No.394724

IS~インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ― 五話

黒猫さん

五話

2012-03-19 23:41:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3789   閲覧ユーザー数:3589

箒Side-

 

「織斑先生さっきの試合の途中で士のISの装備だけではなく姿が変わったように見えたんですが……」

 

姿だけではなくその色、武器まで変わる

 

普通ISがあんなに変わるようにはなってない

 

しかし士のISは飛行能力はなく、カードをあのベルトに入れるだけで姿も装備さえも変えることができる

 

「あれがあいつのISの特徴らしい。何種類あるかまだわからんがあのカードを使い、姿や装備を変えあらゆる敵に対応する……本当に束が作ったのか?まったくいつもいつも馬鹿げたモノを作ってくれる」

 

千冬の言葉に同意する

 

まったくあの姉さんは、ほんっとうに厄介なことをしてくれる

 

士side-

 

とりあえず変身を解除し、俯いて相当ショックを受けているだろうオルコットの元へ歩み寄る

 

「わ、私が男なんかに…」

 

男の俺に一方的に負けたのがそうとう堪えた感じかな?

 

しかもあいつはイギリスの代表候補生

 

母国の誇りみたいなのも背負ってる感じだろうし……

 

 

何か言ってやらないと自殺するんじゃね?

 

見てて気分も悪いし……

 

しゃあないなー

 

「なぁ、オルコット」

 

「な、なんですの?ど、どうせ馬鹿にするおつもりなんでしょ」

 

うわ〜お……よっぽど辛かったんだろうな……

泣きそうじゃねえか

 

え?俺が悪いの?

 

 

なんか言う事は……

 

「いや、別に馬鹿にするつもりはないよ」

 

「同情なら結構ですわ」

 

オルコットの目の前まで行きしゃがみこみ目線を合わせる

 

「別に同情とかじゃないけどまあ聞きなしゃーい」

 

「ふざけてますの?」

 

そんなに睨むなや

ちょっとは和むかと思ったのによ……

 

「ごほん……とりあえず男だからってそんなに見下す事はないだろ?お前が男を嫌ってる理由があるのかも知れんけどさ……ちょっとさ、ちょっとでいいから考えを改めてくれよ―――」

 

そこで一旦言葉を切り、オルコットの頭に手を載せゆっくり撫でてやる

 

「―――最悪、俺は見下されないような男になるからさ

お前の理想まではいけなくてもいい感じの男にはなってやるよ……

だから……な?」

 

「……っ!///」

 

オルコットを見ると顔が赤い……あれ?また怒らせた?  

 

とりあえず撫でるのやめて

 

「いや……ごめんね?こういうときはやっぱり頭撫でるのが鉄則かなーとかなんとか思ってしまって……」

 

「だ、大丈夫ですわ」

 

怒ってないかな?

 

なら、いいか

 

 

 

 

 

 

 

控室に戻ると箒、千冬姉(織斑先生)、山田先生がいた。

 

「やったな」

 

箒からはお褒めのお言葉

 

「まあ、勝つって言ったしな」

 

「……そ、その……かっ……格好よか……かっこよかったぞ……」

 

ん?なになに?声小さすぎて聞こえないぞ?

 

顔、真っ赤だし……どしたの?

 

「まったく時間をかけすぎだ馬鹿者が」

 

織斑先生からは辛口なコメントなことで

 

 

「でも本当にお疲れ様です。私でも勝てないかもですねー」

 

山田先生 貴方はなんていい人なんだ

 

さすがおっとり?系だぜ

 

「「むっ!」」

 

ははは……痛いよ……箒さん、織斑さん

足踏みつけながらぐりぐりするのは本当に痛いよ

 

「神谷君!だ、大丈夫ですか!?」

 

少し動くだけで揺れる二つの山

 

ちょっとちょっと!!

 

「「ふん!」」

 

お二人からは止めのボディスロー

 

……死ぬっちゅうねん

 

セシリアSide-

 シャワーを浴びながら、セシリアは物思いに耽っていた。

 

「神谷 士……」

 

あの男子のことを思い出す。

 

今まで出会ったどの男性とも違う、誰かに媚びることも無く、何かの強い意志が篭っていると言えるあの強い眼差し。そしてなにより士に頭を撫でられた時のあの温かく、優しい気分

それは、不意にセシリアの父親を逆連想させた。

 

「父とは違う、強い男性……」

 

 自分の父親のことを思い出す。彼女の父親は名家に婿入りした父。

 母には多くの引け目や柵があったのだろう、いつも他者の顔色を伺っていた人で、そんな父を母も鬱陶しく感じていたらしい。

 

 ISが発表されて女尊男卑の今の社会になってから、父の態度は今まで以上にひどくなった。

 情けなく、威厳というものもプライドさえもなくなる父の姿を見て、自分は絶対にこんな男とは結婚しない、と幼いながらも誓ったのも懐かしく感じるほどの昔だ。

 

 そう昔。両親はもういない、3年前の鉄道事故で二人揃って他界したからだ。

 どうしてその日に限って一緒にいたのか今はもう分からないしかし、莫大な両親の遺産を狙ってやってくる金の亡者から、遺産を守る為に必死で勉強をしながらその一環で受けたIS適正試験、そこで出た判定はA+という高い適正で、国から提示された条件も遺産を守ることにも好条件だったので即断し努力した。

 

 そして日本に自分の専用機である【ブルー・ティアーズ】の稼動データを得る為に来日した日本で出会えた……出会ってしまった

 

「私の理想の男性……神谷 士……」

 

 


 
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