴッドゴッ!!
「「っ……たぁい!?」」
ほら、来ちゃった……アンクが……。
しかもかなり虫の居所が悪いみたいだ。
「な、何するんですか……アンクさん……」
「そうよ~、何するのよ~」
「……良いか……てめぇらのせいで俺がどんだけイライラしてるか分かってんのか!今すぐにでもここで捻り潰して晒すぞ!と言うかアニス!もうこいつらと契約は破棄しろ!」
「「なっ!」」
「……その方が……良さげだね……」
「「すみませんでしたぁ!!」」
「うわぁっ!はやっ!?」
土下座の最高位、ジャンピング土下座を綺麗に決める悪魔が二人、完成しました。
すげぇ、アンクと契約破棄と言う魔法の言葉……使えるなこれ。
「ふん、お前らはもう帰れ。良い迷惑だ」
「「……はい……」」
二人はショボンとしながら元の世界に帰って行った。
……えっと、もしかして今回はこれがオチ?
……終われ……。
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男の娘……第三の性別……興味深い……